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あたかも一万年も生きるかのように行動するな。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ──ローマ皇帝でストア派の哲人マルクス・アウレーリウス(121-180)。多端な公務に東奔西走しつつ、透徹した目で自らを内省した記録は、古来、数知れぬ人々の心の糧となってきた。神谷美恵子の清冽な訳文に、新たな補注を加えた。(改版)
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Posted by ブクログ
第16代ローマ皇帝であり、ストア派の哲学者であるマルクス・アウレーリウスが自身のために書いた文章をまとめたもの。 怠け者な私にとっては、さすがにストイックすぎるわ〜と思う部分もあったけど、読んでいるとなぜか心が落ち着く感覚があって、ゆっくりじっくり読んだ。 特に印象に残ったのは、人が持っているも...続きを読むのは「現在」のみで、持っていないものは失うことはできないということ。 長く生きたとしても、短い生涯だったとしても、亡くなる時に失うものは誰でも「現在のみ」なのだということ。 私はこれまで、長く生きればその分、過去の思い出や周りの人との関係など多くのものを失い、若くして亡くなることはこれから先に起こるであろう全てを失うことだと考えていて、結局どちらにせよ死が怖いと感じていた。 けれど、宇宙や地球、自然から見れば人の一生など一瞬であり、死後はあっという間に忘れられる存在なのだと言う。我が子を亡くすことに対しても、穀物の穂を刈り入れることと同じように自然のことなのだから、それさえも自然のこととして受け入れるべきだと。 このような趣旨のことが、何度も出てくる。彼は何度もそう自分自身に言い聞かせていた?彼もまた、死への恐怖や我が子を失うことへの恐怖と戦っていた?と思うと、すごく共感してしまう。 さらに、その一瞬である人生の短い時間を無駄に使うな、善き人間であれ、と彼は言う。 『あたかも一万年も生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。』 この言葉は結構ガツンときた。私は1万年も生きるかのように行動してるな…と。今まで本当に膨大な無駄な時間を過ごしてきたし、特に社会のためになるようなこともしていない。年々洞察力や注意力、思考力も無くなっていくのが自然なのだから、短い人生の中でも社会のためになるようなことができる期間は限られているのだということが、怠け者の私には本当に響く。若いうちはこの言葉の意味を理解できないかもしれないけど、折を見て娘に話して聞かせたい。 ☆恥ずかしながら、翻訳者の神谷美恵子さんのことを知らなかったのだけど、実は本文の前に、『母親としての多忙な生活のほんのわずかな余暇をさいての仕事なので、意にみたぬことのみ多い。』と書いてあったことが、この本で1番の衝撃だった。検索したら『天才』と書かれていたが、昭和初期に、子育てしながら仕事もして、さらにこんな素晴らしい翻訳までするなんて、便利な家電やサービスを使いながらもヒーヒー言ってる私からしたら神様のよう!
この本は、生きる・心の糧になる本です。 マルクスさん、ほんとうにありがとう 見ているのは、常に自分の内側や状態の観察 ・内省 ・自分自身 ・自分の影響の輪の中 ・時代を超える不変の考え方が学べる ・公開するつもりはない だからこそ、内容がリアル ◯日記をつけよう 自分の状態を観察する...続きを読む日記を 良い状態で過ごすために内側の観察を
思想はエピクテトスの影響を受けていると言われている通り、自由意志を以って悪徳を排除せよという主張が繰り返される。本書では指導理性という用語が頻繁に使われている。エピクテトスのような冗長な表現は少なく大変読みやすい。 皇帝としては内政・外政ともに超多忙で、ストレスも相当なものだったはず。エピクロス派で...続きを読むあれば避けるべきと言われる状況だっただろう。しかし彼はストア派の徒であり、公への奉仕が善という価値観で生きている。皇帝ゆえ受けるストレス、お追従への自惚れ、平穏な暮らしへの憧れ等を振り払うべく、内省が繰り返される。 また宇宙から見れば人間なんてどれほど小さい存在か、と言う視点も繰り返される。人間の一生は短く、死んでしまえば皆同じ。死は当然のこととして受け入れ、現在にフォーカスして生きること。 現代人が読んでもハッとさせられる主張や表現に満ちている名著だと思う。
まだ途中だが、太古の人間が考えていることを、本という形で現代まで語り継がれていることが改めて有り難く思った。
・今ある事実にだけ目を向ける。事実をどう捉え行動するかは自分次第。 ・自分にコントロールできないことは干渉しない。気に食わない人がいても強制しようとするのでなく、自分の正義に従って行動する(指導理性)。人に期待しない。 ・着飾らない。見栄を張らない。努力のアピールをしない。 ・常に理性的に思考する。...続きを読む感情的に怒ったりしない。 ・部分でなく全体を見よ。
読む前は、明君と讃えられる皇帝が書き残した事だから私には共感できないかもと思っていた。 読み始めると、皇帝ってこんなに自分を鼓舞していたの??と驚いた。「俺はできる!俺は皇帝!宇宙の一部!やればできる!」という勢いを感じる。 部下の謀反や妻の死など大変だったんだな。比べられるものではないが、彼と日...続きを読む々のつらさを共有できた気持ちになった。 哲学の思想からの引用が多いので、引用元のエピクテトスなどストア派の本も読みたくなった。 →まだ書物に対する渇きを捨てられない(第2巻3章、第8巻8章 より)
マルクス・アウレーリウスの思想が綴られた本。 マルクスの深い思索が読み取れるが、一方でその思想の根底で「悩みすぎないこと、考えすぎないこと」が大切にされていると感じる。色々な人と接したかと思えば、暇があればスマホをいじり、常に外との関わりに晒されている身にとっては、こうした思考や感情のデトックスを促...続きを読むす考え方は大切にしたいと感じた。 原題『自分自身に』からわかるように、人に読ませる前提で書かれた本でないため、章構成や主張の流れがあるわけではない。皇帝のTwitter垢を覗くくらいの気持ちで、文体の軽快さや身近さまで楽しむとよいと思う。
死に対する想念というか諦念というか、巻末の分かりやすい解説に、ストア哲学の考え方が色濃く反映されているようですが、これくらい俯瞰して奮い立たせなければならなかった境遇に思いを馳せてしまいます。 また、絶えず自らを叱咤し、ときに嘆き、自らに語りかける様が、とても深く心を打ちます。
古代ローマ帝国皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの自著として伝わる書物の日本語訳。 彼には哲人皇帝の呼び名があり、軍事にはそれほど縁のない方だったようだ。 しかし、彼の治世には突発的な災害、疫病や時代の変化が表面化した北方戦争の勃発などが起こり、家庭では次々と子どもが亡くなり、また恐らく公...続きを読む私で接する多くの「人間ども」にも悩まされる日々であった。 彼は本書に散文的に多くの苦悩を記しているが、それら散文は自暴自棄的な話しにはほぼ至らない。 むしろそれら苦悩を力強く、神々の恩寵とすら捉え、苦悩の中で独り「良く」生きるための糧としようとするのである。 これは皇帝の清らかな心が発する「もがき」であると考えた。そして、この清らかなもがきに、私は心を打たれた。 帝国全てを背負うという、それだけですでに偉業であるそれを、ひたむきに背負いかつ担い続け、いつか来る死に向けて、清らかにもがき、足掻き続けた偉人の魂の結晶の一部に触れるという、至高の体験ができる、至高の一冊である。
ローマ帝国の五賢帝の一人、マルクス・アウレリウス・アントニヌスが心の在り方、物事に対する姿勢を綴ったもの。哲学者的な側面もあるが上に立つものの心構えを学ぶ上で非常に勉強になった。何度も読み返したい作品です。
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マルクス・アウレーリウス
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