名称未設定さんのレビュー一覧
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腐れ男 アルアル
主人公の「ゆう」は最終的にどっちを選ぶんだろう?そう思わせる巻でした。同棲と結婚、紙切れ一つの違いだけど、お互いの責任と安定した結び付きをとるのか、相手が嫌になっても、戸籍上なにも傷つかず無かったことにできる方を選ぶのか。
最近は同棲と結婚の間に事実婚なるものや、法的に結婚しても同居しない形もある。
同棲のパートナー「尚ちゃん」とは大学の同年生で4年もズルズル一緒に暮らしている。結婚の約束をしたわけでもなく、プロポーズもされず、いたずらに時を重ねていることに不安と焦りを感じ始めるが、相手は全く応じない。
夫でもないのに脱ぎ散らかした服を片付け、洗濯、毎日の食事やお弁当まで作るが、いつの間にかな -
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愛と哀
桜夜とユリは再び会うために最善を選ぶ。厚く頑丈な防水シャッター越しに再会を胸に秘めながら、別々の行動を決意する。
上海でロシアマフィアとの対決後にユリのもとに戻った桜夜を殴ったユリだったが、月日を重ね、桜夜に見合う女性へと研鑽を重ね身も心も強くなっていた。
二人の信頼関係が、「死なない、絶対に生きてユリのもとに帰る」という桜夜の信念と、「無事帰ってきて、待っている」というユリの想いと重なって、より強く結び付く。
ユリを見送った後、桜夜は冷静に退路を探す。押し寄せる海水。
ようやく逃げ道の目安がたったところに、義兄の蛇蝎総裁 マオこと伊織が辿り着く。
そこで桜夜は、二人の父で 桜夜組 組長 桜夜 -
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本当の勝者、絆、そして真実の愛
異母兄伊織の逆襲も制した桜夜。兄との決別以降、組をそして部下を、大事な人達を守るために、自身をどれだけ鍛え上げてきたのだろう。
そして、伊織との決定的な差は、周囲への、そして周囲からの信頼を築き上げたことだと思う。
母親の恨みを受け継いだ異母兄伊織から、ずっと「愚弟」「不正解な弟」とよばれ続け、大事なユリを拐われ、自分の命をおびやかされ、狙われても尚、幼い頃に命を助けられた恩を思い、この状況で異母兄への礼を口にし、殺さずその場を去ろうとする桜夜。それを黙って見守るユリ。
去り行く二人の背中に、なおも「お前達の束の間の恋愛(じゃれ愛)は長く続かない」と言い放つ伊織だったが、二人がきっぱりと否定す -
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推理力記憶力がすざまじい。
とにかく絵がキレイ。細部ま手を抜いていない。登場人物の描き分けが明確。どこにでもいる人。人格や人となりまで見えてくるので、読み手の臨場感が半端ない。
主人公の整君の記憶力、推理力、観察力、うんちく、知識で周囲を巻き込みながら犯人を浮かび上がらせる能力がすごい。
1話で犯人仕立てあげられても、冷静な分析と勘や違和感をもとに証拠を集めて真犯人を追い詰めていく力。
冤罪というのはこうして作られるだろうかという恐怖と、彼のような冷静さがあれば、無実が証明できるのかもしれない。
気になるのは整君の過去のトラウマ。
今後の展開が楽しみだ。
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刑事(デカ)と掛け合いが面白い
2巻目。1巻の2話の終盤からスタートという構成が奇抜。
相変わらず絵がキレイ。
幼時に対する心のケア、自分が恐れたときに「ダンゴムシ」のように体を丸めて保護する。ますます整君の子供の頃のトラウマに興味がわく。
1巻2話の終わり方が、犯人が逮捕されて終わりと月並みだったので、バスハイジャック事件で暴かれた連続殺人犯の逮捕後の意外な結末が3話の前(2巻冒頭)に割り込んで描かれていたのには気をてらった感じだった。
1話の冤罪で取り調べを受けた刑事達、2話の事件でバスジャックを起こした3人組と、どこかで絡みがある展開も興味深い。
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絶妙!!こんな展開を待っていた
「桜夜の恋人」というだけでもオークションの値があがるのに、桜夜のために心身ともに磨きあげ武道も精神力も共に強くなったユリは、毅然としてとても魅力的な女性に返信していた。
このまま桜夜の兄である蛇蝎総裁の手で売られてしまうのか、桜夜の救いはいつ来るのか、そんなことを思いながらハラハラしながら読み進めた。
そして全てが終わった後に、その時が訪れる。
拐われてから友人を守り、桜夜の恋人の名に恥じないように振る舞おうとするユリの凛した対面を保つ顔と、不安と恐怖が入り交じった内面の顔とが、桜夜との再会でようやくひとつの顔に戻れた瞬間、安堵と喜びの涙が伝う。
桜夜の意外な、でもこういう展開になったらいいな -
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桜夜との再会と兄弟の行く末
桜夜の救いがあることは期待し、また切望していたけれど、ユリだけでなく全てのオークションに桜夜が関わり、女性たちを「生涯奴隷としての人生」から救いだしたことに驚き、また桜夜組の信念を貫いたスケールの大きさに感動し、安堵した。
ユリも毅然として、桜夜の恋人の名に恥じない振る舞いと桜夜に心配かけない配慮が健気だった。
色々な事を経験し、時を重ねてきた二人だからこそお互いを信じ諦めなかった結果が、奪還成功に繋がったのだと思う。
脱出寸前で兄総裁にからくりがバレてしまい、このあとの兄弟の行く末から目が離せない。
続巻が待ち遠しい。 -
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読み終えたら1巻から読み返そう
第1巻の中で、えっ?なぜここで!?と不思議に感じたことが、
この巻で気付き確信してしまった。
まだ明らかになっていないが、もし現時点で確信したことが真実であるとすれば、予想外の障害となるだろう。
この先二人がそれをどう乗り越えていくのか。
いや、乗り越えられるのだろうか?
二人は幸せになれるのか。
初と死神の心の変化も明確に描かれている。
当初は二人の孤独と孤独が心を引き寄せ合い、距離を縮めてきたのかと思っていたが、初が、幼いころから死神を唯一無二の人として見いだしたのと同じように、死神もまた、初と出会った頃から初の気持ちに応えていた事を自覚し、初の想いが成就する。
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今までにない緻密綿密な後宮物語
絵もきれいで登場人物のスケールも大きい。
それでいて宮中後宮の日常が親しみやすく描かれていて当時の様子が想像できて面白い。
更に薬の効用、毒物の解毒方法等、専門的で興味深い。
実在した後宮のなかではもっとドロドロした攻防や抗争が日常茶飯事で繰り広げられていたのだろうが、実際には表に出ることなく、人知れずにもみ消されたであろう事件の数々も、後宮高妃部屋付きの毒味役 猫猫の視点が、あたかも「後宮版 名探偵ホームズ」という趣で構成されていて、面白く奥深い。
対局で妓楼事情も盛り込まれていて、それはそれで飽きさせない。
任氏の正体(ある程度予測はつくが)や今後の猫猫との関わりかたも気になる。