就活本は色々買ったが、振り返ると結局、この本に書かれた知識や考え方が一番、来年度の転職内定に役立ったという本。
著者はアメリカ人であるため、日本の実情にはややそぐわないところもあるように思うが、その分、日本の就活本には書いていない情報が多く載っているところが本書の魅力である。
本書の情報で何が一
...続きを読む番、参考になったかというと「第3章 職探し―最良の方法と最悪の方法」の箇所になる。
この章を読んで、「あ、インターネットで求人を見つけて履歴書を送って面接するだけが方法じゃなくて、本当に色々な職探しの方法があるんだな」と、視野が開けたのが一番大きかった。
具体的には様々な職探しの方法について、それぞれ成功率がどのくらいかというのを、調査結果だったり著者の感覚だったりで書いているのだが、まずワースト5について、
「インターネットで雇用者が出している求人広告を探す」を一番成功率の低い4~10%としており、「私がやろうとしていた方法やんけ」と気づく。
一方、職探しベスト4として「親族、友人、近所の知人に求人情報を尋ねる」が成功率33%、
「興味のある会社、工場、オフィスなどに、求人があろうとなかろうと、とにかく直接訪ねていく(大企業でなく、できるだけ人事課や人事部長を避けること)」が47%、
「職業別電話帳を使って、働きたいと思っている町や市の、興味のある分野の会社の電話番号と住所を調べて、電話をかけるか、直接訪問して、自分が求める職種の求人があるか調べる」が65%、
ベストな方法として、まあ「徹底的に自分自身について下調べをする」の自己分析が86%と続くわけだが、
私の場合は、ベスト4の「知人に紹介してもらう」が決め手となった。
これは、人によって成功する方法は異なると思うが、「求人はインターネットや広告等、表に出ているものしかない」という思い込みは捨て、
むしろ「表に出ていない求人の方が多く、倍率も1倍以下で成功しやすいのでは」という考えを頭の隅に入れておくと、特に転職の場合、有利に働くのではないかと思う。
また、日本の面接本だと、書いてないか、ちょっと書いていればいい方な「給料の聞き方、交渉」も章を丸丸1個使って結構的確に書いてあるのでお薦めである。
フラワーワークは見て感心したものの私はまだやってないが、マメな人はやれば「適職」を見つけるのに役立つに違いないと思う。
最後に、本書は、全ての読者層を想定して、ユーモアたっぷりの温かい目線で書かれているのが一番いいと思った。
他の本だと弾かれていそうな、何年も失業中の人やハンディキャップを持っていると思っている人にも向けて、どう対処すればいいか書かれており、さらに失業中(就活中)の心のケアまで書いてあって、失業中でなくても「次の仕事どうしよう」という固い気持ちがほぐれた。
そのため、日本の就活本を読んで気が重くなった人等は、一度読んでみるといいかもしれない。