『夜会』は未観賞ですが、中島みゆきさんの詞が好きで本書を手に取りました。
行間といい文字数といい、初見は「詩集かな?」と思って読み始めたのですが、読み進めれば行間すら物語の一部なのだと確信する内容の濃さ。
すごい。もう本当に、壮絶な言葉の世界です。
”どんな人にも 必ず夢は叶う 一生にひとつだけ叶
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引き替えに 一生の何もかもを失ってもかまわない約束で
夢は 一生にたったひとつだけ叶う”
作中のこの言葉が物語の芯でありギミックであり、総てであります。
言葉の美しさも然ることながら、物語の完成度も素晴らしいです。
ミステリ好きにもおすすめ出来る展開で、彼女の復讐がどうなるのか、たった一つの夢は叶うのか、続きが気になって一気読みしてしまいました。
読み終わって呆然。もう一度ページを捲り直して、ああそういうことだったのかと呑み込んで、呑み込んでも呑み込んでも溢れてくる切なさに、夢にまで見る始末。本当に壮絶です。
シンガーソングライターとしての中島みゆきさんしか知らなかった私には、本書は強烈でした。
今後はストーリーテイラーとしての彼女の一面を、もっと知っていきたいと思います。
夜会観て見たいなぁ…