この冬、カナダのイエローナイフにオーロラを見に行く。地球の歩き方と一緒に借りた写真集だ。
写真はホワイトホースで取られたものがほとんどだが、その美しさには目を奪われた。私は、表紙にもなっている両面開きの、湖に映ったオーロラの写真が好き。オーロラが消えゆく山のむこうでは、新しい神々の誕生が厳かに行わ
...続きを読むれているのかもしれないと想像したくなる。写真家の、レンズを覗くときの緊張感まで伝わってきそうだ。
この写真集の著者、谷角靖さんはあとがきで、「心をわくわくさせながら自分自身を落ち着かせ、そのことだけに気持ちを向け、集中させ、その光を待ち続けると言うのは、人間が現代を生きていくうえで非常に贅沢なひと時と言えるでしょう」と書いている。オーロラに魅せられ、年200日をオーロラとともに過ごし、カナダの永住権まで取得した谷角さんの言葉は、いとおしい気持ちで満ちていた。
私もツンドラの大地で、大きな光に包まれることを切望する。