【1回目】 ここでは、「見出し」を頭のノート上に写し取る感覚で読みましょう。文章にも目を通しますが、主には章のタイトル、項目ごとの大見出し、中見出しなどを意識し、見出しどうしの関係を把握しましょう。こうして、全体像を大まかに感じ取ります。
【2回目】 1回目を読んで「見出し」が頭に入った段階で、全
...続きを読む体を流し読みします。項目だけではなく、より細かいレベルで読んでいきます。
このクールを終えると、「こんな話が、こういう順番で書いてある」ということが把握できます。全体のアウトラインや構造がだいたい頭に入るのです。「前半は総論と背景、中盤は現状、最終部分でこれからの展望を語っている」といったイメージがつかめてくるでしょう。
【3回目】 この段階も2回目と、基本的に同じです。つまり、全体を軽く流し読みしている段階です。2回目にはアウトラインがわかるようになりますが、これはまだうっすらとしたもの。そのアウトラインをより詳細、かつ、明確なものにしていくのが、この3回目読みの作業です。
【4回目】 ここからは、文章の中のキーワードを意識して読みます。よく出てくる単語、詳しく説明される用語を目に留めておきましょう。ただし、それを「理解しよう」「覚えよう」とはしないこと。「頻出語」「詳しく書いてある」と感じ取るだけで十分です。
【5回目】 作業内容は4回目と同じです。4回目との違いは、キーワードとキーワードの間の説明文を意識すること。つまり、そのキーワードがどのように説明されているのかに目を向ける段階です。キーワードとキーワードの間をつなげば、その段落の要旨をつかめるようになります。要旨をつかむことは、本を読む上で一番大きな仕事なので、4回目と5回目の2回に分けて行います。
【6回目】 ここからはディテールにも目を向けます。私達、法律家の読む本で言えば、細かな事例の説明などがその典型です。ひとつの判例に対して、「この判例で論点になったポイントはここで、それについてこんな説がある」というのが要旨であり、「その説に基づいた事例として、この判例のほかにはこんなものがある」という説明がディテールにあたります。その部分に意識を向けながら読んでいきます。
なお6回目以降は、「答え合わせ」の感覚を持ちながら読むのがおすすめです。
これまでの5回で確認済みの要旨について、「そうそう、このキーワードの意味はこうなんだ」「このキーワードとこのキーワードの関係はこうなんだ」などと思いながら読み進めましょう。すると、だんだん理解に近づいていることを実感できます。
【7回目】 6回目を終えたら、頭の中のノートにだいたい本が写し取れているはずです。しかし、まだ鮮明ではないので、7回目でしっかり定着させます。
「今ひとつ頭に入っていない」と思う箇所があれば、そこだけピックアップして読めば、さらに万全になります。