サージウスの死神

サージウスの死神

660円 (税込)

3pt

徹夜明けの仕事帰り、俺はビルの屋上から飛び降りてきた男となぜか目が合った。男はすぐに目の前のアスファルトの上でぐちゃぐちゃになった。警察の取り調べを受け、男の側頭部に3センチくらいの穴が開いていたと聞かされる。警察から解放された俺は、着替えを持ってきてくれた会社の同僚と地下カジノ「freeze」に繰り出すことにした。早速ルーレットへ。初日は負けたが俺はルーレットが気に入り、しばしばfreezeを訪れるようになる。300万円近く負けて俺は勝負に出た。そして預金のすべてを失った。会社にも行かず、俺は借金をしてルーレットに賭け続けた。ルーレット台にかじりつきホイールを凝視していると、突然影が落ちてきて数字の形になった。頭蓋骨から焔がこぼれ「26」という数字が見えた。一数字賭けに勝った。その後俺は家に戻らなくなった。カネは狩るものだと理解し、勝つことに徹底した。俺は賭けて、生きのびることができる。なぜなら、頭蓋骨のなかに「数」を飼っているからだ。あの男と目が合ってから……。

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サージウスの死神 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    佐藤究のルーツを辿る。
    それは恐慌なる純文学。なぜだろう。妙に感情移入できてしまった。ただ、わたしは一切の賭け事に興味はない。……はず……。侵食。

    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    佐藤究氏が「佐藤憲胤」名義で著したデビュー作。いわゆるギャンブル脳の描写であるとか狂気の描写が面白い。しかし、本作品にあるのは推敲のうえ作られた「狂った世界」であり「テスカトリポカ」のような緊張感や迫力にも欠ける。とはいえデビュー作ならではの熱量や良い意味で肩に力の入った筆圧が伝わってくる。

    0
    2023年02月20日

    Posted by ブクログ

    佐藤究氏の純文学作品。ただ、今後のエンタメ作品の感性も感じさせる描写が見られ、引き込まれるタイプの純文学に感じました。

    0
    2021年10月17日

    Posted by ブクログ

    著者は、純文学とエンターテイメントを併せ持ったものをつくっていると、どこかのインタビューを読んだことがある。たしかにこの作品の半分過ぎまではどんどんストーリーに引き込まれ、先が気になる展開であった。しかし、後半一気にたたみかけるように、深い世界へひきずり込んでいくところが、何かを主張するような、別の

    0
    2021年08月06日

    Posted by ブクログ

    直木賞作の『テスカトリポカ』と同じ作者の群像新人文学賞優秀作ということもあって読んでみる。
    死とギャンブルとカネの狂気というか、難解という内容とも感じないが、分からないというのが正直な感想。
    21-32

    0
    2021年09月18日

    Posted by ブクログ

    ミステリを期待して買ったけど、純文学の方でした…
    話のスピード感がすごい。そして難解。目の前で飛び降り自殺を見てからギャンブルにハマっていく男の話だけど、全体的に煙がかった世界な上に眩暈のする気分。

    0
    2021年08月19日

    Posted by ブクログ

    目の前で飛び降り自殺を目撃した男のお話
    男はDTPデザイナーだが、それからギャンブルをするようになり、うんたらかんたら
    その内容はよくはわかりませんでした
    残念

    0
    2021年04月04日

    Posted by ブクログ

    自殺する瞬間のその人の目を見てしまったことから、死とギャンブルを意識する。
    そして違法カジノで異能を発揮し、自我を崩壊させてゆく。

    「賭け」に執着する男たちが発する言葉が入っていかない。
    どう受け取ればいいんだろう。

    血の色をした宝石が、死地に導くのだろうか?

    0
    2020年05月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    佐藤究のデビュー作。
    あまり有名ではない?し評価も高くなかったので正直あまり期待していなかった。
    が、他の作品同様かなり読み応えのある作品で佐藤究作品の狂気が溢れている。

    主人公が賭博にのめり込み、どんどんと狂気にまみれていくわけだが、読んでいるこちらまで頭がおかしくなるような読むドラッグのような

    0
    2023年07月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アンク以来の、1年越しに佐藤究さんの作品を読んでみた。
    この作品がデビュー作とのこと以外はほとんど何も知らない状態で読みました。
    深夜3時でも新たに仕事が舞い込んでくるような、ブラックな職場で働いている主人公。
    ひょんなことで同僚から裏カジノに誘われ、そこで行われている「ルーレット」に心を奪われる。

    0
    2024年04月30日

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