作品一覧 2023/04/11更新 英語でよむ万葉集 試し読み フォロー 星条旗の聞こえない部屋 値引きあり 試し読み フォロー 千々にくだけて 試し読み フォロー 天安門 値引きあり 試し読み フォロー 天路 試し読み フォロー 日本語の勝利/アイデンティティーズ 試し読み フォロー 万葉集の詩性 令和時代の心を読む 試し読み フォロー 模範郷 試し読み フォロー 1~8件目 / 8件<<<1・・・・・・・・・>>> リービ英雄の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 英語でよむ万葉集 リービ英雄 なんてお洒落な一冊。 もちろん英語で書かれているからとかそんな陳腐な理由ではなく。 万葉集そのものはもちろんのこと、リービ英雄が苦慮して翻訳した英文がなんとも洗練されていて優美なのだ。 それに翻訳に際して寄せたリービ英雄の説明がこれまた小気味良い。 日本語も英語も何度も声に出して噛みしめたい、そんな...続きを読む本に出会えました。 Posted by ブクログ 英語でよむ万葉集 リービ英雄 英語に訳された万葉集を音読してみる。リズムがある、思った以上に心地よい。ただ、どうも解説的にならざるを得ないところもあるようで、原文より長くなるのは仕方がないだろう。リービ英雄さんの翻訳する際の苦労を述べた解説が秀逸だ。その歌ばかりでなく、万葉集全体、日本語の歌というものまで、深い理解をしたうえで翻...続きを読む訳しているのが分かる。その解説から浮かび上がってくるのは、まずは直截的な比喩の力強さだ。畳みかけるような柿本人麻呂の比喩は圧倒的な迫力で迫ってくる。自然現象と心の動きを結び付けて不可視なものを可視にする比喩は、唯一無二の詩歌の武器ではないか。枕詞、地名の力も見逃せない。万葉集によって、日本中の自然に、大地に呪縛が掛けられたのだ。 柿本人麻呂、大伴家持、山上憶良、それぞれの歌の個性が余りに違うことにも驚かされる。大伴旅人と大伴家持の万葉集の編集方針によるものだろうし、カバーしている期間も長いからだろう。 Posted by ブクログ 模範郷 リービ英雄 著者の旅が切実で、星評価をつけるということがあまり適切でない作品のような気もします(一応つけましたが)。『模範郷』だけでなく、所収の他の作品も読むのがいいと思います。言語、故郷、宗教、名前。多くの人にとっての「これが私」という感覚を支えるものが、この著者の場合、ひとつに“決まって”いない。もはや私に...続きを読むは想像の及ばない戸惑いが書かれています。万葉のことばを通じた営みに著者が生命を見出した瞬間、古代の遠くまで現代の空も開けていくような想いになりました。 Posted by ブクログ 千々にくだけて リービ英雄 著者≒エドワードは、2000年9月11日にアメリカに向かっていた。しかし搭乗中の航空機で、機長がワールドトレードセンターへの攻撃を知らせる。 The United has been a Victim. アメリカは被害者になりました カナダで足止めされた著者は、時間的にも存在的にも、宙に浮いたよう...続きを読むな数日間を送る。ホテルに設置されたテレビは、ニューヨークの惨状と嘆き悲しむ人々のすがたを伝える。 Please Search my brother. あにきをさがしてください 著者は、歴史的テロ事件について、英語と日本語の二つの言語で受け止める。二つの異なった衝撃を受け、二重の感想を持ち、主に日本語で考える。 文章がのきれいな小説を読むと、真っ白い印象を受けることがある。「千々にくだけて」は特にそうだった。 整理された文章が紙面を無駄なく感じさせるのに加えて、思想にナショナリズムが介在しない(できない)著者の立場的な空白が「白い」。 このお話はテロ事件を中心としている。でもそれは一例でしかなく、多くの人々に対して、ある人には特別であり、ある人には特別でない事象がある。語り手のエドワードは、ニュースで流れる言葉を、まず英語で受け止め、次に日本語に書き換える。二層の意識を通し、9.11テロ事件はアメリカ人でも日本人でもない知覚に保管される。翻訳を通すことで言葉は減速され、その生々しいイメージはリアルタイムではエドワードの中に入ってこない。その変わりに、繰り返しや言い換えによる衝撃、驚きを受ける。読者はその文章を読むことで、英語と日本語の離れた二つの意識を寄り合わせる著者の追体験をする。 この小説をどういうジャンルに分類するべきなのか、よくわからない。言語をテーマとした作品といえるのかもしれない。でも、なにより作者の意識に染み付いた乾いた哀しみが記憶に残る作品だった。 Posted by ブクログ 星条旗の聞こえない部屋 リービ英雄 言語を獲得するというのがどういう事であるのか、日本語の話者であるというのがどんなに幸せな事なのかを知らしめられるような感じ。 この本を読むたびに、切実さを持って日本語を使おうと思う。(そして、切実さを持って他言語を獲得しようとも思うけれど、それは中々実現していない。) Posted by ブクログ リービ英雄のレビューをもっと見る