【感想・ネタバレ】新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるかのレビュー

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Posted by ブクログ

内田樹の「妄想」ぶ不思議なリアリティを感じる。「素人故」とのことだが、世界の歴史を巨視的な視点で俯瞰する氏の語りには大いに学んだ。

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2021年10月22日

Posted by ブクログ

内田樹と姜尚中の対談本。お二人の対談本、私は読むのは初めてであるが、これが3冊目のものらしい。
対談の内容も面白いのだが、あとがきで、内田樹が書いていることが本当に面白かったので紹介したい。

【引用】
■何よりもありがたいのは、僕がこの領域では素人だということは読者のみなさんはつとにご存じですから、「政治についてウチダの話は眉に唾つけて聴かねばならない」というルールが周知されていることです。
■政治に関する領域では、僕の発言の真実含有量は35%くらいです。残り50%は「思いつき」で、「思い違い」が15%くらいです。
【引用終わり】
内田樹は政治を含む世相に関して一家言を持っている思想家くらいに考えられているのではないかと思うが、もともとはフランス文学が専門で数年前までは、実際にその分野で大学教授をやられていた方である。
内田樹の発言は切れ味するどく、また、読むのが楽しくなるような論理構成と話の流れを持っているので、ついつい、本書で言えば内田樹は、政治の分野の知見が深い専門家と思ってしまったりするが、ご本人が「そんなことはないですよ」とおっしゃっているわけである。
それでも、姜尚中のような実際の政治学の専門家に対して思いつきを言ってみることは誰かの(というか、読者である我々の)知的好奇心を刺激するので、このような対談をやっているのだと思う。実際、そのような(頭の回転が早く、物事の本質を見抜く力を持っているがその分野では素人である者が、その分野の玄人に思いつきを投げかけ専門家の考えを聞いてみるような)構成の本書を私はとても面白く読んだ。

内容については、アメリカ・中国・米中関係について考え、今のような米中が対立するような状況の中で、日本はどのようにあるべきか、的な話を2人でしているもの。これも、タイムリーな話題で、ここでは詳しく触れないが、コンテンツ自体も面白いものであった。

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2022年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書が安倍元首相暗殺(の一年)に前書かれたものなんだよなと言うことを思いつつ読み。内田先生はよく「これからの日本」を予測してそれがその通りになったかならなかったを検証するということをされるようです。(別の著作に書かれてました)

2024年春現在、米国でトランプ元大統領が再選される可能性が出てきたことを踏まえて読むと、三年前に出版された本書も一段と興味深く読める気がしました。
政治や世界情勢に疎いので果たしてちゃんとついていけるのか、と思いましたがやっぱりそれほど理解できた気はしなかった(笑)
しかし読み通せたのは対談形式だったからでしょう。

それにしても内田先生はすごい。専門家じゃないのに(とあとがきにご本人も書いてらっしゃるけれど)これだけよく語れるなとその博識ぶりに(好奇心に?)心から感嘆。それを引き出す姜先生も、専門家だけれどもちゃんと読者を置いてかないよう取り回しているのがわかりました。(あちこちついて行けないのは自分の浅学さゆえであります)
ポストコロナとはまだ言えないと思いますが、トンネルを抜けつつある今読まれる価値ある一冊だと思います。

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2024年04月01日

Posted by ブクログ

かつての大英帝国が縮退し、一島国「イギリス」としてその存在を再び確立したように、日本も「身の丈に合った中規模国」としてのあり方を模索すべき、という基本概念の下に、今日の激動する国際情勢を様々な角度から考察するとともに、日本の国家戦略のあり方を批判的に議論する対談書。

マスコミでは通り一遍の報道しかされない中国の内部事情や、建国まで遡る米国のイデオロギーの対立とそれがもたらす強み・弱み、さらには地政学的観点から見たトルコの存在感など、興味深い考察が複数示されるとともに、日本の国家戦略については、「国家理性」よりも「国民感情」が優先される結果、真に国益となる政策よりもポピュリズムが意思決定の源泉となる危機的状況にあると警鐘を鳴らす。

特に「親安倍派」の人たちからすればイデオロギー的に受容し難い左派の論調に違いないし、お二人の「対談」にしてもちゃんと噛み合っているのかよくわからない部分も多く、発散したままなんとなくクローズしていて「賢い人たちが言いたいこと言いっ放しにしてるだけ」感は否めないが、それでも世論の二極化が激化する今日だからこそ、「ある視点からの国際情勢のアップデート分析」として読む価値のある一冊。

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2021年08月20日

Posted by ブクログ

安倍さんが暗殺されたばかりの頃に読んだ本。
第一章の「問題提起」で、ずいぶん安倍政権をこき下ろしてくれていたので、読むのをやめようかと思ったが、第2章以降は、まずまずの納得感であった。
とくにアメリカの分断というか、対立の構図についての説明がわかりやすかった。

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2022年08月12日

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