海外文学 - グーテンベルク21作品一覧

  • フィガロの結婚
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    アルマヴィヴァ伯爵は結婚生活に飽き、妻の侍女シュザンヌを誘惑しようとする。シュザンヌは下僕フィガロと相思相愛で、まもなく結婚式をあげようとしているのに……。フィガロはあふれる機知と勇気と行動で、伯爵を徹底的にやっつける。当時の世相、なかでも貴族階級の横暴があばかれ、諷刺のきいた、歯切れのいいやりとりの戯曲になっている。訳者の辰野隆は、この翻訳によって毎日出版文化賞を受賞した。

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  • ガラス玉演戯(上)
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    精神的なユートピア「カスターリエン」にあこがれ、その指導者となる運命に導かれるクネヒトの伝記というかたちをとって、戦争と雑文文化の20世紀に対する文明批判を盛りこんだ未来小説。だが、「ガラス玉演戯名人」という最高位に昇りつめたクネヒトは最後に、現実遊離の精神性だけの生活に疑問をいだき、現実の世界のなかでの「教師」という奉仕の道を選びとる。……作家ヘッセの最後の長編。

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  • 郷愁
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    アルプス山中の小さな村に育ったペーターは故郷を離れてチューリヒへ……音楽家リヒアルトとの出会いと不幸な永遠の別れ、バーゼルでの孤独な生活とエリーザベトへの実らぬ恋、傷ついた魂の遍歴はふたたび故郷の村へ。みずみずしい感性をもった魂の作家ヘッセの出世作。

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  • 知と愛(ナルチスとゴルトムント)
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    父のすすめに素直に従って修道院に入ったゴルトムントは、ほぼ同年の若き先輩で思索の人ナルチスによって、その運命を予告される…「きみはここに留まるべき人間ではない」と。その予言どおり、ナルチスは修道院をあとにして、愛欲と放浪の暮らしに身を投じる。しかし彼が最後にたどりついたのは、やはりナルチスのいるところだった。

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  • 雨の朝パリに死す
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    「悲しみをたたえた華麗さ、グレーのセーターのような、メランコリックな優しさ、ワイン色のアンニュイ。フイッツジェラルドの作品の中には、現代の女性の心をひきつける、何ものかがひそんでいるのかも知れません」(訳者)。この短編集には表題作のほか「冬の夢」「金持ちの青年」というフィッツジェラルドの代表的な三つの作品が収められている。

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  • ウジェニー・グランデ
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    抜け目のないやり口で財産家、事業家、地主としての地歩を固めたグランデ老人は、家庭においてもワンマンで、砂糖ひとかけら、ろうそく一本にいたるまで倹約し、金を貯めることに生き甲斐を見いだしていた。そんななか、おとなしい母に育てられて二十三になった一人娘ウジェーヌは、その持参金目当ての有力な二つの家族の争いに巻き込まれそうになる。そこにパリ育ちのかっこいい従兄弟シャルルがあらわれる。ウジェーヌは初めて恋心をおぼえる。……骨太なリアリスト、バルザックの代表作で「純愛」の訳名もある。

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  • ハイネ詩集
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    1巻440円 (税込)
    「ハイネは読者を親友にしてしまう」といわれる。「歌のつばさに」や「ローレライ」など、ハイネの詩ほど多くの作曲家によって取り上げられて歌曲になったものはない。またハイネほど、国境を越え時代を超えて多くの読者を見いだしている詩人も少ない。

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  • 白鯨(上)
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    自分の足を食いちぎったまぼろしの鯨を追って、怨念(おんねん)を晴らそうとする船長エイハブ。エイハブが乗組員たちをまきこんで大海原を舞台に死に物狂いでモービー・ディックを追う物語は、乗組員のひとりの力強い語りで進行していく……。海と船、一頭のマッコウ鯨をめぐって展開される壮大な人間ドラマ。鯨を語るにも必読。

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  • アンナ・カレーニナ(上)
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    モスクワのオブロンスキー公爵家では、夫のステパンの不倫を知って、妻のドリーがいっしょに暮らせないと言い出す。ステパンはペテルプルグにいる妹のアンナに助けを求める。同じころ、ステパンの親友で田舎暮らしのレーヴィンが、ドリーの妹キティーに求婚しようとモスクワにやってくる。しかし、キティーには意中の人、ウロンスキー伯という美貌の青年士官があった。そのウロンスキーは母を迎えに出た駅で、ペテルブルグからやってきたアンナ夫人と出会う。アンナの到来で、オブロンスキー夫妻の仲はまるくおさまる。ペテルブルグに帰る前日の舞踏会でアンナはふたたびウロンスキーに会い、二人は楽しげに踊る…これがアンナの破滅への序章だった。文豪トルストイが心血を注いで完成させた名作。

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  • イワンの馬鹿
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    偉大な宗教的思想家でもあったトルストイの民話のうち、世界的に有名な「イワンの馬鹿」をはじめ、ロシアの土の匂いのする民話「ふたりの老人」「名づけ子」の三編を収録。馬鹿なうえに遊んでばかりいるのに、勤勉で野心的な兄たちよりもいつも幸運に恵まれるイワンの生き方を通して、ロシア民衆の善良さと無私無欲の美徳が語られる。随所にロシア的ユーモアと風刺がちりばめられた佳品。

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  • 椿姫
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    椿の花しか持たないため、椿姫と呼ばれるパリの高級娼婦マルグリットと出会った青年アルマンは、彼女をひたむきに愛するようになる。彼女も彼に好意を抱くが、娼婦であり、病魔に冒されているために応えることが出来ない。愛しあいながらもついに結ばれることのなかった二人の悲恋を、パリの社交界を舞台に美しく描く。アレクサンドル・デュマの私生児デュマ・フィスの出世作で、ヴェルディのオペラの原作ともなった。

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  • 猟人日記(上)
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    1~2巻660円 (税込)
    狩猟家(猟人)の日記というスタイルを借りて、ロシアの美しい自然と、その中に営まれる人びとの苦衷にみちたさまざまな生活を、25編の物語としてリリシズム豊かに描いたツルゲーネフのデビュー作であり、生涯の代表作。

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  • クリスマス・カロル
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    クリスマスの前夜、守銭奴で強欲な商人スクルージの前にあらわれた三人の「幽霊(精霊)」たち。第一の幽霊はスクルージをしんみりとさせ、第二の幽霊は心ゆくまで楽しませ、最後の幽霊は恐怖のどん底に突き落とす……。長いあいだ親しまれてきた「クリスマス・ストーリー」の最高の名作。

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  • 犬を連れた奥さん
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    1巻440円 (税込)
    サハリン旅行後メリホヴォ村に落ち着いたチェーホフは、「六号室」にはじまる円熟期の多くの傑作を書いた。本巻に収めた「箱に入った男」「すぐり」「恋について」の連作を含む5編はこの時期の最後のもの(1898年、作者38歳)。肺を病んだ作者は翌年、クリミヤ半島のヤルタに転地、「可愛い女」「犬を連れた奥さん」の晩年の傑作はここで生まれた。

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  • 神曲・地獄篇
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    「神曲」は地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部からなり、ひとりの男(ダンテ)がこれらの場所を旅していく物語。地獄は降りるにしたがって狭くなる地下世界で、そこではありとあらゆる罪に陥った魂の呻吟する姿が描かれる。好色、貪欲、浪費、吝嗇、激怒、怠惰、異教徒、さまざまな暴力、欺瞞、追従、聖遺物売買、占い、詐欺、偽善、盗み、不和、贋金つくり、裏切り……地底には巨大な姿をした魔王ルチフェロが半身を地に埋もれさせ、罪びとを口にくわえて噛み砕いている。この地獄篇にはギュスターヴ・ドレの石版画を収録した。
  • ロビンソン・クルーソー
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    父と対立し家出をくわだてたロビンソンは、海が好きだったので船乗りになることを選んだ。だが難破にあい、けっきょく28年間も無人島に暮らすことになる。衣食住すべてを、ほとんど何もない場所でまかなわなければならない。だが、ロビンソンの不撓不屈の自立精神は衰えることはなかった。サバイバルの古典!

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  • ジーキル博士とハイド氏
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    自分の発明した薬品によって「善良な市民」ジーキルから「悪の権化」ハイドに変身、闇にまぎれて悪逆非道をはたらき、ふたたび薬品によって元に復帰する……人の心の二面性を象徴的に描出した怪奇ものの古典。他に二つの短編「水車小屋のウイル」「一夜の宿」を収めた。

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  • にんじん
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    赤毛のため「にんじん」あだ名をつけられている少年は、生みの母親から愛されなかった。母から難癖をつけられ苛められるにんじんは、嘘をついたり、いんちきな手段を使ったり、またはご機嫌をとったりして自分を守ろうと四苦八苦する。特異な家庭環境におかれた「にんじん」は、やはり特異な子どもなのか? 子どもの不潔さ、残酷さ、うそつき根性などをリアルに描写しながら、なおそこにエスプリと詩情を漂わせたルナールの佳品。

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  • 恐るべき子供たち
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    エリザベート、ポール、ジェラール、アガートの四人の子供たちがパリの下町で繰り広げる夢幻的な背伸びした暮らし。その陰には見えない美少年ダルジュロスの幻影がつきまとっていた。奇才コクトー(1889~1963)の数少ない小説の代表作。 コクトーは現代芸術のあらゆるジャンルに大きな足跡を残し、ストラビンスキー、サティ、ラディゲらとの交友もよく知られている。映画では「美女と野獣」、自作の戯曲を映画化した「オルフェ」などが代表作である。

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  • カンタベリ物語
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    聖地カンタベリへの巡礼に出かけるため、同じ宿屋にたまたま泊まりあわせた客たち総勢29人。騎士、粉屋、荘園の管理人、貿易商人、料理人、法律家、修道女、免罪符売り、市井の女房など、身分や職業はまちまち。全員でくじを引き、順番に道中おもしろおかしい話を披瀝しあったら旅のなぐさめになろうという宿屋の亭主の発案に合意する。これがこの物語で、断片しか残っていないものまで含めて全25話。本書では長年この物語に親しんできた訳者によって、現在のわれわれにもアピールする代表的な話、この物語を知るに必要十分な9話が紹介されている。

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  • 冬の物語
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    シチリア王レオンティーズは親友ポリクサニーズを少しでもながく自分の宮廷に引きとめておこうとして、妻のハーマイオニにその説得役になってくれと頼む。だが妻がやっとそれに成功した時、王の心には、はげしい嫉妬が芽生える…そして思いもかけぬ破局が。シェイクスピア晩年の「和解」の物語。

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  • じゃじゃ馬ならし
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    むやみに気の強い女をムチの力をかりて世にも従順な妻に仕立てることに成功する男の話(ペトルーチオとキャタリーナ)と、キャタリーナの妹ビアンカを中心にした洗練された社交的雰囲気を持った恋のかけひき……乱暴な娘がおとなしい妻になる話と、おとなしい娘が強い妻になる話が、おもしろおかしく繰り広げられるシェイクスピアのどたばた喜劇。

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  • 真夏の夜の夢
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    アテネの町から少し離れたところにある森。妖精の住むこの森に二組の若い男女がやってくる。互いに愛し合いながら結婚を許されないライサンダーとハーミア。ハーミアを愛する青年ディミートリアス。その彼に片思いをするヘレナ。追いつ追われつ、夜の森の中を若い4人はさまよい、やがて疲れて眠ってしまったとき、いたずら者の妖精パックが登場。「ほれ薬」を男の目に注ぐのだが、相手をまちがえて、とんだ騒ぎがもちあがる。愛と幻想にみちたコメディ。

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  • ウィンザーの陽気な女房たち
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    小さな田舎町ウィンザーを舞台に、やくざで道化的な好色漢フォルスタッフが二人の夫人に言い寄ることで引き起こす「てんやわんや」。笑いとペーソスとドタバタ騒ぎのシェイクスピア喜劇の傑作。

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  • ロミオとジュリエット
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    運命の悲しい星の下、敵同士の家に生まれたロミオとジュリエット。夜のやみにまぎれてしのび込んだロミオはバルコニーのジュリエットと愛の言葉をかわし、ロレンス神父の助けを借りてひそかに結婚の約束をとりかわす。おりもおり、ロミオはジュリエットの従兄ティパルトを殺し、追放されてしまう。ロレンス神父は苦肉の策を弄するが……あまりにも有名なシェイクスピアの恋愛悲劇。

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  • リチャード3世
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    醜く生まれついたリチャードは、自分を呪い、世の中を呪い、あらゆる権謀術数を弄して、野心と復讐心にもえてつぎつぎと悪事を重ねる。妻を殺し、友を殺し、部下を殺し、幼い皇太子兄弟を殺し、国王にまでのぼりつめる。だがリチャードはつねに孤独である。彼のそばに現われては呪いの言葉を投げかける故ヘンリー六世王妃マーガレット、彼に肉親を殺され嘆きと悲しみのなかに沈む人びとの呪詛。近代的悪人像を描くシェイクスピア史劇の傑作。

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  • ヴェニスの商人
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    アントーニオは友人バッサーニオのためにひと肌ぬいで、ユダヤ人金貸しのシャイロックから多額の借金をする。「期日までに返せなければ、あなたの肉一ポンドを胸のところからいただきます。いえ、これはほんの遊び心ですがね」シャイロックはそう言ったが、心にはアントーニオ対する深い恨みをいだいていた。明治以来、日本では最も上演回数の多いシェイクスピア劇。

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  • お気に召すまま
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    アーデンの森を舞台に軽妙洒脱に取り交わされる4組の男女の恋のかけひき。恋人同士の追いかけごっこも、権力争いも、兄弟の憎しみも、ついにはすべて解決して一大饗宴となって終わるファンタジック喜劇。ときおり挿入されるピリッと辛みのきいたせりふや、どたばたやりとりのおもしろさによって知られる、シェイクスピア喜劇の代表作。

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  • マクベス
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    雷鳴とどろく荒野に突如あらわれた三人の魔女。魔女たちは凱旋中のマクベスと友人バンクォウに二人の運命を暗示する。その一つ「コーダーの城主になる」という予言が現実となったとき、マクベスの心は野心のとりことなる。マクベス夫人は夫をそそのかす。マクベスはダンカン王暗殺を皮切りにつぎつぎと悪事を重ね、友人バンクォウをも殺害する。だが、心の平静は失われる。マクベス夫人もおどろおどろした幻覚の虜となる。それにもめげず、マクベスは苛烈な闘いへと突き進む。緊迫感にみちた見事な悲劇。

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  • リア王
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    老いを迎えたリアは三人の娘の「孝行の約束」の言葉によって、領地と権力の移譲をおこなおうとする。上の二人の娘は言葉をつくして父親への愛情を語る。だが、一番下の最愛の娘コーディリアは「親子の定めにしたがって愛します。それ以下でも以上でもありません」と謙虚に述べたことが高慢と受け取られ、領地もわけてもらえず、さびしくフランスへ去る。リアは上の二人の娘に面倒をみてもらうが、しだいに冷たくあしらわれ、ついには荒野をさまようようになる。シェイクスピア四大悲劇中でも最も激越・悲壮な悲劇中の悲劇。

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  • ハムレット
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    不気味な雰囲気にとざされた、デンマークのエルシノア城。暗い夜の城壁の一画にあらわれた亡き父王の亡霊は王子ハムレットを招き、現王クローディアスが自分を殺害し、王位をうばったこと、ハムレットの母でもある妻のガートルードを王妃にしたことを物語る。亡霊のことばで、父の死因を知ったハムレットは復讐のために狂気をよそおう。だが、老臣ポローニアスの娘、オフィーリアはハムレットから愛も正気も失われてしまったことを嘆く。いっぽうクローディアス王も身の危険を知り、ハムレット殺害をたくらむ。シェイクスピア四大悲劇の最高傑作。

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  • オセロー
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    ヴェネチア陸軍に仕えるムーア人の将官オセローは、最愛の妻デズデモーナを伴ってキプロス島派遣軍司令官となってトルコとの戦いに出立する。だが、オセローが全面的に信をおく副官・旗手の野心家イァーゴーは部隊長のキャッシオーを失脚させ、ひいてはオセローをも破滅させようともくろんでいた。デズデモーナに対するオセローの盲目的な愛は、イァーゴーの画策に格好の手がかりをあたえた。

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  • 続あしながおじさん
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    ジューディは結婚して、孤児院の有力な後援者に。かわって大学時代の親友、赤毛のサリーは孤児院の院長さんになって大活躍、がんこ者のお医者さんと力をあわせて、孤児院を大改革。前作とおなじ手紙の形で話が進められ、前作とおなじように、ユーモアにあふれ、強い正義感をうたった傑作。

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  • あしながおじさん
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    孤児院に育った少女ジューディに幸運が。月に一度手紙を書くという約束で大学に入れてくれるという紳士があらわれたのである。「あしながおじさん」は、快活で機知にとむジューディがこの約束にそって書いた手紙形式の物語。90年も前の作品にもかかわらず今なお世界中の人たちに愛され親しまれている名作。

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  • 三銃士(上)
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    フランスのリシュリュー時代を舞台に、アトス、ポルトス、アラミスの三銃士と堅い友情で結ばれたダルタニャンとが、陰謀と権謀術数の渦巻くなかを泳ぎ渡ってゆく痛快、汗握るデュマならではの冒険活劇。スリルと波乱、雄大なスケールで、決して読者をあきさせない最高級のエンターテイメント!

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  • ジュリアス・シーザー
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    ポンペイを打ち破ってローマに凱旋するシーザー(ユリウス・カエサル)……歓呼の声を張り上げて迎える市民たちに混じって、シーザーの野心を警戒し、その暗殺を企てるキャシアスらの姿があった。キャシアスらは野望実現のために「高潔の士ブルータス」を仲間に引き入れる。暗殺、そしてシーザーの死体を前にしてのブルータスの自己正当化の演説と、まんまと敵対者に取り入ったアントニーの巧みな人心誘導演説……市民の心は一転してブルータスたちから離れ、謀反人をかりたてる暴徒と化す。シェイクスピア史劇の代表傑作。

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  • シラノ・ド・ベルジュラック
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    当代随一の才気ある詩人であり、勇猛果敢な剣士でもあるシラノは、唯一その顔のまんなかを占める巨大で醜い鼻のコンプレックスに悩んでいた。美女ロクサーヌへの純真な恋心も鼻のまえには率直に告白することができない。シラノは恋敵の貴公子クリスチャンの影法師として生きる。……波乱万丈、痛快無比、決闘あり、百人切りあり、駄じゃれ、毒舌、雄弁、名せりふに満ち満ちた、おもしろさ、楽しさ完全保証の悲喜劇。

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  • 燈台へ
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    とらえたかと思った瞬間に逃げ去る幻影《ヴィジョン》。『燈台へ』の作中人物は、それを追いつづける。それは悲劇であり、哀歌でもあるが、にもかかわらず、明るさと救いが与えられる。「生は、意識をもったその最初から終局に至るまで、われわれをとり巻いている半透明な《かさ》…この定まらぬ、未知の、とらえがたい《スピリット》を書きあらわすことが、小説家の仕事ではないだろうか?」ウルフはこう書いた。

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  • 風車小屋だより
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    製粉工場ができて利用されなくなった風車小屋のなかで、粉ひきじいさんが壁土をひいていたという「コルニーユ親方の秘密」、あばずれ女と結婚した青年が、女をもとの情夫に連れていかれて、女を思い切れずに自殺するという「アルルの女」など、プロバンスを舞台にした情趣あふれる24の短編からなるドーデの代表作。

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  • 城(上)

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    測量士Kは「城」から招かれ「村」を訪れた。だがようやくたどりついた村からは「城」はろくに見えず、村人の待遇はよそよそしい。城に到る道は迷宮のように錯綜していて、Kは城に到ろうとさまざま試みるが、どうやってもたどりつけない…20世紀文学に異彩をはなつ大作。

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  • アメリカ
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    誘惑されて女中に子供を産ませたため、16歳のカール・ロスマンは両親によってアメリカへ追放される。だがニューヨークの伯父の家からも追い出され、カールは放浪生活を余儀なくされる。新世界での冒険につぐ冒険、裏切りあり、どんでん返しあり、悪徳行為あり、カールは転落に転落を重ねながら数奇な運命をたどる…

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  • ゲーテ詩集
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    1巻440円 (税込)
    「きみたちの詩はきみたちの体験をふくんでいるか、その体験がきみたちにとって進歩となっているか」若者にこう呼びかけ、一貫して時代に先駆けた試みをやめなかった詩人ゲーテの詩の選集。

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  • ガルシン短編集 赤い花
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    1巻550円 (税込)
    新たに精神病院に連れてこられたその患者は、病院の花壇に異様な赤い花を見つける。彼には、その花はあらゆる悪のシンボルと感じられ、それを摘み取ることが自分に課せられた仕事なのだと思い込む。…この代表作「赤い花」のほか、「四日間」「アッターレア・プリンケプス」「めぐりあい」「信号」など、ガルシンの代表作6編を収録。

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  • 隊長ブーリバ
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    1巻550円 (税込)
    南部ロシアのウクライナが戦乱のちまたであった時代。勇猛果敢なコサックの戦士たちが、祖国と信仰を守るために立ち上がった時代。典型的なコサック魂の権化、隊長ブーリバの峻厳な行動モラルを描く歴史ロマン。

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  • 死せる魂
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    ロシアのN市にあらわれた男は招待を受けた紳士のもとを順に訪れ、「死んだ農奴を売ってくれ」と申し出る…いったい何のため…巨大なロシア文学の森の出発点となった記念碑的作品。全体は良質なミステリーでもある。

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  • 王妃マルゴ(上)
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    舞台はフランス・ルネサンスの一見はなやかな時代。だが新旧の宗教の対立はきわだち、聖バルテルミーの大虐殺で対立はクライマックスを迎える。シャルル9世は君主ではあったが、母親のカトリーヌ・ド・メディシスは隠然たる力をもち、シャルルの弟たちもそれぞれが次期の王位を狙っていた。こうしたなかでシャルルの妹マルゴはプロテスタント勢力の旗頭ナヴァール王アンリと政略結婚をさせられる。だがマルゴは披露宴の席で元恋人のギーズ公からなにごとかささやかれると「今夜、いつものように」という言葉をラテン語であたえるのだった。

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  • 金瓶梅(上)
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    1~2巻440円 (税込)
    好色文学の一大奇書として有名な中国古典。作者不詳。『水滸伝』のなかの西門慶《せいもんけい》と潘金蓮《はんきんれん》の色ごとを描いた挿話をふくらませて全百回の一大色豪・愛欲ものがたりに仕立て、当時の世情を活写した小説。金瓶梅とは、西門慶の第五夫人「潘(金)蓮」、第六夫人「李(瓶)児」《りへいじ》、金蓮つきの女中「春(梅)」《しゅんばい》からとったもの。本書はこの大長編を、中国文学に傾倒した作家富士正晴が、手際よくまとめたダイジェスト版である。

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  • イソップ寓話1
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    紀元前5世紀のヘロドトスの「歴史」に出てくる作者イソップ。だがその生涯はよくわからない。しかし、イソップ作とされる寓話の数々は、いつしかまとめられて多くの国の言葉に訳されて普及した。日本でも1593年に『天草本伊曾保《いそぽ》物語』が出版された。おもに動物や植物を材料に書かれたその寓話は、末尾の警句とともに、大人が改めて読んでも非常におもしろい。本寓話集には、(1)に148編の寓話を、(2)には120編の寓話と、同じく寓話作家として有名なラ・フォンテーヌの手になる、これも非常におもしろいイソップの伝記寓話15編が収めてある。

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  • 変身
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    「ある朝のこと、落ちつけぬまどろみの夢からさめたとき、グレゴール・ザムザは寝床のなかで一匹のばかでかい毒虫に変わった自分に気がついた。かたい甲羅(こうら)のせなかを下にした寝姿だった。ちょっと頭をもたげてみると、せりあがったアーチ型の腹部が見えた。鳶(とび)色の、固い環節(かんせつ)でいく重にも仕切られている。そのお腹(なか)のてっぺんには、掛けた布団がいまにもずり落ちそうなかっこうで、やっとこふみとどまっているしまつ」……セールスマン、グレゴール・ザムザのへんてこりんな「変身」を通じて家族に引き起こされる悲喜劇。奇才カフカの面目躍如たる短編。

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  • グリム童話集(上)
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    1~2巻440円 (税込)
    グリム兄弟が集めた、ちょっと怖いところもあるドイツの童話。この巻には「蛙の王さま」「狼と七匹の子やぎ」「忠臣ヨハネス」「十二人の兄弟王子」「野ぢしゃ」「森のなかの三人の小人」「糸紡ぎの三人女」「ヘンゼルとグレーテル」「白い蛇」「漁夫とその妻の話」「灰かぶり(シンデレラ)」「赤ずきん」など代表作18編を収めた。

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  • アンデルセン童話集(上)
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    1~2巻440円 (税込)
    グリム兄弟がドイツの民話を集めたのに対し、少し遅れてデンマークに生まれたアンデルセンは長編小説「即興詩人」の世界的な成功のあと、当時の子供たちと大人たちのために数々の創作童話を書いて最も有名な童話作家となった。この第一集には、「飛行かばん」「イノシシの銅像」「ナイチンゲール」「みにくいアヒルの子」「モミの木」などの代表作と大作「雪の女王」など、16編を収めた。

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  • サロメ
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    ユダヤの副王ヘロデは後妻の娘サロメの怪しい魅力のとりことなって、みずからの誕生日の宴席でしつこく踊りをせがむ。何でも希望のものをとらせるというヘロデの約束に対して、踊り終わったサロメの望んだものは予言者ヨカナーンの生首であった。世紀末の怪奇幻想趣味あふれる一幕悲劇。

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  • 若きウェルテルの悩み
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    1巻440円 (税込)
    ドイツの生んだ最高の文豪のひとりであるゲーテが、25才のときにたった4週間で一気に書き上げた世界を代表する「青春の文学」。恋に悩み、傷つき、仕事に生きがいを見つけることもできず、多感な芸術家的資質をもった青年ウェルテルは、ついに破滅への道をたどる。

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  • 華麗なるギャツビー
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    ロングアイランドの小高い丘の上に豪奢な邸宅をかまえ、夜ごと大宴会を催す不思議な男。誰に対してもソツなく応対する気さくな男だが、その金は、資産は、いったいどこから? ときおり怪しげな電話がかかってきて席をはずすかと思えば、真夜中に一人、海を見つめてなにやら瞑想にふける……だがその謎もついに明るみに。「失われた世代」の作家の代表作。

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  • 鉄仮面(上)
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    ルイ14世の治下に企てられた奇想天外な「王位簒奪」計画。その背後には元三銃士の一人で今はヴァンヌの司教にまで出世したアラミスがいた。陰謀はフーケの城館を舞台にまんまと成功する。だが……。「三銃士」プラス、ダルタニャンの四銃士の最後を描く陰謀と活劇の歴史絵巻。映画「仮面の男」の原作でもある。

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  • 黒いチューリップ
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    ルイ14世によって引き起こされたオランダ戦争の渦中、オランダ国内は政治的党派の争いも過熱していた。その一方で、ハルレムの町は「黒いチューリップ」を作り上げた者に10万フロリンの巨額の懸賞金を出すというイベントを企画する。資産家の息子で根っからの園芸好きのコルネリウスは、全力をあげて品種改良に取り組む。だが隣家には、コルネリウスに対抗心と嫉妬の炎を燃やす園芸家ボクステルの目があった。彼はコルネリウスが当時の政治リーダーの叔父から重要書類を託されたらしいのを目撃する。

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  • カラマーゾフの兄弟 1
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    1~3巻792~924円 (税込)
    フョードル・カラマーゾフは金と女にしか興味のないような悪魔的な男だったが、彼には3人の息子と1人の私生児があった。長男ドミートリイは27歳の退役士官で、婚約をむすんだ娘がありながら、妖婦グルーシェンカに恋慕して父親の恋敵になる。次男のイワンは合理主義者、無神論者である。三男のアリョーシャは幼いときから僧院に入って修業し、キリストの愛によって肉親を和解させようとする。私生児のスメルジャコーフは癲癇の発作もちで、悪がしこく、自分の出生に恨みを抱いて生きている。入り組んだ愛憎のもつれのなかで、フョードルが何者かによって殺害される。あらゆる証言からみて状況はドミートリイにとって不利なことばかりで、結局彼は起訴され裁判にかけられる……人間の獣性と神性をみごとに描きつくした大作。

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  • 白痴(上)
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    霧ふかいある冬の朝、ペテルブルグの終着駅へと、列車が疲れきったかっこうで物語を運んでくる。三等車の座席に三人の男がいる。色あせた包み一つをかかえてスイスから帰国途中のムィシキン公爵と、熱病やみの男で、着のみ着のままでプスコフからわが家へ帰るラゴージン、そして、赤鼻、吹き出物だらけで、何のために列車に乗っているのか見当もつかぬ、抜け目のないレーベジェフだ。列車の到着後、その日のうちに主人公はほとんどすべての登場人物と会う。…純真な子供のような眼をもつムィシキンを、ひとは「白痴」よばわりする。だが公爵は常にその曇りのない大きな空色の眼に微笑をたたえているのである。……「しんじつ美しい人物を描こうとした人は常に失敗しています。なぜなら、それは量り知れぬほど大きな仕事だからです」ドストエフスキーのこの決意が結実した傑作。

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  • 罪と罰(上)
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    「非凡人はあらゆる犯罪をなし、あらゆる方法で法律を犯す権利を持つ」――貧しい大学中退生ラスコーリニコフは、こんな犯罪哲学にもとづいて、金貸しの老婆を殺し、行きがかりから、その義理の妹まで殺してしまう……。なみの犯罪小説や推理小説には及びもつかない迫真性と迫力で、ぐいぐいと読者を引っ張っていく、ドストエフスキー、ロシア文学、世界文学の代表作。

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  • 阿Q正伝
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    1巻550円 (税込)
    阿Qは正式な呼び名も「阿キュウ」としか判らず、小さな村で麦狩りや米つきや船こぎなどの臨時の手伝いをして、その日その日を暮らす最下層の貧民だった。住まいも村の社(やしろ)をねぐらにしていた。だが、プライドは高かった。そして、いつの日か、偉くなって、自分を馬鹿にする連中を見返してやろうという野心を抱いてもいた。近代中国の庶民をはじめて描き、その目覚めと再生を希求した魯迅(ろじん)の代表作。他に「狂人日記」「藤野先生」など、短篇代表作7作を収めた。

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