【感想・ネタバレ】茶筅の旗(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

作品紹介・あらすじ
宇治の御茶師朝比奈家の養女として、綸は碾茶製造の技術を学び、病に倒れた父の跡を継ぐ。一方、徳川・豊臣の決戦近しの報が走る。豊臣の恩顧に報いるべきか、徳川につくべきか。文化的・政治的存在となった茶をめぐる人間模様の中で、これまで誰も取り上げなかった、御茶師に焦点を当て、激しい時代の流れを縦糸に、綸の正義感と繊細な女心を横糸に錦繡というべき世界を織り成した歴史小説。

令和3年6月14日~17日

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2021年06月17日

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大阪落城前後の京都
女性ながら宇治のお茶師の跡を継いだ主人公「綸」

政治、権力に翻弄されながらも宇治のお茶を守るために
奮闘する若い女性の姿を描く

豊臣と徳川の争い
お茶師内の足の引っ張り合い
主人公の凛とした強さが魅力

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2022年05月10日

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女性ながら宇治のお茶師の跡を継いだ主人公「綸」の姿を描いた小説。
古田織部、小堀遠州など、歴史上の人物も登場し、興味深い。
終盤まで描かれる小堀遠州の姿は葉室麟氏によって描かれた遠州とは違い、少し違和感も覚えたけれど、最後でイメージ通りになり、安心しました。

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2021年08月27日

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大坂の陣前後の宇治を舞台に、御茶師・朝比奈家の養女・綸が女当主として女御茶師として朝比奈家を守ろうと奮闘する姿を描く。

茶人にスポットを当てた作品は多いが、生産者である御茶師が主役の作品は珍しい。
数多ある宇治の御茶師の筆頭は上林家だが、朝比奈家も平等院創建時からというからなかなかの歴史ある家だ。だが宇治の茶師たちは常に時の権力者や政権に翻弄されてきた。
信長時代まで頭取だった森家だが関ケ原以後は追放され上林家が頭取となる。そして今度は徳川と豊臣の間で戦が起ころうとし、宇治の御茶師たちはどちらに付くのかで揉める。

解説を読んでいて改めて知ったが、宇治周辺では戦が多い。解説に挙げられているだけでも以仁王vs源頼政の橋合戦、木曽義仲vs源範頼・義経の宇治川の戦い、後醍醐天皇派vs足利尊氏派の建武の乱と大きな戦が起こっている。兵農分離ではなかった当時、茶畑(作中では薗畑)に携わる人々も駆り出されただろうし、茶畑を荒らされないよう自分たちで守る必要もあっただろう。
作中では家康に強制されて、茶作りで忙しい中、人手を割いて陣を敷かされている。その際に立てるのがタイトルである茶筅の旗だ。

この作品では古田織部の存在が大きい。御茶吟味役である織部は綸が朝比奈家に養女となるきっかけでもあり、綸が「おじさま」と呼ぶ親しい人間だ。
だがその織部は次第に家康から疎まれ遠ざけられる。一方で織部の弟子で綸が幼いころから恋心を抱いていた小堀遠州は織部から距離を置くようになり、それが綸には浅ましく思えて辛い。
浅ましいと言えば家康もであり、御茶師に格付けをして余計な争いを生んだりお気に入りだけを重用し、織部のように気に入らぬ者は徹底して排除しその財産はちゃっかりいただいて、綸からは酷い人間に描いてある。

お茶作り、摘んだお茶の葉がお茶になるまで、出来たお茶が吟味されて『御物御壺』と呼ばれる特別な茶壷に詰められて将軍家に献上される様子(後の御茶壺道中)など興味深い話が多かった。

ただ物語としてはアッサリしていたのが少し残念。
序盤では婿養子の清四郎が良い味出しそうだったのにどんどん存在感が薄れていくし、織部に近い朝比奈家が家康から疎まれて窮地に陥るのかと思えば意外なところから救いの手が現れるし、綸の出生の秘密についても大きなドラマが描かれるのかと思えば匂わせだけで終わった。徳川方に付くのか豊臣方に付くのかでもっと悩んだり葛藤したりするのかと思った通りいたら家康に押しきられてしまった。

ちなみに様々な犠牲を経て徳川幕府が作った格式ある『御茶壺道中』だが、梶よう子さんの「お茶壺道中」ではその末期が見えてこれまた興味深い。

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2022年06月23日

Posted by ブクログ

映像をみてるような感覚で読み進めることができました。茶道に関心があるのでこの本を手に取りましたが、 戦国武将とお茶のつながりが強いということは、生産者もその情勢に巻き込まれるということに初めて思い至りました。
凛とした正義を貫く綸の姿勢に、憧れもあり、危うさも感じましたが、まぁ、そこは小説ですしね。
上林、ペット茶を思い出しました

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2022年04月09日

Posted by ブクログ

よみやすい。
茶道検定の「茶業」のカテゴリーがなかなか理解しづらかったがこの本を読むと理解が深まる。
ストーリーには深みが感じられなかった。

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2021年08月16日

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