ユーザーレビュー つながり過ぎた世界の先に マルクス・ガブリエル / 大野和基 / 髙田亜樹 先だって読んだ本「人生百年の教養」に著者の亀山郁夫先生がこの本から「幸せになれるゾーン」が人間にはあると引用していたのでマルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んでみた。 最終章に「人には幸せになれるゾーンがある。ゾーンは人によって違う。このゾーンをみつけられたら、それは自分の運命。...続きを読むそしてその運命が幸せをもたらす。」と書いてありました。 パンデミックはじめの頃書かれた本ですが、トランプ大統領の政策 コロナ対策、外交、経済など間違ってなかったと論じてます。コロナがなければ選挙に勝っていたろうと言ってます。マスコミが彼を悪役にしたてたと。ガブリエルはメルケル首相は世界最高の指導者だとも礼賛して、倫理資本主義が広まることを行動している哲学者です。 Posted by ブクログ つながり過ぎた世界の先に マルクス・ガブリエル / 大野和基 / 髙田亜樹 マルクス・ガブリエルは注目している知識人の1人なので、本書も手に取りましたが、とても満足しています。この手のインタビュー本ですと、内容がかなり薄くがっかりすることも多々あるのですが、さすが哲学者ガブリエルです、インタビュー用にわかりやすい言葉を使いつつ、かなり深いことも多数盛り込んでいました。ガブリ...続きを読むエルは本書の中で「倫理資本主義」こそ我々が今後目指すべき道だと主張します。そしてこれは名称にもあるように資本主義と両立する、つまり今の資本主義の方向を修正すれば可能だというわけです。 倫理資本主義に向かうかどうかのカギを握っているのは「危機」です。実はガブリエルは、危機が生み出す全く異なる2つの推進力について本書で語っています。1つ目は、危機が人々を倫理的、道徳的にする力。しかし同時に、危機が恐怖を生み出すとしたら、それは非倫理的な行動を引き起こすわけです。ガブリエルは非倫理的な行動の背後には恐怖があると述べていますが、確かにパニックになると他人のことはどうでもよくなる、自分の生存だけに頭が向かうわけです。つまり「危機」は諸刃の剣であって、これをチャンスによりよい「倫理資本主義」に向かうこともできるし、ホッブズなどがいう「自然状態」になってしまう恐れもあるということでしょうか。まさに不安定な社会になっているわけです。 本書は「つながり」をキーワードにしていますが、著者が最後に神聖性についての見解を述べているのは秀逸だと思いました。つまり究極の「つながり」とは、言葉では表せない宇宙(全体)とつながっているというような感覚であって、人々はそれを得たときに神聖性を感じる、という主張です。仏教的な世界観もまさにそれを述べているわけです。そして芸術がそれを促進する、という主張もまさにその通りだと思います。個人的な話ですが、私はクラシック音楽のなかでもバッハとシューマンの楽曲を聞くと心が震えます。なぜかというと、彼らの楽曲を聴いていると、何か宇宙の真理がかなでる音、大乗仏教的にいうなら、大日如来がかなでている音楽はこういうものではないか、と感じるからです。ミヒャエル・エンデの小説「モモ」のなかに、主人公のモモが「時間のみなもと」を訪れるシーンがありますが、そこでは数えきれない種類の音がたえまなく新しいハーモニーを作り出している、という記述があります。そこではまさに、「私」を意識する人間という生命体が、宇宙(全体)とのつながりを実感しているのだと思います。 Posted by ブクログ つながり過ぎた世界の先に マルクス・ガブリエル / 大野和基 / 髙田亜樹 星が足りない。本物の天才が哲学で社会を語る。思弁性とプラグマティズムのアウフヘーベンはこうすれば良いのか。著者のウィルバー理解を聞いてみたい。 Posted by ブクログ つながり過ぎた世界の先に マルクス・ガブリエル / 大野和基 / 髙田亜樹 落ちぶれたマスメディアからは発信されないであろう事柄、倫理観に基づく洞察、偏りすぎていない確固たる主張。 総じて勉強になることが多かった。 トランプ支持者ではないものの、昨今のトランプ批判には疑問を抱いていた。しかしこの本の中でトランプの功績について触れられており、そこが特に、この本を評価した点。 Posted by ブクログ つながり過ぎた世界の先に マルクス・ガブリエル / 大野和基 / 髙田亜樹 生意気ですが、今まで私が考えていた事と同期する所多く、漠然とイメージしていた事を論理的に整理頂き感謝感激です。 また、倫理観については、体の奥底に潜んでいた、忘れていた観念、哲学を今に甦らせてくれたと思います。 今後マルクスサンを追っかけて行きます。 Posted by ブクログ 髙田亜樹のレビューをもっと見る