感情タグBEST3
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好きだなぁ、寺地さんの小説。
自分の中にモヤモヤありながらうまく言葉に出来ない、怒りとか気落ちとかに変換されてしまう感情をとてもたくみにうまく小説の中で表現してくれる。
そうなんだよ!と思う場面や心情が沢山あった。
特に対、人!に関しては相手が他人だったり知人だったり友人だったり家族だったり…その距離感とか関わりが「う〜っ」と思ったりモヤモヤしたりイライラしたり…そんな事がリアルな日常にもあって小説の場面とリンクし、雨音さんの対応に共感したり憧れたり、代弁してもらったり心が刺激されることが満載だった。
凛とした自分軸を持った精神的に強い女性が好きで憧れます。
今迄そんな女性が主人公の小説を何冊も読んできたけれど雨音さんも間違いなく自分の憧れの女性です。
少しタイプは違うけれど周りに振り回されず流されず自分をちゃんと持った人。が故に誤解されたり冷たいと思われる事も多々。
周りになんと言われようとなんと思われようとちゃんと自分で自分を律せる守れる強さを兼ね備えた人。
本当の優しさって強さの中にあると思うんだけどなぁ。
世間的に言ったら雨音さんは変わった人なのかもしれない…でもそもそもその基準となるものって何?何を基準に変わった人って言うんでしょう?
それは「個性」と何が違うんでしょう?
私は雨音さんにとても魅力を感じます!
また雨音さんに会いたいです。
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共感したりスカッとしたり考えさせられたりする作品でした。母親やキョウダイとの関係、職場やお客との人間関係で似たようなことがあり、特に「まだ母に対してすこし期待しているのだ。いつかはわたしのことを理解してくれるのではないかという甘えが残っている。さもしいことだ。」という部分は自分と重ねてそういう気持ちもあるのかもしれないと思いました。だから、直そうというわけではなく自分への理解が深まったという感覚です。
途中で「まだストーリーの半分か」と思うこともありましたが、最後まで読めてよかったし読んで良かったです。綺麗事が多い小説はあまり好きじゃないため、この小説と出会えてよかったです。
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他人の価値観を尊重しつつ、自分の価値観も大事にする。両立なんて出きるはずなく、正解なんてあるはずもなく、でも折り合う地点は必要で。
迷いすぎてストレス溜めてる自分を、適当に妥協と息抜きを交えて発散しながら笑い飛ばしながら生きていきましょ。
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母親との確執を乗り越えた子どもたち(ほぼ成人たちなのですが)の物語でした。
三様の支配的な母親が登場します。
雨音の母、星崎母、吉沢母です。出番は多くないものの印象は強烈でした。自身の思考範囲の中に子どもを押し込め、いつまでも支配下に置こうとしているように見えます。
厄介なのは「子どものため」と本人が信じ込んでいることです。
それは建前だと気づける年齢になった子どもたちは、そこから逃れるために自分なりの方法を模索します。
聡司は家出し、歩佳は ( 雨音に相談はするものの ) 適当に束縛をかわします。そして雨音は「忖度して動く」ことを放棄し、最後は決別を選択する決心をします。
だから雨音は、他者の気持ちが理解できない自閉傾向の強い人物ではないと思います。
実際、聡司が同僚からパワハラまがいの仕打ちを受けていたときに聡司の苦痛に唯一気づいていたのは雨音でしたし、母親の意に添いつつ家庭内の雰囲気作りに懸命になっていた姉の気持ちにも雨音は気づいていました。
母親と対峙することで、自分の手で人生を切り拓くために敢えて他者との間に壁を築いただけだろうと思います。
最後の聡司とのシーン。声を震わすふたり。このホロリとするいいシーンからは、他者の気持ちを思いやれない人物は思い浮かびません。そう感じました。
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他人だから気兼ねせずに頼めるサービスっていう考え方はとてもよくわかる。
察することが求められるこの社会で、人に興味がなく、察知するなどはできない、そうはっきり言って関わるのは良いのかもしれない。自分の中で軸を持っていると、文句を言われても、そういう考えの人なんだと割り切って考えられる。
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寺地はるなさん初読みの1冊。果たしてそれは誰の責任なのか。自分の問題は自分の責任。他人の問題は他人の責任。主人公の三葉が教えてくれます。
三葉は、他人に対して気を使う、建前やお世辞を言うということを全くしない。他人と同調しない人物。人によってはそれが無責任であると感じたり不愉快だと思う人もいる。
でもどうだろう。果たして本当にそうなのか。確かに三葉の生き方は、今の日本社会の中で生きにくい部類に入ることは間違いない。間違いないけれど、だから間違っているわけではない。それがマッチする環境だってある。
人は皆無意識に他人の問題に介入してしまう。介入することで自分を満たそうとしてしまう。関わりから生まれるものもあるけれど、失われるものもある。
色々と考えることはあるけれど、この本は三葉が三葉らしく生きるための物語であるように思いました。
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寺地さん着々と読み進めてますー!
さらっと読める1冊でした(^^)
こちらの作品は
常識的にとか、察するとか、普通なら
ということが苦手な三葉の話
この話はあーわかるーと共感するというより
はっ!なるほど!と
気づかなかった考え方を
教えてもらうような作品でした
三葉は病院の付き添いや
見舞いに行く「しごと」をしています
私もつい最近入院していて
入院には保証人がいること
しかも夫ではダメなこと
また見舞いに来て欲しくても
小さい子どもとの見舞いはダメなこと
手術の説明には家族が
必ず同席しなければならないこと
しかも平日の日中に。
など、親がいなくて
小さな子どもを抱えている身としては
なかなかままならないな…と感じたことを
ふと思い出しました
そういう人にとっても
なかなかいいサービスだよなと
本編とは少しズレますが
そんなことを思いながら読んでました
そして全体としては
いろんな考えがあるなと
面白く読ませてもらいました
こういう気づきのある作品は好きです(^^)
家族なんだからって
必ず仲良くできるわけではない
大人になってまで
そんなにいつまでもいつまでも
感謝する必要はない
というようなセリフに少し救われました
それにしても
お姉ちゃん!!!
そんなことを思ってたのかと思うと
切ないです。。。
人って難しいな。。。
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コロナ禍に向かうなか、三葉雨音26歳の話は淡々と進行していくようであっても毅然とした温かさを感じてしまった。彼女には取説がある。察することができないのでして欲しいことも、して欲しくないことも言葉にして言って欲しい。できないことは断るので遠慮はいらない。付添いサービスを利用する依頼者に必ずそう説明する。利用する側からしてみれば好き嫌いあるだろうけど、あわなければ断ればいいことだし、断りづらい雰囲気のほうが拗れそうで面倒な気がする。
他人に感情移入できず空気を読むことができない。なんともわかりやすい性格だし私が依頼者ならちょっと面白そうなので彼女を指名したいかな。
その距離感どこまで維持できるか試してみたいし、無関心でいてくれることって結構難しいと思うんだけどな。
指示されないことでクレーム言う依頼者にキッパリ反論できる三葉ちゃんは可愛げないけど強いと思う。
表紙絵の傘の裏地に描かれた木馬でぎこちないけど素敵なサプライズできるのだから心がないとかじゃないし、不器用で、正直で優しくていい子だと思いました。
「友だち」が「恋人」に劣る存在じゃなく同列に考えてるとこが目からウロコで何かと恋愛に結びつけないと納得しない圧力に一石を投じるような思考が新鮮に思いました。
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今は、性格っていうより病院に行ったら病名がつくのかな?という感じの三葉と元同僚。こういう人、前の職場にいたなーと思った。そういう人が多いから小説になるなかな…。「しごと」も良い。今そういう仕事が本当にある、と知ったばかりだったのでそれも私にはちょうど良かった。それぞれのその後がとても気になるから続きが読みたい。
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雨音(あまね)という
自分の名前が嫌いな「三葉」は
基本的に他人に興味がないし
空気も読まない。
言われた言葉は額面通りに受け取るし
自分も言葉通りの行動しかしない。
そんな彼女が暮らす部屋の大家さんは
喫茶店を経営していて
そこのお客が依頼してくる
病院への送り迎えやお見舞い代行を
三葉に仕事として与える。
おっとりおばあさんや、偏屈ジジイなど
いろいろな人との関わりを通じて
ちょっとだけ三葉も変化する。
「共感しすぎると続かない」から
彼女のような性格がむしろ
介護に向いているのかもという会話に
誰にでも適材適所はあるのかなぁと
少し嬉しい気持ちになりました。
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面白かった。
三葉と「しごと」で出会う人たちとの色々な関係を描こうとしている。誰か(とか、ある主張とか)を好きだ嫌いだということではなくて、傷ついたり傷つけたりした/している/する(過去/現在/未来)けれども、関係しながら生きているという感じが伝わる。その雰囲気が良かった。
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出来ないことは出来ません。やりたくないこともやりません。と言ってしまえる三葉。その長所を活かして仕事が出来て、依頼人も喜んでる。
そこだけ見たら良い話だけど、ロボットじゃないし、気にならないって本人が言っていても読んでるこっちとしては周りの人から浴びせられる言葉を見て何とも切なくなる。
権藤さんも切ない。お姉ちゃんも切ない。星崎くんも。
リルカがちょっとしたオアシスだった。
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他人に感情移入しない。興味を持たない。
必要以上の干渉は人生の荷物になるから。
だから相手の言葉の裏も読まない。
言われた言葉をそのまま受け取るだけ。
他人に興味を持たない性格を見込まれ、見舞い代行業にスカウトされた。
病院に付き添ったり、入院手続きを手伝ったりする中で、やっぱり関係は出来ていく。ただ深入りしない。
だから冷たいと言われる。
それでも、出来ない事は出来ないし、やりたくない事もやらない。
それはそれで楽なのかもしれないと思わせられた。
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他人の気持ちを察することがキライなのではなく、他人の気持ちを感じて、考えてしまうことが重荷になるのかな、主人公は。
でも、周囲からするとめんどくさいと思うかもね
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印象に残ったフレーズ
「嘘や建前ば言わんとは、ただ自分が楽したかだけのこつやろうもん。他人にはいっさい気遣いとうなかて、そらただの怠慢たい」
他人には気を遣うべきなのか、特性として苦手な人はどうするのか、考えさせられました。
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母と仲の悪い三葉雨音。母は自分の思い通りに娘をコントロールしようとして過干渉してくる。母が煩わしく、ことごとく母とぶつかり、反発してきた。そんな三葉は、他人に興味を持たない長所?を見込まれ、身寄りのないお年寄りの送迎をする何でも屋の仕事をするようになる。
世間とはうまく関われない三葉だが、なんか良いな。
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損保会社を退職してから、アルバイトとして高齢者の病院の送迎やお見舞い代行をするようになった三葉雨音(あまね)。
三葉は、他人の気持ちが分からないわけではないけど、察することをしない。人に踏み込むこともしない。
昔読んだ本「嫌われる勇気」、アドラー哲学を思い出した。
損保時代の同僚である星崎くん。その母親。
仕事を指示してくれる霧島。その彼女のリルカ。
仕事の相手である人たち。
病院で出会う少女とその母親。
三葉自身の母と姉。
三葉に対して腹を立てたり、失礼な人だと面と向かって言う人もいるし、そういう三葉を受け入れる人もいる。
私にとって三葉は、たまに会う知り合い、お金で仕事を依頼する相手としてなら平気だけど、たしかに家族だとイライラするかもなぁ。
家族って、「=自分」なんだな、わたしは。この本を読んでて、他人には広い心でいられるのに、家族には狭量である自分を思い、自分が少し嫌になってしまったな。
家族についても、全く期待せず、何も求めないでいられたら楽なんだろうな。
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主人公の三葉雨音は自分と真逆のタイプ。
「他人に興味持たない」ところに素質を見出されて、
「できないことはやらない やりたくないこともやらない」のスタンスでしごとをする。
しごとの内容は、お年寄りの病院の送迎や雑用。
三葉に怒ってくる人、めっちゃいる。
(無意識にだと思うけど)三葉を変えようと説教してくる人、面倒くさくてイライラしちゃう人。
自分だったら、「自分って何かおかしいのかも」とか「変わらないといけないのかも」となってしまうけど、
ーー
「楽したい」と思うことそのものが罪だと感じるタイプは世代によらず一定数存在数いるので、怒られることもある。もう慣れた。
ーー
ってスルーしてて、つ、つよ、、ってスカッとしながら読んでた。
でも学生時代とかは、自分は三葉みたいなタイプ苦手だっただろうな。
今は、自分を貫けるところに憧れてしまうけど。自分は何が変わったんだろう。。って思った。(今の方がいいなと思う)
三葉が他人をどうでもいいと思っているわけではなく、
他人の気持ちを尊重しすぎてしまうっていうのも、霧島のセリフがなければ私は気づかなかったなー。
また何年かしたら、各登場人物に対する気持ちが変わっているかもしれない
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寺地はるなさんの本を久しぶりに読む。
大きな事件は起こらないのだけれど、いろんな形の親子関係、人間関係があるのだなと思う。
お見舞い代行業を雇われてでやっている主人公、三葉雨音が、病院である女性から「あの子の友達になってやって欲しい」と懇願されるも断って非難される場面がある。その後、だいぶ経ってから、その当の女の子、吉沢歩佳が母親を評していう、「あなたのこともきっとおもちゃみたいにわたしに与えたあとで取り上げるつもりやったはず。なんでかわかります?」「あの人『あなたにはママしかいないのよ』って言いたい人なんじゃないかなって、わたしは思っています」というセリフに感心してしまった。
最後の方の、雨音と星崎くんのロマンスは、何となく、朝ドラの「舞い上がれ」を思い出した。
男の子がメンタルやられたからかな。
Posted by ブクログ
「必要以上の感傷は人生の荷物になる」
てフレーズをどこかで見た気がして読んでみた。
三葉みたいな考え方、過度に考えすぎたり、他人の一言や行動から無駄に察してしまってしんどい人には参考になりそう。
′相手の気持ちを察して動いたりしない。相手に合わせて共感することもない。なぜなら簡単に相手の気持ちをわかった気になりたくないから′
′産んでもらったからって、ずっと感謝する必要もない′と…セツ子さん
セツ子さんみたいな人いいなーと思った
ただただ淡々とした日々が綴られてる
星2ほど悪くないけど、3ほどいい訳でもない。
2.5くらい可もなく不可もなく!
Posted by ブクログ
やりたくないから、で、やらない。という判断ができる大人っているのかなあ。と。
自分が大人になってやりたくないことだらけで、そのやりたくない、を実行したら多分生活は成り立たないから、そんなところが羨ましいなって思ったりもするし、少し嫌な気持ちにもなったり。私はもう責任があって、社会があるから、そんな風になれないからでしょうか。
母として、子どもたちに私はどうしているだろうかと考える場面もありました。私の思いを、子どもたちの為だと、愛だと思っているものを、押し付けているかも。なにが正しいのか、子どものためって何なんでしょう。考えるきっかけになりました。
散々いろいろ思いましたが。
感情に揺れる姿が見れたり、少しずつ変わっていく。
変われる力がまだあって、流されず足をつけている姿、素敵でした。
Posted by ブクログ
※
できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。
ーーーーー
言葉や表情から他人の気持ちを察する
ことができない主人公の三葉は、
他人に必要以上に興味を持たない『体質』を
見込まれてお見舞い代行業(しごと)に雇われる。
他人の感情に共感せず、感情移入もしない
三葉の対応や会話に読みはじめは強めの
違和感と嫌悪感を感じましたが、相手の
言葉や態度への忖度や裏読みがなく、発した
言葉のままに受けとる理由がラストに分かり、
新しい視点を得たような気づきがありました。
一般的、普通、常識に囚われすぎている
価値観をガラガラ崩してくれる物語です。
Posted by ブクログ
親が子どもを育てるのはあたりまえ。大人になってまで、そんなにいつまでもいつまでも、感謝する必要はありません。
できないことはできません。やりたくないこともやりません。
常識に沿って行動せよというならばその指示には従えない。
ある種の人々は、自分の欲求を欲求として口に出すことを厭う。常識とか規範とか慣例とかというものに沿ってものを言うことのほうが正しい行いだと思い込み過ぎている。
どれだけあなたの目に頼りなくうつっていても、自分の人生を自分で決める権利があります。
感謝はしてもいい。でもあなたは、あの人から生まれた時点ですでなか立場にかなりの差がついています。どうしたって、向こうのほうが有利。そのうえ『傷つけずに伝えたい』とまで気を揉む必要はないです。感謝と遠慮は違う。
「よくある話」は自分の身に降りかかればすべて個人的で特異な事情となる。
他人の気持ちを大事にしすぎると、かえって冷酷に見える。
その時の精いっぱいが積み重なった先に、今日がある。
ありがとうはいい。迷惑かけてごめんねと言われるよりずっといい。
粗忽であろうとどうであろうと、個人の特性を受け入れてもらえる環境は存在する。