■中国側から見れば米中新冷戦は7つの段階で進んでいく。
①貿易、⓶技術、③人権、④金融、⑤疫病、⑥外交、⑦軍事
■建国の父毛沢東主席を崇拝してやまない習近平主席が説くのは毛主席が日中戦争のさなかの1938年に唱えた「持久戦論」。アジア最強を誇った日本軍に勝つには戦略防衛・反抗準備・戦略犯行という3段
...続きを読む階で長期戦に持ち込んで迎え撃つしかないというのが毛主席の考えであった。
■中国には「時間は中国に味方する」という発想がある。
■20世紀後半を通じて行われた東西冷戦は社会主義陣営を率いたソ連が崩壊して幕を閉じた。同様に21世紀の米中新冷戦も社会主義の中国が敗北して終わるに違いないとの観測が日本では主流に見受けられるが果たして本当にそうだろうか。
①現在の中国式の社会主義は1949年に中華人民共和国という社会主義国が誕生して始まった制度ではあるが実際には2000年以上にわたって中国で連綿と続いてきた皇帝制度の延長である。中国伝統の肯定制度を換骨奪還させただけであり「習近平皇帝」が14億の民を統治するシステムであり一朝一夕に崩壊するものであはない。
⓶全盛期のソ連の社会主義と比べて中国式の社会主義は時代に恵まれている。
(以下、5つの順風)
・東西冷戦終結直後の1992年に鄧小平が「社会主義市場経済」という経済の分野だけを市場化させるユニークなシステムを採用したこと。国民が中国共産党の政治体制に抵抗しない見返りに金持ちになる自由を与えた
・2001年にWTO(世界貿易機関)に加盟しグローバリズムの波に乗って貿易を伸ばしたこと
・2008年の世界的金融危機(リーマンショック)の際5か年計画を実行する長期安定政権の強みを見せつけ世界経済復活のけん引役を果たした
・2010年代半ばの習近平政権下で中国はAI時代に突入したがAIと社会主義との親和性が抜群である
・2020年に世界中を襲った新型コロナウイルス感染症で中国は社会主義の強みである「スピードと強制力」でウイルスを抑え込んだ。OECDが発表した世界の経済見通しによれば「コロナ世界恐慌」ともいえる状況下で「中国の独り勝ち」
③アメリカの資本主義もまた岐路に立たされている。
■中国ではコロナ化の影響で国内に「爆買い」が起こりアリババが実施したダブルイレブンの消費者デーでは4982億元(約7.9兆円)の売り上げがあった。これは楽天の2年分の流通総額よりも多い額。
■習政権の軍事増強は尋常でないレベルであり軍事予算でアメリカの3分の1。日本の4倍規模。
■習指導部の「2027年の建軍100周年奮闘目標」が何を意味しているか分からないが、もしかしたら2027年までに台湾統一を果たすということではないか。
■「土俵を変える」という手法は中国の常套手段。
・自動車産業ではいつまでたってもガソリン車で日米欧に追いつけないため「環境対策として2035年以降、中国っ国内のガソリン車(ハイブリッド車を除く)の生産を禁止する」と発表した。中国が得意とする電気自動車を世界の自動車産業の主流に変えようという狙い
・国際金融の分野でもいつまでたってもWB(世界銀行)やADB(アジア開発銀行)の牙城を崩せないため2016年初めにAIIB(アジアインフラ投資銀行)を創設した
■毛沢東主席の「持久戦論」は中国共産党幹部たちの必読書になっている。
■中国には「庚子の大禍」(かのえねのたいか)
・1840年のアヘン戦争が起こり「屈辱の100年」(半植民地化)が始まる
・1900年の義和団の乱がもとで新王朝が崩壊
・1960年は大飢饉が起こり前後の3年で最大5000万人が餓死
・2020年はコロナと洪水
■中国製ワクチンの多くが「不活性化ワクチン」。欧米の主流は「mRNAワクチン」でウイルスが突然変異した場合ワクチンを対応させていくスピードに差が出る。
・欧米のワクチンは先進国向けで中国のワクチンは発展途上国向け
■2007年には年間売上高3兆円突破を誇らしく発表したのがシャープの頂点で、それから先の9年間は見るも無残な転落の歴史であった。わずか10年もたたずして倒産の危機に陥った理由はシャープが深刻な「日本病」に罹ったから。
・20世紀の日本人には独創的な人たちが数多いて世界を驚愕させる発明を次々とやりのけたが、創業者たちが次々と鬼籍に入り日本の製造業の経営者は有名大学を出たエリート社員たちに代わっていった。エリート社員たちにとっては新製品の発明よりも自分の出世の方が大事である。順調に出世の階段を上がっていくのに発明はむしろ邪魔になる。なぜなら発明には失敗がつきものだから。そのリスクを最小限にするには何もしないこと。要はエリート社員たちがリスクと責任を回避し液晶以外の分野を放棄してしまった
・「日本病」にかかった企業の場合社長にのし上がる人物も最も高い業績を挙げた社員ではなく最もマイナス点が少なかった社員である。なぜなら社内出世のメカニズムが加点方式ではなく減点方式だから。そのための経営方針も自ずとリスク回避が第一となり攻めの経営ではなく守りの経営となる
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