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「親愛なるダディと、ぼくの大好きなメイ・プリンセス号へ」──豪華客船船長の父と少年をつなぐ寄港地への手紙。父の大切な薔薇を守る少年が告げた出来事とは──「薔薇盗人」。リストラされたカメラマンと場末のストリッパーのつかの間の、そして深い哀情「あじさい心中」。親友の死を前にして老経営者に起きた死生への惑い「死に賃」。人間の哀歓を巧みな筆致で描く、愛と涙の6短編。
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Posted by ブクログ
好きな順に、あじさい心中、ひなまつり、死に賃、佳人、薔薇盗人、奈落、です。 あじさい心中もひなまつりも、登場人物は私とは違う暮らしをされて別の苦労や不幸を味わっている心のきれいな善人たち。どちらも生活を変えようと一歩踏み出すが…。 話の運びかたは流石、浅田節です。
浅田次郎の短編集。初めの短編物語「あじさい心中」でもう引き込まれてしまいました。表題にもなっている「薔薇盗人」も面白いなと思いました。全文手紙形式になっています。息子から航海中(?)のお父さんに向けて出しているのですが、手紙を出す前に一度おばあさんに読んで貰っていて、息子の純粋な手紙だからこそ面白く...続きを読むなっていました。
【ひなまつり】 ただひたすら泣きたい時に読む本です。 これぞ「泣かせの浅田」作品という感じ。 意思に関係なく涙が出てくるので,公共の場所で読むのは注意が必要。 水商売の母と二人暮らしの少女が主人公。 母の元恋人が少女を優しく見つめてくれるシーンがなんとも感動的です。 少女もその彼を慕って,お父さん...続きを読むになってほしいと母にお願いするまでの少女の思い。 揺れる二人の大人たち。 せつない気持ちが伝わります。 何度読んでも泣ける本です。
題名に惹かれて手に取りました。 正直、少々わかりにくいものもあったのだけど。 それは私の教養がないのか…。 でも、浅田節炸裂の1冊でした。
浅田次郎の短篇集。まあこれくらいの短篇集はお手のものとしたもので、全体的な密度は薄め。冒頭の「あじさい心中」は傑作だが、このレベルに到達している作品はほかになく、「ひなまつり」はできそこなった「鉄道員」だし、「死に賃」「佳人」はショートショートレベルのちょっと捻ったラストだけの短編。「薔薇盗人」も表...続きを読む題作にするほどの出来とは思えないなぁ。
愛と涙の六短編。 私にとってハズレのない浅田次郎さんの、切なさの残るストーリー。 忘れっぽい自分が、この先忘れることはないだろうなと思うのは、最初の「あじさい心中」の二人。 リストラされたカメラマンと、廃れた温泉街で働くストリッパー。初対面の二人が心中を決意する、そんなまさかの展開を受け入れる自分が...続きを読むいることに驚く。そうさせる著者の筆力にも脱帽。 哀しみの淵にたどり着いた人の言葉は重く、その決断は強い。 架空の人物だけど、同じような境遇の人がいることに想いを馳せて、その人たちの幸せを、自分のそれとともに願いたくなる、そんなお話でした。読めてよかった。
浅田次郎の短編集。 比較するのは双方の作者に失礼かもしれないが、弘兼憲史の名作「人間交差点」によく似ていて、大変な境遇に置かれながらも道を外さず懸命に生きていく人間模様を描く。 時代設定は昭和から平成初期頃だろうか、もはや今では目にすることがなくなった情景に懐かしさすら覚える。現実逃避に最適な一冊。
○あじさい心中は、人生何がどうなるか分からないと感じた。また、諦めてしまうと何もかも上手くいかなくなるなと。 ○死に賃は世にも奇妙な物語にありそうな話。笑 ○奈落は結局よく分からなかった。 ○佳人は、人は見かけによらず、また、斜め上の事情があるものだなと感じた。完璧な人でも色々あるのだと思わされる。...続きを読む ○ひなまつりは感動的。やっぱり子供が一番よく分かっている。ただ、お父さんが欲しいという純粋な気持ちから、それは至極当然のことでもあるが、凄く勇気がいること。賢い子ほど我慢し自分の気持ちよりも他人の事を考えて行動する。でもやっぱりそこは子供なのである。読後は良かったなと思った。 ○薔薇盗人は、美しい表現で描かれているが、起こっていることは、大人の関係のことばかり。 結局美しかったのは、洋一とヘレンの愛だけ。それも全て大人のせいで奪われてしまうのが、何とも言えない。
浅田次郎好きの会社の先輩に薦められて手にとってみた。 浅田次郎の短編集は、これまでに『鉄道員』(集英社文庫)と『姫椿』(文春文庫)を読んでいるが、それらに比べてこれは結構毒のきいた大人の話が多い。 先輩が絶賛していた「あじさい心中」は、独白内容が想像を絶し、「これは悲しすぎてダメかも」と思ったが...続きを読む、それでも立ち上がって生きていける強さが人間にはあるのかな、と感じられるラストで持ち直した。 「薔薇盗人」はかなりパンチの効いたブラックユーモアに満ちていて、でも端々ではちょっと笑えて、よくこんな構成でこんな話が書けるなーと感動。タイトルも秀逸だと思う。ラストも素敵。 私が好きなのは「あじさい心中」と「ひなまつり」と「薔薇盗人」だなあと思っていたら、作者自身もこの3話が気に入っていると「解説」にあり、へぇーと思った。(2007.7.5)
初めての浅田次郎。 ひなまつりと薔薇盗人が好き。 特に薔薇盗人は洋ちゃんが可愛らしい( ´ ▽ ` ) 奈落は怖かったな。 私のキャリアとか考えちゃった。。 あと、佳人は面白い(笑)。 家族だったらたまったもんじゃないけどね(・・;)
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