作品一覧 2023/09/15更新 アントニオ猪木とは何だったのか 試し読み フォロー 〈景観〉を再考する 試し読み フォロー 経済学の名著30 試し読み フォロー ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い 試し読み フォロー 「消費不況」の謎を解く 試し読み フォロー 政治の終焉 試し読み フォロー 大災害時代 試し読み フォロー 日本経済論 「国際競争力」という幻想 試し読み フォロー 無電柱革命 街の景観が一新し、安全性が高まる 試し読み フォロー 1~9件目 / 9件<<<1・・・・・・・・・>>> 松原隆一郎の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 〈景観〉を再考する 松原隆一郎 / 荒山正彦 / 佐藤健二 / 他 内容(「BOOK」データベースより) 乱立する高層建築、街中に張り巡らされた電線、均質な郊外風景。戦後の日本で、経済政策優先の都市開発が生み出した無味乾燥な“景観”を私たちはどのようなものとして受容してきたのか。マンション景観訴訟や景観法、景観行政などの従来の政策や議論が見落としがちな景観の社会的な...続きを読む意味や歴史的な形成過程について考察して、景観を語る言説に刻まれている歴史性や政治性を具体的に浮き彫りにする。生活者の主体性を排した都市計画や、理念への羨望と現実での絶望との間で循環する議論を回避して、近代日本で“景観”がどのように形成され変容し、そしてその過程でそれをどのように内面化してきたのかを探ることで、新たな景観論を展開する論考集。 Posted by ブクログ 経済学の名著30 松原隆一郎 昨今の経済状況を観て、経済学は冷たいものなのだろうか。そんな疑問を持ち手にとった一冊。しかし読み終えたあと希望を持てた。古典を深く読むならばその根底には温かい哲学が流れている、そう思えた。 はじめにの章で「資本主義」と「市場経済」の対比が便利であるとの提案になるほどと思った。「資本主義」という見...続きを読む方では貨幣や資産が中心となり実際の商品や財は背後に退いていく、とのこと。いままさにピケティが注目を集めているがその考えに共通の理念を感じる。 そもそも何のための経済か。なぜ経済学から哲学がパージされたのか。今こそ古典に流れる哲学の復権を望む。私も本書をガイドに古典を読み進めたい。 Posted by ブクログ ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い 松原隆一郎 相当ハイレベルな内容を圧縮して詰め込んだ本。 ケインズ、ハイエクそれぞれに、経済学だけでなく、哲学、歴史など多様な要素が含まれている。その分楽しめるとも言えるが、自分の知識をいかようにも試され、降参してしまう。 それにくらべて、年金制度の行き詰まり、トップダウン故につまづいている貨幣経済など、今...続きを読む日の日本経済が実に情けなくなってくる。 「ハイエクならば、貿易自由化という以上は同時に貨幣発行の民営化まで踏み込まなければならないと主張するのではないか。農業は製造業とは別の民間通貨を使うのである。」との意見は、官から民にお金の流れを変える事の大切さを考えさせられる。 Posted by ブクログ ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い 松原隆一郎 要約を好む人は多い。「一言で言うと?」というのは慣用句。しかし事実は複雑で、くだくだとしたプロセスを追わなければ概略すら理解してとは言えない(せいぜい、知ったような気になるだけで、正しくもなければ利用も出来ない)。 本書ではケインズとハイエクの数十年にわたる思考の過程を追っていく。難しいが彼らの理解...続きを読むに一歩近づけたような気になる。 Posted by ブクログ 日本経済論 「国際競争力」という幻想 松原隆一郎 小泉政権下での構造改革や規制緩和、低金利政策による円安誘導など一連の政策を、輸出企業の国際競争力強化を図る「重商主義」と定義し、輸出企業が稼いできた利益が国民に分配されなかったことや内需が絶対的に弱ってしまったことで実質的には行き詰ったもの、と断じている。 一方で、民主党政権による政策については、結...続きを読む局農家の戸別保障制度や家族手当などのばらまきに終始してしまったために、持続的な成長戦略を全く欠いてしまっているとしている。 その上で、著者としては内需の成長こそが日本経済に必要であると論じ、具体策として、国民にとって本当に必要な公共事業を行うこと、たとえば保育園の整備だったり、人と自然が調和をして国民にとって憩いともなれるような土木事業だったり、文化性をはぐぐむ公共施設の整備などをあげている。ハコモノ、既得権益と癒着渦巻く旧来型の公共事業ではなく、本当に国民にとって必要な「公共」事業によって内需の成長を見直すべきとしている。 また、慢性的なデフレ状態は、世代間の不均衡、いわゆる福祉の世代間格差こそが根本的な原因であることを見抜いている。民主党政権のようなばらまきを行っても、将来不安がある限り国民が消費行動に向かうことは無いとして、不安の解消こそが優先して行うべき政策だと論じている。 非常に論理が明確で言っていることが腑に落ちる内容です。 とくに世代間格差の問題や将来不安について、ここまで一般の国民心理を理解されている人がいるのに、なぜ政治の世界には届かないのだろうと改めて不思議に思う感覚でした。 主張についての賛否はともかく、経済と政治の分野において、現代の日本立ち位置を理解するのに非常に役立つ一冊。お勧めです。 Posted by ブクログ 松原隆一郎のレビューをもっと見る