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-米国実業界の大物ノエル・ホーソーンが、義弟の国務長官の別荘近くの森で死体となって発見され、ショットガンの事故として処理された。遺書の内容はショッキングだった。妻デイジーに50万ドル、3人の娘たちには長女のジューンつまり国務長官夫人にはリンゴ1個、次女でヴァーニイ・カレツジの学長であるメイにはナシ1個、三女で女優のエイプリルにはモモ1個、ジューンの2人の子供アンドルーとセーラにそれぞれ10万ドル、ナオミ・カーンなる女性、つまり愛人に700万ドル、を遺贈するとあったのだ。未亡人デイジーは遺言無効の申し立てをすると主張するが、3姉妹は兄の遺書が公にされスキャンダルになることを恐れ、故ノエルの遺書を作成した弁護士とノエルの直属の部下を同道してウルフを訪ね、ナオミに遺産の半分を放棄するよう説得してほしいと依頼する。やがてノエルの死が殺人である可能性が浮上する……
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-サスペンスの巨匠アイリッシュの短編集。ヒチコック監督の映画化で知られる「裏窓」、恐怖ショート・ショートの「だれかが電話をかけている」、傑作ファタジー「いつかきた道」ほか、「死体をかつぐ若者」「踊り子探偵」「毒食わば皿」「窓の明り」と、粒揃いの名品7編を収めた。
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-ブラント・テキスタイル社の社長令嬢サリーが、殺人容疑で身柄を拘束されている父の無実を証明してほしいと、ウルフのもとを訪れた。2週間前、地元のチェス・クラブで、名手ポール・ジェリンという若者が、同時に12人の会員と盤面を見ないで指すブラインドフォールド・ゲームを行なった。対局の最中にホット・チョコレートを飲んだポールは気分が悪くなり、医師の応急手当の甲斐もなく死亡した。ジェリンの遺体からは砒素が検出された。チョコレートにさわれる立場にあったのは7人だけだった。難問だらけの案件だったが、ウルフは、死んだポールは単なる捨て駒で、犯人の真の標的は社長だったとの仮説をもとに動きだす。
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-アーチー顔見知りの理髪店のクローク係と女のマニキュア師が訪ねてくる。二人は夫婦で、その朝警官が店を訪れ、二人の身元や昨晩の行動を聞かれたとき、不法入国を問われる危険を察知して、すぐさま逃げ出してアーチーを頼ったのだった。アーチーが店を訪ねると、なんとそのときの警官がマニキュア室で背中に鋏を突き立てられて死んでいた!(「警官殺し」)。新任の某国大使の希望で、石油王の山荘にコックとして雇われたウルフ。みんなで釣った名物の鱒の調理を頼まれたのだ。釣師5人はそれぞれが割り当てられた釣り場で腕を競ったが、国務長官補佐リースンの帰りが遅い。遅れて釣りに出たアーチーはリースンの死体を発見した(「殺人免除」)。…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
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-アイリッシュの叙情性がうかがわれる表題作をはじめ、「高架殺人」「リンゴひとつ」「コカイン」「夜があばく」「日暮れに処刑の太鼓が鳴る」「妻が消える日」の7作を収めた傑作短編集続編。どの一編にも、サスペンス・スリラー第一人者のうまさが堪能できる。
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-アイリッシュの短編集続編。独特の緊迫した雰囲気をともなうサスペンスは不滅で、読者を魅了せずにはおかない。本巻には「青ひげの七人目の妻」「死の治療椅子」「殺しのにおいがする」「パリの一夜」「生ける者の墓」の5編を収録した。
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3.8街中で少女を踏みつけ、平然としている凶悪な男ハイド。彼は高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りするようになった。二人にどんな関係が? 弁護士アタスンは好奇心から調査を開始する。そんな折、ついにハイドによる殺人事件が引き起こされる! 高潔温厚な紳士と、邪悪な冷血漢――善と悪に分離する人間の二面性を追求した怪奇小説の傑作であり、「悪になることの心の解放」をも描いた画期的心理小説、待望の新訳!
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-史上最も風変わりな探偵…それが本書に登場のネロ・ウルフである。1日にビールを6リットルちかくも飲み、フランス料理の専門シェフを雇うくらいグルメで大食、おかげでぶくぶくに太って、大好きな蘭を1万株も栽培する屋上に行くのも専用エレベーターの世話になる。つまり自分では動けず、完璧な安楽椅子探偵。指示を仰いで動き回るのは有能な助手のアーチーだ。本書は47作にものぼるシリーズ処女作で、むろん最高の出来という折り紙つきの作品。そもそも本書巻頭で、見知らぬイタリア女の不意の来訪を受けたのは、49の銘柄のビールを一本ずつ賞味しているときであった!
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-サスペンス・スリラーの第一人者ウィリアム・アイリッシュの傑作の粋を集めた短編集の続編。本書には、表題作のほか「三時」「命あるかぎり」「特別配達」「ハミング・バード帰る」「送って行くよ、キャスリーン」など11編を収めてある。大都会のなかの人間の孤独と、しのびよる死の影……意表を突く技巧とバラエティに富むテーマに加えて、なによりも光る哀切な雰囲気描写と緊迫したサスペンス……読者の心をつかんで放さない。
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3.5【映画化原作】ロンドン中心部に聳え立つ、知的専門職の人々が暮らす、新築の40階建の巨大住宅。1000戸2000人を擁し、マーケット、プール、ジム、レストランから、銀行、小学校までを備えたこの一個の世界は事実上、10階までの下層部、35階までの中層部、その上の最上部に階層化されていた。その全室が入居済みとなり、ある夜起こった停電をきっかけに、建物全体を不穏な空気が支配しはじめた。3カ月にわたる異常状況を、中層部の医師、下層部のテレビ・プロデューサー、最上層の40階に住むこのマンションの設計者が交互に語る。バラード中期の傑作。/解説=渡邊利道
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-ウルフとアーチーは、エーミー・デノヴォと名乗る女性から父親捜しの依頼を受ける。彼女の母親は三ヵ月前に轢き逃げに遭い、エーミーは一人残された。父親は毎月母親宛に小切手を送り続けてきていたのだという。アーチーは、小切手の振出人割り出しから追跡を開始し、それが信託銀行の元頭取サイラス・M・ジャレットだったことを突き止める。エーミーの母親は当時別名でジャレット夫人の秘書を務めていた。だが、調査は暗誦に乗り上げる。ジャレットの息子も父親に該当しないことがわかる。ウルフは捜査中の轢き逃げ事件に着目し、その犯人からのアプローチを試みる。車の運転席に残されていた葉巻の銘柄が唯一の手がかりだった。
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3.5マジック・ショーで起きた不思議な出来事を描く表題作など、名品21篇を収録する傑作集。暑い夏の夜、妻とマジック・ショーに出かけたわたしは、舞台に上げられた男が自分そっくりであることに気づく。彼は女魔術師により、身につけたものを目にも止まらぬ早業で奪われていった……奇妙なできごとをシニカルに描いた表題作「瞬きよりも速く」、夜ごと庭に現れる若い女への揺れる心情を綴る「芝生で泣いてる女」、三人の偉大な作家に捧げるレクイエム「最後の秘跡」など、詩情に満ちた21の短篇を収録した傑作集
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