【感想・ネタバレ】歌う家 菓子屋横丁月光荘のレビュー

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Posted by ブクログ

ほしおさなえの菓子屋横丁月光荘 歌う家を読みました。
主人公は、幼い頃から家の声が聞こえると言う不思議な力がありました。
大学院生になり、通学に片道2時間かかっていたのですが、教授から川越の築70年の家の管理人の話があり、川越に住むことになりました
川越は蔵造りの古い建物がたくさんあり、改築するにあたり、黒漆喰など建築家の私にとって興味深いものはたくさんあり、その建物とその周りの人たちの温かいやりとりがとても面白かったです。
シリーズの第一作なので、他の続編も読んでみたいと思います。

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2023年07月28日

Posted by ブクログ

またまた川越が舞台
男子学生が語る物語ってほしおさんには新しいパターンですね

梨木香歩「家守綺譚」や内田善美「草迷宮・草空間」のようなテイストで自分はとっても好きです!
一章ごとに違う家が登場する連作のようですね
安心して読めそう

MZTさんの布教本(^^)
まとめて貸してくれたのでしばらくはこの世界で楽しめそうです

●月光荘
歌う家 浮草の灯 文鳥の宿 丸窓

古家
次へ繋ぐのを見届けて安心する物語があったが
家に何か意思のようなものがあると思うと
自分は耐えられそうもない
出来るならばこの家に思い出が少ない人に渡したい

ただ現在家があるというのは幸せな事と思う

・切り紙
家族の価値観が違う
主人公の祖父は本人に良かれと思って
道筋を整えて行かせようとする
それが本当にベストなのか
そんな主題が見え隠れ

本人らしく生きていけばいいのだが
どこへも行こうとしない又は行けない時は待つだけでいいのか

小説に生きる人達は上手くつながって
生きる道筋を見つける…きっとそうだろうな

月光荘がなんだか可愛い

空っぽだった大地の下に豊かな場所がある…らしい
自分にもいつか見つけられるだろうか
…ダイジョウブ…

・オカイコサマ
家と話せる人が他にもいた…
小説の中だけのはずなのに事実そんな事がありそうに思ってしまう
ストーリーを追うだけじゃなくて
家についての真実を知りたくなってしまう


街づくりイベントで人が集まっていくのは楽しい
そんな章も良いのだが月光荘との会話が心地よい
唐突だったけど海に行くのは自分も風景が見えてよかった

月光荘の物語も進行形ではなく
終わりがあるのに気がついた
確か貸してくれた本は完結してた気がする
次の巻は最終になるのかなあ


最終巻?まで読みました
もしまだ続きがあるのなら
両親を一度に無くした事を昇華させてあげたい

旅に出るような番外編も読みたいな

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2022年12月23日

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家の声が聞こえる守人。怖い話ではなく、ほんのり温かい話。川越は行ったことがないけれど、古い町並みがとてもいいところということが伝わってくる。孤独な守人は、川越の家と人々に触れて変わっていくことだろう。たわいのない話だとは思うけれども、でもいい話だった。真夏の中の一陣の爽やかな風のようだ。

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2019年08月04日

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シリーズ一作目。
「活版印刷三日月堂」シリーズと同じ、川越が舞台。
古い建物の声が聞こえるという大学院生の遠野が主人公。
川越のそのような建物を改修して、住んだりお店にしたりといった中でストーリーが展開する。ほっこりなごみ系。

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2024年04月10日

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悪い人が出てこなくて良い。ファンタジー要素がほんの少しなのも良い。古い町と建物、コーヒー香る場所を感じながら穏やかに読める。

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2022年12月22日

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川越を舞台にした、やさしく懐かしい感じのする物語。
出てくる登場人物がみんな素直で一生懸命で、こんなふうに生きられたらいいのにな、と思わせる。哀しい部分はあっても凄惨さやダークな感じはなく、安心して読むことができる。

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2022年06月07日

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家の声が聞こえる大学院生の守人。 川越の古民家で管理人としての暮らしをはじめる。 家の声はかつて暮らしていた人や建物の思いなのか。 誰かに見守られているように、暖かくなるお話。 同じ川越を舞台にした、活版印刷三日月堂のシリーズに出てきた喫茶店の名前が出てきて、繋がってるんだなと。

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2022年03月07日

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川崎、菓子屋横丁という言葉に惹かれて購入。
仙人みたいな主人公が、縁あって川越の菓子屋横丁で月光荘の管理人に。家と家族の物語。
三日月堂に出てきた桐一葉が登場して、にんまりした。

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2021年06月04日

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ほしおさんの作品は、ここ数年たくさん読んできた方だと思う。
読む前は、主人公が家の声を聴くことができる力を持っているという設定に引いた。
が、読み終わってみると、主人公遠野守人の生い立ちが丁寧に描かれ、ファンタジー設定が浮いていない。
そこはさすがだなあ、と思った。

三日月堂シリーズと同様に川越の町が舞台。
前よりも町が丁寧に描かれているような気がするが、それは一連のほしお作品で私が教育されたからか?

古民家をリノベーションしていく話。
何だか「ふるカフェ ハルさんの休日」を見ている気分になる作品。

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2021年04月29日

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主要人物のポテンシャル(魅力?能力?)がこれからもっと発揮されそうな気がするという意味で、本作はプロローグ的な印象を受けました。
続きがとても楽しみ。
三日月堂とのリンクもさらに増える?

川越、行ってみたいなぁ。

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2020年08月17日

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①この本を選んだ理由
このシリーズの最新刊が出たニュースをきっかけに。


②あらすじ 
両親を早くに亡くしている大学院生の遠野が木更津から川越に引越しをすることになる。
川越に引っ越すことをきっかけに、新たな出会いがあり、物語が進んでいく。


③心に残ったこと



④感想
ふわっとした感じで話が進んでいくのが、読んでいて心地よさを感じる。
このまま後続も読んでいきたい。


⑤登場人物
遠野守人
木谷先生
島田さん

松村果歩 べんてんちゃん

安藤さん
佐久間さん
藤森さん

他…

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2020年06月29日

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『活版印刷三日月堂』と同じ川越が舞台。
表紙の絵も同じ人が書いているのかと思ったら違ってた(三日月堂は、中村至宏さん)。

月光荘の装画は丹地陽子さん。
三日月堂も月光荘も、絵が魅力的で本を読むきっかけになった。
(『エチュード春一番』も『金曜日の本屋さん』も丹治陽子さんだった。)

やっぱり人が幸せになる話はいいなぁ。
守人も変わっていくのだろうか。
月光荘の歌う歌、聞いてみたい。

──
『菓子屋横丁月光荘 歌う家』
『菓子屋横丁月光荘 浮草の灯』
『菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿』
『菓子屋横丁月光荘 丸窓』
『菓子屋横丁月光荘 金色姫』

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2024年04月19日

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初めて読む作家さん。

家の声が聞こえる男子大学院生が小江戸川越の古民家で暮らし始めるところから、物語が展開していきます。

川越の実在する場所が出てくるので、気になる場所があったら実際に足を運べるの嬉しい。

川越の街の描き方や
家に魂が宿る考え方など
全体的に優しい雰囲気で、私は好きでした。
風の日に家が頑張ってくれたエピソードが特に好き。

シリーズもののようなので、続きも読んでみようと思います。

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2024年04月07日

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長距離移動のお供に、肩が凝らなさそうな短編集を連れて行こうと、未読棚からセレクト。題名だけ見て勝手にお菓子屋さんの話かと早とちりしてしまったが、古い家と昔ながらの街にまつわる話だった。
読み終わってから確認したら、新しいシリーズ第一作とのこと。うろうろと定まらない感じは、シリーズ全体のプロローグだからなのか。これからの展開に期待したい。

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2024年02月27日

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川越に行ったばかりなので、ワクワクしながら読んだが…あまり最後まで気持ちが盛り上がらないまま終了。シリーズが出てるから面白いと思ったのに残念。

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2024年01月03日

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建物の声が聞こえる主人公が、川越の古民家に引っ越すお話。

昔ながらとかの家って何かいますよね。私も実家がそんな感じで、小さい頃は怖がってました…笑

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2023年10月28日

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『活版印刷三日月堂』シリーズが良かったので、同著者の本書を手に取りました。
こちらも“三日月堂シリーズ”と同じく、川越が舞台となっております。

“家の声”が聞こえる、大学院生・遠野守人が主人公。
縁あって、川越・菓子屋横丁の一角に建つ古民家で、住みこみの管理人をすることになった守人ですが・・・。

長い時を経た家に、住んでいた人の記憶や思いが“声”となって聞こえてくる・・というと、何だかホラーな感じですが、全然怖くなくてむしろハートウォーミングなお話です。
幼い頃に両親と死に別れ、厳格な祖父に育てられた守人は、祖父に対するネガティブな気持ちを抱き続けていましたが、古き良き街とそこに暮らす又は訪れる人々と交流していくうちに、徐々に目を背けていた思いを受け入れていきつつあるようですね。
情緒あふれる街並みや建物の描写も魅力的で、川越を訪れてみたくなります。
ところで、“三日月堂シリーズ”に出てくる喫茶店〈桐一葉〉の名前が本書でも登場して、思わず口元が緩んでしまいました。

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2022年08月14日

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仕事で川越に行く前に予習!と思って購入したけれど、当日は蔵の町にも到達出来ず…。
建築物好きとしては嬉しいテーマ(家と町のリノベーション+ヒト)。

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2022年06月15日

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川越の街並みをじっくり見てみたくなるお話。ここに出てくるお家のモデルとかあるのかな。

お話的にはもう一歩欲しいかなと。あまり話に入り込めなかったかも。

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2022年06月06日

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「活版印刷三日月堂」に続いて、埼玉県川越を舞台にしたシリーズの第1作。家の声が聞こえるって能力を持つ青年って云うことで、もっとファンタジー色が強いと思ってたら、この巻の2作では、さほど関係ない。次巻からはもっと話に絡んでくるのかな? 川越、行ったことあるが、改めて訪れたいね

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

碌にあらすじ知らないまま読んだので、思っていたのと違って少々戸惑った。
少しばかり、ファンタジック。でも嫌いじゃない。
川越には行ったことはないけれど、『活版印刷三日月堂』よりも踏み込んで、川越の魅力が伝わってくる。
登場人物が割と多めなので、忘れないうちに次巻へ。

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2021年03月16日

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川越の古民家を舞台にした物語。
大学院生の遠野は、ある日ゼミの木谷先生より、川越の古民家の管理人みたいなことをしてみないか?と持ち掛けられる。
亡くなった祖父の家に一人で住み続ける遠野は、大学から近くなること、今住んでいる家を伯父たちが処分したがっていることから、引き受けることに。
1作目である今作は、舞台となる「月光荘」の歴史や、「月光荘」を取り巻く川越の街並みの説明がほとんど。
川越の街並みが目に浮かぶようだが、説明が多く、やたら知り合いが次から次へと湧いてきて、なかなか話に入り込めない。
遠野の家の声が聞こえるという特殊な能力も今後どのように活かさせて来るのか、1作目だけでは分からず…
木谷先生のコレクション・古地図の話も今後はもっと出て来ると、さらに面白くなりそうだが、どうだろう・・・
「活版印刷」「紙屋ふじさき」が好きな作品なだけに、つい個人的なハードルが上がってしまう…

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2021年01月13日

Posted by ブクログ

・家の声を聞くことができる体質の青年が歌う家で暮らすことになる。
・「もういいかい」「まあだだよ」という声がする建物。
・川越が舞台。活版印刷三日月堂と同じ世界のようなので知った顔や店が出てくるかも?
・川越のCMでもあるかな?

▼月光荘についての簡単なメモ

【旭爵位文庫】実際にある施設らしい。安藤さんが佐久間さんと藤村さんに紹介したかった建物。写真を見ると昔よく行ってたタイプの店舗建築だった。
【旭湯】銭湯。遠野が月光荘に入った日に行った。リアルにある銭湯だったが最近なくなったらしい。
【安藤万年/あんどう・かずとし】べんてんちゃんの友人のトモちゃんのおじいさん。喫茶店「羅針盤」の経営者。月光荘に昔住んでいた女の子の知人。遠野守人くんの能力の理解者になってくれそうな雰囲気がある。
【家の声】遠野守人が聞くことができる。午前中に聞こえることはあまりなく夕方から夜にかけてよく聞こえるので物怪の一種かもしれないと守人は考えたりしている。
【家守/いえもり】家は人が暮らしていないとすぐ荒んでしまう傾向がある。それを防ぐため誰かに暮らしてもらうこともある。遠野守人くんはそういう役割だろう。「やもり」でもいいようだが両生類のヤモリと混同しそうだしここでは「いえもり」としとく。梨木香歩さんの『家守綺譚』は好きな作品だがなんとなくあれを思い出した。
【一行目】《その声をはじめて聞いたのは、物心つく前だったのではないかと思う。家にいるとどこからか聞こえてくる声。そこにいる人、だれのものでもない声。》p.8。いっとき本や作品の一行目ないしは一センテンスをコレクションしていたことがある。ただ、最近の作品はあまり一行目が魅力的でないのが多くいつの間にかやめていた。Eテレの2355やったかの読書週間特集で一行目を紹介するコーナーがあって「悪くないな」とか思ったんで復活してみようかと思う。
【大隅のおじいちゃんとおばあちゃん】月光荘に前に住んでた人たち。
【かくれんぼ】《かくれんぼというのは、隠れるためにするのではなく、だれかに見つけてもらうためにするのかもしれない。》第一巻p.197。
【菓子屋横丁】川越にある通り。元は菓子の製造卸の店が並んでいたが衰退し、後に駄菓子販売の店が並ぶ通りに変貌。月光荘がある。
【川越】《過去の姿が透けて見える》p.93。
【木谷】Y大学大学院で遠野の指導教官。専門は日本の近代文学で小説の舞台になった町の古い地図と現在の町を比較検証している。
【桐一葉/きりひとは】喫茶店。「活版印刷三日月堂」シリーズに出てくる店の名が出てきたので同じ世界のようだ。
【月光荘】遠野守人が管理人をすることになった町家。島田が老後の住まいとして改装している途中だが現在は利用の予定がなく管理人を探していた。遠野が初めて入ったとき歌声が聴こえた。「月光荘」という名前は近所の人が付けた愛称でなんでも小さな天窓のような丸窓があって夜になると家の中の光が満月のように見えていたかららしい。また家の中からものぼってくる月が見える。
【珈琲を自分で淹れる】《珈琲の時間はひとりの時間です》第一巻p.200。
【佐久間晃平/さくま・こうへい】喫茶店「羅針盤」の古くからの客。珈琲を淹れるのが趣味で焙煎屋を営むのが夢。四十二歳独身。一生結婚する気はないと宣言しているらしい。藤村さんは恋人のようだが?
【島田】月光荘の持ち主。木谷の知人。話し方からすると友人のようだ。
【蒼子/そうこ】本川蒼子。佐久間さんのお姉さん。
【遠野守人/とおの・もりひと】主人公。Y大学大学院生。建物の声が聞こえるタイプ。また、節目節目で彼の向かない方向から回避する道が示される運のいいタイプでもある。後輩からは悪い意味ではなく「仙人みたいな人」と言われている。
【遠野守人の父】実業家にと期待されていたがその道には進まず青年海外協力隊に参加、帰国後は大工になったもよう。
【藤村手鞠/ふじむら・てまり】喫茶店「羅針盤」の古くからの客。デザイナー。徳島出身で実家は和三盆の干菓子をつくっていたらしい。佐久間さんの恋人のようでもあるが? 三十五歳くらい。
【古い家】《古い建物に住むというのは、大きな魔物の腹にはいるのと同じだと思うんです。》by安藤さん、第一巻p.191。
【べんてんちゃん】→松村果歩
【まちづくりガイドライン】川越の旧市街、重要伝統的建造物群保存地区に設定されている規制。
【松村果歩/まつむら・かほ】木谷ゼミの三年。愛称は「べんてんちゃん」。家の松村菓子店が銭洗弁天のある熊野神社の近くだから。松村菓子店はカステラが美味しい。
【真山さん】月光荘の改築を手掛けた建築士。
【羅針盤】大隅さんの前に月光荘に住んでいた一家(月光荘を建てた人たち)の娘が同級生の安藤さんにくれた。くれた理由はわからない。いろいろあって安藤さんは今、喫茶店「羅針盤」を経営しておりその羅針盤は店に飾られている。

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2020年11月08日

Posted by ブクログ

幼い頃から『家の声が聞こえる』不思議な力を持つ大学院生の遠野守人。家族との縁が薄い彼に、大学の先生からの紹介で川越の菓子屋横丁にある古民家で住み込みの管理人をすることに。早速家主や先生と古民家に入った守人は、そこで家が歌っているのを聞き…。

予想していた内容とは違って守人はその不思議な力を人前で披露することはないし、家の歴史や過去の物語について謎解きすることもない。この辺りが私の好みとは少し外れていて物足りなかった。
ただ二話どちらの物語も温かなものだった。

家は大事にされればそれこそ何百年と生き続けるのだから、その中で幾世代も、幾人もの人や家族の人生を見守っている。
その人生では楽しいこと嬉しいこと幸せなことがある一方で辛いこと悲しいこと苦しいこともある。
二話とも家が守人に悲しみや苦しみの声を聞かせるのではなく、温かで楽しい声を聞かせてくれたのが印象的。
守人が両親の死をきっかけに家を出ることになった幼い頃の想い出のシーンでは、幼い守人の悲しみに共鳴するかのように家も慟哭していた。
ということは、今の守人の心の状態、そして家と寄り添おうとしている姿に家も共鳴しているのだろうか。
またはかつての住民が過去は苦しくても今は穏やかに前向きに生きていることを教えようとしているのか。

一歩違えばホラーになりそうな設定を温かなファンタジーに展開してくれたのは作家さんの持ち味だろうか。
初めて読む作家さんなので知らなかったが、他のシリーズとのリンクもあるようだ。

『草食系』を通り越して『仙人』と呼ばれるほど周囲からは内を見せない不思議な青年と見られている守人。そんな彼と対照的なキャラクターにしたいからか、後輩の『べんてんちゃん』こと松村果歩はグイグイ入ってくる。私は少々苦手なタイプだが、彼女の積極性で話が進むところもある。というより思うところをなかなか口に出せない守人では全く話が進まないのだから、べんてんちゃんに任せるしかないだろう。

この第一作ではそうして守人は家の物語を知り、『声』との答え合わせをする構成になっているが、第二作以降はどうなるのだろう。
守人に変化が起こるのか。

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2020年09月11日

Posted by ブクログ

歴史を重ねて趣のある古民家に手を加えて再生し、商売を始める人たちが我がまちにも増えている。こうした店がもっと軒を連ねてくれれば、城下町として魅力を増すのだけれど。と、読むほどに川越市をうらやましく思う。実際に昨年訪ねて、菓子屋横丁ほか散策して楽しめた。この小説そのものは、主人公ほか登場人物の人生の背景を縷々紹介されて…ま、これからいろんな広がりがあるのでしょう。

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2020年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

川越の街並みや古民家はテレビで観たことがあり馴染み深い。
古くて情緒溢れる街並みだけに、ちょっと不可思議な現象が起こるのも不思議ではないように思える。

建物には、かつてそこで暮らした人々の記憶が宿っている。
建物の中に居て微かに感じる息遣い、話し声、歌声、掛け声。
それはかつて暮らしていた人達が、確かにそこに居た、という紛れもない証。
建物はいつまでも覚えている。
例え人は亡くなっても、その建物がこの世から消えない限り永遠に。

神秘的で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる物語だった。
舞台が同じ川越ということもあり『活版印刷 三日月堂』とのリンクが楽しめた。

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2020年06月13日

Posted by ブクログ

穏やか~。家の声が怖かったら、まったく別の話でしたね。
三日月堂シリーズと同じ、川越が舞台ですが、こっちのお話しを読んだら、無性に行きたくなりました。

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2020年01月26日

Posted by ブクログ

家の声が聞こえる主人公が、大学の先生を通じて、川越の古い建物に管理人として住むことになる話。
行く先々の家からいろんな声が聞こえ、声の理由をちょっとずつ知っていき、わだかまりを少し解決に進めたり。
まだ始まったばかりなので、これからどんな風に主人公が成長していくのか、楽しみです。

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2019年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家の声が聞こえるという大学院生のお話。ファンタジーというよりもオカルトチック。べんてんちゃんは完全に主人公に惚れてるよね。続編あるかも。

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2019年07月12日

Posted by ブクログ

新刊で発売された時には気になりつつもスルーしてしまっていたのだが、中古本屋さんで見つけたので買ってみた。
同じ作者の「三日月堂」シリーズと舞台は同じく川越の、こちらは菓子屋横丁にある古い家を舞台にしたお話。
どうといった話ではないが、気の良い人たちと一緒にゆるゆると時間が流れる感じは悪くない。

しおさんの話には、父と息子の話が時折出て来るように思う。
二つ目の話も、色んなことに行き詰って家を捨ててしまった父のようにはなりたくなくて生きてきた中年男性の姿が描かれる。
父のようになりたくなくて、だけども、父のことは忘れられないのだな。
そんなところの微妙な心情がこの歳になると良く分かる。
このような話を書くほしおさんにとって、父君がどのような存在だったのかが結構気になる。

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2019年05月15日

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