111108さんの「偶然の審判」への言及に触発されて。
『第二の銃声』は読んだことある気がするけど、こちらは初読。
小説家、兼素人探偵ロジャー・シェリンガムが立ち上げた犯罪研究会の面々が迷宮入り寸前の事件を題材に探偵演習。
ロンドンの”レインボークラブ”の会員であるベンディックス氏の妻が、元々は別
...続きを読むのクラブ会員ペンファーザー卿へ送られてきた毒入りチョコレートを食べ死亡した事件の真相を推理する。
一週間の間、銘々が調査し推理した結果を一夜一人ずつ全員の前で披露していくという極めて限定的空間で繰り広げられる思考実験の応酬。
ああ、これが多重解決の”型”なんだなぁと。
ところどころにまどろっこしい理屈のこね合いはあるにはあるが、各人の見せる解決のパターンの多様さや最後に用意されたオチなんかは、最初に聞かされた比較的シンプルな事件のあらましから良くここまで万華鏡的展開を作り出したなぁと感心。
「偶然の審判」でさらに別解があることにも興味深し。