ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣(よしつぐ)は、初めて家族のルーツに興味を持った。出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ、墓の在り処もわからない。一体うちってなんなんだ? この際、祖父母が出会ったという満州へ行ってみようか──。かくして、ばあさんとひきこもりの叔父さんを連れた珍道中が始まる。満州、そして新宿。熱く胸に迫る、小さな中華料理屋「翡翠飯店」三代記。伊藤整文学賞受賞作。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
祖父母の代から三世代の壮大なお話だった。 生きるために逃げることも必要だと、私も思うけれども、泰造とヤエはそのことを恥じていた。 それでも、生きるために逃げて逃げて、そして生き延びるために作った翡翠飯店は、家族みんなの居場所であり逃げ込む場所であったと思う。誰もがいても良い場所。バラバラのような...続きを読む家族だけど、この翡翠飯店を起点につながっていると感じた。そして、その翡翠飯店を作った泰造とヤエは、それを誇りに思って良いのだと思った。
家族に無関心であった主人公が祖母との中国旅行を通じて家族のルーツについて知る内容。歴史的背景が細かく描かれており、祖母の生きた戦時中、子どもたちの生きる戦後、孫である主人公が生きる現代が、交互に描かれて読みやすかった。 戦争という自分ではどうしようもない状況から逃げることを選択した祖父母は、自分の子...続きを読む供たちにも逃げることしか教えられなかった故、子供達も逃げてばかりの人生に。しかし時代が違うと。今の世の中にもいろんな問題があるにせよ、そのせいにして逃げ続けるだけでは生きていけない、と言われているような気がした。改めて戦争について考えさせられるし、今の生き方についても考えさせられる話だった。 普段何を考えてるかわからない祖母との旅をきっかけに、だんだんと祖母の言葉の意味を主人公が理解してくるところが良かった。人となりや人の人生を知るって大事だと思った。 祖母が祖父となんで結婚したのか孫に聞かれたとき『そうさ、あのとき、春で、花が咲いていて、そりゃきれいで、だいじょうぶって思ったんだ、私でもだいじょうぶだって、できるって』と言ったセリフがとても好きだった。なんだかキラキラして見えた。根っこのない家族だけどいろんな希望を見出して生きてきたのがこのセリフに詰まってる気がした。
・戦争時代の描写が生々しかった ・浩一が亡くなったのが悲しすぎた ・人が歴史の中で生きるていうのは、なすすべもなく翻弄されるようにその場にいて、事件そのものに関われないし、良い悪いの評価もよほど頭のいい人出ない限り、できないのではないか
一人の青年が自分のルーツを辿る物語。行ったこともないのに、戦時中の満州の情景が立体的に浮かび上がる感覚があります。 自分の祖父母もその時代に近い時を生きてきたと考えるとほんのちょっと前のことなんだとよりリアルに感じました。決して明るい話ではありませんが、引き込まれます。オススメ!
小説を読む理由のひとつに自分じゃない誰かの人生を追体験したいからというのがある。『ツリーハウス』はその欲を見事に満たしてくれた。 高校生の頃は周囲の大人が一直線に今の大人になっていて失敗なんてしたことないんじゃないかと思ってたけど、自分が大人になってみると子どもより大人のほうがよっぽど大きな失敗や...続きを読む挫折を経験していたんだなって。それを知るのが好き。
三世代同居の家庭で生まれ育ち、嫁いでまた三世代同居の生活をしている。翡翠飯店と違い、そろっていただきますをしているせいか、作中のような混沌は無い。もしかしたら幸にして、根があって繁る枝葉だからなのかも知れない。 でも作者は、この一家に根がないことをネガティブに分類したまま終わらせない。時代を行き来し...続きを読むながら四方八方からのエピソードを積み上げて、大きな家族の木を見せてくれる。 他人や環境や時代や、自分以外のせいにしたいとき、思い出したい一冊。
たった三代だけど、家族には歴史があり、培ってきた文化がある。なあなあに全てを受け入れる家族にはそういう風になった背景がある。人間って切なくて辛くて面白い。
ある日、爺さんが死んだ。中華料理屋を営む藤代一家は、8人の大家族。孫の良嗣はふと思う。「そういえば、自分は先祖の墓を知らない。うちの家族って一体何なんだ」。再読だが、始めはこんな話だっけ?というくらい藤代一家にイライラ。揃いもそろってまぁいいか精神・先の事が考えられない・嫌なことからすぐ逃げる。しか...続きを読むし読み進めるうちに、雪解けのようにゆっくりと家族一人ひとりに理解が深まっていく。最後は泣きたくなるような笑いたくなるような、不思議な感情に包まれる。淡々としていて熱中するような話ではないが、名台詞多く、良本。
再読。 大二郎の言葉そのもの「満州から始まる壮大な一族の物語」。 祖母ヤエ、母文江、今日子、早苗、藤代家の女性陣は強く逞しい。 彼女たちがいてこその、翡翠飯店だと思います。 どの家族にも歴史はあり、例えば我が家にも、両親の馴れ初めなど、今では笑話になるような事があったりします。 どこの話も、まと...続きを読むめてしまえばこれくらいの厚さの本になるのかもと、ちょっと嬉しい気持ちになりました。 現代のヤエと良嗣、大二郎の大連の旅と、藤代家の歴史の絶妙なバランス。 これこそがこの物語の魅力だなと思います。 何度も手に取り、読みたい本です。 2021/10/26 3度目。 何度読んでも引き込まれ、まさに一気読み。 満州の泰造とヤエから始まる壮大な一族の物語。 日本の歴史を知り、藤代家の歴史を知る。 現代と戦中戦後を絶妙なバランスで表す展開がさすがという感じ。 藤代家の女性陣はみんな頼もしい。 特に良嗣の母文江、改めて頭が下がる思いでした。 満蒙開拓団、戦後の混乱期、まだまだ知りたいことがたくさんあります。 読書の旅を続けながら、きっとまた手に取る本になると思っています。
家族でもどんなルーツがあってここまで来たのなんてやっぱり知らないから、私自身も聞いてこなかったって気づく事もあった。 きっと色んな過去があって今ある思考が形成されたり、自分にも受け継いできた事もあるんだなぁ
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
ツリーハウス
新刊情報をお知らせします。
角田光代
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
いつか、アジアの街角で
対岸の彼女
月と雷
だれかのいとしいひと
あしたはうんと遠くへいこう
夜かかる虹
それもまたちいさな光
愛がなんだ
「角田光代」のこれもおすすめ一覧へ
▲ツリーハウス ページトップヘ