【感想・ネタバレ】エウセビオス「教会史」 (上)のレビュー

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興味しんしん

もっとも初期のキリスト信者たちの様子がわかって、とても興味深かったです。勇敢な殉教者と、崩れ落ちるユダヤのエルサレムの対比。
敵のために祈る殉教者と、数々の異常な予兆があっても全く気が付かず悲惨に死んでいった回心しないユダヤ人。
エルサレム滅亡で死んだキリスト信者は1人もいなかったとか… その後の経過を知ることができる貴重な一冊です。

#感動する #深い

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初のキリスト教史とされるエウセビオスの「教会史」。巻末で翻訳者が愚痴っている通り正確な文章という感じではないけど、読みやすさについてはそこまで感じなかったので秦氏さすがだなあと思った。4世紀当時のキリスト教徒たちの認識ってこんな感じだったんだと思うと興味深い。ユダヤ人たちがイエス殺しとキリスト教徒迫害の「報い」を受ける様子、信徒たちが受けた拷問の様子なども誇らしく生々しく、たくさん引用して報告している。ローマ皇帝からの寛容令を勝ち取った当時、長い苦難を乗り越えて輝かしい未来が開けていく実感があったんだろうなあ。
訳者はエウセビオスについてキリスト教の反ユダヤ人感情をあおり歴史へ乗せた戦犯の一人だというようなことを書いている。その後の世界の歴史から見たら責めたくなるのだろうけど、当時のキリスト教徒たちがあれだけ苛烈な告発と拷問、虐殺にかかわり続けたユダヤ人たちを憎まないでいられるはずもないし、この時点ではそれもやむなしじゃんと思ってしまった。逆に敬虔なユダヤ人からしたら、キリスト教徒は殺したくなるほど憎い組織破壊者、異端者なのも分かるけどもね。

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2022年09月10日

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