【感想・ネタバレ】デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

かれこれ30年以上前、映画館でリンチ版の映画「砂の惑星」を観た後に旧訳版を読みましたが、今ひとつ訳がこなれていない感じがあり、その頃から新訳版が出ないかと、漠然と思っていました。
という割には、新訳が出てからの積ん読期間が長く、読むのがヴィルヌーヴ版「砂の惑星Part2」を観た後にになってしまいました。
酒井さんの訳は一読して明瞭というべき分かり易さであり、登場するキャラクタと情景が頭の中に生き生きと立ち上がってきます。
もしかすると旧訳の分かりにくさの中に哲学的な奥深さを感じていた人もいたかもしれませんが、個人的には新訳を断然支持します。

さて、上巻は、新たな統治領アラキスに到着したばかりのアトレイデス公爵が、ハルコンネン男爵の襲撃を受け、ジェシカとポールの母子が辛くも砂漠へと逃亡するところで終わります。
覚えていなかったのですが、この時点で既にポールはほとんど覚醒していたようで、後に命の水(砂蟲の”死に水”)を飲むのは儀式にすぎなかったのでは、と今にして思います。
また、ポールが覚醒した時に見たヴィジョンは、量子論でいう多世界解釈に影響されているように思われることも興味深かったです。
そういえば、ゲーム「STEINS;GATE」は、主人公がヒロインを救うために、何度もやり直して何とかその世界線を探り当てる話でしたが、本書の主人公ポールは、未来を視る力(万能ではないようですが)を使い、犠牲を最小限にしつつアトレイデス家再興・ハルコンネン家殲滅を達成できる世界線を探り、進んで行くことになります。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

こ…これは物凄い本だ。
想像を絶するスケールと緻密に設計された独特の世界観。SF、という言葉じゃ表現できないほどの壮大なストーリー。今は亡き著者に脱帽。

どことなく『風の谷のナウシカ』をイメージさせる。文明社会が滅び、砂漠には巨大な蟲が脅威を振るう。もはや世界は人間が住む環境にない。
そこに1人の救世主が誕生する。
彼は世界を救うことができるのか。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

旧訳版で読んでいたのですが、読み辛くて新訳版で買い直してみたら読み易くで驚きました。
言わずと知れたSF超大作。映画続編も来春公開で楽しみ過ぎますね‼️

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2023年11月04日

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こういう物語にありがちな冗長的なぐだぐだ感はなく、わざとらしくない世界観も秀逸。かなり面白かったんで当然中巻読んじゃうよね。

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2023年09月26日

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映画の前編を観て気になり読む。
明快なストーリー進行でとてもよい。
だけど単純なわけじゃない。
SFって、昔の作品でも本当に楽しめる。

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2022年10月27日

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完全なフィクションなのにどこかリアリティがある。
世界観が作り込まれているのがすごいと思う。

映画を観た時と同じように、砂漠のように荒々しく、美しい作品だと思った。

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2022年01月30日

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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画(Part1)を観て、どうしても読みたくなって買い求めた。思った通りだった。私の生涯ベストの一つである「指輪物語」に追いつかの如くの「ファンタジー」だったのである。

私がファンタジーに求めるものは二つ。物語の最初から、既に「世界」は完璧に出来上がっていていなくてはならない、というのが一つ。もう一つは、物語の奥の奥に、必ず答えの決まらない「問いかけ」が用意されていること。そしてラストに、ファンタジーだからこそ許される答えを僅かに提示すること。まだ3部作の最初を読んだだけだけど、一つ目は見事にクリアした。

時は、地球の西暦で教えられる。標準年10191年。0を一つ間違えているわけではない。これも、映画では冒頭に出てくるけれども、原作では「後世」に作られた本の一節で初めて知らされるのに過ぎない。遠い未来の話は、殆ど遠い過去の話とイコールだ。

「汝、人心(ひとごころ)を持つがごとき機械を造るなかれ」『オレンジ・カトリック(OC)聖典』より
‥‥つまり人間社会はAIの洗礼を既に受けて、新しい段階に入っているらしい(著作の頃はまだAI概念は不確かだったけど)。

砂の惑星は、「香料」を産出するがために、あらゆる争いのもとになっている。冥王サウロンの「ひとつの指輪」の如き存在なのかもしれない。

主人公ポールは、やがて砂の惑星の民から救世主と呼ばれる。物語の冒頭から、それは決定しているかの如く描かれる。ある時は、「クウィサッツ・ハデラック」と言われ、もう一方の情報では「ムアディップ」と呼ばれる。一方では彼は、アトレイデイス公爵の跡継ぎとして砂の惑星アラキスに降り立ったポール・アトレイデイスなのである。重要な公爵暗殺劇も、物語の冒頭から「後世の」「ムアディップ伝」の中で語られているから、映画で筋書きがわかっていた私以上に、本書読者には驚きが無い展開である。私にとっては、映画ストーリー以上に最初に展開を種明かしをしている物語の構造に、驚きを禁じえなかった。おそらくこの「構造」こそが、「砂の惑星」の魅力なのだろうと、今は思う。

102世紀の世界ではあるが、魅力的な機械が散見する。トンボのような羽ばたき機は砂上に飛ぶのだとすれば確かに合理的であるし、身体中の水分を殆ど外に出さない循環型スーツも、あり得るテクノロジーである。そして、砂の惑星の主とも言える砂蟲の圧倒的な存在感。ここから宮崎駿が王蟲を創造するのは遠くはなかっただろう。

映画は2部作と思いきや、殆どこの3部作のうちの上巻のみで終わった。とすれば、映画も3部作なのか?そんな情報はどこにもないし、次が作られる保証さえなかったはずだ。本作のヒット如何に関わらず、どうやらPart2の制作は決定したようだ。とりあえず、それだけが「見える未来」である。

(得るに時あり、失うに時あり、保つに時あり、棄るに時あり)
『OC聖典』に含まれる、〈伝道の書〉からの引用だ。
(愛しむに時あり、悪むに時あり、戦うに時あり、和らぐに時あり)
(462pのレディ・ジェシカの呟きである)

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2021年12月01日

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新作の映画を見てきたので、映画でやったところまで読み返し。新訳版中巻の半分まででした。これから盛り上がるところで楽しみなのですが、続きが作られるのか心配。製作決定の報道はあったようですが、原作を知らないとあまり楽しめない感じなので、評価も分かれているようです。

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2021年11月18日

Posted by ブクログ

上中下一括感想
下巻にて

あー映画館で、観たいよー。

スターウォーズとナウシカと中世ヨーロッパの大河ドラマ。愛と陰謀の渦巻く韓国王朝ドラマ。
いろんなものが混じって……

でもなんだかハマる〜。

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2021年10月29日

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1965年刊。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作品。明日10/15からの映画公開にあわせて読み始めた。砂漠を滑走する巨大な蟲と飛び交う小型飛行機、帝国の支配と土着の民族、そして救世主伝説。どっかで見たぞこの世界観……でもこっちの方がずっと古い小説。読んでいる感覚はSFというより歴史ものファンタジーな感じ。とにかく設定が作り込まれていて圧倒される。1984年のデイヴィッド・リンチ監督の映画版を先に視聴していたので、物語にすんなり入っていけた。原作を読むと、あの映画は再現度が高く、よくできていたことがことがわかる。世の映画ファンにどう評価されているのかは知らないが。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新しいDUNEはどうだろうか?期待が高まる。

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2021年10月14日

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SF好きにはオススメ。
上巻は、ファンタジーには欠かせない世界観や用語の説明などイントロが長かったが、終盤は展開も早く、どんどん読み進めたくなる。

ファンタジーのワクワクする高揚感だけでなく、ストーリーにおいて"香料"をめぐる経済、貴族とその地の民族との関係性や政治などの要素が濃いことから、与えられた条件、環境下でどのような選択をしていくのが良いのか?どのように危機に対処していくのか?を主人公と一緒に考えていける面白さもある。

また、砂漠を舞台にしていて、中東に興味がある身としてはところどころアラビア語?ペルシャ語?由来の言葉が使われているところも親近感を得られた。

(蛇足: 悪側のウラディーミル・ハルコンネンの名前から、プーチンの顔がチラついて、そこだけファンタジーの世界にひたれない)

全部読み終わったら作者がどのような時代に何に着想を得たのかを調べても面白そうだと思った。

"SFの金字塔"と言われるこのクラシックな作品が近く映画で公開されるので、それも楽しみ。

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2021年10月12日

Posted by ブクログ

「DUNE 砂の惑星〔新訳版〕」(フランク・ハーバート : 酒井昭伸 訳)〔上〕〔中〕〔下〕を読んだ。
ハヤカワ文庫さん、新訳版を出すのであれば、新作映画特需の為でなく、「砂漠の救世主」「砂丘の子供たち」までは続けて出して欲しい。
矢野徹版を何度も何度も繰り返し読んだファンとしてのお願い。

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2021年09月09日

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主人公のポール・アトレイデスは、機械をも余裕で凌駕する知能があって、剣技の才もあるという文武両道の極み。さらに伝説の能力の持ち主の可能性もある。完璧な設定だ。厨二心がくすぐられる。この物語の真価がそこにあるわけではないけど、既に最高。

そしてまだ上巻なのにめちゃくちゃ面白い。政治・経済、人間関係、暗殺、惑星の生態、それらを全てまとめ上げた重厚な物語。序章が終わって中巻からいよいよポールの物語が幕を開ける。果たしてこの世界でどのような試練を乗り越えてゆくのか、楽しみで仕方がないです。

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2021年09月06日

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SF好きなら避けては通れぬ砂漠の惑星。ヴィルヌーヴ監督の映画が公開される前にと読み始めた。惑星の覇権を巡るスケールの壮大さ、また宗教的・精神的で重厚な世界観に惹き込まれる。遥か未来の物語だが、PCやAIが禁止・拒絶された世界で、メンタートと呼ばれる演算能力を訓練した者が指導者を補佐する。皇帝の意によるアトレイデス家とハルコンネン家の惑星アラキスを巡る対立の中で、徐々に自分の能力と使命に目覚めていく公爵の息子ポールの成長譚でもある。先にリンチ版の映画を観ていたためか、スムーズに世界観に浸ることができた。

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2021年08月12日

Posted by ブクログ

本当は今日は別の本を読もうと思ってたのに、うっかり手に取ってしまったら食事も忘れて夜の9時半である。まいったね。とちゅうで読むのをやめられなかった経験は何十年ぶりじゃない?

のちの様々な作品に出てくるモチーフの元ネタに満ちていて、あれもこれがルーツかこれもこれがルーツかと考えると目眩がする。

*追記すること

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

ドゥニ版の映画が大好きなので,このpart 2公開のタイミング,やっと原作に挑戦。ただでさえ分厚い一冊が上・中・下あるので覚悟して読み始めた。思った通り内容は難しく,映画を観ていなければ完全に理解することは難しかったと思う。
ただやはり面白い。映画版は勿論だが,原作も砂の惑星の景色が鮮明に見えてくるような気分。

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

ドゥニ・ヴィルヌーヴとティモシー・シャラメの映画『Dune』が好きすぎて、11月の『Dune: Part Two』公開前に原作を読もうと、思いつきで読み始める。

同じ段落を何度も読んだり、
数ページ遡って読み返したり、
スラスラと読み進めはしないけど(基本SF苦手だし)、
映画で観たお陰で、あの上質な映像が頭の中に甦り、
内容を理解する一助になっている。

読んでいて原作に比較的忠実に映画化されてた事に驚く。
流石に原作は人物の内面/心象の描写が濃い。
特にポール。自分に対して、父に対して、母に対して。
上巻の最後半での母に対する想いの描写は複雑で、
これからどう変わるのか、変わらないのか気になる。

『理解するの難しい!!』と思いながら読むのにも慣れ、
今ではこの難しさが楽しくも感じ始めている。面白い。



**
今から中巻を読み始めます。
上中下と文庫本3冊続く物語を読むのも久しぶり。
北方水滸伝以来か??何年前よ!!

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

映画を見たのでずっと積んでた原作を読んだ。映画がかなり原作に忠実だったようで、読んでてスラスラ入ってくる。

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

映画を観たあとで読んだ。
以前のものよりも翻訳がわかやすくなっている。
正統派SFといった感じでとてもおもしろい。
冒険活劇的な一面もあるが、政治的な駆け引きや登場人物の心理についてもじっくり描かれており、重厚感があっていい。

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2022年11月13日

Posted by ブクログ

映画は視覚的に情報が入ってくるので、分かりやすいし、特にSF作品はダイナミックな演出が醍醐味だったりするので、アクションシーンは引き込まれるような没頭感を味わえる。一方原作の本書は内容はもちろんおおむね同じだが、映像があるわけではないので、1シーン1シーンを解読しなければならない。それもあってか言葉の重みが際立っているように感じた。両方の視点から楽しめるのは素晴らしいことで、どちらも優れていて初めて成り立つことなので、改めて良作であることを認識。

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2022年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『Dune』はいつか読まなくては、と思いながら、なんとなく読みづらそうなイメージがあり読んでいなかった。
今回ドゥニ・ヴィルヌーヴにより再度映画化されたのを機に、また(おそらくそのために)新訳が出たのでようやく手にとった。

いわゆるソフトSFにカテゴライズされる作品で、ハード好きな私の好みからはややずれるのだが、それはそれ。

ところでサイエンス・ファンタジーとソフトSFの境界線って難しい。感覚的なものだけど、『第五の季節』はファンタジー、これはSF。自分でも何故かは理屈で説明できない。
Wikipediaにも「境界線は明確ではなく慣習的なもの」という記載があるのでそういうことなんだろうけれど、しかしながら自分の中では性別が違うように明確な線引が引かれており、SFには惹かれるが、ファンタジーには惹かれない。

閑話休題。
『DUNE』はつい先日私の中で若干信用度が落ちたヒューゴー賞の他、ネビュラ賞も受賞している。クラークにして「匹敵する作品は『指輪物語』のみ」と評され、私が敬愛して止まないハードSFを代表するカール・セーガンさえもが「惹き込まれる」と評した作品。
長編だがその長さは感じさせず、読み応えがあり、最後までその歯ごたえは持続する。
世界観は確立されており、説得力がある。
文章には抑制を感じ、私が苛立ってしまう賑やかし要素はほぼなかった。

私が読んだバージョンは文庫本で三部に別れている、程度には長い。そしてその世界観はその長さの分はある。
私が『DUNE』を初めて知ったのは1984年のデビット・リンチ監督の映画だった。リンチ好きの私にはリンチ監督作品というだけで「読んでみよう」と思わせるには充分だったが、小説を読んでみると、そのリンチでさえこの物語を充分に描いていなかったのがわかる。(それはリンチのせいではなく、映画という時間的制限と当時の技術的制限によるところが大きいと考える。さらに余談だが、一方でドゥニ・ヴィルヌーヴは映画を二本に分割することでこの世界を忠実に描こうとしている(私は嫌いな方法だが)。そして一部を観る限りではなかなか忠実に表現しているように思う)。
しかしながらそれだけでは物語は終わらず、『DUNE』は実はサーガであり、Wikiで調べれば簡単にわかるが、この他に5作ある。
『砂の惑星』だけで充分大きな世界観を感じさせるが、さらに5作も続くとは。
正直に言うと続く作品群はこの質を保っているのか若干の不安を個人的には感じるが、いつか時間が許せば読みたい。

違う世界の星をまたぐ勢力争いという意味では、例えば『スター・ウォーズ』だったり『ガンダム』だったり他にも作品があるが、『DUNE』は勢力争いだけではない点を描いているという点で物語に厚みが出ている。
主人公(ポールが主人公だが時にその母ジェシカも)の内面を丁寧に描き、一つの特異な民族を高い完成度で描き、アラキスという星にも焦点を当てる。
それらの描写の完成度を実現させているのは、また主人公ポールが持っている描き方によってはファンタジーとも受け取られかねない力が説得力を持つのは、その描かれる世界の完成度故だ。物語として描かれる部分は一つの事件だが、(下巻の感想にも書いたが)その水面下にはフランク・ハーバードが構築した大きな世界があり、その世界によって物語が地に根付いたものとなっている。
魔法じみた力も、ストーリーを進める上で便利に使われているものではなく「何なのか」という設計がきちんとされている。
その世界・設計に基づき、しかしながら闇雲に構築した世界全体を描くのではなく一つの事件にフォーカスを当てることによって、『DUNE』の世界は実現されている。

そういう意味では、ラストに若干ポール、アリアの万能感を感じさせるところが残念かなー。ややご都合主義を感じる。まあでもそういう物語なのかも。でも故に私的には★4。

重厚感は公爵や帝国などの設定もあるのかな。
あとこれは人類の未来の姿なのだろうか。それともパラレルワールドなのだろうか。私達の人類と類似性はとても感じるが。フレメンはなんとなく中東の人々を彷彿させる。(ということをソフトSFに問うてはいけないのかもしれない)。

続く物語は売っているのだろうか。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

フランク・ハーバートによるSF大河。今年(2021年)に監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演:ティモシー・シャラメによる、最新の映画化作品が公開されて話題となっているので、この機会に手に取ってみることに。(なお、本書は上中下全3巻の大長編作品となっている。)

砂漠に覆われた惑星アラキス。そこは、体内から排出される水分をも再利用する必要がある程の過酷な環境である一方、莫大な富を生み出す、メラジンと呼ばれる抗老化作用をもたらす香料の唯一の産地であった。
そんな惑星アラキスを、皇帝の勅命により、宿敵・ハルコンネン男爵家に代わって支配することとなったアトレイデス公爵家。表面上は皇帝の公認の下で、宿敵から要地を奪取することとなったが、それは皇帝と男爵による、アトレイデス公爵家を滅ぼすための策謀であった。罠だと知りつつも公爵家の当主・レトは、惑星アラキスに乗り込む―――。
一方、惑星アラキスへの移住前夜、公爵家の世継ぎとして育てられたレトの息子・ポールは、鋭い洞察力や"絡り声"と呼ばれる人を操る特殊な話術を身に着けた"読真師"<ベネ・ゲゼリット>と呼ばれる者の、教母と呼ばれる人物から<クウィサッツ・ハデラック>について聞かされる。「いつの日か、ひとりの男が現れる。その男は、"読真ドラッグ"の力を借りることで、"読真師"の教母にも覗くことが出来ない、肉体自体に受け継がれた男系・女系両方の"記憶"を、一度に俯瞰することが出来る。その者こそが<クウィサッツ・ハデラック>―――。」

砂漠に覆われた過酷な惑星、そこの原住民"青い目"のフレメン、砂中を支配する圧倒的スケールのサンドワーム、"読真師"<ベネ・ゲゼリット>、"演算能力者"<メンタート>...etc、キーワードを挙げたらキリがない程の魅力的な設定、壮大なドラマが読む者を離さない。

男爵家、そして"裏切り者"によって急襲を受け、壊滅したアトレイデス公爵家。母・ジェシカと共になんとか生き延びたポール。<クウィサッツ・ハデラック>として覚醒し始めたポールは再起を図るべく、砂漠の住民・フレメンの居住区へと向かうのであった―――。(次巻へ続く)

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2021年10月31日

Posted by ブクログ

デュニ・ヴィルヌーブ監督の新作「DUNE 砂の惑星」を観て、原作を未読だったことをハゲシク後悔。さっそく上中下3巻を取り寄せ、読んでみたら...コレが面白かったのなんの!!!
なるほど、スターウォーズに繋がる要素もあれば、宮崎駿「風の谷のナウシカ」の世界観やキャラクターに通ずる要素もあり、連綿と受け継がれる地球規模のSFの系譜に頭を垂れたくなる気分。どうして今まで読んでおかなかったんだろう!
願わくば、映画「DUNE」の後編の製作も必ずや実現されますように!

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2021年10月29日

Posted by ブクログ

映画を見る前に予習で読んだ。ナウシカやスターウォーズに影響を与えた作品として、頷ける傑作だった。アラキス、ベネゲセリット、フレメン、メンタート、香料、サンドワームなど、作中に出てくるもの全てが魅力的だ。それらは当時の世界から抽出された形でもあるし、現在のメタファーにもなり得るところが時代を超えて愛される所以ではないだろうか。

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2021年10月18日

Posted by ブクログ

訳が分かりやすくなった気がするけど、旧訳との違いが曖昧さを産んでしまい私は困っている

けっきょくのところ、英語版を読むしかないのだろうか

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

パート2の映画公開を控えて、気になっていた「デューン 砂の惑星」。アマプラで映画パート1(デビッドリンチ監督じゃない新しいほう)を観て、このダークさは原作でこそ味合わねばと思い手に取ってみました。
シリーズ化されているデューンですが、第一弾の「砂の惑星」の小説の発行が1965年と知って、こんな作品が自分が産まれる前に世に出ていたのかと、びっくりさせられました。
出てくるキャラクターは、救世主として覚醒していく(のであろう)主人公ポールと、「魔女」と呼ばれる母親、わかりやすい敵ハルコンネン男爵など、どいつもこいつもキャラが濃く、それぞれの事情と野望と愛憎を絡め合いながら、裏で“静かな”丁々発止のやりとりを繰り広げていきます。
すごい世界観なのに、派手なシーンが少なく、確かにこれは映画にしにくいと思うけど、スターウォーズなどに影響を与えたのもよく理解できました。
強烈に面白い!というわけではないですが、気になる世界観ではあります。
とりあえず次、中巻読んで、映画のパート2を観てみたいと思います(逆がいいのかな?)。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

映画『DUNE 砂の惑星』Part1を先に観ていたことが、原作のSF独特の世界観をイメージする手助けになって、思っていた以上に読みやすかった。映画を観たときにも感じたけれど、SFというよりもファンタジー的な要素も強くて、それがこの作品の魅力だと思える。
映画ではこの上巻よりももう少し先の話が描かれていたが、ポールの未来が視える存在としての覚醒は、映像ではわかりにくかった。ハルコンネンによる陰謀に巻き込まれたアトレイデス家の嫡男という感じで、まだその能力が、目に見える形では現れていない印象だったけれど、原作では明らかな覚醒が描かれていて、今後の展開に期待が高まる。
3/15にPart2公開予定なので、月末までに残りの中巻、下巻を読み終えてから、映画を観に行きたいと思っている。
原作も映画もとても楽しみだ。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

2022/01/08〜4/10
ゆっくり読み進めてたら3カ月もかかっていた……笑
劇場版を観て読み始めた。
映画の持つ空気感はドゥニ・ヴェルヌーヴ監督の作家性に拠る所も大きいが原作の持つ空気感を割と忠実に再現していたのだなと言う気付きがあった。

機械の有用性が人々に理解されはじめ、機械が生活を豊かにする時代の曙に作られたSF作品。そんな時代感を宿す作品だからこそ、本作では人の持つ可能性を描いている。

STAR WARSが本作をイメージソースにしているというのは読めば納得。
また、海を感じさせる砂漠の描写の数々は『サイボーグクロちゃん』第五巻「異世界サバイバル編」を想起させてならない。

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2022年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

60年代SF長編とのことで、読むペース的にかなり苦戦しました。()で登場人物の気持ちを表すのね。

アラビアのロレンス的といいますか。
70年代なのでモロに中東戦略ですよね。
中東の人たちとどう付き合っていくのか、砂漠とは何か。香草は石油でもあり、またドラッグでもある。

クイサッツ・ハデラッハとして覚醒し、父の公爵が死に、ジェシカが男爵の娘だとわかり、物語は新たな展開へ!

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2021年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中盤までは舞台設定の説明がメインだがそこを乗り越えれば面白い。
ベネ・ゲセリット、演算能力者〈メンタート〉、香料〈メランジ〉、フレメン、砂蟲〈サンド・ワーム〉、砂漠で生きるための特殊な装備……不思議な要素がたくさんで楽しい。
貴族同士の陰湿な権力争いなど馴染みのあるやつも。

常人よりも多くの情報を汲み取り判断を下せるベネ・ゲセリットと演算能力者はお互いに(少なくとも演算能力者は)複雑な感情を持っているようだが、ポールが両方の力を持つ者として活躍するのだと思うと今かる楽しみでもある。

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2021年05月04日

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