竹端寛作品一覧

  • 「当たり前」をひっくり返す バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」
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    1巻2,200円 (税込)
    来るべき「対話の時代」の先触れとなる必読書 精神病院をなくしたバザーリア(1924-1980:イタリア)、入所施設の論理を破壊しノーマライゼーション原理を唱えたニィリエ(1924-2006:スウェーデン)、教育の抑圧性を告発したフレイレ(1921-1997:ブラジル)。動乱の時代に社会に大きな影響を与えた3人を貫く「実践の楽観主義」の今日的意義。 【目次】 序章  三人の主人公 本書の構成  第一章 アッセンブレアと対話 第二章 施設の論理を「括弧に入れる」 第三章 四十年後のトリエステ 第四章 ニィリエの「二つの人生」 第五章 一九六九年のニィリエ 第六章 「ニィリエは自分で考えることを教えている!」 第七章 相手を変える前に自分が変わる 第八章 オープンダイアローグとの共通点 第九章 批判的な探求者 第十章 自由こそ治療だ 終章 【著者】 竹端寛 1975年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治学科准教授を経て、現在、兵庫県立大学環境人間学部准教授。著書に『枠組み外しの旅』(青灯社)、『権利擁護が支援を変える』(現代書館)、『障害者総合福祉サービス法の展望』(共著、ミネルヴァ書房)、『福祉先進国における脱施設化と地域生活支援』(共著、現代書館)他。
  • 家族は他人、じゃあどうする? 子育ては親の育ち直し
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    42歳で父になった福祉社会学者、娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えるエッセイ。 42歳で父になった福祉社会学者、ままならない育児にジタバタの日々。娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えるエッセイ。 「ぼくはいまだに、とっさに子どもをグイッと引っ張る癖がある」 「でも、ふと考えるのだ。なぜ、ぼくはそそっかしいままで、妻は注意深くあるのだろう?」。 自分のなかの「仕事中心主義」や「力ずく」のやり方(=男性中心主義)に気づき、ケアの世界にたどり着くまでの日々の記録。 【目次】 はじめに 逃げるな、自分! 自己責任の外にある世界 「どうせわかってくれない」のか? 「ちゃんとしなさい」の罪 子育てすると「戦線離脱」? 「こっちだって仕事で疲れて帰ってきたのに」という言葉 「自分勝手を手放せる」か? 父ちゃんの育ち直し 「待つ」という「修行」 テレビとぼくと娘 体罰としつけ 「ややこしい」から「喜び」へ 「わかったふり」をしない 唯一無二性に気づく 「子どもの問題」は自分自身の心配ごと? 子育てという「まなびほぐし」 「観察」から始まるチームづくり おわりに 【著者】 竹端寛 1975年、京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。美味しいものを食べる・飲む・作るのが大好き。趣味は合気道(二段)とハイキング、ジョギング。 主著は『「当たり前」をひっくり返す――バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」』(現代書館)、『枠組み外しの旅――「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)など。 専門は福祉社会学、社会福祉学。
  • ケアしケアされ、生きていく
    4.1
    他人に迷惑をかけていい!!★ケアは弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜けだして、自分のありのままを大切にするような、お互いがケアしケアされるそんな社会を目指そう!★ 〈著者からひと言〉この本は、ケアから逃げてきた私が、ケアと出会い直すことによって見えてきた世界を、みなさんにも馴染みがある3つの視点から考えてきた本です。1つめは20歳の大学生の世界です。私は大学生を20年近く定点観測してきました。その上で、今の学生が「他人に迷惑をかけてはいけない憲法」に縛られて、生きづらさを抱えているように思えます。それは一体どういうことなのか、を考えてみました。2つめは6歳の子どもの世界です。私の娘は今、6歳なのですが、「迷惑をかけまくって」楽しく生きています。安心して迷惑をかけられる環境で、のびのび生きています。でも、ちゃんとしなさい、と叱り続けると、そのうち親や教師を忖度する大学生になるのではないか、と心配しています。なぜ、のびのびした子どもが、その十数年後には「他人に迷惑をかけてはいけない」と縮こまる大学生になるのか? その背景を考えるうえで、3つめの世界、「昭和98年的世界」を生きる48歳の私の世界を考えています。昭和が終わって30年以上経っても、日本社会の基本的なOSは昭和時代のままです。理不尽な労働環境でもがまんする、抑圧的環境に「どうせ」「しゃあない」と諦める。それが、女性の管理職や政治家比率が低く、イノベーションが生まれにくい「失われた30年」の背景にあると私は考えています。そして、この世界は「ケアレス」な世界です。この閉塞感をこえるためには、日本社会がケア中心の社会に変われるか、が問われています。能力主義や男性中心主義の呪縛の外にある世界です。それは、共に思い合う関係性が重視されるし、そのためには自分自身の「唯一無二性」とも出会い直す必要があります。そんなの無理だよ!と理性の悲観主義に陥らず、ではどうやったらケア中心世界は可能なのか、について、できる一つの可能性を模索したのが、本書です。中高生にも読んでもらえるよう、わかりやすい文体を目指しました。よかったら、読んでモヤモヤしてくださると、嬉しいです。 竹端寛■【目次】 第一章 ケア? 自分には関係ないよ!/一 「迷惑をかけるな憲法」/他人に迷惑をかけてはならない/都合のいい子!?/大人から学んだ「いい子」/二 しんどいと言えない/意見を表明する権利/他人の顔色をうかがう/苦しいことと苦しみ/三 自分自身を取り戻す/ゼミで涙を流す学生/ペラペラしない他者/ about-ness からwith-nessへ/四 面倒な中に豊かさがある/ケア不在を超えるために/自分の魂に迷惑をかける?/第二章 ケアって何だろう?/一 確かに面倒なのだけれど/めっちゃ可愛く、めっちゃややこしい/存在をぶつける/意見表明の主体としての子ども/一方的にケアされる存在ではない!/二 自分へのケアと他人へのケア/子どもの「開かれ」/自分の人生へのリミッター/忖度の危機/作られた悪循環/偽解決を超えるために/三 他者へのケアの前に/支援か支配か?/関係性のダンス/同調圧力に異を唱える/誰へのケア?/四 互いが気にかけあう/自分へのケア/共に思いやること/ with-ness で生活を回す/何を見ようとしてこなかったのか/第三章 ケアが奪われている世界/一 ケアのないわたし/ケアレスとはなにか/同調圧力と「空気を読む」/自己責任とわきまえ/ケアレスな社会/二 「昭和九八年」的世界/労働ファースト/最も眠れていない国/頑張れば報われる、の呪い/前時代の大成功、ゆえに/三 標準化・規格化の「大成功」の陰で/昭和の成功を支えたもの/銀行型教育システムへの囚われ/「正解」幻想/昭和的価値観の限界/四 ケアの自己責任化を超えて/「発達」の「障害」?/置き去りにしてきたケア世界/自分が学んだことはこれなのか!/「ちゃんと」のリミッターを外す/第四章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ/一 生産性とケア/誰のための、何のための効率?/男性中心主義の外にある世界/能力主義の呪縛/「生産離脱者」の排除/二 責任の共有化で楽になる/依存先を増やす/関係性に基づくケア/懲罰ではなくエンパワーする責任/切り分けるのではなく、分かち合う責任/三 共に思い合う関係性/中核的感情欲求と向き合う/生き様の理解と支援/迷惑をかけるな、より大切なもの/他者の他者性に気づくこと/四 ケア中心の社会へ/己の唯一無二性とも出会い直す/魂の脱植民地化/葛藤を共に味わい社会化する/できる一つの方法論
  • 権利擁護が支援を変える セルフアドボカシーから虐待防止まで
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    1巻2,200円 (税込)
    権利擁護の本質が理解できれば、高齢者や障害者への支援のあり方は根本的に変わる! 権利擁護の本質が理解できれば、高齢者や障害者への支援のあり方は根本的に変わる! 国内外の権利擁護実践の現場に通い続けた著者が、当たり前の生活・権利を奪われ絶望的な苦悩に追い込まれた人々に寄り添い、その構造転換を支援する具体的なアプローチを提案する。支援者と当事者の間の深い溝を自覚的に越えるために、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、行政職員など、福祉現場に携わる全支援者の必読書! 【目次】 序章 権利擁護が支援を変える                                                           第一章  セルフアドボカシー論 一 セルフアドボカシーから始まる権利擁護 二 相談支援と権利擁護 三 当事者研究とセルフアドボカシー 第二章 セルフアドボカシーから権利擁護まで──アメリカにおける権利擁護機関・アドボカシー実践── 一 個別事例から法改正にまで取り組む公的権利擁護機関 二  強制入院時における「患者の権利擁護者」の役割 三 障害児教育の現場における隔離・拘束 四 権利擁護の四つの側面 第三章 日本における先駆的実践──精神医療の「扉よひらけ」── 一 「入院患者の声」による捉え直し 二 NPOのアドボカシー機能の「小さな制度」化とその課題 終章 【著者】 竹端寛 1975年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治学科准教授を経て、現在、兵庫県立大学環境人間学部准教授。学生時代から大阪精神医療人権センターの権利擁護活動に加わり、スウェーデンでの在外研究期間中に「ノーマライゼーション・育ての父」ベンクト・ニィリエ氏にインタビューをしている。障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の委員として総合福祉法案策定にかかわる。著書に『枠組み外しの旅』(青灯社)、『権利擁護が支援を変える』(現代書館)他。
  • 「困難事例」を解きほぐす 多職種・多機関の連携に向けた全方位型アセスメント
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    本人中心のアセスメントで支援が変わる! 介護・福祉の分野においてアセスメント(assessment)とは、「当事者に関する情報を収集・分析し、自立した日常生活を営むために解決すべき課題を把握すること」といわれている。従来のアセスメントでは専門職の客観的な視点ばかりが重視され、当事者の主観を尊重した支援まで届いていないことがある。 本書では、「全方位型アセスメント」の概念や手順を、豊富な例と図表を用いながら紹介。客観的に問題を把握しつつも当事者個人の生活歴や周囲の環境を考慮し、その人らしい暮らしを実現するための見立てを構築する。 【目次】 1章 アセスメントと生き方支援 2章 そもそもアセスメントとは何か 3章 全方位型支援・全方位型アセスメントとは何か 4章 全方位型アセスメントを用いた4つの領域で捉える全方位型支援の実際 5章 全方位型アセスメントの実施に有用なツール 6章 事例検討に活かす全方位型アセスメント 【著者】 伊藤健次 1974年東京生まれ。日本社会事業大学卒業後、介護福祉士・社会福祉士として特別養護老人ホーム勤務後、日本社会事業大学専門職大学院(福祉マネジメント修士(専門職))を経て、山梨県立大学にて福祉専門職の養成教育に従事、2016年から同大学准教授。学生教育の傍ら、日本福祉大学大学院社会福祉学研究科修了(社会福祉学修士)。 福祉専門職の卒後教育にも携わり、特に力を入れてきたのは年間70ケース以上行う事例を用いたグループスーパービジョンと地域ケア会議における個別事例検討。 土屋幸己 一般社団法人コミュニティーネットハピネス代表理事、認定社会福祉士。 淑徳大学社会福祉学科卒業後、2006年に静岡県富士宮市福祉総合相談課長(兼)地域包括支援センター長に就任。富士宮市では、全国に先駆け福祉総合相談支援体制を構築し、ジャンルを問わないワンストップの相談支援体制と地域包括ケアシステムの構築を行い、全国のモデル地域となった。 2017年に一般社団法人コミュニティーネットハピネスを立ち上げ、代表理事に就任。福祉アドバイザーやソーシャルワークの基本であるアセスメント研修など各種研修も実施。 竹端寛 1975年京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。 大阪大学人間科学部卒、同大学院修了。博士(人間科学)。 山梨学院大学教授を経て、現職。脱施設化と権利擁護研究を土台に、ダイアローグを基盤とした地域福祉・多職種連携などの研究や研修にも携わる。著書に『「当たり前」をひっくり返す――バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた革命』『権利擁護が支援を変える――セルフアドボカシーから虐待防止まで』(現代書館)、『枠組み外しの旅――「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)等。
  • 脱「いい子」のソーシャルワーク 反抑圧的な実践と理論 [電子改訂版]
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    支援現場の「しょうがない」を乗り越えるために社会正義に基づいたソーシャルワーク入門書 イギリスやカナダで主流となっている反抑圧的ソーシャルワーク(AOP)の理論から実践までを、日本で初めて紹介。援助者が多数派にとっての都合の「いい子」を脱することから、多様性社会の実現が始まる。社会正義に基づいたソーシャルワーク入門書。 【目次】 はじめに 第Ⅰ部 AOPを知る 1 反抑圧的ソーシャルワーク(AOP)とは何か─概論と方向性 (坂本いづみ) 2 カナダでのソーシャルワーク教育の状況と課題 (坂本いづみ) 第Ⅱ部 AOPの可能性 3 「私」から始めるAOP─ケアを中心とした社会をつくるために (二木泉) 4 ささやき声の共鳴から生まれる私たちのAOP─「しょうがない」の向こう側 (市川ヴィヴェカ)  コラム4 ささやき声のAOP、実際にやってみたら 第Ⅲ部 AOPと日本の現状 5 日本のソーシャルワーカー教育とAOP─社会福祉専門職教育に今こそAOPが必要な理由(茨木尚子) 6 精神障害と抑圧・反抑圧 (竹端 寛) 7 障害当事者運動にみるAOP─その可能性と課題 (茨木尚子) 8 支援者エンパワメントとAOP (竹端 寛) 終章 明日から始める反抑圧的ソーシャルワークのタネ 【座談会】 【著者】 坂本いづみ トロント大学ソーシャルワーク学部准教授。博士。上智大学社会福祉学科卒業、同大学社会福祉学専攻博士前期課程修了。その後フルブライト奨学金を得て、ミシガン大学大学院ソーシャルワーク修士課程(M S W)と心理学修士課程終了後、ソーシャルワークと心理学の二重専攻で博士号取得。トロント大学では、半抑圧的ソーシャルワークの研究のほか、移民の雇用差別や、日系カナダ人の社会活動など、アートを使いながらコミュニティーに根ざした参加型の研究を行っている。 茨木尚子 福岡県生まれ。明治学院大学社会学部教授。早稲田大学教育学部卒業後、東京都特別区福祉職として障害者施設での勤務を経て、明治学院大学大学院社会学専攻博士前期課程修了。日本における障害者自立生活センター創設期から、障害当事者の活動にかかわりながら、当事者主体の社会福祉支援とは何かを、組織運営も含めて研究課題としている。共著書『支援費風雲録』(現代書館)、『障害者総合サービス法の展望』(ミネルヴァ書店)等。 竹端寛 京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。大阪大学人間科学部卒、同大学院修了。博士(人間科学)。山梨学院大学教授を経て、現職。脱施設化と権利擁護研究を土台に、ダイアローグを基盤とした地域福祉・多職種連携などの研究や研修にも携わる。著書に『「当たり前」をひっくり返すーバザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた革命』『権利擁護が支援を変えるーセルフアドボカシーから虐待防止まで』(現代書館)、『枠組み外しの旅ー「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)等。 二木泉 大学卒業後、民間企業を経て、国際基督教大学博士前期課程修了(行政学修士)。介護福祉士として認知症専門デイサービス、訪問介護、専門学校講師などに従事。2014年に子どもと共にカナダに渡り、トロント大学大学院に留学(ソーシャルワーク修士)。現在はトロント郊外の高齢者入所施設にてアクティビティケアを実践しながら、トロント大学博士課程(社会学)に在籍。オンタリオ州認定ソーシャルワーカー。 市川ヴィヴェカ 東京生まれ。社会福祉士・保育士。NPO団体理事・市役所 の非正規福祉職員として生活困窮世帯・生活保護世帯の子どもと家族支援に従事。2017年よりカナダ トロント大学大学院(社会福祉修士)に留学。LGBTQ+難民支援、若年ホームレスの家族カウンセラーとしての経験を経て、2020年より同大学院博士課程に在籍。移民・難民・カナダ在住の日本人の方々に向けた個人カウンセリングも行っている。

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