・〈SINSIN AND THE MOUSE〉: 『亡くなった母の遺産が入って来』たものの『ひとりっ子の私には他にだれも分ける人がいなかった』という主人公の光岡ちぢみは、そのことを『悲しみを分かち合う人もいない』と理解します。『長患い』の先に『急に失くなったことでぽっかりと穴があいたようにな』った ちぢみ。そんな時『友人のマサミチというシンガーソングライターが「台北のライブハウスにツアーで行くけど気晴らしに来ない?』と誘ってくれました。過去に台北を旅した時に『時間もないのにお母さんにおみやげを…』と焦ったことを思い出し、『家族がいるという幸せの、本質』を感じる ちぢみは、母親のことを思い出しつつ台北を再訪します。