以前からなぜ韓国にクリスチャンが多いのか、それも近代以降になぜ急激に増えたのか不思議に思っていたが、これを読んで腑に落ちた。
やはり近代以降の大きな戦争(第一次、第二次世界大戦、朝鮮戦争)が大きな影響を及ぼしているようだ。生死を分けるような極限状態の中で人々は信仰に拠り所を求めるしかなかったのだろ
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また抗日運動家の多くがクリスチャンであったこと、その中から多くの政治家が排出され、大統領の多くがクリスチャンであったことからキリスト教が政府の庇護も受けていたことも大きい。
神学的特徴として現世利益が挙げられるようだが、この事自体は私は必ずしも悪いことだとは思わない。生きた信仰に繋がっているからだ。ただし、そのことも原因の一つとなり、牧師の権威化、拝金主義化、一部のカルト化に繋がっていることは危惧されるべきことだ。
この本は日本人と韓国人の2人の歴史学者による共著であり、客観的な事実と視点に基づいて書かれていて説得力がある。