【感想・ネタバレ】フェイクニュースを科学する: 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ (DOJIN文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

フェイクニュースの生まれる仕組み/生まれやすい環境についてとてもよくまとまっている。最新の研究までカバーされているので、現状このテーマについての最良書だと思う。海外ではネットリテラシーのための教育がもう始められているというのに、日本ではまったくの手つかずというのがもどかしい。どうして日本はこういう重要なことがぶっちぎりの周回遅れになってしまうのか…

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2022年01月28日

Posted by ブクログ

SNSのネットワークについて計算社会科学をもとに解説。特にフェイクニュースについて数理モデルや認知バイアスの知見から説明している。

もともと計算社会科学に関心があり本書を手にした。SNSを模倣した数理モデルのシミュレーションで思想の分断が生じること、フェイクニュースが拡散される要因を検証したことは計算社会科学の威力が十分に発揮された。
また、分析だけでは終わらず、SNSネットワークのシミュレーションを模倣できるサイトの紹介をしたり、フェイクニュースの対抗策についても解説している。
ただし、SNS業界は動きが非常に速いので、数年経つと情報が古くなっている。最近の情報は自身で随時取り入れていく必要があるだろう。

計算社会科学の実例を学ぶことができ、非常にためになった。ネットワークという複雑なものをモデルにして分析し、わかりやすく可視化していることは感銘を受けた。
フェイクニュースへの対抗策としてE.S.C.A.P.Eが紹介されていた。簡単かつ効果的なので、私も今後SNSを利用するときは常に意識し、我が子にも啓蒙していきたい。

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2024年01月06日

Posted by ブクログ

( ..)φメモメモ
フェイクニュースはニュースだけの問題ではなく、情報生態系の全体に関わるもの。
ニュースの内容や伝達の問題としてだけでなく、情報の生産者と消費者がデジタルテクノロジーによってさまざまな利害関係の中で複雑につながりあったネットワークの問題として捉えるべき。
私たちが偽ニュースを信じやすいのには、「みんなと同じようにする」という行動選択を後押しする認知バイアスの存在もある。

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2022年05月04日

Posted by ブクログ

フェイクニュースの科学についての入門書。わかりやすく、データや研究に基づいた記述で信頼できる内容です。
文庫版で追加された補講では、2020年の新型コロナやトランプ落選を例にインフォデミックの時代を解説しています。

フェイクニュースを拡散するSNSは非難の対象にされていますが、SNSに残された「電子的痕跡」(ビッグデータ)によって情報生態系における人々の行動を定量的に調べることができるようになりました。つまりフェイクニュースを科学することも可能になった。

驚いたのはSNS上のいいねやシェアの内容で、個人の属性の特定がかなりの精度でできるということ。
アテンション・エコノミーという概念も始めて知り、ニュース産業について考える見通しがよくなった。

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2021年08月05日

Posted by ブクログ

フェイクニュースは、人間の認知特性と、SNSプラットホームの仕組みやパーソナライズ技術が、負のシナジー効果を発揮して、想像以上の社会問題を巻き起こしていることを改めて実感できた良書でした。

Twitterみてるの馬鹿馬鹿しくなっちゃうな(((^_^;)

この社会問題への対策がメディアリテラシーの向上とファクトチェック団体というのが、やっぱりちょっと心もとない気分です。前に立岩陽一郎氏の『ファクトチェック最前線』を読んで、ひとくちにファクトチェックと言っても…なかなか。ファクトチェック団体の信頼性はどうやって担保してゆくのだろう。フェイクニュースが死語になる未来は私には想像できませんでした(涙)。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

 デマや流言についての研究と言えば、オルポート・ポストマンの『デマの心理学』、清水幾太郎『流言蜚語』といた古典が有名であったが、近年、嘘やデマ、陰謀論等の虚偽情報がソーシャルメディアを介して大規模に拡散し、人間行動や社会に影響を及ぼしてきている。
 
 本書は、こうしたフェイクニュース現象を、情報の生産者と消費者が様々な利害関係の中でデジタルテクノロジーによってつながり合った「情報生態系(Information Ecosystem)の問題として捉え、その仕組みを計算社会科学という新しい学際科学の手法を活用して解明することを試みた入門書である。
 具体的には、定量的、実証的裏付けを伴った、認知バイアスや社会的影響、エコーチェンバー、フィルターバブルといった分析概念を用いた紹介がされている。

 また、コロナパンデミック状況に伴うインフォデミック、ワクチン陰謀論といった最新の状況についても、今回の文庫化に際して増補されており、大変勉強になる。

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2021年09月13日

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