作品一覧 2022/08/17更新 見えない絶景 深海底巨大地形 試し読み フォロー 海がわかる57のはなし:おどろきのサイエンス -素朴な疑問から最新の話題まで 試し読み フォロー 海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史 試し読み フォロー 川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそ 試し読み フォロー 深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~ 試し読み フォロー 天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで 試し読み フォロー フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 試し読み フォロー 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち 試し読み フォロー 山はどうしてできるのか ダイナミックな地球科学入門 試し読み フォロー 1~9件目 / 9件<<<1・・・・・・・・・>>> 藤岡換太郎の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 山はどうしてできるのか ダイナミックな地球科学入門 藤岡換太郎 1078 江戸時代に富士山を描いた安藤広重や谷文晁 らは、富士山の両側の 稜線 がなす角度を 85 度くらいの、直角よりやや小さい鋭角で表現しています。しかし近代に入ってから太宰治は「富嶽百景」という小説で、実際は鈍角で、およそ117~124度であると書いています。数学者にとっても富士山の稜線は関...続きを読む心の的で、その曲線を一つの方程式で表すことに熱中した人は少なくなかったようです。 日本列島は四方を海に囲まれていますが、どこにいても必ず山が見えます。だから私たちは「山がそこにある」ことを空気のように当たり前に考えています。しかし、山があることは決して当たり前のことではありません。この世界には山がまったくない広大な平地もあり、実物の山を見ないまま一生を終える人も少なくないのです。もしそんな場所に住む人が山と出会ったらどれだけ驚くか、想像に難くありません。それは熱帯に住む人が雪を見たとき、山の中に住む人が大海原を見たときに勝るとも劣らない感動でしょう。そして次には、必ずこう思うでしょう。 「なぜ大地がこんなに高く隆起したのだろう。 1年間、四季折々の変化のみならず、山は100年、1000年……100万年というオーダーで見れば劇的に変化しています。その動きをとらえなくては、山を見ることになりません。 山について考えることは学問では地球科学という分野の仕事になりますが、このように対象を空間的・時間的に視点を変えて見ることは、地球科学に限らず、あらゆる自然科学に求められる基本的な姿勢です。 しかし、その景観に「美しい」「心和む」「厳しい」「荒涼とした」といった印象の違いをもたらすのは、景観の中心をなす山ではないでしょうか。 日本の国土全体を地形別に見ると、山地 55%、火山地6%、丘陵 11%、山麓・火山麓4%、台地 11%、低地 13%です。火山地や山麓などを含めると「山」と称される土地は全体の 65%にもなります。このように山なくしては考えられない日本の景観は、明治 27 年に志賀重昂 が著した『日本風景論』によって、初めてまとまった形で世の中に紹介されました。志賀は日本の風景がこれほどまでに美しいのは、日本の山々が多様な種類の岩石からできていて、それぞれが美しい景観をなしているからであろうと述べています。 実はダーウィン自身、その生涯に地質学に関する本を3冊書いています。ダーウィンは生物学者じゃないのか? と思われるでしょうが、彼は若い頃には博物学を修めていました。逆に『種の起源』や『人類の起源』が生まれたのは、彼に地質学あるいは博物学に関する深い 造詣 があったからで、それがなければこれらの著作、というより進化論という考え方そのものが生まれてこなかったと思われます。ダーウィンが書いた最初の地質学の本は『サンゴ礁の構造と分布』でした。2冊目は「火山島の地質学的な観察」の話で、「ビーグル号」で訪れたガラパゴス島を中心にケープ・ベルデ島やアセンション島の火山の形態や地形、火山岩の記載をしています。最後は「南米の地質」についての本です。これは現在でも十分に価値のある内容です。 彼が1944年に世に出した有名な地球科学の教科書『一般地質学』(Principles of physical geology)には、マントルが対流する可能性が示され、さらにはウェーゲナーの大陸移動説が紹介されています。 いま地球上にある大陸は、超大陸が分裂と集合を繰り返し、地球の表面を何周も巡って現在の位置にモザイクの1つのピースとしてはめ込まれた寄木細工です。日本列島も、より規模が小さな寄木細工です。 日本の国歌である「君が代」には「さざれ石」という言葉が出てきます。さざれ石とは 礫岩、つまり岩や石のかけらが寄せ集まった岩のことです(図 10‐3)。日本列島は大きく見れば一つの礫岩なので(図 10‐4)、この歌は日本のことをよく表現しているといえます。そしてその考え方は大陸、ひいては地球のスケールにまで広げても同じなのではないかと思われます。大陸も、地球も、より大きな規模で見れば分裂と集合を繰り返す寄せ集めの「さざれ石」にすぎないのです。 Posted by ブクログ フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 藤岡換太郎 1100 藤岡換太郎 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は神奈川大学などで非常勤講師...続きを読む。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から2012年に海上保安庁長官表彰 この地形に関心を抱いたナウマンはその後も、この地域を二度、調査旅行で訪ねている。 あらためていうと「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の、火山が南北に並んで本州を横断している細長い地帯のことを言います。ナウマンはフォッサマグナの範囲として、日本海側の新潟県糸魚川市~高田平野付近から、太平洋側の静岡県旧清水市(現・静岡市清水区)~神奈川県足柄平野付近に至るまでの広い地域を示しています。北から見ていくと、新潟県、長野県、山梨県、神奈川県、静岡県、東京都です。さらに関連する府県を入れると、富山県、岐阜県、群馬県を含む関東から中部日本となります。 このようにプレートの境界はほとんどが海の中の海溝です。そこでは海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいて、プレートどうしのせめぎ合いが起こっています。これが「プレートテクトニクス」です。4枚のプレートがひしめく日本列島はたびたび巨大地震に見舞われるなど、数奇な変遷を繰り返してきました。そしてフォッサマグナについても、プレートテクトニクスを通して考えなければ理解できないのです。 私たち地質学者が研究を行う手法は、いわば探偵が殺人事件の全貌を明らかにするのとよく似ています。私は推理小説やミステリー映画が好きで、アルセーヌ・ルパン、シャーロック・ホームズ、金田一耕助などの登場する本を読みあさったり、刑事コロンボ、アガサ・クリスティなどの映画を好んで鑑賞したりしてきました。名探偵はいつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、のいわゆる「5W1H」について、証拠捜しや聞き込みなどによってありとあらゆる材料を手に入れます。そして、それらの材料を用いて事件の動機や殺害の方法などを時系列にしたがって矛盾なく説明します。こうして事件の全貌がわかれば、一件落着です。 伊豆・小笠原弧の衝突にともなう、南部フォッサマグナでのさまざまな現象を見るのに最適なのが伊豆半島ジオパークです。伊豆半島全体と、その北の箱根との境界までが含まれるという広大さで、行政の中心は伊東市(静岡県)、本拠は修善寺にあります。 フォッサマグナについて知れば知るほど、日本列島のど真ん中にこのようなものを抱えていたら、いつ地震が起きるか、いつ火山が火を噴くかと、気が気でなくなってもおかしくありません。なにしろ、フォッサマグナ地域にはいまも活火山である富士山がすっぽり入っていて、糸静線などの活断層が何本も走っているのです。 Posted by ブクログ フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 藤岡換太郎 「フォッサマグナ」名前だけは覚えてるけど、何なんだっけなあ…と思ってたところに先日のブラタモリでの糸静線の回を受けて、再度興味を持ち、本書を購入したが、あたり。 まあ、仮説というか試案とはいえ、なーんとなく、フォッサマグナの成り立ちについてイメージを持つことができた。それにしても、不思議な地形なん...続きを読むだなあと改めて。 Posted by ブクログ 見えない絶景 深海底巨大地形 藤岡換太郎 海底の地形はどうやってできるのか。 なぜ巨大な地形ができるのか。 プレートテクトニクスにより海溝や山脈ができる。それを基本として何が加わると実際の地形になるのかを海底を世界一周する態で解説する。 マントルからマグマが地表に噴き出す、その形態の違いで海台のような大規模な地形からハワイ諸島まで、形成され...続きを読むた様子がつきとめられる。 興味深いのはプレートテクトニクスが「いつ始まり」「このあとどうなるのか」。いつ始まったのか、を解説するために古代地球(冥王代地球)の形成の歴史も活写する。 太陽系の惑星が岩石惑星、氷惑星、ガス惑星に分かれた理由もわかった。 プレートテクトニクスが存在する惑星は太陽系では地球だけ、と聞いたことがあるがその理由について仮説があれば知りたい。 この本で得た知識をもとに「日本列島100万年史」を再読したい。 Posted by ブクログ 海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史 藤岡換太郎 わかりやすかったです 地球の歴史をカレンダーにして示していて、地球の時間的スケールが非常にわかり易かったです。 ちいた 藤岡換太郎のレビューをもっと見る