検索結果

非表示の作品があります

  • 空白の起点
    -
    大阪出張の帰途にあった小梶鮎子は、真鶴の海岸付近で男が崖から突き落されるのを車中から目撃した。墜落死した男は目撃者の父親、小梶美智雄であったという驚くべき事実が後日判明する。鮎子はまったく偶然に父親の死を目撃したのか。被害者は多額の生命保険に加入していた。異常な死の背後を追及する本格推理。
  • くらげ色の蜜月
    4.3
    倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある――。 初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。 新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。 アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。 女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。 光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。 文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
  • グリーン車の子供
    3.9
    7年ぶりに、「盛綱陣屋」の微妙役への出演依頼があった老歌舞伎俳優・中村雅楽。しかし、雅楽は子役の配役が気にいらず、出演をなかなか快諾しない。そんな中、法要のため大阪を訪れた雅楽は、友人の竹野記者とともに帰京する新幹線のグリーン車で、一人の幼い少女と隣同士になる。東京へ到着する直前に「陣屋」への出演を決意した理由とは? 《中村雅楽探偵全集》第二巻は、第29回日本推理作家協会賞を受賞した「グリーン車の子供」を含む全18編。日本推理作家協会賞受賞時の著者の言葉など、資料も併録。【収録作】「ラッキー・シート」/「写真のすすめ」/「密室の鎧」/「一人二役」/「ラスト・シーン」/「臨時停留所」/「隣家の消息」/「美少年の死」/「八人目の寺子」/「句会の短冊」/「虎の巻紛失」/「三人目の権八」/「西の桟敷」/「光源氏の醜聞」/「襲名の扇子」/「グリーン車の子供」/「日本のミミ」/「妹の縁談」/徳間ノベルズ版『グリーン車の子供』 あとがき=戸板康二/受賞の言葉=戸板康二/創元推理文庫版解題=日下三蔵
  • 軍師 竹中半兵衛 上 新装版
    値引きあり
    3.8
    美濃の斎藤家から織田家への使者に抜擢された竹中半兵衛は、信長のもとで運命の人・お市の方と出会った。やがて家督を弟に譲り、研究を重ねついに半兵衛流兵法を完成させる。戦国の世が半兵衛を求めていた!
  • 結婚って何さ
    -
    係長に服装や行動にまで難癖をつけられ、遠井真弓(とおいまゆみ)と疋田三枝子(ひきたみえこ)は、臨時雇いの会社を辞めてしまった。憂さ晴らしにしこたま酔っぱらった2人は、3軒目のバーで、こちらも仕事を辞めたばかりの男と意気投合。3人で旅館に泊まったが、起きた2人が見たものは、ソファの上で死んでいる男だった。殺人事件と男女の恋愛が絡み合う長編推理小説。
  • 結婚って何さ
    -
    必死の逃亡者となった元OLが、恐るべき謎の殺人事件を解く、サスペンス&ロマン・ミステリーの傑作長編――行きずりの男と一夜をともにした女が、いつの間にか殺人事件の容疑者に仕立てられていく、その戦慄すべき罠。彼女は身内も友人もすてて、たった一人、狂わされた自分の人生をみずから修復すべく、逃亡と真犯人探索の旅へと出立する……。
  • 劇場の迷子
    4.3
    「千駄ケ谷の小父さん」と、敬愛の念を抱いて訪ねてくる後輩役者や竹野記者が持ち込む、様々な謎を解いてみせる老歌舞伎俳優・中村雅楽。長い人生経験、舞台経験に裏打ちされた老優の推理力は、その芸に劣らず一流で、歌舞伎の世界で起る難問を芸道指南よろしく、鮮やかにそして優雅に解決していく。歌舞伎座で迷子になった、能楽師の一人息子が巻き込まれた事件を描く「劇場の迷子」をはじめ、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」、著者最晩年の作品「演劇史異聞」に加え、単行本未収録作「元天才少女」「留め男」「むかしの弟子」など滋味ある謎解き全28編。【収録作】「日曜日のアリバイ」/「灰」/「元天才少女」/「なつかしい旧悪」/「祖母の秘密」/「弁当の照焼」/「銀ブラ」/「不正行為」/「写真の若武者」/「機嫌の悪い役」/「いつものボックス」/「劇場の迷子」/「必死の声」/「芸談の実験」/「かなしい御曹司」/「家元の女弟子」/「京美人の顔」/「女形の愛人」/「一日がわり」/「荒療治」/「市松の絆纏」/「二つの縁談」/「おとむじり」/「油絵の美少女」/「赤いネクタイ」/「留め男」/「むかしの弟子」/「演劇史異聞」/講談社版『劇場の迷子』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • 月下の蘭/殺人はちょっと面倒
    3.0
    温室での洋蘭の栽培に全身全霊を捧げる美しい義姉。彼女が育てる人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材として、幽玄の世界のうちに技巧を尽くした傑作ミステリ短篇集『月下の蘭』。かつて公安警察の鬼と呼ばれた盲目の老人と、彼の愛娘が伴った謎の客との会話が思わぬ過去を暴き出す「夜のジャスミン」ほか、男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる『殺人はちょっと面倒』。幻の2冊を合本にて贈る。『血の季節』『弁護側の証人』など大胆な仕掛けで世を驚倒せしめた著者が、歌舞伎、能楽などの古典芸能をモチーフとした8篇を収録。【収録作】『月下の蘭』「月下の蘭――春は花」「残酷なオルフェ――夏は星」「宵闇の彼方より――秋は蟲」「ロドルフ大公の恋人――冬は鳥」/『殺人はちょっと面倒』「ラヴ・ホテル〈瀧〉にて」「殺人はちょっと面倒」「夜のジャスミン」「空白の研究 A Study in Blank」/『月下の蘭』初刊本あとがき/編者解題=日下三蔵
  • 玄白歌麿捕物帳
    -
    時は天明(てんめい)、町人文化の爛熟(らんじゅく)期。この太平の世に背を向けて生きる者たちがいた。柳橋の船宿(ふなやど)の一室「風流洞」に集う、蘭法医の杉田玄白、浮世絵師・喜多川歌麿、武芸の修行にいそしむ美剣士・平山行蔵、そして美貌の女将・お艶(えん)である。……凶悪な強盗団、追剥ぎ事件、不審な事故死、次々と襲いかかる怪事件に、ぴったり意気の合った彼ら4人が立ち向かう。痛快時代推理小説。
  • 恋をする女たちへ
    -
    捨てられた、裏切られた、騙された、といった言葉が、いまだに女性の間に、当然のことのように通用している。何とも不思議なことだ。いったい、現代の若い男女に、恋愛や結婚というものがわかっているのだろうか? ――愛の実践経験豊かな著者が、初めて愛の諸問題(男女の心理や生理)を、徹底的に告白・検討して教える、長編ラブ・ガイド・エッセイ。
  • 凍りつく欲望
    -
    恐るべき惨状に、三木秀彦は凍りついた。婚約者・麻衣子の惨殺体、姉の今日子は背中から血が噴き出していた。今日子の唇から洩れた「ゆ・き・よ」の声。はたして犯人の名か!? 男と女の歪んだ性と愛を赤裸々に描いた、会心の推理巨編!

    試し読み

    フォロー
  • 木枯し紋次郎 中山道を往く(一)倉賀野~長久保
    -
    破れ合羽に破れ笠、錆朱色の長脇差をさして、唇に五寸の長楊枝。木枯しの音も寒々と、中山道に孤影をひいて、独り旅往く紋次郎。時代小説の不朽の名作、「木枯し紋次郎街道シリーズ」第一弾。

    試し読み

    フォロー
  • 木枯し紋次郎
    -
    1巻484円 (税込)
    あの木枯し紋次郎がコミックで蘇る。しかも作画は子連れ狼の小島剛夕。 笹沢佐保原作の大ヒット時代劇から、最も人気のあるエピソード、赦免花は散った、女人講の闇を裂く、湯煙に月は砕けた、川留めの水は濁ったの4編を収録。
  • 木枯し紋次郎(九)~三途の川は独りで渡れ~
    -
    「三途の川は、独りで渡るもんでござんす」冷ややかな目でそう言うと、渡世人は長脇差を鞘に納めた。北国街道を行く紋次郎の顔に表情はない。……行きずりの男から託された荷物、間に合わなければ子供が間引かれるという。紋次郎は騙されたのか!? なかに二百両の小判が入っていた。──虚無と孤独が色濃く漂う時代劇のスーパーヒーローが、今日も街道を足早に通り過ぎる。
  • 木枯し紋次郎(五)~夜泣石は霧に濡れた~
    -
    「生きる張り合いも、生き甲斐もなかった。その日が去れば昨日だし、その日が来れば今日だった。明日という日は、ないのである」渡世人・紋次郎が今日生きる自分を守るのは、刃渡り二尺の頑丈な刀。道中合羽で刀を隠し、大勢を相手に変幻自在の戦法を取る。……漠とした不安ただよう天保年間を駆けぬけた紋次郎が、21世紀の現代に時代を超えて甦る。
  • 木枯し紋次郎(三)~六地蔵の影を斬る~
    -
    「あっしには、かかわりのねえことでござんす」その渡世人の左頬には、古い刀傷の跡がある。さらに彼は唇の左端に十五センチほどの手製の楊枝をくわえている。紋次郎のこのトレードマークは、十二、三年前、彼がまだ二十歳前のある出来事に由来していた……。上州新田郡三日月村の貧農の息子は、まさにこの瞬間から、永遠のヒーローに生まれ変わったのである。
  • 木枯し紋次郎(十一)~お百度に心で詫びた紋次郎~
    -
    紋次郎は夕焼けを眺めながら、峠路を下る。五、六歩行ってから振り返り、唇の中心に移した楊枝に息を集めた。木枯しに似た音とともに、楊枝は吹き矢のように飛んだ。峠路を下る木枯し紋次郎の顔に、表情はない。……人を冷たく引き離しながら、密接に関わってしまう紋次郎。その乾いた心情の底にある人間の温かみ。旅はまだ終わらない。道の先にはどんな風景が……?
  • 木枯し紋次郎(十)~虚空に賭けた賽一つ~
    5.0
    上州の亀穴峠を行く木枯し紋次郎は突如襲われた。相手は山で育った八人兄弟。山刀、槍、弓矢、それぞれ独自の武器を使い、鍛錬を積んでいる。……行く手には「無」、引き返してもやはり「無」。無宿の流れ者、渡世人はそれでも、命を狙う者たちへ向かって前へ進むほかはない。――非情な紋次郎と哀しい女たちのドラマを描いて、股旅小説に斬新な世界を拓いた伝説のシリーズ。
  • 木枯し紋次郎(十五)~さらば峠の紋次郎~
    5.0
    木枯し紋次郎は歩きながら、長脇差(ながどす)の下げ緒を結び直した。錆(さび)朱色の鞘を、鉄環と鉄鐺(てつこじり)で固めた長脇差は、かなり重い。足早に歩くときしっかり固定されていないと邪魔になるのであった。夕闇の中に、菜の花畑が広がっている。……最強のライバル・峠花の小文太との死闘。その行方は?……。シリーズ遂に堂々の完結。紋次郎はしかし、街道を急ぐ。今日も、そして明日も。
  • 木枯し紋次郎(十三)~人斬りに紋日は暮れた~
    -
    渡世人の一団に追われた紋次郎は、霧の中で突然弓矢の攻撃を受けた。勘だけを頼りに人影に斬りつけると、相手は意外にも猟師の親娘。娘はその傷のために嫁入り話が破談となった。償いをしようとあせる紋次郎は、五十両で「人斬り」を請け負うのだが、殺す人物はなんと……!? 人の世の哀しさ、わびしさ、そこにきらりと光る紋次郎の優しさ。詩情あふれる見事な時代小説。
  • 木枯し紋次郎(十二)~奥州路・七日の疾走~
    -
    奥州路、そこは賭場も親分衆の住まいもなく、渡世人にとっては禁断の土地であった。しかし、清水港から千石船で銚子に向かった紋次郎は、途中暴風雨にあい、八戸に流れついてしまった。一日も早く関八州に抜けなければならない。――紋次郎を追う、侠客・大前田栄五郎がはなった三十人の刺客と一刀流の達人。紋次郎に勝ち目はない。シリーズ初の長編大作。
  • 木枯し紋次郎(十四)~女の向こうは一本道~
    -
    木枯し紋次郎の前に、最強のライバルが立ちはだかった。直心影(じきしんかげ)流の達人で武家崩れの渡世人・峠花の小文太は、行方不明の妹が紋次郎のため女郎に売られたと聞く。五年ぶりに再会したその妹は、死の床にあった。小文太は紋次郎を斬り刻むことを誓った。恐るべき宿敵。「明日のおのれを見通せねえ身にござんす。先のことはあっしにもわかりやせん」紋次郎危うし。
  • 木枯し紋次郎(七)~木枯しは三度吹く~
    5.0
    紋次郎は、死を直視していた。非情冷徹な彼が、狂女の言葉を信じ、あざむかれたのだ。追っ手は二十四人。助かる見込みは万に一つもない。紋次郎の意識は朦朧とした。またある日、紋次郎は六人の大男を相手に決然と立ち向かった。全員を泥田の中に倒し去って行く。「あっしには、今日しかございませんよ」現代的な放浪感覚と、ミステリー仕掛けのどんでん返しが圧巻。
  • 木枯し紋次郎(二)~女人講の闇を裂く~
    5.0
    貧しい農家の六番目に生まれた紋次郎は、母親の手で間引きされる運命だった。姉のお光の機転で救われた幼い命は、しかし孤独と虚無を育んでいった。……人を頼るから裏切られる。頼られてしまえば裏切ることもある。ならばいっそ何事にも関わりを持たず独りのほうがいい。くわえた楊枝が木枯しに似た音を出す。木枯し紋次郎の孤独な旅は、まだ始まったばかりだ。
  • 木枯し紋次郎(八)~命は一度捨てるもの~
    -
    うっそうとした木々、蝉の声に包まれた山道に突如降りつける夏の驟雨……。木曽路を進む木枯し紋次郎はそんな時、幼馴染みの長兵衛とお鶴に出会った。久しぶりの三人が巻き込まれる一大事!? 身を引き裂かれるような状況に立たされる紋次郎。ついにその長脇差は、情容赦なく光った! 全編みなぎる斬新な趣向と密度濃いドラマ。人の魂を震わす、感動の物語。
  • 木枯し紋次郎(六)~上州新田郡三日月村~
    -
    道中支度の長身、風雨に晒されて黒く変色した三度笠が大粒の雨を弾き返している。次の瞬間、大音響が轟いた。渡世人は落雷の衝撃で意識を失った。二十年ぶりに生まれ故郷の三日月村を訪れた紋次郎であった。石切り人足与作の孫娘に助けられて回復した紋次郎は、与作老人が、実は盗賊泥亀の喜三郎の仮の姿だと知る……。サスペンスと鮮やかなどんでん返し!
  • 孤独な彼らの恐しさ(電子復刻版)
    -
    三木秀彦は婚約者の姉・今日子に心魅かれていた。その今日子が、戦死したはずの従兄に偶然出会い、しかも彼女と離婚した男がかつて従兄の兵隊仲間だと知るや彼は「殺してやる」と叫んだ。その呪いは、今日子たち姉妹が襲われるという形で現実となり、妹は即死、姉は重傷を負った。婚約者の死で、三木は今日子と結ばれるかもしれないとひそかに期待したのだが……。不毛の愛の孤独を描く長篇推理秀作。

    試し読み

    フォロー
  • 孤独なる追跡(電子復刻版)
    -
    エリート中央官僚だった利根川四郎は、その職も妻も捨てた。部下の水原姫子が丸三興易常務を殺したことを信じなかったからだ。個人的な感情を彼女に持っていたわけではない。彼女を首にしようという処理に反発しただけだ。失踪した彼女を探す旅に出た彼につきまとう男、別居中の妻の不倫の行状が謎をはらんで迫る。生きることの意味を見いだすための追跡。男のロマンを謳うサスペンス巨篇。

    試し読み

    フォロー
  • こんな女に気をつけろ
    -
    感情的な女、執念深い女、箱入り娘、羞恥心をなくした女、初めてのベッドで達する女…こんな女たちに、男はどう対処すべきか?外見では分からない女の本能と生理。著者が自らの体験を踏まえて授ける、女性に振り回されないための実戦的恋愛術!

    試し読み

    フォロー
  • こんな日本に誰がした ダメになったこれだけの理由
    -
    いまや、世界でもトップクラスの大国となった日本。しかし、日本人の文化的意識は果たしてトップクラスと言えるだろうか。最近の異常な凶悪犯罪の増加や、刻々と進む環境破壊に代表される世紀末現象は、もはや対岸の火事ではない。日本はこのままでいいのか? 知性、教養、知恵、誇りを失った日本人に、練達の作家が鋭い筆致で警鐘を鳴らす。

    試し読み

    フォロー
  • ささやかな復讐
    3.0
    南伊豆今井浜温泉の、とあるホテル。静養に来た週刊誌の記者が、そこで妖艶な美女と意気投合し、彼女の部屋でひと夜の情事を楽しもうとした。しかし、いざという前に彼女は不可解な失踪を。彼は警察から疑われる羽目に。(表題作)魅力的な謎の設定、論理的推理、そして結末の意外性。本格推理の醍醐味を伝える推理小説集。
  • さすらい街道
    -
    下総無宿、夜番の丹次郎は、孤独の影をひきずる旅鴉。「下手人は必ずおれが、たたっ斬る」顔馴染みになった小料理屋一家を、無残にも殺害した群雲の伝兵衛。丹次郎は仇を討つべく、その無宿者のあとを追った。ついに追い詰めた。しかし伝兵衛は国定忠治に斬られ、ふしぎな三つの言葉を残して死んだ。推理小説的手法を用い、股旅小説に新風を送る傑作。
  • 誘 う 女
    -
    美佐子は好色な女だ。親しい男には誰という区別なく、色目を使う。さりげなく、男の劣情を刺戟(しげき)する仕種(しぐさ)を示したり、ポーズをとる。その美佐子が、強姦され絞殺された……(表題作)。アリバイ・トリック、暗号解読、犯人探しの興味、ダイイング・メッセージの謎……あくまでも本格推理の本質にこだわり、推理小説としての知的面白さを追求した、笹沢推理名品集。
  • 殺 人 者
    -
    西洋給食社長・半沢慎太郎が東京の自宅で撲殺された。親友・半沢の突然の死に、毎陽新聞小松支局長・新明寺道夫は事件の解明をめざすが、入院中のため追及は妻・夏代に依頼した。二人は半沢の同棲相手・光家麻鈴に疑惑を持つが、事件は混迷。道夫の病状は悪化。絶望のなか、夏代は事件と自分をむすぶ奇妙な事実を発見する! ミステリーの新たな地平を拓く問題作。
  • 真田十勇士 1巻
    完結
    -
    真田幸村に忠誠を誓う忍者・猿飛佐助。家康によって九度山に配流された幸村が再び立ち上がるそのために、佐助は幸村の手足となる十勇士を探し出す旅に出る! 誰よりも優れた身体能力を持つ佐助が諸国漫遊、猛者を集めに時速四十キロで駆け巡る!!
  • 真田十勇士 巻の一
    3.3
    時は慶長十六年、豊臣家の滅亡を謀る徳川家康は、九度山に隠遁する真田幸村に警戒を怠らなかった。猿飛佐助は幸村の命を受けひそかに旅立った。来るべき戦いに備えて、諸国を回り十人の勇士を探すため。
  • 真田十勇士 巻の五
    3.0
    真田幸村など大坂方の凄まじい戦いぶりに、一時は東軍の本陣も総くずれとみえた。しかし老獪な家康は、淀君をまどわして城内の結束をみだす。落城に臨んだ猿飛佐助は、ある秘密を抱いて脱出を試みた。完結編!
  • 真田十勇士 巻の二
    3.0
    猿飛佐助と穴山小助、由利鎌之助たちは、駿府へ向かう家康を東海道で襲撃しようと計画を練る。いざ、と身構えたとき、思わぬ邪魔が入った。三好清海入道、伊三入道の二人が、行列に殴り込みをかけたのだ。
  • 真田十勇士 巻の三
    3.0
    ついに十番目の勇士望月六郎もそろい、十勇士の大活躍が始まった。密命を帯びて薩摩へ向かう猿飛佐助の行く手をさえぎる甲賀流忍者群。一方、家康は方広寺の鐘銘を種に、豊臣方に圧力をかける。物語白熱。
  • 真田十勇士 巻の四
    3.0
    真田幸村の築いた出城「真田丸」での奮戦も空しく、家康のいつわりの和睦によって冬の陣は終わった。濠は埋めつくされ、負けいくさ覚悟の夏の陣に、幸村の抱く最後の秘策とは? 猿飛佐助は宿敵と死闘を――。
  • サンセット刑事
    -
    奇観を誇る佐賀の『七ツ釜』で会社員・波多野仁の死体が発見された。かつては凄腕(すごうで)でならした末森刑事も捜査に加わる。現場に残された波多野の車から発見された6枚の写真……そこに写されていたのは、なんと末森の幼少時の恩人・菊池香織の一人娘・恵理子であった。著者のテーマである、「宿命のもつ恐ろしさ、奇怪さ」を集大成した、入魂の本格推理!
  • 3000キロの罠(電子復刻版)
    -
    加瀬啓介、一流ホテルの二代目経営者で、希代のプレイボーイ。頼まれた車の陸送を軽い気持ちで引受けたのも、行きずりの恋を楽しもうという下心からだった。鹿児島から北海道稚内への3000キロ、第一日目にして妖艶な女性と出会うが、それは恐怖の道中劇の幕開けだった。そして殺人――果たしてフィアット124スポルト・クーペは目的地に辿り着けるか。推理界の泰斗が初挑戦するドライブ・ミステリー!

    試し読み

    フォロー
  • 残 照 岬
    3.0
    都下、国分寺市の水谷家が不審火で全焼、焼け跡から新婚まもない水谷夫人の絞殺死体が発見された。夫が殺人容疑で逮捕された翌日、隣家に住む日比野蓉子の義妹・川添真紀が失踪。さらに千葉の殺人事件現場に真紀の定期券が! 真紀の残した言葉「三日月」の謎を解くべく、蓉子は恋人・瀬戸とともに九州へ飛んだが!? 平穏な家族の裏に隠された恐るべき真実とは?
  • シェイクスピアの誘拐
    -
    名優が舞台から美女に投げたメッセージが怪事件の幕あきになった! 8つのトリックを駆使した推理連作――ハムレットを演じる名優・上杉夏也が、舞台上から美貌の人妻・柏原絵美に投げた謎のメッセージ。演出家・松永連太郎は、その陰に、絵美の一人息子の誘拐事件が存在すると知る。暗号を解かなければ、絵美の子は助からない……。推理界の鬼才が8つのトリックをちりばめて描く、華麗な連作ミステリー。
  • 仕事ください
    3.3
    あれ、なんか変だな……。 気づいたとき、あなたはすでに別世界。 奴隷を求めた男の前に現れた“奴”、哀切なる猫SFなど、現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。 仕事仕事仕事ください……。意のままになる奴隷を求めた男の前に現れた“やつ”は仕事を求め続ける……。表題作ほか、不思議で哀切なる猫SF「ピーや」、恋人との会話がどんどん食い違ってゆく「信じていたい」、戦争の傷痕を異様な迫力で描く「酔えば戦場」などに加え、第一長篇『燃える傾斜』の原型となった「文明考」などの初期未収録作3篇を収録。 読めば世界がずれてくる、ぶれてくる。気づいたとき、あなたはすでに別世界。現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。まずは一篇、踏み出してみませんか?
  • 静かな終末
    3.3
    やさしい口当たりと驚きの後味 最後に一篇、いかがですか? 初収録作品多数、日本SFの巨匠の知られざる傑作集 大きな戦争が起きて、どうやら世界は終わるらしい。 しかし、そんなニュースは流れない。戦争の噂はデマだったのだろうか……。 不気味な“日常”を描いた表題作ほか、 ムダをはぶき効率化を突きつめた企業の行く末「ムダを消せ!」、 クイズ番組に人生を賭けるクイズのプロたちの熱き戦い「テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)」など、未収録作品と未文庫化作品を多数収録。 いまなお突き刺さるアイデアと警鐘。 SF第一世代の巨匠による、やわらかな口当たりと驚きのコクが味わえる全五十篇。 お目覚めに、あるいは最後に一篇いかが? 作家活動最初期の十年間に眉村卓が発表したショートショートのうち、これまで著者の単行本または文庫本に一度も入ったことのない作品を中心に五十篇をまとめたのが、本書ということになる。未知のジャンル「SF」に賭けて若き日の作者が傾けた情熱の一端を、この一冊から感じていただけたなら、これに勝る喜びはない。 ――日下三蔵「編者解説」より 【収録作品一覧】 いやな話 名優たち われら人間家族 廃墟を見ました 大当り 誰か来て 行かないでくれ 応待マナー ムダを消せ! 委託訓練 面接テスト 忠実な社員 特権 夜中の仕事 のんびりしたい 土星のドライブ 家庭管理士頑張る 自動車強盗 ミス新年コンテスト 物質複製機 獲物 はねられた男 落武者 安物買い よくある話 動機 酔っちゃいなかった 晩秋 怨霊(おんりょう)地帯 敵は地球だ 虚空の花 最初の戦闘 最後の火星基地 防衛戦闘員 最終作戦 敵と味方と すれ違い 古都で 雑種 墓地 傾斜の中で あなたはまだ? 静かな終末 錆びた温室 タイミング テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典) 100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者) 電話 店 EXPO2000 『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす)
  • 静かなる刑事(電子復刻版)
    3.0
    杉並に五百坪の土地と家を持ち、中野でマンションを経営する未亡人が自宅で首を吊った。主治医によると鉄欠乏症貧血を苦に「死んだほうがいい」とまで言っていたという。自殺か他殺か?そこで登場するのが酒歴二十年、毎晩ボトルを空ける十和田定雄巡査部長。肝硬変寸前の真っ赤な自分の両掌をヒントに難問を描く(「肝臓の不安」)。ユニークな刑事たちがその特技を生かして事件に挑む傑作警察ノベル短篇集。

    試し読み

    フォロー
  • 死にたがる女
    3.0
    井戸警部の夢の中に、六年前に自殺した身元不明の女性が現れた。その直後に起きた殺人事件の被害者は、夢に出てきた女性にそっくりだった(「死者は瓜二つ」)。 直美は、何度も自殺を繰り返すが、偶然に救われていた。そんなとき、彼女の娘がひき逃げに遭い、死亡する。捜査に乗り出した久我山署の刑事たちは……(「死にたがる女」)。 忍耐と根気、そして巧まざるペーソス、刑事たちの知られざる生態を生き生きと描く傑作警察小説、五篇を収録。 (「真犯人(ホンボシ)」改題) 死者は瓜二つ 花の咲く遺言 尻を叩く女 アリバイ成立 死にたがる女
  • 死の追走 次は誰か
    3.0
    連鎖する「死」と心の闇を描く傑作。レイプ殺人を皮切りに次々と……――一人娘をレイプ殺人で失った老夫婦宅に、事件が時効を迎えたあと、毎月送られる10万円。贈り主は、いったい誰なのか……。次々と連鎖するように起こる人の死と、それにまつわる謎を解き明かしながら、人間の心に宿る悲しみを描いたミステリー連作。鋭い文章が冴えわたる、笹沢文学の新傑作!
  • 死人狩り
    3.0
    西伊豆海岸を北上中のバスが、突然、凶弾を撃ち込まれ、乗客27人もろとも海中に没した。県警警部補・浦上の妻子も、そのバスの乗客だった。犯人は一体、27人のうちの誰を、何の目的で狙ったのか? 犯人をいぶりだすには犠牲者を1人ずつ洗う“死人狩り”しか手段はない。愛する者を奪われた、たぎるような怨念が、浦上を執拗な捜査行に駈りたてるのだった……。大量殺人の謎に挑む本格長篇推理!
  • 衝動ゲーム
    -
    不条理な現代に、ひそかに急速にはぐくまれる犯罪の、意外な結末を描く傑作推理6編。若者たちの殺意の深層をえぐる! ――現代の若者たちが引き起こす、殺人や心中や復讐の数々……。はたしてそれらの理由は、何なのか? 不条理なこの社会の中で、ひそかに、しかし急速に育まれる犯罪や、意外な結末の事件や、美談の背後、深層にある真相・真実を、ミステリー・タッチで描き解く、著者会心の推理連作6編を収録。
  • 白い悲鳴 新装版
    3.0
    陸進不動産の金庫から七百万円が忽然と消えた。責任を問われ、経理課の酒巻伸次と御木本平吉が解雇される。金を盗むことができたのは、酒巻含め経理課の六人のみ。納得いかない酒巻は真犯人を突き止めるべく、巧妙な罠を仕掛けるが―(「白い悲鳴」)。事件の陰に潜む哀しい人間模様を描いた四篇を収録。殺人、愛憎、裏切り、復讐…意表を突くどんでん返しのミステリー集。
  • 新・一茶捕物帳 -三日月に哭く-
    値引きあり
    -
    江戸は深川伊勢崎町の源右衛門店通称お月見長屋に独居する弥次郎兵衛は長屋裏の本行寺の本堂を借りて読み書きを教えている。この情け深くて涙もろい男こそ、北町奉行所の定廻り同心・片山九十郎の知恵袋として江戸を騒がす怪事件の謎を解く若き日の俳人・小林一茶であった――! 人情あふれる下町を舞台に、時代ミステリーのニューヒーロー“涙の弥次郎兵衛”の推理が冴える!
  • 深夜の市長
    3.0
    昼とは全く別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。奇怪な人々が闇に潜む不思議な都市を支配するのが、謎の老人・深夜の市長である。ある晩の殺人事件をきっかけに、彼の存在を知った僕。果たして深夜の市長の正体は? 傑作都市ミステリ「深夜の市長」。祖父とも思う資産家の老人が亡くなった後、少年が取った行動が予想外の事態を招く「仲々死なぬ彼奴」。人間の興奮をグラフにした“興奮曲線”によって、殺人犯を特定した博士が陥った悲劇を描く「キド効果」など珠玉の11編を収録。日本SFの先駆者にして唯一無二の奇想で彩る作品を描いた著者の真髄を示す、傑作ミステリ短編集。
  • 直飛脚(じきびきゃく)疾(はし)る
    -
    直飛脚――それは徳川十一代将軍・家斉(いえなり)の密書を、定められた刻限までに目的地に届けることを使命とする、凄腕の武士たち。使命を果たせぬときは、即刻切腹。秋元炎九郎は手裏剣、本荘錦之介は大刀(だいとう)、太田又兵衛は短槍(たんそう)、各(おのおの)の武器を携え、彼らは極限の疾走を開始した。襲いかかる凶刃(きょうじん)をかわして、たどり着いた場所には……?! 痛快、傑作、新感覚時代小説の極北。(『一千キロ、剣が疾る』改題)
  • 地獄街道――月夜に待つ女
    -
    埃まみれの道中合羽、腰には錆びた長脇差、うらぶれた身なりに似合わぬ髷の銀簪…喧嘩剣法で知られた小仏の新三郎は、一人の女を捜していた。“武州深谷生まれのお染”…心臓病みの新三郎を介抱し、二両と銀簪を施してくれた恩人だった。だがその道行きには皮肉な結末が待っていた!

    試し読み

    フォロー
  • 地獄の愛
    -
    軽井沢で偶然巡り会ったふたり。許されざる愛に苛立つ男は、六千万円強奪の企みを秘めている。深い官能に陶酔しながらも、女は男の疲れきった双眸(そうぼう)の中に、野望を垣間見た。幸福な結婚を望む彼女の前に、計画実行の日は刻々と迫ってくる……(表題作)。激しく燃える愛と人間の美醜を鮮やかに描き出した官能の美学!
  • 地獄の女殺し~玄白歌麿捕物帳~
    -
    柳橋の船宿の一室「風流洞」はいつもの4人に占領されている。蘭法医の杉田玄白、浮世絵師の喜多川歌麿、徳川の御家人にして剣の達人・平山行蔵、そして宿の女将(おかみ)・お艶(つや)。天明の世に次々起こる難事件、怪事件に彼らは立ち向かう。……三と八の日に出る幽霊。冷酷無比な盗賊の善行。女たらしで床上手(とこじょうず)な美男強盗。……江戸を舞台に4人の男女が大活躍。痛快時代推理小説。
  • 地獄の辰 犯科帳
    4.0
    「水、水だよ…」袈裟掛けに斬られた夜鷹が遺した謎の言葉。両替屋の娘殺害の最後の目撃者だった。口封じめのためか。「水」の意味するものは?蛇蠍の如く嫌われる深川堀川町の岡っ引き辰造・通称“地獄の辰”。めっぽう切れる頭脳と二尺一寸の長十手が江戸の悪を抉り出し、断つ!

    試し読み

    フォロー
  • 地獄の辰・無残捕物控~明日は冥土か京の夢~
    -
    地獄の辰こと、江戸・深川の岡っ引き・辰造は、許嫁のお玉と同心・磯貝源之進に裏切られ、湯治場めぐりへと旅立った。その彼を追った手下の銀太が、何者かに斬殺された!? 大好評『地獄の辰シリーズ』第3弾!
  • 地獄の辰・無残捕物控~岡っ引きが十手を捨てた~
    -
    喧嘩早くニヒルで、〃地獄の辰〃と異名をとる、江戸・深川の岡っ引き・辰造。十年前、何者かに手籠めにされて死んだはずの彼の許嫁・お玉が生きていた!? 大好評『地獄の辰・無残捕物控』シリーズ、第2弾!
  • 地獄の辰・無残捕物控~首なし地蔵は語らず~
    -
    腕と度胸は抜群、喧嘩早く、ニヒルな顔立ち――人呼んで地獄の辰、江戸・深川堀川町の岡っ引き。辰の愛人・お玉が何者かに手籠めにされ、殺された。復讐を誓う彼は、北町奉行所の町方同心の片腕となった……!
  • 地獄を嗤う日光路
    -
    「股旅小説を書いていると、ぼくもいつの間にか主人公と一緒に旅を続けることになる。あの峠を越えたらその向こうに何があるか、急がないと日が暮れてしまう、こうした旅とはまったく孤独なものだ、などとぼくも主人公と同じことを考えている」(あとがきより) 「借りを返さにゃ死にきれぬ」渡世人・小仏の新三郎を描く連作は街道シリーズ「雪に花散る奥州路」の姉妹篇。「背を陽に向けた房州路」「月夜に吼えた遠州路」「飛んで火に入る相州路」「地獄を嗤う日光路」の四篇を収録。
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1
    値引きあり
    4.4
    時代を超えた衝撃の名作短編を収録。 幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。  無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。  火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。  ほか全七編。

    試し読み

    フォロー
  • 邪 魔 者
    -
    「克子には、他に男がいる……。でも、彼女の肉体(からだ)は誰にも渡したくない」溺愛しているがゆえに、小泉の心中は不安でいっぱいだった。そして燃え上がる嫉妬の炎。だが二人の関係は、あまりにも意外な形で終局を迎えるのだった……。(表題作より) 焦燥、邪推、憎悪。それぞれの感情から宿命のように湧き出る〃殺意〃を、著者独特の筆致で描き出した傑作を8編収録!
  • 十五階の地獄
    -
    美貌の若妻・津村三重子は、ホテルの部屋に突如、侵入した三人の暴漢に犯された。しかも、その鬼面をつけた一人の男は、彼女の八年前の過(あやま)ち、少女売春の相手だった。夫に知られることを恐れ、地獄の脅迫電話に呼び出されたホテルの15階の部屋。三重子がそこで目撃したものは!? 現代の性と犯罪を鮮やかに抉(えぐ)る愛欲サスペンス。
  • 情 事(電子復刻版)
    -
    「先生は和食オンリーで、お酒はウィスキー一本槍ですものね」鹿児島本線の特急グリーン車で話しかけてきた女は、一面識もないはずだが驚くほどぼくの好みに詳しい。富士子と名乗ったがどうも偽名くさい。なぜ偽名を? という疑問とともにその晩、彼女を抱いた。五日後、定宿のホテルに帰京してみると……(「知りすぎる女」)他、様々な女との情交を描く官能ミステリー傑作集。

    試し読み

    フォロー
  • 情  婦
    -
    病身の妻をもつ木塚は、若い美貴子の肉体にのめりこんだ。上司と部下の3年間の密会、そして倦怠。発覚を恐れる木塚は、綿密な計画のもと女を刺殺したが、そこに……。(表題作)――罪を犯した、あるいは犯そうとする男と女。奇抜なトリック、巧みな伏線、意外な結末。本格推理の手法を踏まえて描く、サスペンスとロマン。
  • 城昌幸集 みすてりい ―怪奇探偵小説傑作選4
    3.0
    ショートショートの先駆者であり、怪奇探偵小説の分野で多くの掌編小説を残した城昌幸。小さな作品ひとつひとつに見られる驚くべき発想の奇抜さ、ときに詩的な雰囲気を漂わせる文章の流麗さから、江戸川乱歩をして「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と言わしめた作家の、自選傑作集「みすてりい」を中心に、魅力を網羅した一冊。
  • 誠実な裏切り(電子復刻版)
    3.0
    二つの死が、大丸製薬宣伝課員・海老原の運命を大きく変えた。一つは、彼とともに京都へ出張し、某医科大の有名教授をTVコマーシャルに出演させようとして失策を犯した先輩社員・印南の怪死。もう一つは、新薬を試飲した混血CMガールの怪死だった。この二つの死が調合されたとき、海老原にとっては企業の非情の論理が浮き上り、愛欲の罠を呼ぶ、魔の誘引剤となった……。長篇ロマン・サスペンスの秀篇!!。

    試し読み

    フォロー
  • 背中の眼
    -
    憧れの人気女優・白鳥美鈴と豪勢な結婚式をあげた、老実業家・小林吉之助。ところが、新婚旅行先のホテルで何者かに殺されてしまった! 過去に潜む不気味な翳(かげ)とは……? 女性心理の深奥を描いて、右に出る者のいない著者ならではの、珠玉の10編を精選! 名手による「女性サスペンス」傑作編。
  • セブン殺人事件
    3.3
    新宿淀橋署の宮本刑事部長と、本庁から来た佐々木警部補。年齢も容姿も経歴も好対照の2人は、その名前から「宮本武蔵と佐々木小次郎」にたとえられるライバル同士だ。そんな異色の凸凹コンビが7つの難事件に挑む。どんなときも、2人の推理は真っ向から対立、はたして正しいのはどちらか?息もつかせぬ展開、綿密なトリック、思いもよらない結末と、推理小説の神髄が味わえる7編を収録。
  • セブン殺人事件(電子復刻版)
    3.0
    新宿淀橋署の宮本部長刑事と本庁の佐々木警部補は、剣豪武蔵と小次郎になぞらえられるほどのライバル同士。一方が老練さが売り物なら、片方は論理の冴えが身上。この異色のコンビが、新興成金・二本柳重蔵の秘書が殺された事件を皮切りに、七つの難事件に挑む。二人の読みは真っ向うから対立し、激しく推理の火花を散らす。「日本刀殺人事件」「日曜日殺人事件」「美容師殺人事件」「結婚式殺人事件」「山百合殺人事件」「用心棒殺人事件」「放火魔殺人事件」の7編を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 絶対惨酷博覧会 都筑道夫短篇コレクション
    -
    律儀な殺し屋、凄腕の諜報員、歩く死体、不法監禁からの脱出劇、ゆすりの肩がわり屋……小粋で洒落た犯罪小説の数々。入手困難な文庫初収録作品を中心におくる、都筑道夫短篇傑作選。
  • その朝お前は何を見たか<新装版>
    4.0
    妻の隠された 真実を 知る勇気が あなたには ありますか? 最悪の妻をめぐる 物語のラストは、 あなたの心をきっと 救ってくれる。 休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。 実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。 ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。 それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。 彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜すそうとする。 第一章 誘拐の声 第二章 追跡の眼 第三章 暗黒の血 第四章 着陸の顔
  • そんな恋ならやめなさい
    -
    恋や人生はすべて経験から成り立っている。経験してこそ、“こうしたタイプの人間は信用できない”“このような男女関係は必ず破局を迎える”などと、確かな人間の知恵を働かせることができるのだ。しかし、世の中には自らの浅い経験だけを信じ、真剣な恋愛のできない若者が増えている。そして、男は女のことがわからず、女は男のことがわからない。そんな現代の若者たちのおろかな恋、おろかな青春をバッサリ斬る!「手も握れない男の魅力」「失恋する女のパターン」など、練達な作家がきびしくも爽やかに説く大人の恋の手引書。

    試し読み

    フォロー
  • タクシードライバーの推理日誌 生存する幽霊(電子復刻版)
    3.0
    元警視庁捜査一課の刑事で孫悟空タクシーの運転手・夜明日出夫は、世田谷で冬坂圭一郎・安紀子という老大婦を乗せ、群馬の温泉へ向かった。長道中、孫娘の車BMWが「バカ、ブタマン」と傷を付けられたことで不安に陥っていることなどを聞く。翌日、その孫娘志くらが奥多摩で絞殺されたことを知った夜明は、捜査一課のかつての後輩・東馬秀作と真相究明に乗り出すが――。会心の傑作長篇推理。

    試し読み

    フォロー
  • 他 殺 岬
    3.0
    美容界の大御所・環千之介は、ルポ・ライター天知昌二郎に、その過去を暴かれて自殺! その娘ユキヨも父の後を追い、足摺岬から投身自殺した。――天知の一人息子が誘拐され、犯人はユキヨの夫だと名乗る。天知が息子を取り戻すには、ユキヨの死が他殺だと証明するしかない! サスペンス・ミステリーの傑作!
  • 旅鴉(たびがらす)
    -
    「上州無宿の、石神の伊八郎って野郎を叩っ斬ってくれ」一宿一飯の恩義のある親分の頼みで、羽黒(はぐろ)の源太、別所の弁蔵の二人は中仙道の旅に出た。親分のひとり娘お光(みつ)が、伊八郎に手籠(てご)めにされ、連れ去られたのだという。……事件の意外な展開と、意表を衝(つ)く結末。虚無的で孤独な旅鴉たちを、綿密な時代考証と推理小説的手法で、みごとに描く傑作股旅(またたび)小説集。(『血しぶきに煙る信州路』改題)
  • 丹夫人の化粧台 横溝正史怪奇探偵小説傑作選
    4.0
    美貌の丹夫人をめぐる決闘に敗れた初山は、「丹夫人の化粧台に気をつけろ」という言葉を残してこと切れる。勝者の高見は、丹夫人の化粧台の秘密を探り、恐るべき真相に辿り着き――。表題作他13篇を所収。
  • 大聖神
    4.0
    中村春吉は、みずからを五賃将軍と呼ぶ。 五賃将軍とは、汽車賃、船賃、宿賃、家賃、地賃を一切払わず旅を続ける者のことである 。 自転車世界一周無銭旅行を続ける中村春吉は、独逸を訪れた際に陸軍中佐から奇妙な依頼 を受ける。 大興安嶺の奥地へ向かった露西亜(ロシヤ)軍の目的を探ってほしいというのだ。 どうやら目的地は、黄金神像が眠り白い巨大な守護神がいると原住民から言われている山 らしいのだが……。 果たして今回、石峰省吾、雨宮志保と中村春吉をいかなる怪異が待ち受けるのか。 謎多きバンカラ快人の生涯を貴重な資料から読み解いた「自転車世界無銭旅行者 中村春 吉」を併録。
  • 第8監房
    -
    剣豪小説の大家として知られる著者は、現代もののミステリも多数残した。本書は表題作「第8監房」を筆頭に、主に1950年代に発表され現在は入手困難な短篇を集めたオリジナル作品集。東京の裏社会、スパイ工作、連続猟奇殺人、禁断の愛――巧みなストーリーテリングと衝撃の結末で贈る“狂気”ほとばしる作品群。幻の『盲目殺人事件』を完全収録し、日下三蔵氏による詳細な解説も併録。
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿
    4.5
    蠱毒(こどく)の小説集 開けば毒に包まれ 読めば笑いと戦慄で震え…… 筒井康隆の小説は蠱毒である。 読めば強烈なショックを受け、その面白さに侵される。 巨大な権力を握った某国営放送の腐敗と恐怖を描き、 一読すれば受信料を払わずにはいられない「公共伏魔殿」、 諸事情によりここにはあらすじを書けないもうひとつの表題作「堕地獄仏法」、 ロボット記者たちに理路整然と問い詰められた政治家がパニックになり、 無茶苦茶な答弁をしてしまう「やぶれかぶれのオロ氏」、 大学生と予備校生の喧嘩が殺し合いにまで発展してしまう「慶安大変記」など初期傑作短篇16作を収録。 ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。 つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。 編者解説:日下三蔵 【収録作品一覧】 「いじめないで」(「NULL」10号/1964年1月) 「しゃっくり」(「SFマガジン」1965年1月号) 「群猫」(「別冊宝石」1963年9月号) 「チューリップ・チューリップ」(『東海道戦争』早川書房/1965年10月) 「うるさがた」(「SFマガジン」1965年5月号) 「やぶれかぶれのオロ氏」(「NULL」7号/1962年7月) 「堕地獄仏法」(「SFマガジン」1965年8月増刊号) 「時越半四郎」(「話の特集」1966年11月号) 「血と肉の愛情」(「メンズクラブ」1966年7月号) 「お玉熱演」(「話の特集」1966年6月号) 「慶安大変記」(「SFマガジン」1967年10月号) 「公共伏魔殿」(「SFマガジン」1967年6月号) 「旅」(「SFマガジン」1968年2月号) 「一万二千粒の錠剤」(「週刊プレイボーイ」1967年8月15日号) 「懲戒の部屋」(「小説現代」68年6月号) 「色眼鏡の狂詩曲」(「小説現代」1968年4月号) あとがき(『東海道戦争』ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • 誰もが信じられない(電子復刻版)
    -
    「お前の母親は、実は殺されたのだ……」今はの際の祖父の口から、思いもかけぬ真相が告白されようとした途端、体の不自由な美津子は、父と継母と夫によって、車椅子ごと室外へ連れ出されてしまった。その夜を境に、16年前の謎が、大手観光会社を経営する一家に、不信の渦を巻き起こし、惨劇を生み出して行く……。男と女が、そして親と子が織りなす愛と憎しみを剔抉したサスペンス・ミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • 断崖の愛人
    -
    不倫と言われても、由布子にとって井ノ口は望んで得た愛人関係だった。だが、不幸は突然訪れた。二人の仲を裂きに現われた井ノ口の母親が、由布子と会った直後、何者かによってマンション屋上から突き落とされたのだ。罠だ――と直感した由布子は、井ノ口とともに沖縄へ愛の逃避行を。だが行く手には第二の殺人事件が待っていた…! 断崖に立つ男と女の道行きを、抒情豊かに描き出す著者渾身の傑作推理巨編!

    試し読み

    フォロー
  • 團十郎切腹事件
    3.9
    江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕!【収録作】「車引殺人事件」/「尊像紛失事件」/「立女形失踪事件」/「等々力座殺人事件」/「松王丸変死事件」/「盲女殺人事件」/「ノラ失踪事件」/「團十郎切腹事件」/「六スタ殺人事件」/「不当な解雇」/「奈落殺人事件」/「八重歯の女」/「死んでもCM」/「ほくろの男」/「ある絵解き」/「滝に誘う女」/「加納座実説」/「文士劇と蠅の話」/河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩/旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩/立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二/立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二/講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • 血の砂丘
    -
    能代(のしろ)三香子は、別れた夫船津久彦が溺愛する娘千秋を、復讐のため誘拐した。三香子は交通事故を理由に離婚されたが、これは久彦が愛人と結婚するための罠だったのだ。ところが、何者かが娘を逆誘拐!? 三香子は現在の愛人・別所攻次郎とともに、娘の行方を追ったが……。二重誘拐という斬新な状況設定のなかで展開する、本格ミステリーの白眉(はくび)!
  • 沈黙の追跡者〈新装版〉
    4.0
    大手観光会社社長の自家用機のお抱えパイロットをしている朝日奈順は、 九州から東京に一人で戻る途中、燃料洩れのため、海上に墜落してしまう。 運良く離島の漁師に救われ、助かるが、事故のショックから失語症になってしまった。 一カ月後、東京に戻った朝日奈は、衝撃の事実を知る。 すでに死亡届が出されており、 しかも同乗していなかったはずの社長が墜落死したことになっていた。 暗殺計画 近づく三人の女。 そこに隠された真実。 傑作サスペンス。 第一章  背を向けられた男 第二章  笑わない女 第三章  女たちの告白 第四章  影の気配 第五章  空と海に燃ゆ
  • 筒井康隆、自作を語る
    4.3
    日本SFの黎明期における同人誌〈NULL〉の創刊と、その掲載作「お助け」が江戸川乱歩に発見されての商業デビュー。『時をかける少女』などのヒットや「浸透と拡散の時代」を経て、エンタメ小説黄金期における大活躍と断筆宣言。そして日本文学界の大家となり「最後の長篇」の執筆に至るまで――半世紀を超える作家生活を自ら語り明かして第50回星雲賞を受賞した豪華インタビュー集、新規対談を加えて待望の文庫化。
  • 天保・怪盗鼠小僧次郎吉
    -
    天保三年の春、鼠小僧が軽い気持ちで盗んだ匂い袋は松平家代々の家宝であった。八代将軍吉宗の形見分けである匂い袋…。老中松平康任は極秘裡に奪還すべく、盗賊紫小僧を放ち、さらに鼠小僧の偽者を餌に恐るべき策を練っていた――!

    試し読み

    フォロー
  • 天保・国定忠治無頼録
    -
    鉄砲や槍を武器に20人の子分を連れ、捕まれば磔の関所破りもなんのその。賭場荒し、闇討ちと、無法の限りを尽くした忠治の悪業、ここに極まれり!血に染まった長脇差を手挾んだ当代一の侠客・国定忠治の姿を描いた白熱の時代巨編!

    試し読み

    フォロー
  • 逃 亡 岬
    4.0
    東西薬品の九門愛一郎はTVニュースを見て愕然とした。早暁、喧嘩別れしたばかりの愛人・高見沢ミサが刺殺され、自分が手配されているのだ。無実を晴らせるのは、事件直前に遇った女性と一枚の写真だけである。九門は一億数千万人のなかの〃たった一人〃の証人を追い求めるのだが……。迫真のサスペンス・ミステリー。
  • 通りすぎた夜
    -
    四年間の平凡なOL生活が終わった。美弥子は郷里で結婚する。しかし送別会の夜、波乱のなかった人生をくつがえす事件が起きた。ひとり暮らしの彼女の部屋に、深夜、殺人犯の男が逃げ込んだのだ。異様に熱っぽい目。女の本能で、彼が何を考えているのかを予知できる(表題作)。笹沢作品の根底にある、あるものが濃厚に漂う、常に高い評価を受けてきた推理短編傑作集。
  • 徳川幕閣盛衰記(上)―野望の下馬将軍
    -
    三代将軍家光の遺志をついで幼少の四代将軍を補佐する忠臣幕閣たち、下馬(げば)将軍と称され強権を振るった酒井忠清(ただきよ)、これに対抗して五代綱吉を盛り立てた堀田正俊(まさとし)……だが、本書は権力闘争のみを記したものではない。この巻にかぎっても、由比正雪の乱や、「振袖火事」など同時代の大きな出来事が詳しく描かれ、江戸時代の全体を俯瞰する好個の読み物となっている。笹沢左保の語りが冴える。

    試し読み

    フォロー
  • 時計の針がナイフに変わるとき
    3.0
    「お前が48時間以内に自殺すれば娘は解放する」……刻一刻と迫る時間が、ナイフのように光る! 一人娘を誘拐犯から救う手段は……。――一人娘の香織(3歳)が誘拐され、父親の夏八木鉄人に「お前が自殺すれば娘を解放する」という脅迫状が届いた。誘拐犯は、自分の妻が夏八木に殺されたと誤解し、彼の生命と引替えに娘を返すという。香織を救うには、48時間以内に真犯人を突きとめるしかない。刻一刻迫る娘の危機。息づまる長編推理小説。
  • 突然の明日
    -
    白昼の交叉点で女が消えた、と口走った直後に、凉子の兄は殺された。消えた女とは、兄の元愛人・緋紗江。凉子は、兄の親友・瀬田の協力を得て、犯人追及を試みる。鍵をにぎる緋紗江の行動は、九州へも拡がっていた。そのアリバイを調べる凉子たちの身に、衝撃的な「突然の明日」が襲う! アリバイ崩しを主題にした、著者会心の作。
  • 取調室3~敵は鬼畜~
    -
    佐賀県鳥栖(とす)駅で、母を待つ少女・知香が保護された。不可解なことに、知香は三カ月前にも、男に東京から連れさられた後、同じ場所で母を待っていた。なぜ二度も少女は鳥栖に? 時を同じくして鳥栖市内で発見された無惨な焼死体は、知香の母・綾乃だった! 必死の捜査の結果、ある男を逮捕。佐賀県警の落としの達人・水木警部補と男の凄絶な死闘がいま、始まる!
  • 取調室~静かなる死闘~
    -
    佐賀市内のホテルで全国学生テニス選手権優勝者・小田垣悦也の撲殺死体が発見された。死体発見の数時間前、慌ただしく同ホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まる。“取調べの神様”の異名を誇る水木警部補が登場! ところが、悦也の死亡時刻に光秀が北海道にいたという鉄壁のアリバイ! 敏腕取調官と冷徹な被疑者との息をのむ攻防。会心の推理傑作。
  • 取調室2~死体遺棄現場~
    -
    佐賀県有田町で女性の死体が発見された。現場での目撃証言から、不審な女性が別件逮捕される。被疑者・香山弓江は一世を風靡した美貌のスター歌手であった! だが、被害者との接点は皆無。“落としの達人”水木正一郎警部補の執拗な聴取にも、弓江は完璧な答弁を見せ、事件は暗礁に乗り上げた……。最新の科学捜査を駆使して捜査官と被疑者の死闘を描いた傑作。
  • どんでん返し
    3.1
    「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」――社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。“玉の輿”を目論む夫に、妻は離婚を絶対拒否することで対抗する。はたして、夫婦の運命は……(「霧」)。ほか、全編会話だけで構成された異色の短編を6篇収録。

最近チェックした本