作品一覧

  • 十三匹の犬
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    物語の語り手は、一家で飼われてきた歴代十三匹の犬たち。戦前の明るい空気の札幌、戦争中から敗戦後の混乱の中での北京、引揚げ後の米軍の占領に始まる戦後から平成までの東京を舞台に、愛らしい犬だけでなく、臆病な犬、凶暴な犬、殺された犬、様々な犬たちが紡ぎ出す、その犬の一生と家族の歴史。十三章からなる長編小説。
  • 夢の壁
    4.0
    1巻605円 (税込)
    終戦前後、少女期を北京で過ごした佐智が見たことは、少女の心をひとまわり大きくした――戦争で母親を亡くした悲しみを背負いこむ中国人の少年と佐智との無垢な心の交流を描いた芥川賞受賞の「夢の壁」と、国民学校が消滅した夏の一日、SH学院の利発な少女・宋梅里との友情、両親と共に日本に帰る1947年の船中の出来事など、佐智の目と心を通して活写する「北京海棠の街」を収録。
  • 池辺の棲家
    4.0
    1巻418円 (税込)
    多彩な渡り鳥が飛来する池のほとりで暮らす千亜子。夫は老母の介護で実家に帰ったままだ。子供たちも出て行った。カラスのクロウと語り、林の生き物たちと交流し、牛飼い少女の物語の翻訳に打ち込む日々は、悪くはない。人道という偽善に付き合うよりも、生物としての死に場所を探したいからだ。美しくも激しい自然の中で、生と死に深い独自の眼差しを向けた新たなる感動小説。
  • 心ヲナクセ体ヲ残セ
    2.7
    1巻594円 (税込)
    殻を破りなさい。ジーン(遺伝子)の声に導かれ地上に生まれた私。たった1羽の渡り鳥として未知への旅が始まった。2本足(人間)の襲来、餌の調達、熱い恋心、交尾と共食い、卵の心配、そしてジーンとの別れ、即ち死――(「ジーンとともに」)。ほかに「主人公のいない場所」「渡鶴詩」「雀遺文」「アズマヤの情事」。野鳥愛好家として知られる著者が鳥と人間を同位置で観察し、生きものの心と体のありようを鋭敏に、ユーモラスに描き出した新機軸の傑作小説集。
  • 十三匹の犬

    Posted by ブクログ

    各章の主人公は歴代の犬たち(主犬公?)。帯に「札幌から北京 そして東京へ――」とあるように、これも“佐智シリーズ”の一つとして読んでいいのではないでしょうか。あのとき傍らにはこんな犬がいたんだなぁ、犬から見るとこんな感じだったのかなぁ、と想像しつつ読みました。『夢の壁』から読むと長い長い「佐智の半生」(この本では“ゆうこ”さんですが)を、犬目線で1冊にまとめた不思議な物語です。時間ができたら、佐智シリーズとこの本を比べながら同時に読んでみたいものです。

    今回、「なんで“ゆうこ”さん? “佐智”じゃないの?」と最初思ったのですが、「ゆきこ」→「ゆうこ」ということでしょうか。「佐智」はきっと、「

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    2016年09月14日
  • 夢の壁

    Posted by ブクログ

    星4.5
    「夢の壁」(芥川賞)
    「北京海棠(かいどう)の街」の2篇

    著者の加藤幸子さんが亡くなられたという記事を読んで、知らない作家さんだったが読んでみた。
    2作とも、幼少期を北京で過ごした著者の体験をもとにした話だと思われる。両方とも佐智という日本人少女が主人公。
    子供ですら中国人を見くだす側から、終戦を挟んで立場が逆転した様子が、街中や学校を舞台に描かれる。中国人の車引親子や朝鮮人の学友との交流も描かれる。
    そして、今はほとんど残っていないと思われる北京の胡同の描写が美しい。
    もっと、他の人にも読んでもらいたい本だった。

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    2024年05月17日
  • 十三匹の犬

    Posted by ブクログ

    ある一家の戦前からの歴代の犬たちと家族、そして社会状況の変化も反映された物語。
    一頭ずつ犬の目線からのストーリーがあり、続いてその犬と過ごした人間目線の振り返りがあり「あーなるほど、そういうことだったの」と読み進められます。
    人間から見ると困った犬もその犬にとっては理由があり、人間と暮らすのに向き不向きがあっただけだったり。逆に人に依存するカワイイ犬の気持ちもリアルで面白い。ありがちな犬と人との感動ストーリーのように美化されることなく、それでもお互いを大切に思う気持ちも描かれているのが良かった。

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    2022年02月06日
  • 十三匹の犬

    Posted by ブクログ

    13匹の犬の目線で書かれた物語。

    犬たちとかかわっている家族は、両親と娘。
    その娘が赤ちゃんの時代から老年の域に達するころまで、近くに居た犬たち。

    犬にも個性があって感情があって、犬生があるんだね、、、という1冊です。

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    2016年06月08日
  • 十三匹の犬

    Posted by ブクログ

    13匹の犬たちが語る人間との関係。
    13話の短編集。

    戦中戦後と、わりと最近の犬たち。
    それぞれの犬の個性と思考が違っていて楽しめた。
    犬の気持ちで書かれた本。
    犬ゆえに残酷な運命に絡めとられることもあるのだと、あらためて思い知った。

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    2016年05月31日

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