綿矢りさのレビュー一覧

  • 嫌いなら呼ぶなよ
    そっち側が主人公なんだと
    焦点のあて方の素晴らしさ。

    どうしてこんなにリアルに書けるのだろう。
    上から目線や揶揄することも否定することもなく同じ視点で書き続けられること。

    エンタメ小説としてのレイヤーだけじゃない時代背景やコロナ禍という社会も織り込んで読みやすい本。

  • かわいそうだね?
    一気に読んでしまった。面白かった。2つの話があったけど、両方とも未来を見ていて好きな話だった。
    頑張って、自分を騙そうとしてもダメ。結局は我慢できなくなる。
    やりたいように、とことんやってみてもいいんじゃない?諦めがつく。
  • パッキパキ北京
    主人公が中々にぶっ飛んだ性格でよろしい。

    このくらいのポジティブと言うか何も考えずに生きれたら人生楽しいかも。

  • 嫌いなら呼ぶなよ
    表題作は妻の友人宅で開かれたホームパーティーにて突如始まった、主人公の不倫追及の会を描いた短編である。
    表題作をはじめ、様々な人の闇や毒をドライに描いた短編集。
    文体はかなり独特。現代的な話し言葉のような文章で、絵文字が使われてもいる。
     
    どの短編を読んでいても、今の時代こういうことってあるのかも...続きを読む
  • ひらいて
    愛という人間が私にはとても魅力的に思えて、憧れる。こんなふうに真っ直ぐに、激しく、奔放に、狂うほどだれかを好きになってみたかった。でも、そんな愛も承認欲求を原動力として生きている、恐怖を感じながらも本能を頼りに突き進んでいる、そんなところに人間味を感じて愛おしくなる。

    たとえ、美雪との出来事を通じ...続きを読む
  • パッキパキ北京
    旦那の仕事の関係で中国に駐在することになった、パワフルな女性の話。北京特有のギラつきさと、真冬の中勢いのまま突っ走る菖蒲の行動力とポジティブ精神に圧倒される。最高の1冊。キラキラした世界を見たい人に。
  • 生のみ生のままで 下
    再開してからの逢衣の覚悟と動き方がとても好き。嘘に対しての2人の感じ方が、都度変わっていくのもすごく感情移入できて良かった。
  • かわいそうだね?
    好きな人の価値観を尊重することと、
    自分自身を押し殺すことは全く別物。
    混同してしまいがちだけど、
    相手にも自分の価値観を認めてもらわなければ
    愛は成立しない。
  • パッキパキ北京
    痛快。夫に北京滞在してほしいと懇願され、自由を謳歌していた菖蒲アヤメは中国へ。
    目の前のものを楽しむ、どこへでも行き、適度な距離の友だちを作りその場を楽しむ、根っからのポジティブ天才。
    読んでても爽快で楽しい。しかも北京の話がまた面白い。
    必要な言葉は真似して覚えて、ダークなところは嗅ぎ分けて近づか...続きを読む
  • かわいそうだね?
    かわいそうだね?
    「かわいそう」という言葉の意味を改めて考えた。誰かに「かわいそう」と言われると頑なに否定したくなるし、誰かに対して「かわいそうだな」と思う時は侮蔑的な意味合いが含まれていると思う。「かわいそう」という感情を超えて、樹里恵が最後まくし立てるシーンは痛快だった。

    亜美ちゃんは美人
    ...続きを読む
  • 嫌いなら呼ぶなよ
    お!も!し!ろ!か!っ!た!!!!

    「眼帯のミニーマウス」は主人公の女の子が強くて最高だった
    綿矢りさ明日カノ読んで自分も書きたくなったんかな!?!?と思ったけど、そもそも令和というこの時代を書き残しておこうと思ったらこういう話になるのかも。おもろい。

    「神田タ」はイケメンYouTuberの話か...続きを読む
  • 手のひらの京(新潮文庫)
    今まで読んだ綿矢りさ作品の中でいちばんのお気に入りになった。京都という土地の四季の描写と共に感情の移ろいが描かれているからか、綿矢作品の中では比較的穏やかな作品だなとも感じた。波のように荒ぶる感情の「お腹いっぱい!」感がないので個人的にはとても好みだし、もう一度繰り返して読みたいとも思った。

    綿矢...続きを読む
  • かわいそうだね?
    面白かった。
    「火垂るの墓」が重なる辺りも、なりたくないと思っていたキャラに成り下がったかもしれないと恐怖する描写も感心しきり。
    綿矢りさ作品をもっと読みたいと思った。
  • 私をくいとめて
    金原ひとみさんのあとがきを頷きながら読んだ。
    いまふうの人たちの話だった。
    薄い嫌悪感はあるけど、そんなにいやなものじゃなくて、でもやっぱり自分とは違う種類の人を見ている感じ。
    みつ子は割とぽやーっとした性格のように思えたけれど意外にも行動力があってよかった。
  • 嫌いなら呼ぶなよ
    文体が痛快ですごく気持ちのいい本だった。なんかノリがリアルで読みながらニヤニヤした。特に眼帯のミニーマウスは若者の思考感っぽいのが面白かったし、ぴえんが区切りに使われてたのが可愛い…特にタイトルとかやけど、言葉選びが最高。けみおの本とか読んでる時のそうやってこれ表す?!気持ちいい語幹ってゆうかいい言...続きを読む
  • 二周目の恋
    恋愛小説のアンソロジー。
    著者ラインナップが『一穂ミチ・窪美澄・桜木紫乃・島本理生・遠田潤子・波木銅・綿矢りさ』こんなの全員海老の天ぷらじゃん。海老天しかない天丼じゃん…。
    私はれんこんの天ぷらが一番好きだけど。文芸誌の恋愛特集のために書き下ろされた作品をまとめたもの。
    どれもほんとーーーによかった...続きを読む
  • かわいそうだね?
    どうしようもないけど愛しい、
    そんな女性たちが描かれている。

    他人をかわいそうと思って、
    自分を押さえ込んでいた主人公が
    自分の本音を爆発させて暴れて
    『しゃーない』
    と呟くところは圧巻。

    色々やるせないこともあるけど
    強く生きていこうと思える作品だった。
  • 手のひらの京(新潮文庫)
    大学時代を過ごした京都の地名があちこちに出てきて懐かしい気持ちになった。京都に漠然とした憧れを抱き続けている自分にぴったりの本だと思って読み始めたが、あの場所で育ってきた人とは"京都"に対する感じ方が違うんだろうな。
    3姉妹の会話に癒されたし壁にぶつかってもがくそれぞれの気持ちに共感できた。
    早くま...続きを読む
  • 夢を与える
    あなたは「夢を与える」仕事をしているでしょうか?

    このレビューを読んでくださっているみなさんは何かしら仕事をされている、もしくは仕事をされてきたと思います。それはもう千差万別です。しかし、共通しているのはそれが誰かのためになるものだということでしょうか。無人島で一生一人暮らしをしていますという特殊...続きを読む
  • 私をくいとめて
    『あなたは自分のこと』を『おひとりさま』って思ったことはありますか?

    『おひとりさま』という言葉をいろんな場面で見かけるようになりました。人はどうしても他人の目を意識するものです。『ひとりカフェ』はカフェが待ち合わせの場所と考えると、ひとりで入るのになんの躊躇もないと思います。しかし、『ひとりファ...続きを読む