データにもとづいて、日本人と英語に関する夢のない事実を明らかにしている。
・高度の英語能力を持った日本人はごく一部しかいない。
・英語教育を受けられるか否かは、出身階層によって大きく左右される。
・日本人は、全体として、世界的に見て英語力が低いのは事実だが、最低とか、突出して低いということはない。し
...続きを読むかし、他国では、高階層の人は英語ができ、低階層の人は英語ができないという格差が大きいが、日本人は、低階層の人でもそれなりに英語がわかるのに、高階層の人でもそれほど英語ができないという格差の乏しさが、日本人の英語ベタを目立たせる結果となっている。
・現実に、英語を使っている日本人はごくわずか。
・英語学習熱のある人もごくわずか。
・英語を使用する必要にかられている人もごくわずか。この本の使っているデータの時点(2000年から2010年)でみると、グローバル化によって英語の必要性が高まっているという事実は見られない。
・英語ができると所得が高くなるという傾向も、あまり見られない。
・相対的に見て、女性が仕事で英語を使う機会は男性より少ない。
・早期英語教育熱は、公教育向上に対する期待、英語の有用性の認知などに支えられている。
・早期英語教育を受けた人は、そうでない人よりも英語ができるようになる確率が高い。しかし、小学校での早期英語教育の効果の有無は、未検証。