ユーザーレビュー 読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか ステファニー・スタール / 伊達尚美 産後の子育ての様子にゾッとしつつも、少しずつ自分を取り戻していく様がよかった。フェミニズムとは、自分が自分らしくあるためのものであるのだ。 Posted by ブクログ 読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか ステファニー・スタール / 伊達尚美 女性としてこれからの人生をどう生きようか、と考えた時にこの本と出会いました。 これまでフェミニズムについて学んだことはありませんでしたが、文学を通して、フェミニズムの歴史を一通り学ぶことができました。 フェミニズム=男女同権主義 社会によって形作られた女性像に憤りを感じたり、何十年も前の作品が書かれ...続きを読むた当時と現在の状況が変化していないことに嘆いたり。 本書で紹介されている文学を読み、自分のフィルターを通してみることで理解を深めたいと思います。 Posted by ブクログ 読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか ステファニー・スタール / 伊達尚美 共働きの両親(育児を早々に切り上げて仕事一筋だった母と、ジェンダー差別に敏感な父親という特異な両親)のもとで育った筆者。大学時代に自分のジェンダーと改めて向き合い、フェミニストを自称する筆者だが、結婚出産子育てを経て疎外感、孤独、違和感を味わうに至り、大学時代に受けたフェミニズム名著の授業を履修し直...続きを読むし、読み直すという物語。語弊を承知で簡潔に要約すれば、「フェミニストがフェミニストとして結婚出産できるのか」「フェミニズムと結婚出産は両立するのか」探った本。 一見、ただの学術書の紹介かと思って少し腰が引けるのだが、名著を読み解くのと並行して、筆者の母親/妻としての経験が丁寧に、時に包み隠さず語られていて、共感することしきり。 男女は差異なく社会に進出できるものと信じて疑わなかった若かりし自分。しかし、前世紀のフェミニスト達が生き様で示した新しい女性のあり方(例えば敢えて結婚しない、第三者との恋愛関係をオープンにしておく等々)を踏襲できるような人はたぶん一握りで、大半が結婚出産という王道をたどり、子育てと仕事を両立させようとするけれどどうしても子育ての比重は女性である自分にのしかかり、かたや男性は仕事や生活そのものが従前のまま継続することが可能で、子育てや家事もするのだけど、男性が担わない「その他」は全て女性に降りかかってくるという構図。自分が描いていた人生とのギャップに苦しみ怒りが込み上げる。 特に筆者夫妻は2人とも在宅勤務なのだが、安定した収入を確保できるIT系の夫に対し、ライターの筆者は稼ぎが少ない上に競争の激しい部門で子育てしながらしのぎを削って消耗。その空回りする様子は、おりしも自粛期間中に仕事をしながら休校期間中の子供の勉強を見て昼ご飯を作っていた怒れる自分(と浮いた通勤時間をジョギングと筋トレに使っていた夫)に重なり、コロナ禍で疲弊した女性陣に共感する人が多いのではないかと思う。 同時に、だからといって子供を産み育てるという選択肢を手放せたかというと、それはまた別次元の話。フェミニズムを語る現役大学生たちの教室の中に、筆者は「愛という名の白いゾウ」がいるという、その部分に深々と頷いてしまった。 フェミニズムの本を読み返したところで結論は出ないのだけれど、失われてしまったと思い込んでいた「あの頃の私」と今の自分が繋がっていると感じられた最後の場面が素敵だった。今の自分を20歳の自分が見たら嘆いているだろうか。選択しなかった方の人生を歩んでいたら、満足度は違っていたのだろうか。そんなことを改めて考え、私も自分の中のあの頃の自分ともう一度対話してみたいと思った。 Posted by ブクログ 読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか ステファニー・スタール / 伊達尚美 大学でフェミニズムを学び、フェミニストを自認する著者が、夫と子供と過ごす日常の中で学生時代に想定していたのとは違うフェミニストらしからぬ生活に埋もれていく様子がリアルで気持ちが沈む。 タイトルは「女たち」だが本の内容は著者のそういった日常や回想の描写が多くを占める。 学生時代には理想に燃え、過去のフ...続きを読むェミニストたちの考え方に反発を覚えることもあった著者が、仕事・育児・夫婦関係といった現代社会に地に足を付けて暮らしている女性が抱える問題を経験して、歴代のフェミニストが語ってきたテーマへの共感を深める。 授業での議論パートは少ないが、世代や生育環境の違いによる意見がぶつかる様子がおもしろい。 Posted by ブクログ 読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか ステファニー・スタール / 伊達尚美 「フェミニズムはもう古い」と思っていたのに就職、結婚、出産、育児……と年齢とライフイベントを重ねるうちに「女性であること」が重くのしかかる……筆者が聴講生としてもう一度フェミニズムを学び、社会と家庭と自分の現状を冷静に捉え直す過程がエッセイのようで読みやすい。 Posted by ブクログ 伊達尚美のレビューをもっと見る