作品一覧 2022/06/10更新 続 明暗 試し読み フォロー 英語一強時代、日本語は生き残るか 試し読み フォロー 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で 試し読み フォロー 日本語で書くということ 試し読み フォロー 日本語で読むということ 試し読み フォロー 母の遺産 新聞小説 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 水村美苗の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で 水村美苗 久しぶりに痺れる本に出会った。 著者の水村美苗は学者であり作家である。名門イェール大学・大学院でフランス文学を専攻し、アメリカの大学で日本近代文学を教えながら日本語で小説を書いた。本書の発刊は2008年。5年をかけて書き上げたことからも著者の情熱が伝わってくる。 書き出しは著者の体験が小説のように綴...続きを読むられる。もうすでにこの文体が心地よい。しかし、そこからは緻密な調査と考察が積み重ねられ、一つの結論に向かっていく。それは「日本語は亡びうる」という結論である。 島国日本では連綿と日本語が使われてきた。それは時代に応じて変化はすれど、なくなるとは想像していない。しかし、日本語はなくなる可能性がある。 インターネットが出現して、英語一強の傾向が加速した。中国でも韓国でもアメリカの大学に行かせるのが流行っている。「もっと英語を」の声は日本でも高まり、小学校でも英語が必修になった。この流れに抗わなければ、日本語はなくなってしまう。 では、そのためにはどうすれば良いか。具体的には日本近代文学を読めと著者は言う。明治維新の後、欧米の書物を翻訳する中で、日本の書き言葉は昇華した。言葉と向き合い、日本と向き合い、日本人と向き合ったからこそ、明治・大正・昭和初期までの文学こそ読む価値がある。そこから日本語を守ることを考えよと著者は言うのだ。 結論までの道程では河合隼雄や坂口安吾を切りながら力強い論拠を積み上げていく。それは学者・水村美苗の明晰な頭脳を示している。 小説家であり学者でもある著者の力を存分に発揮した本書。著者の筆力に痺れる一書であった。 Posted by ブクログ 続 明暗 水村美苗 「一体何処から遣り直しがきかなくなってしまったのだろう」 単行本が出版されてすぐに読んだ記憶があるので、1990年以来の再読となる。 黒船的な登場は衝撃だった。 明暗の続きをそのまま読みたいという願いが叶ってしまった。 文庫の裏にもあるが、この作品自体がすでに古典。 奇跡の一冊。 個人的に集中...続きを読むして漱石全小説を再読した後に読むと、感無量としか言いようがない。 Posted by ブクログ 続 明暗 水村美苗 夏目漱石の本歌取りであるが、新人作家がそれにチャレンジした勇気と、その勇気に匹敵する内容の面白さに感服し喝采。 登場人物のキャラで小林がずいぶん常識人になってしまったのと、妻お延がなんでかうつ性格になってしまったのは、ちょっとしたキズにもみえるけれども、それまでほとんど登場してなかったもと彼女の清...続きを読む子、温泉で親しくなった安永と貞子の性格創作は見事だった。津田と妹お秀と吉川夫人の性格描写はきちんと承継していたし、ストーリー自身が夏目漱石のそれよりも昼ドラみたいで抜群に面白くなってたわ。 太宰治のグッドバイとか、山﨑豊子の約束の海とか途中で絶筆になってる小説を思い切って本歌取りするブームが到来してほしいね Posted by ブクログ 増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で 水村美苗 言語、普遍語、現地語、国語の歴史・国ごとの違いそして日本が今後どうやって英語と日本語の共存を考えていくかまとめた一冊。 英語との併用は大いに考えるところ。 二か国語の取得は難しいと言われているけれども、それを再確認させてくれる。 その中での国語の重要性そして英語に関してはバイリンガルは特定の人でい...続きを読むいという提案。 面白かったです Posted by ブクログ 続 明暗 水村美苗 芸術選奨新人賞受賞。 「明暗」は絶筆で未完成ですが、水村 美苗さんが「続 明暗 (ちくま文庫) 」で完結させてくれています。私的には納得のいく結末でした。良い着地点と思いました。お薦め。 Posted by ブクログ 水村美苗のレビューをもっと見る