EUがGDPRの導入によってGAFAなどのインターネットプラットフォーム企業への対抗を目指す動機や、その実現に向けた道筋(著者の期待含む)を描いている。
著者はGDPR立法に向けた動向を知ってからベルリンに在住しているため、立法の立役者であるSPD(ドイツ社会民主党)の果たした役割や東ドイツ時代の
...続きを読むシュタージュによる市民監視を踏まえた市民のデータ監視への拒否感といった歴史的背景、またEU議会などが進めている各種取組の説明が詳しく、理解が深まりやすい。
読者として興味がわいたのは、鉄道や電力がそうであったように、インターネットプラットフォーム企業による特定分野ビジネスの自然独占が公共化されたり、競争法によって規制をかけられることがあるのか、またはそういった政策の検討状況について。
本書の留意点として、文章表現が独特で、著者の分析なのか、著者の期待なのか解りづらい箇所がある。