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半島を形作る三国の平和がついに崩れ去る……。ソニンとイウォルが暮らす<沙維>は<巨山>に狙われ、<江南>も争いに巻き込まれる。平和を望む王女・王子たちは、密かに行動を起こし、平和を取り戻そうと動く。少女・ソニンが最終的に選んだ道は? ついに物語が完結する!
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Posted by ブクログ
もったいなかったかな。ハイスピードで5巻読んでしまった。でもしっかり読んだ。GWのおかげ。多くの人に読んでほしい
さて、いよいよ最終巻に入る。 この間、イェラ王女は江南へ3度目の訪問を果たし、巨山と江南は急速に接近。沙維だけが蚊帳の外という状況の中、遂にイェラ王女が沙維へ訪れることになるという発端。 そして巨山の侵攻から収束までスピーディーで怒涛の展開は、あっという間に読み終えた(こんなに面白いのに、勿体な~い...続きを読む) うぁ~、もぉ~、イェラ王女、かっこいい!!! 蛇足ながら…。 こういうことを語られるのは作者として本意ではないかもしれないが、2巻のミナ王妃への忖度の話やら3巻の北天に存在した星<朱烏>を無かったものにした話などには、どうしてもどこかの国の宰相を思わずにいられなかった。 4巻では教育について『この国には貧しい子どもを拾い上げる制度がほとんどない』とあり、こうしたことも含めて、2020年の今を予見して書いたわけではないだろうから、逆に作者の為政者に対する普遍的な見方について唸らされるところであった。
最後まで納得のいく申し分のない本だった。 三国の王子と王女がやっぱりカッコよく、ソニンも児童書にありがちな「鼻持ちならない子供」ではなく、どこまでも真っ直ぐで純粋で良かった。
もはや言うことはない。 この物語はまだ終わらない。 しかし、正しい道を歩もうとする人々が、 自身の欲望や感情に惑わされる可能性を わかりつつも、決して惑わされることなく 歩くことを自らの意志で選んでいる。 イウォル、イェラ、クワン。そしてソニン。 彼らの治める国を早く見たい。 本当に清々しく、こ...続きを読むこまで読み終えた。 秀作だと思う。人にも強く勧めたい。
2022.2.26 この最終巻の盛り上がりは凄かった! 3人の王子、王女の思惑と積み重ねが周りを動かし、変化させて… とても良かった!! 自分の推しはイェラ王女。 家族に敵がいる過酷な環境でも自分の芯を貫き通す実行力と、 自分の信頼できる人を信じる力に痺れました! 読みやすいけど、児童文学には収まら...続きを読むない、 また今のロシアのウクライナ侵攻の状況で読めた事でたくさん考えさせられました。 戦争辞めようよ。。
これで一応本編は終わり。外伝も楽しみだなぁー。 相変わらずイェラがイケメンすぎて、他の空気感!!← でも、最初の頃に比べて、イウォル王子、かっこ良くなりましたね。 手も足も大事にしてください。そこに恋心はないのか!!← 解説読んでて気づいたんですが、この本はファンタジーとしては、毛色が変わってるんで...続きを読むすね。 なにせ、ソニンは「落ちこぼれ」として、天山から…きつい言い方すれば、放逐されてるわけですから、よくあるファンタジーの…あなたは伝説の魔法使いなのです!生き残った男○子万歳!…とかではないですよね。 ま、元気出せよ、人生天山ばかりじゃねぇよ、世界でたった12人しかなれない、エリート中のエリートな巫女さんじゃなかったとしても、君を必要としてくれる人はいるさ…家族とか、隣の家の男の子とか…嫁に欲しがってくれるかもじゃん? みたいな、肩叩いて語りかけたくなるような始まり方でしたよね。 でも、最後は、彼女しかなしえなかったことがあった、巫女になるために、天の導きで、野に降りさせられた巫女なのかもしれない、なんて養母は語っています。 いや、まて、私が見つけた居場所だからね!!運命なんか、冗談じゃないよ、これ以上翻弄されてたまるか、くそくらえだよ!!おこ、とソニンは言っていいと思いますが笑。 でも、ソニンはそう思ってないんですよね。巫女であったことが、無駄だとは思わない。全て必要なことだった、全てがあって今の私があると言い切れる彼女は、ほんとに一本筋が通っていて、ハッとするほど美しい。だから、読者の心を打つ。 この現実の世界では、選ばれた12人の巫女じゃなければ、もちろん王子でも姫でもない、ふつーの人たちが溢れてて、読者もその多くがそんな人なはず。 かつては神童とか言われて、もてはやされたけど、それも今は昔…なんて人も腐るほどいるでしょう。 でも、彼女みたいに胸を張って生きていけるだけの何かを、その失敗が失敗じゃなくなるくらい、あたしの人生大正解!と言えるだけものを見出せる人は、どれくらいいるでしょう。 例えば国を救わなくても、街角の友人との交流の中でも、ソニンはそれをちゃんと見つけているのです。 そんな姿にとても勇気付けられるし、尊敬します。元気をもらって、また現実に戻っていける。これはそんな本です。
まず、夢見の力というのが限定的な力なのがちょうどいいものでした。未来を見通すのではなく、夢で魂を飛ばしてある場所のことを視る。ただそれだけなのです。でも、それはどういう状態だったのか、何がおこっていたのか、場所はどこなのか。というのを知識でもって判断し伝えるということを巫女は行っているというとこです...続きを読む。 超越した力ではありますが、己の知識がなければただ無意味な力であり、賢くあるための教育と欲を抑えるためのルールが課されているがよかった。 そして、その夢見そのものができないことでただ人に戻るのですが、ソニンは賢かった。そして欲がないソニンがだんだんと人の世の嫉妬や羨望、悪い心を知りつつも、周りの人に恵まれてまっすぐ成長していくのがさっぱりとしてよかったです。 わかりやすく対照的なキャラとしてその知識を濫用したり、ふてくされる人がいたのがそれを顕著に感じるエピソードとしてありました。 はてしない物語と比べてしまって申し訳ないんだけれど、主人公が子供ゆえの傲慢さ愚かさや英雄になったが故の無敵感を得てそれから壁があって、その凝り固まった厚顔無恥な性格が清廉(といわずとも常識的)になっていくという物語が苦手です。大体が読んでて腹立たしく、もっと周りの意見を聞けよと思うので。その点、ソニンでは王子がその役割でしたが、主人公は欲がない子で"くもりなきまなこ"を持ちうる聡い子だったので、好ましい!と思う所以だったかと思います。
『天山の巫女ソニン』シリーズ最終巻。巨山国と江南国の同盟、巨山から沙維国への侵攻、そして三国の和平までが描かれ、未来への仄かな希望を見せて物は閉じる。 一番大切なのは「夢見であれ現実であれ、自分の目でしっかり観察することと、自分で考えることです。それはどこの国であろうと、いかなる世界であろうと変わ...続きを読むりません」と言い切るソニンの姿は眩しく、そしてこの言葉がシリーズの底に流れていたテーマであることを再確認させられた。 柔らかいながら無駄が削ぎ落とされた文体と、さり気ないながら緻密に書き込まれた社会状況は、一見地味にも見えて、しかし説得力をもって響く。もっとこの世界のことを見ていたい、と思わされるシリーズだった。
王や権力や富を持つ老人たちは戦を喜び巨山と沙維は戦を始めた。 しかし厭戦派だった王女らが世論に与えた影響、思うようにいかない戦況で戦は比較的少ない規模でおさまった。 三国の王子や王女らが持つ柔軟な思考、挫けない心根に永い平和が現実味を帯びた。 平和が一番。
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菅野雪虫
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