ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
※こちらの作品は、Android端末と、他のOS端末の間でしおり同期ができません。
〔ジョン・W・キャンベル記念賞受賞〕三千万の視聴者から愛されるマルチタレントのタヴァナーは、ある朝安ホテルで目覚めた。やがて恐るべき事実が判明した。世界中の誰も自分のことを覚えていないのだ!
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
ジョン・タウランドの『流れよ、わが涙』(涙のパヴァーヌ)をタイトルに持つ本作。作中にも触れられていて、ディックはクラシック音楽が好きなんですね。 ある朝、男が目を覚ましたら誰も自分を覚えていない…国家データバンクからも記録が消失した”存在しない男”になっていた。男の名は、ジェイスン・タヴァナー。一...続きを読む般人ならいざ知らず、彼は歌手であり司会も務める、三千万人の視聴者に愛されるマルチタレント。誰もが知っているはずなのに、かつての愛人まで知らないと言う。そして、管理社会であるこの世界で必須のIDカード(身分証明書)も無い…あるのは大量の現金だけだった。 彼は、何が起きているのか確かめるためにも、偽造でもいいからIDカードの入手に迫られ、偽造ID製造を生業にしている女性に接触します。しかし、その女性の精神異常に翻弄されて、その後は警察に目をつけられることに。警察でも彼の記録は確認できないでいましたが、フェリックス・バックマン警察本部長だけは”ジェイスン・タヴァナーは実在している”と考え動き出します。 という話しなのですが、後半は視点がタヴァナーからバックマンに移ったり、パラレルワールドかと思ったらそうではなかったり、と全体的に説明不足ながらも意外性のあるストーリーで楽しめました。それは、ひとえに解説が秀逸なこともあるのだけれど。例えば、タヴァナーとルースとの愛についての会話のやり取り(この場面、結構好きです)で、なぜタヴァナーがあれほどドライな応対だったのかとか、エンディング間際のバックマンの大袈裟過ぎなのではと思われた行動などが理解できて良かったです。 ※読んだのは、黒背景の表紙がポジトロンの文庫です。
アイデンティティという薄っぺらな幻想 「悲しみは最も完全で圧倒的な体験、だから悲しみを味わいたいのよ。涙を流したいの」 愛するということの人それぞれの解釈、そして、愛を得て失うという痛みが、主人公ジェイスンの置かれた状況に絡みつく登場人物達によってもたらされる。 キャシイ、ルース、メアリー・アン...続きを読む、バックマン、アリス…… 「ブレード・ランナー」のような世界観とはひと味違うが、これもまた、特別なフィリップ・K・ディックの世界。
最愛の人に去られたディックの自伝的小説という趣の強いこの作品は、自己の同一性や認識している世界の崩壊というディックの作品に通底している恐怖をベースにしつつ、もう一つのテーマとして愛を割と純粋に語っている作品でもある。愛は自己保存の本能を凌駕し他者への献身、執着をもたらす。 作中で様々な人物が自分なり...続きを読むの愛を見出そうとしているが、その中で主人公であるジェイスン・タヴァナーだけは愛を理解しない。それは彼がスイックスだからかそれとも生来のものなのか。 現実の分裂は観測者だけのものではない。観測されるものもそれに巻き込まれる。 また絶望の底に落ちてからの再生を匂わせて終わるところもらしい部分である。 その他にも警察機構、大学、学生運動、ドラッグなどディックの実体験も物語の随所に散りばめられている。
「いったい何が起こっているんだ?」 主人公を襲う、夢なのか現実なのかわからないサスペンス劇、かと思いきや……? 「これからどうなる?」というドキドキやハラハラで終盤まで引っ張り、昨今のエンタメに慣れた人にも面白く読める。そして明かされた謎……も良くできているが、この作品の本題はそこではないのだろう。...続きを読む 真実が明かされた後に描かれる人間の葛藤・ドラマにこそ、その真価がある。愛と涙。心が洗われるようなラストシーン。哀しみは美しくすらあり、最後にはどこか暖かい気持ちが残る。そして迫ってくるタイトルが、あまりにも秀逸だ。
自家用飛行機が飛び交う世界。3000万人の視聴者をもつ人気エンターテイナーーの男はある日突然安宿で目覚める。この世界では絶対に必要な身分証も無く、あるのは直前に持ち歩いていた大量の現金だけ。 出会うひとも、電話をかけた相手も誰も自分の事を知らない。 世界観はSFではあるけれど、中身は二人の男の愛と喪...続きを読む失の物語。面白かった。
非常にエモーショナルな作品でした。「哀れっぽい哀しみ」というか、無力感に裏打ちされた希求というか。中盤、ある女性がうさぎの話に続けて語る愛の話は、特にストレートで、今の自分に共鳴しました。(エピローグで彼女のその後を知ってから読むとまた。)あとがきを読んだ限り、当時の作者の精神状態をおおいに反映して...続きを読むいるそう。次々に女性が現れるのも、結婚離婚を繰り返した作者の人生を反映しているのでしょう。SF的仕掛けに着目するよりも、登場人物達の語りに聴き入りたい本。
フィリップ K ディック 「 流れよわが涙と警官は言った 」 近未来SFの面白さもあるが、キーワードは 涙の意味であり、愛のサイクルの物語(愛する→失う→悲しむ→悲しみが去る→また愛する)だと思う。特に ジェイスンとルースレイの愛についての会話は素晴らしい 近未来SFとしての面白さ *遺伝子操作→...続きを読む優生学→スイックス *KR3服用者の知覚対象全てが 現実世界から非現実世界へ移行 愛のサイクルの物語 *愛のサイクル=愛する→失う→悲しむ→悲しみが去る→また愛する *ジェイスンが愛するもの(失ったもの)=自分、人々の記憶 *バックマンが愛するもの(失ったもの)=詩的な美しい世界、ルール→失った悲しみの象徴は 涙→涙により自分を取り戻せる ダウランド「涙のパヴァーヌ」にバックマンの詩的世界を投影しており、ダウランドを聴くことにより 失った悲しみを忘れることができる ジェイスンとルースレイの会話 「愛しているときは もう自分自身のために生きているんじゃない、別の人間のために生きている」 「愛は本能に打ち克つ。本能は私たちを生存競争に押し込む〜他人を犠牲にして自分が生き残る」 「愛があれば あなたが消え去っても 幸福感をもって 愛する者を見守ることができる」 「悲しみは あなたと 失ったものを もう一度結びつける」 「悲しみは自分自身を解き放つことができる〜愛してなければ悲しみを感じることはできない」 「悲しみは消え去って この世界でもうもう一度うまく折り合っていく」
最後バッドエンドじゃなくて本当に良かった。読むのを迷ってる皆様、バッドエンドじゃないから安心して読んで下さいと言いたい。あ、でも若い学生さんとには少し難しいかも。 SF冒険奇譚かと思ってたんですが、あとがきで衝撃。そういう視点もありですね。なるほど、そこからあのタイトルかー。登場人物も面白く個性的...続きを読むで、最後は意外にもしっとり。私は好きです。
デッィクに慣れてきたのかそれともそういう本なのか、いつになく話の筋がすっきり見える本だった。そのぶんグラグラ感は少なかったけど夢中で読んだ。やっぱりディック面白い!自分がある日存在しない世界に飛んでしまった男の物語。冒頭プルーストのくだりでにやり/人間何が起こるかわからないし理屈通りには動かない/<...続きを読む日常>にいる限り人は共通ルールに則っているが<日常の外>の存在はルール通りにはならない/悲しみは私と失ったものをつなげてくれるもの/恐怖は憎悪や嫉妬より始末が悪い/たまたま目に留まっただけで完全な白紙に歯戻せない理不尽/Mr.バックマンが死んだのは2017年
ディックの不条理物 違和感を感じるがそれがディック 表紙 7点上原 徹 展開 6点1974年著作 文章 6点 内容 700点 合計 719点
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
流れよわが涙、と警官は言った
新刊情報をお知らせします。
フィリップ・K・ディック
友枝康子
フォロー機能について
「ハヤカワ文庫SF」の最新刊一覧へ
「SF・ファンタジー」無料一覧へ
「SF・ファンタジー」ランキングの一覧へ
アジャストメント ディック短篇傑作選
いたずらの問題
ウォー・ゲーム
宇宙の操り人形
宇宙の眼
顔のない博物館
火星のタイム・スリップ
去年を待ちながら〔新訳版〕
作者のこれもおすすめ一覧へ
▲流れよわが涙、と警官は言った ページトップヘ