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夢を捨て、愛を捨て、両親を陥れた人間への復讐だけを胸に生きてきた女性実業家が、病の淵で初めて見つめた己の心の闇。十年目の「夜会」をベースに高らかに唱い上げる中島みゆき初の長編叙情詩。
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Posted by ブクログ
『夜会』は未観賞ですが、中島みゆきさんの詞が好きで本書を手に取りました。 行間といい文字数といい、初見は「詩集かな?」と思って読み始めたのですが、読み進めれば行間すら物語の一部なのだと確信する内容の濃さ。 すごい。もう本当に、壮絶な言葉の世界です。 ”どんな人にも 必ず夢は叶う 一生にひとつだけ叶...続きを読むう 引き替えに 一生の何もかもを失ってもかまわない約束で 夢は 一生にたったひとつだけ叶う” 作中のこの言葉が物語の芯でありギミックであり、総てであります。 言葉の美しさも然ることながら、物語の完成度も素晴らしいです。 ミステリ好きにもおすすめ出来る展開で、彼女の復讐がどうなるのか、たった一つの夢は叶うのか、続きが気になって一気読みしてしまいました。 読み終わって呆然。もう一度ページを捲り直して、ああそういうことだったのかと呑み込んで、呑み込んでも呑み込んでも溢れてくる切なさに、夢にまで見る始末。本当に壮絶です。 シンガーソングライターとしての中島みゆきさんしか知らなかった私には、本書は強烈でした。 今後はストーリーテイラーとしての彼女の一面を、もっと知っていきたいと思います。 夜会観て見たいなぁ…
【目次】 序章 穏やかな海 一、 雪を抱く海 二、 孤船 三、 崖 四、 親展 五、 爪 六、 霧の橋 七、 献灯 八、 影人形 九、 人さらいの海 十、 彫 十一、 此岸 就床 海嘯
中島みゆき氏の舞台『夜会』をベースにした長編叙情詩。 あるホテルのオーナーの義娘は、自分の本当の両親が旅館を経営していて、悪意ある者の陰謀で乗っ取られ、死に追いやられたと知ります。 彼女の長い復讐と、それを見守る海。 筆者独特の美しい言葉遣いで語られる不思議な物語です。 『人を 最後に裁くのは 人...続きを読むでは ありません』 という梁医師の言葉が好きです。
散文詩。というジャンル設定ですが、小説として読めます。起承転結がハッキリしているので安心して読めますよ。
夜会を観たことがないので、この戯曲詩の形がどのように演じられたのか、観てみたい。みゆきさんの世界観は、凄いなぁ。
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