増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で

増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で

825円 (税込)

4pt

日本語は、明治以来の「西洋の衝撃」を通して、豊かな近代文学を生み出してきた。いま、その日本語が大きな岐路に立っている。グローバル化の進展とともに、ますます大きな存在となった“普遍語=英語”の問題を避けて、これからの時代を理解することはできない。われわれ現代人にとって言語とはなにか。日本語はどこへいくのか。第8回小林秀雄賞受賞の意欲作が、大幅増補で待望の文庫化。

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増補 日本語が亡びるとき ──英語の世紀の中で のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    久しぶりに痺れる本に出会った。
    著者の水村美苗は学者であり作家である。名門イェール大学・大学院でフランス文学を専攻し、アメリカの大学で日本近代文学を教えながら日本語で小説を書いた。本書の発刊は2008年。5年をかけて書き上げたことからも著者の情熱が伝わってくる。
    書き出しは著者の体験が小説のように綴

    0
    2023年09月24日

    Posted by ブクログ

    言語、普遍語、現地語、国語の歴史・国ごとの違いそして日本が今後どうやって英語と日本語の共存を考えていくかまとめた一冊。

    英語との併用は大いに考えるところ。
    二か国語の取得は難しいと言われているけれども、それを再確認させてくれる。
    その中での国語の重要性そして英語に関してはバイリンガルは特定の人でい

    0
    2018年12月16日

    Posted by ブクログ

    「読まれるべき言葉」真に優秀な二重言語者は日本語を捨て、英語を選択する。それはインターネット社会になり英語の有用性が確実となったからだ。そこでは、有益な情報を得るためには英語で読まなければならず、自分の意見を広く知らしめるためには英語で書かなければならない。

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    2016年01月15日

    Posted by ブクログ

    第七章 英語教育と日本語教育 より
    p364
    思えば、日本人は日本語を実に粗末に扱ってきた。
    日本に日本語があるのは、今まで日本に水があるのがあたりまえであったように、あたりまえのことだとしか思ってこなかった。
    (中略)
    「西洋の衝撃」を受けるとは、西洋人こそが人間の規範に見え、それと連動し、西洋語

    0
    2015年05月12日

    Posted by ブクログ

    帰国子女ベストセラー作家が書いた愛国主義的な片手間エッセイだと本書のことを想像していた。
    実際、執拗に長い前半部分の「若い頃体験記」は軽薄な印象で、本書を途中で投げ出す寸前にまで動揺した。
    しかし中盤ぐらいからの言語学や、果ては文明論まで持ち出した考察は興味深い。
    内容は、英語の言語大流行によっても

    0
    2022年09月25日

    Posted by ブクログ

    本作は、水村美苗の人生経験や文学観を通して日本語がいかに変貌してきたか、英語の世紀の中でどのような役割を果たしていくのかについて様々な側面から語られる。冒頭は『三四郎』の引用から始まり、日本語が「亡びるね」の持つ意味について考えていく。

    0
    2021年02月14日

    Posted by ブクログ

     英語は普遍語だと言うことに、異を唱える人はいないだろう。
     日本である一定以上の知識を得ようとしたら、必ず、英語に関わることとなる。(日本固有の事柄なら異なるのかもしれないが、古いものになると中国語が出てくる気がする)
     例えば、理系などでは最先端の論文を英語を読み、おのれの研究成果を英語で書く。

    0
    2016年08月10日

    Posted by ブクログ

    この本を読んで「『三四郎』読みなおそう」と思った読者なので、たいへん興味深く、かつ共感しながら読んだ。
    実際のところ、私自身が「自分よりも下の世代に近代文学を読んでもらいたい」と思っているタイプの人間なのだ。だからこそ、日本語にこだわるし、その存在にありがたみも感じている。
    好きだから、その価値をわ

    0
    2016年03月05日

    Posted by ブクログ

    正直、〝日本語が亡びる〟とまでは思わないが、英語中心の世界に一石投じたものとして興味深く読んだ。単行本が発表された当時、良くも悪くも話題になった。今回増補版として当時の反応に対する〝返答〟もあるので読んでみることにした。

    0
    2015年05月10日

    Posted by ブクログ

    寡作ながら日本近代文学の系統を唯一現代において引き継いでいると言っても過言ではない作家、水村美苗による言語論。

    言語を巡る歴史を紐解きながら<普遍語>・<現地語>・<国語>という3つのカテゴリの関係性を明示した後、インターネットの台頭などの社会変化により、英語が<普遍語>として一極化する現代におい

    0
    2015年05月09日

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