プロフィール

  • 作者名:上田早夕里(ウエダサユリ)
  • 性別:女性
  • 生年月日:1964年
  • 出身地:日本 / 兵庫県
  • 職業:作家

神戸海星女子学院大学卒。2003年『火星ダーク・バラード』でデビュー。同作は第4回小松左京賞を受賞している。『華竜の宮』で第10回センス・オブ・ジェンダー賞大賞、第32回日本SF大賞を受賞。『オーシャンクロニクル・シリーズ』、『深紅の碑文』などの作品を手がける。

作品一覧

  • ヘーゼルの密書
    -
    1巻1,045円 (税込)
    1939年、上海。語学教師の倉地スミは、極秘裏の日中和平工作に通訳として参加していた。いったんは頓挫する和平の道だが、今井武夫陸軍大佐のもと、新たな交渉〈桐工作〉に乗り出してゆく。日中双方の謀略が渦巻く中、スミと仲間たちは想像を絶する困難なミッションに挑むのだが――。歴史の巨大なうねりに命をかけ立ち向かう人々の姿に、心震える傑作長編。
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記
    3.6
    1巻1,900円 (税込)
    播磨国に伝わる巨鹿の怪に、陰陽師兄弟が挑む! 室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす陰陽師兄弟。「嘉吉の乱」前夜の播磨国で、異形の式神と彼らが目にした巨大な陰謀とは。
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記
    3.7
    美しく、時に切ない。播磨国で暮らす「陰陽師」の物語 律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。ある出来事をきっかけに、彼らは一匹の鬼と出会う。 ※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 上海灯蛾
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。彼の許を謎めいた日本人女性が訪ねる。ユキヱと名乗るその女が持ちこんだのは、熱河省産の極上の阿片と芥子の種。次郎は阿片の売買を通じて上海の裏社会を支配する青幇の知己を得て、上海の裏社会に深く踏み入っていく。栄光か。破滅か。夜に生きる男たちを描いた、上海ピカレスク。
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート
    3.8
    1巻790円 (税込)
    大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。 夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充) 収録作品 ・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」) ・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」) ・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」) ・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」) ・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」) ・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「??(なた)」だった(夢枕獏「??(なた)太子」)
  • リラと戦禍の風
    3.8
    ※本書は、角川書店単行本『リラと戦禍の風』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 第一次世界大戦下、両親を亡くしたポーランド人の少女リラは、不死の魔物である「伯爵」と館で暮らしていた。護衛のドイツ人兵士イェルクと共に、ヨーロッパ中で起こる悲劇を目の当たりにした彼女は、伯爵の力を借りて祖国を助ける計画を立てる。一方、イェルクもまた人類を救うため、大きな決断をする――。 なぜ人は争いを繰り返し、生きるのか。愚かで愛おしい人類の歴史と業を描き切る、重量級エンターテインメント長編。
  • 獣たちの海
    4.2
    1巻880円 (税込)
    陸地がほぼ沈んだ25世紀。海に生きる海上民と〈魚舟〉や〈獣舟〉の美しくも激しい生きざまを叙情的に描いた、待望の全作書き下ろし4篇
  • 破滅の王
    3.7
    1巻880円 (税込)
    1943年、魔都・上海。ひとりの科学者の絶望が産みだした治療法皆無の細菌兵器。その論文は分割され、英・仏・独・米・日の大使館に届けられた。手を取り合わなければ、人類に待っているのは、破滅。世界大戦のさなかに突きつけられた究極の選択に、答えはでるのか? 第159回直木賞候補作
  • 夢みる葦笛
    3.6
    1巻715円 (税込)
    ある日、街に現れたイソギンチャクのような頭を持つ奇妙な生物。不思議な曲を奏でるそれは、みるみる増殖していく。その美しい歌声は人々を魅了するが、一方で人間から大切な何かを奪い去ろうとしていた。(表題作) 人と人あらざるもの、呪術と科学、過去と未来。様々な境界上を自在に飛翔し、「人間とは何か」を問う。収録作すべてが並々ならぬ傑作! 奇跡の短篇集。
  • 薫香のカナピウム
    3.8
    日本SF大賞受賞の『華竜の宮』で人類滅亡の危機と闘いもがく人々を描き話題を呼んだ著者が、初めて紡ぐたおやかなる少女のビルドゥングスロマン&至高のファンタジー。 生態系が一変した未来の地球。その熱帯雨林の〈カナピウム〉と呼ばれる地上四十メートルの林冠部で少女は暮らす。 豊かなる生態系を誇る樹上には多彩な動植物が集まり、少女たちは彼らが発散する匂いを手がかりに、しなやかに樹上を跳び回る。一方で、彼方には銀糸のごとく煌く軌道が見え、森の住民には作れない先端テクノロジーも存在する。 ある日やってきた旅の者たち。そして森に試練が与えられる――。 解説・池澤春菜
  • SF JACK
    3.5
    1巻1,012円 (税込)
    SFの新たな扉が開く!! 豪華作家陣による夢の饗宴がついに実現。物語も、色々な世界が楽しめる1冊。 変わらない毎日からトリップしよう!
  • 深紅の碑文(上)
    4.0
    1~2巻1,012円 (税込)
    陸地の大部分が水没した25世紀。人類は僅かな土地で暮らす陸上民と、生物船〈魚舟〉とともに海で生きる海上民に分かれ共存していた。だが地球規模の環境変動〈大異変〉が迫り、資源をめぐる両者の対立は深刻化。頻発する武力衝突を憂慮した救援団体理事長の青澄誠司は、海の反社会勢力〈ラブカ〉の指導者ザフィールに和解を持ちかけるが、頑なに拒まれていた――日本SF大賞受賞作『華竜の宮』に続く長篇。
  • 妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~
    3.2
    1~3巻660~715円 (税込)
    絶世の美女にして全身に百の眼を持つ妖怪・百目。彼女の探偵事務所は、妖怪と人間が共存する〈真朱の街〉にある。請け負う事件は、すべて妖怪がらみ。依頼人は、報酬を自分の寿命で払うのが決まりだ。助手の相良邦雄は、時々百目に寿命を吸われつつ、事件解決にこき使われる日々を送るのだが……。数多のもののけたちが跳梁跋扈する、妖怪ハードボイルド第1弾!
  • 美月の残香
    3.3
    1巻440円 (税込)
    遥花(はるか)は、奔放なふたごの姉・美月(みづき)に複雑な思いを抱いていた。常に比べられることへの反発――。が、二人が選んだ相手もまた、ふたごの兄弟だった。傍目(はため)には幸せなカルテットの誕生だったが、新婚間もない美月が、突然、謎の失踪(しっそう)を遂げた。後に残されたひと瓶の香水が引き起こす思わぬ愛憎劇とは? 深い内面描写にスリリングな展開。期待の俊英による書下ろし長編!
  • リリエンタールの末裔
    4.1
    1巻748円 (税込)
    海洋黙示録『華竜の宮』が大反響! 今もっとも注目されているSF作家による初の本格SF短篇集。 彼は空への憧れを決して忘れなかった――長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計(マリン・クロノメーター)の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描く書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」など、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4篇
  • 魚舟・獣舟
    3.9
    1巻605円 (税込)
    現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全6編を収録する。

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  • 華竜の宮(上)
    4.3
    1~2巻814~902円 (税込)
    滅亡を前に、人類はどう生きるべきか?ベストSF2010第1位、日本SF大賞受賞新世代日本SFの金字塔、ついに電子書籍化。地殻変動で陸地がほぼ水没しても人類は武器を捨てなかった。さらなる絶望的な環境激変は、この星のすべての命に対して決断を迫る。
  • 破滅の王

    Posted by ブクログ

    評価は文句なしの星5「以上」。
    なぜ星が5つまでしかないのか!と
    理不尽に怒ってしまうほどの作品です。

    山﨑豊子さん、高村薫さんを彷彿させ、
    いやそれ以上かと思わせてくれる
    戦時中の闇を描いた超大作と言えよう。

    膨大な資料と取材を元に描き出した
    人間たちのドラマは作者の魂の叫びか
    魂を削るかのような圧倒的な力を宿し
    作品の中に凝縮されている。

    とはいえ、これは読む人を選ぶ作品だな
    というのもまたしかり。
    日本の歴史観も影響するし、
    エンタメが好まれる昨今の風潮、
    戦争を想像できない世代との意識格差など、
    これは万人には理解できないなぁと。

    でも、である。
    省略の美学とも言える
    淡々とし

    0
    2024年04月28日
  • リリエンタールの末裔

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    オーシャンクロニクルシリーズの3冊目(?)。
    シリーズについての下調べをしていなかったので、購入時はこれがシリーズ最初の長編だと思っていたが、読んでみると短編集で、『華竜の宮』よりも後の発表だったようだ。
    ということでシリーズとしては華竜の宮が最初の長編だった。

    公式にはつながりが明言されていない短編の作品群だが、どれも海・近来の(有機的な)テクノロジーが印象的な作品で、それぞれがオーシャンクロニクルシリーズの「同じ時間軸の別の時期の前日譚なのでは?」と思わせるものが多かった。
    感想を書くのが半年以上後になったので、詳細は忘れてしまっているが「作者の感性が優れている」、「この感性が好きだなぁ

    0
    2024年04月18日
  • 破滅の王

    Posted by ブクログ

    破滅の王
    すごい作品でした。
    静かに、だが圧倒的な力で
    迫りくる作品に
    ただただ声をあげるしかできません。

     最初から最後まで
    一字一句に込められた力、表現力、また文章の美しさを堪能できる
    これほどまでの作品に出会えたことを嬉しく思います。

     

     夫の積読が気になり、予備知識なく読み始めて
    惹かれた理由に納得。
    子どもの頃に父の本棚に隠すようにあった731部隊の書物を夢中で読んだ頃が甦り、
    幼い日に戻るように今回も夢中で
    そして決して読み逃すまいと読み進めていました。

     

     おそらく、今後の読書生活の中でも間違いなく上位に入る作品です。

     ☆5ではなく☆10をつけます。

     

     

    0
    2024年04月18日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

    Posted by ブクログ

    失敗して前の巻があるのに気づかずに読んでしまった。でも違和感なく読み進めて、半分以上読んだところで作者紹介のところで気づいた。室町時代、薬師と僧侶の兄弟。淡々と人々に寄り添い、傷ついたり病にかかった人々を助け、妖怪に対処する。途中で急に猿楽の「鵜飼」の話になったりしながら進むのが面白い。いかにも続きがある様子で終わっていて、後も気になるけど、それより前巻を読まないと!

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    2024年04月17日
  • 魚舟・獣舟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作は最初の33ページ。この作品だけでも良いと思い買った。
    華竜の宮を読んでいるので世界観や背景は分かっている。火薬で魚舟を傷つけるところは「ああ・・」となった。獣舟が進化する描写も良く、買った甲斐があったと思った。
    華竜の宮では見られなかった魚舟に対するドライな感情を持った人物が主人公であったので、共感する部分があった。遺伝的にイジられているとはいえ「皆が皆魚舟に執着するわけでは無いだろう」と思っていた違和感が払拭された。
    他の作品を読んでからでないと分からないが、この作者の作品はいつも悲しい。物語の背景に悲しさや寂しさが濃淡を変えながら漂っている様に感じる。

    解説には「傑作(短編)選」

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    2024年03月24日

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