【感想・ネタバレ】火星へ 下のレビュー

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Posted by ブクログ

ついに旅立った火星探検隊。クルー間で孤立するエルマは、火災や感染症など次々に発生する困難に立ち向かうが……。

果たして無事に火星にたどり着けるのか?が全体の筋のはずだが、宇宙に出て新たな意識に覚醒……することもなく、結局これ人権がテーマなの?と思うほど、宇宙飛行士どうしでの醜い争いが発生する。地上から引きずってきた性差別と人種差別が火種である。人間関係の軋轢に加えて、宇宙飛行上の物理的トラブルも多発するなか、ついに最悪の事態が……。

EVA(宇宙船外活動)の緊張感は宇宙飛行ものならでは。次々と襲い来る宇宙でのトラブルはドラマを盛り上げる。人的トラブルも多くは結論が出ない人権問題で、エルマの苦悩は深い。そのなかで、徐々に変わっていく宿敵パーカーとの関係や、さらに深まる夫婦の絆が、繊細な心理描写と相まって心に染み込んでいく。ラストの美しい情景ですべてが満たされる読後感。

前作『宇宙へ』がシーズン1なら本作はシーズン2。尺的に、映像化するなら映画よりドラマかも。見てみたいなぁ。エルマの物語の続きにも期待。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

ニーニャに搭乗するクルーである航計士のエルマと医師であるカーミラはピンタへ乗り移った。ピンタでは大腸菌が繁殖して全乗務員が汚染されたのだ。無重力中で水滴が中を舞う。それも吐瀉物の…。ジェンダー問題や人種的な差別の問題も絡めながら遠い火星に行く。その道中の事故や諍い、また技術的な操作など、読んでいてハードSFの醍醐味を味わわせてくれる。続編もあるそうなので、翻訳してもらいたいものだ。

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2022年02月10日

Posted by ブクログ

最高に面白かった。
SFを読んでいて2度も涙したのは初めてかもしれない。

本作はメアリ・ロビネット・コワル女史による歴史改変SFエンターテインメント。前作の『宇宙へ』の続編である。

1950年代にアメリカ東海岸に隕石が落下し、急激に地球環境が悪化、地球を捨て宇宙へ飛び出さざるを得なくなった状況を描いた前作『宇宙へ』から数年後。
月に探査機地を作った人類はいよいよ新たな居住地として火星を目指すこととなる。

本シリーズの主人公『レディ・アストロノーツ』ことエルマ・ヨーク博士が前作では宇宙飛行士を目指していたが、本作では火星探査チームの一人として選ばれ、火星を目指すこととなる。火星探査チームの隊長は前作からの犬猿の仲であるパーカー大佐。火星にたどり着くまでの宇宙飛行士たちの苦労が描かれる。

いや本当にこの本を読んでいると、自分が宇宙飛行士の一人になって火星を目指している気持ちになるね。

宇宙空間の中で限られた人数(宇宙船一隻につき10名弱)ですべての困難に立ち向かわなければならない。小さいことは宇宙船のトイレの修理から大きなことは宇宙船の外壁の修理まで。

一つのミスで全員が簡単に死んでしまうような過酷な宇宙。そんな状況で活動する宇宙飛行士たちに改めて深い敬意を抱く。

小説とはいえ非常にリアリティがあり勉強になる。
宇宙飛行士に興味がある人にはお勧め。

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2021年09月11日

Posted by ブクログ

『宇宙へ』の続編
宇宙SFを舞台にした歴史改変もので、
性差別や人種差別と戦う物語でもあり、
純愛物語でもあるのね

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2021年08月21日

Posted by ブクログ

いよいよ火星に飛び立ったクルー、宇宙船の中でも「そんな女性を軽んじる発言はジョークじゃない!!」とか、「有色人種専用トイレ」の張り紙つけたりとか、そんなことを始終やっています。唯一クールだったミッションコマンダーのパーカーも後半ではちょっと謎な感じになりつつ、なんというか、欧米の人間関係ってこんな感じなのかなぁ、と食傷気味。周りの人ともっとうまくやろうよ。。
と書いたものの、宇宙シーンはドキドキすることも多く、そこそこ楽しめた。3作目も出たらしいが、ちょっとすぐには読む気はしないな・・。

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2022年09月17日

Posted by ブクログ

2021-12-19
レディアストロノーツの2作目。
何よりまず、ワクワクてんこ盛り。
スーパーマンではない普通の人によるヒリヒリした宇宙ミッション。アメリカ的なチェックリスト信仰も、これだけのストレスの元では至極優れていると思える。
今回はいろいろなマイノリティ問題への言及が目立った。本筋から離れるようにも見えるが、そもそもこのシリーズ自体がマイノリティ(女性)差別への異議を唱えるものなのだから、むしろ本筋とも言えるだろう。

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2021年12月20日

Posted by ブクログ

危機的状況に対処しながら結末に
ベトナム戦争に注ぎ込まれた資源があればパンチカードと手計算で
宇宙開発ができていたかも

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2021年09月10日

シリーズ作品レビュー

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