すごく勉強になるが、私が活用する局面はなさそう。知らない世界を紹介してくれる本なので楽しい。
表題に関係する、小中学生の読書量は減るどころか増えている(朝読の成果)という指摘には個人的には新鮮味は感じなかった。
ただし、そうやって最近の世代で読書量が増えているのに、年齢が上がるに従って旧世代と大差
...続きを読むなくなるというのは面白い。
結局のところ読書になじめるのは一定数でそれは遺伝的に決まっている、という仮説の当否はともかく、朝読で若者たちに読書習慣を身につけさせた社会実験の結果なので重たいと思う。
…というような話は面白いけどヘッドラインを読めば済む話なので、本の評価がそんなに上がる要素ではない(私にとっては)。
この本のすごいところは、小中高生たちが好む本を読んで、そのパターンを抽出したところ。
21世紀になってから子どもたちの間で広く読まれてきた本を、私の代わりに読んで説明してくれるのがありがたい。
最近のヒット作の多くがその系統なんだけど、あんまり自分で読む気にならないのですよね(あえて具体名は出さないが本屋大賞の系統とか)。
一方で、太宰『人間失格』とか東野圭吾とかが、アダルトな(?)作品の中で特に子どもにも好かれる理由を推測しているのが、大人読者との接点になっている。
子どもたちに人気で映画の原作になろうが山田悠介とか読む気にならないよなあ、と思っていたのだが、今となっては彼も徐々に読まれなくなってきているとのこと。その理由は、ちょっと切なかった。