プロフィール
- 作者名:上田早夕里(ウエダサユリ)
- 性別:女性
- 生年月日:1964年
- 出身地:日本 / 兵庫県
- 職業:作家
神戸海星女子学院大学卒。2003年『火星ダーク・バラード』でデビュー。同作は第4回小松左京賞を受賞している。『華竜の宮』で第10回センス・オブ・ジェンダー賞大賞、第32回日本SF大賞を受賞。『オーシャンクロニクル・シリーズ』、『深紅の碑文』などの作品を手がける。
作品一覧
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3.71巻800円 (税込)美しく、時に切ない。播磨国で暮らす「陰陽師」の物語 律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。ある出来事をきっかけに、彼らは一匹の鬼と出会う。 ※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.8大人気シリーズ「陰陽師」のアンソロジー。 夢枕獏による「陰陽師」短編2本と、「オール讀物」の「陰陽師」特集に掲載された新進気鋭の作家4名による短編を収録しています。舞台は平安時代にとどまらず、室町時代・戦国時代の陰陽師まで登場。時と場所が変わっても色褪せない、「陰陽師」の魅力が詰まった一冊です。(解説・細谷正充) 収録作品 ・露子姫が見つけた不思議な烏毛虫は、食べれば食べるほど大きくなり…(夢枕獏「むしめづる姫」) ・信子姫に仕える、耳のいい女房。彼女は右耳には虫が棲んでいて…(蝉谷めぐ実「耳穴の虫」) ・鳥辺野で騒ぎを起こす少年は、博雅の腕を欲していた。その理由は?(谷津矢車「博雅、鳥辺野で葉二を奏でること」) ・足利義教の時代。法師陰陽師の兄弟が、蘆屋道満の式神に出会う(上田早夕里「井戸と、一つ火」) ・戦国大名・細川幽斎とキリシタン陰陽師が、「連歌」をもって妖に挑む(武川佑「遠輪廻」) ・晴明たちが出会った不思議な少年は、唐の国からやってきた「??(なた)」だった(夢枕獏「??(なた)太子」)
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3.81巻1,210円 (税込)※本書は、角川書店単行本『リラと戦禍の風』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 第一次世界大戦下、両親を亡くしたポーランド人の少女リラは、不死の魔物である「伯爵」と館で暮らしていた。護衛のドイツ人兵士イェルクと共に、ヨーロッパ中で起こる悲劇を目の当たりにした彼女は、伯爵の力を借りて祖国を助ける計画を立てる。一方、イェルクもまた人類を救うため、大きな決断をする――。 なぜ人は争いを繰り返し、生きるのか。愚かで愛おしい人類の歴史と業を描き切る、重量級エンターテインメント長編。
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3.81巻815円 (税込)日本SF大賞受賞の『華竜の宮』で人類滅亡の危機と闘いもがく人々を描き話題を呼んだ著者が、初めて紡ぐたおやかなる少女のビルドゥングスロマン&至高のファンタジー。 生態系が一変した未来の地球。その熱帯雨林の〈カナピウム〉と呼ばれる地上四十メートルの林冠部で少女は暮らす。 豊かなる生態系を誇る樹上には多彩な動植物が集まり、少女たちは彼らが発散する匂いを手がかりに、しなやかに樹上を跳び回る。一方で、彼方には銀糸のごとく煌く軌道が見え、森の住民には作れない先端テクノロジーも存在する。 ある日やってきた旅の者たち。そして森に試練が与えられる――。 解説・池澤春菜
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4.1
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
評価は文句なしの星5「以上」。
なぜ星が5つまでしかないのか!と
理不尽に怒ってしまうほどの作品です。
山﨑豊子さん、高村薫さんを彷彿させ、
いやそれ以上かと思わせてくれる
戦時中の闇を描いた超大作と言えよう。
膨大な資料と取材を元に描き出した
人間たちのドラマは作者の魂の叫びか
魂を削るかのような圧倒的な力を宿し
作品の中に凝縮されている。
とはいえ、これは読む人を選ぶ作品だな
というのもまたしかり。
日本の歴史観も影響するし、
エンタメが好まれる昨今の風潮、
戦争を想像できない世代との意識格差など、
これは万人には理解できないなぁと。
でも、である。
省略の美学とも言える
淡々とし -
Posted by ブクログ
ネタバレオーシャンクロニクルシリーズの3冊目(?)。
シリーズについての下調べをしていなかったので、購入時はこれがシリーズ最初の長編だと思っていたが、読んでみると短編集で、『華竜の宮』よりも後の発表だったようだ。
ということでシリーズとしては華竜の宮が最初の長編だった。
公式にはつながりが明言されていない短編の作品群だが、どれも海・近来の(有機的な)テクノロジーが印象的な作品で、それぞれがオーシャンクロニクルシリーズの「同じ時間軸の別の時期の前日譚なのでは?」と思わせるものが多かった。
感想を書くのが半年以上後になったので、詳細は忘れてしまっているが「作者の感性が優れている」、「この感性が好きだなぁ -
Posted by ブクログ
破滅の王
すごい作品でした。
静かに、だが圧倒的な力で
迫りくる作品に
ただただ声をあげるしかできません。
最初から最後まで
一字一句に込められた力、表現力、また文章の美しさを堪能できる
これほどまでの作品に出会えたことを嬉しく思います。
夫の積読が気になり、予備知識なく読み始めて
惹かれた理由に納得。
子どもの頃に父の本棚に隠すようにあった731部隊の書物を夢中で読んだ頃が甦り、
幼い日に戻るように今回も夢中で
そして決して読み逃すまいと読み進めていました。
おそらく、今後の読書生活の中でも間違いなく上位に入る作品です。
☆5ではなく☆10をつけます。
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Posted by ブクログ
ネタバレ表題作は最初の33ページ。この作品だけでも良いと思い買った。
華竜の宮を読んでいるので世界観や背景は分かっている。火薬で魚舟を傷つけるところは「ああ・・」となった。獣舟が進化する描写も良く、買った甲斐があったと思った。
華竜の宮では見られなかった魚舟に対するドライな感情を持った人物が主人公であったので、共感する部分があった。遺伝的にイジられているとはいえ「皆が皆魚舟に執着するわけでは無いだろう」と思っていた違和感が払拭された。
他の作品を読んでからでないと分からないが、この作者の作品はいつも悲しい。物語の背景に悲しさや寂しさが濃淡を変えながら漂っている様に感じる。
解説には「傑作(短編)選」