作品一覧 2024/02/22更新 会いに行って 静流藤娘紀行 試し読み フォロー 愛別外猫雑記 試し読み フォロー 居場所もなかった 試し読み フォロー ウラミズモ奴隷選挙 試し読み フォロー 解禁随筆集 試し読み フォロー 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 試し読み フォロー 海底八幡宮 試し読み フォロー 片付けない作家と西の天狗 試し読み フォロー 硝子生命論 試し読み フォロー 金毘羅 試し読み フォロー 極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集 試し読み フォロー さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神 試し読み フォロー 小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神 試し読み フォロー 笙野頼子三冠小説集 試し読み フォロー 笙野頼子発禁小説集 試し読み フォロー 水晶内制度 試し読み フォロー 説教師カニバットと百人の危ない美女 試し読み フォロー 絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男 試し読み フォロー 増殖商店街 【復☆電書】 試し読み フォロー タイムスリップ・コンビナート 試し読み フォロー だいにっほん、おんたこめいわく史 試し読み フォロー だいにっほん、ろりりべしんでけ録 試し読み フォロー だいにっほん、ろんちくおげれつ記 試し読み フォロー てんたまおや知らズどっぺるげんげる 試し読み フォロー 時ノアゲアシ取リ―笙野頼子窯変小説集 試し読み フォロー ドン・キホーテの「論争」 試し読み フォロー なにもしてない 試し読み フォロー 猫道 単身転々小説集 試し読み フォロー 母の発達 試し読み フォロー 人の道御三神といろはにブロガーズ 試し読み フォロー ひょうすべの国 植民人喰い条約 試し読み フォロー 未闘病記 膠原病,「混合性結合組織病」の 試し読み フォロー 未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の 試し読み フォロー 幽界森娘異聞 試し読み フォロー レストレス・ドリーム 試し読み フォロー 1~35件目 / 35件<<<1・・・・・・・・・>>> 笙野頼子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 未闘病記 膠原病,「混合性結合組織病」の 笙野頼子 笙野頼子さんの本はこれが初読み。なので、今まで読まずに持っていたイメージが全然違った。 口語文で書かれているが、かなりぐだけた語りになっている。 そしてとても痛かったり辛そうなのに、そんな自分の身体を『日常』として受けいてれいるのが凄いなと感じた。 しかもそれを一人で暮らしているのに、そのことに対す...続きを読むる不安が全く感じられなくて、一人暮らしに慣れているからと言っちゃえばそれまでなんだけど、一人の責任と強さも合わせて感じた一冊だった。 Posted by ブクログ 海獣・呼ぶ植物・夢の死体 初期幻視小説集 笙野頼子 メモ ・私小説とフィクションの接続 ・苦しみ、衰弱、厭世的視線の解像度の高さ ・時間の流れで変遷していく苦しみに、少し救われる気がする Posted by ブクログ レストレス・ドリーム 笙野頼子 もう、ほんと、すさまじい。はじめから終わりまで全力疾走。奇妙な夢の世界でゾンビ達と死闘する1人の女のお話、であると同時に、女として生まれた人間がこの社会で受ける様々な呪いや侮蔑に対し、言葉を武器にして、たった1人で、真正面から闘う「現実の女」のお話でもあった。 負けたらゾンビになってしまうから、自...続きを読む分でいたければ戦い続けるしかない。まさにレストレス(休みなし)バトル。すごいとしか言いようがない。読みながら自分もバサバサ切り刻まれる心地がしたし、いい加減休ませてくれーと叫びたくもなったし、変幻自在の豊かなイメージにこめられた鋭いブラックユーモアに笑った。 テレビゲームのような設定およびアクションだ。回転仏間や無限鏡砂漠のダンジョン感たるや。若妻ゾンビとの対決なんかアニメでも見てるようだった。それもこれもあくまでもゲームであるという意味でこの世界設定なんだろう。お前らの伝統やら「現実」はゲームであり夢なのだと。 桃木飛蛇が回転仏間でゾンビのカーニバルに無理矢理参加させられる様なんて、まんま法事で田舎に帰った独身女性の災難そのままで、解像度の高さに、笑いごとではないが笑ってしまった。ゴミ出し戦争も笑った。都会で原子として生きる分には問題にならないが、田舎に帰ると噴出するあれこれ。 ラスボスの「ゾンビ王子」の造形もキャラクター設定も皮肉が山盛りで、これも読みながらにやけてしょうがなかった。60代のくせに自称少年のナルシストゾンビ。小娘にすら母性を求めながら「男は永遠に少年の心を持っているのだ」とか言えてしまう中高年男をあれこれ思い出した。絵にしたらまさにこの「ゾンビ王子」ではないか。 そして、『だいにっほんおんたこめいわく史』のタコグルメがもうこの時期からいたのは驚いた。まだ王様ではないにしろ、甘やかされし傲慢肥満マザコン男として嫌らしさを爆発させていてまったくブレてなくて良かった。 階段地獄の「馬鹿女」解体バトルもしみじみ好き。相変わらず言葉のセンスが鬼のよう。肩車で娘の首をしめる先祖代々の母達も滑稽さそのままにリアル。ただ一点、アニマだけは色々と身につまされて辛かった。 飛蛇がなぜ蛇なのかを考えると面白い。蛇といえば楽園追放の悪役だ。この物語の場合、スプラッタシティが楽園とすれば、誰にとっての楽園なのか。答え: ゾンビ。 Posted by ブクログ なにもしてない 笙野頼子 デビュー10年目、32年前の作品。これはこれで、もう、良すぎて目眩がしてくる良さだ。何でこの歳になるまで笙野頼子を知らなかったんだろうと、心底、不思議になるくらい共感大爆発の内容で、読みながらうなずきすぎて、心の首がもげそうになった。 ただ、この作風だからこそポップにならず、たとえば自分のような、...続きを読む文芸誌一度も読んだことのないような人間に届かなかったのも、なんとなく分かる。みんなが読んでる村上春樹の真逆という感じがする。 ともかく、描写が緻密で、情報量も多くて、豊かな世界だった。どうしてそんなピタリと書いてくれるんだと何度も思った。母と娘の関係など鋭い心理描写が多かった。 ナニモシテナイとナニカシテル、幻想と現実、他人と自分の間を行ったりきたりしながら、どうやっても自分自身でしかいられない愚直さで、効率主義一辺倒に染まりつつあるこの社会を生きる主人公が、もう本当にすぐ隣にいるかのように感じた。 労働力として数字に換算される事が、当たり前だと思わされ、非生産的であれば存在する価値もないように思わされているけれど、それでも皆どっこい存在している。この主人公のように。 ある日突然、手が腫れてぼろぼろになった彼女は、病院に行かず、意地のようにナニモシテナイ的な何かを孤独に試み続ける。そのことごとくが的外れで、あべこべなんだけど、自分でも分かっているし、そうするしかないし、それなりに楽しんでもいる。 おかげで手は「農家の嫁の手」写真さながらの、ゴワゴワゾンビとなり果て、痛みは奥歯に響くほど増大したけれど、ある意味それでいいのではないか。 彼女はすでに彼女自身に到達しており、物語の中で「成長」し、何かを悟って、「あるべき私」へとバージョンアップする必要がないのだ。 もしそんな「成長」などしたら、単なるナニカシテル人たちに変わるだけであり、実際、そうなるのは楽だけれど、彼女は山奥に生えてる苔のように、なんだかワケの分からない、世の役に立つとは思えないような存在として存り続けるしかない。これは、意識せずにする戦いだと思う。 そして、それをそのまま描ききることも、めちゃくちゃ根源的な戦いだと思った。 Posted by ブクログ 小説神変理層夢経 猫未来託宣本 猫ダンジョン荒神 笙野頼子 老猫ドーラの介護と親の死後手続き、作家業の暮らしの中に、垣間見え、たまにはページを乗っ取っていく何人もの神様たち。 自身(と猫家族)の人生を生きていくにあたって対峙しないといけないものと戦うべく武器を得て、活路を切り開いていっている感じがしてすごく好き。 生きるために荒神様を見つけてきたんだな、研...続きを読む究してるんだろうなと、すごいよなと思う。 偶然『琵琶法師』を読んだところだったので、語りの主体が移り変わるという琵琶法師的語りが昇華されて小説になっているのかもしれない…とボーナス的感動もあった。 Posted by ブクログ 笙野頼子のレビューをもっと見る