• 八甲田山死の彷徨

    飽くまでも「フィクション」

    未だ「リーダー論」とやらのテキストにされている様だが、その異なった目的を持った両隊を比較するのは如何なものかと思う。

    況して五連隊側を「敗者」呼ばわりし、「悪役」として描かれた山田少佐のモデルになった山口少佐の御子孫は肩身を狭くしておられた。

    神田大尉のモデルになった神成大尉もまた浮かばれないと思う。

    一方、徳島大尉のモデルになった福島大尉は、猛吹雪の中を命懸けで案内してくれた民間人七名を暗闇の山中に取り残してきた。
    それを「勝者」「理想のリーダー」として讃えるのには甚だ腑に落ちない。

    この「史実を基にしたフィクション」を、あたかも史実の如く描いた新田氏は流石である。

    0
    2014年12月28日