【感想・ネタバレ】堕ちたバンカー ~國重惇史の告白~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

現役時代にご本人にお会いしていないのが悔やまれる。

平和相互銀行と住友銀行の合併を影の立役者だった國重氏の視点から描く。驚くのは詳細なメモをもとに再構成した合併までの経緯。住友銀行は関東地区の地盤固めのためどうしても平和相互銀行を吸収合併したかった。しかし直前に関西相互銀行を吸収しようとして関西相互側の職員に大反対され合併を白紙撤回した苦い経験があった。

「今回は失敗できない」という状況の中、住友銀行の水面下の動きが活発化し、その相手は大蔵省、日銀にとどまらず東京地検内部、政権の中枢にまで及ぶ。

それの相手方を飛び回り、情報を収集し折衝を行うポジションにいたのが國重氏だった。

そして平和相互銀行との合併は成功する。

國重氏は行動派で相手に取り入るのが上手だったのは間違いない。それは女性にも同じ。

國重氏が平和相互銀行合併に暗躍していた時、怪文書がまかれたが書いたのは國重氏本人だった。そして信ぴょう性を高めるために平和相互銀行のロゴの入った便箋を当時ねんごろだった女子行員に持ってこさせていた、と。また國重氏が住友銀行を追われるきっかけになったのは、当時天皇と言われた磯田会長の秘書と不倫関係になり、子を設けたことが経営陣の逆鱗に触れたため、と。

イトマン事件ではイトマンに会社更生法適用させ、膿を出すスキームを提案したがいろいろな金融スキャンダルが白日にさらされることを恐れた住友銀行の経営陣から最後にはしごを外された、と書いている。

おおよそ35年前の出来事。いまなら書ける状態になったということか。

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2021年03月30日

Posted by ブクログ

住友銀行の平和相互銀行合併までの裏側。日銀、大蔵省、検察を巻き込んで慎重に事を進めていく様子が描かれている。國重さんのメモを元に書かれているのでリアルではある。一民間人がここまで出来るのか。ドラマの世界のよう。惹き込まれあっという間に読んでしまった。イトマン事件についてもっと知りたいし、佐川急便事件、リクルート事件についての書も読んでみようと思う。

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2022年01月12日

Posted by ブクログ

住友銀行に入行し伝説のMOF(大蔵省)担当として頭角を現し、一銀行員の枠に止まらず政官界にまで影響力を及ぼした怪物、国重惇史の物語。その生い立ちから入行の経緯、幹部候補として企画部に転属になり、巻き起こした伝説を追っている。

特に出色なのは、メモ魔である国重が残していた平和相互銀行事件のメモである。国重はその時々に起きたイベントを同席した人物と共にメモ書きとして残している。それは平和相互銀行事件の裏面史を余す事なく描き出している、第一級の資料だ。

良くも悪くも「タガが外れた」人間、国重。その人となりを会社側からではなく、人間側から泥臭く追っていった良書である。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

平和相互、イトマン、の渦中にいた國重淳史氏のメモを渡された著者の本。とてもオモロかった。國重さんは、板倉雄一郎の「社長失格」に出てきて、楽天などベンチャー界隈に住友銀行という固い世界の人とも思えない活躍に、いつも気になっていた。

サラリーマンをハミ出したタイプの人てとこがよくわかって好感もてた。

「しょうがねえよなー」という口癖、露悪趣味、モテるところも素敵。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

う~~~ん、なんとも言えない気分になった

住友銀行秘史を読んでいたので興味をそそられ手に
取ってみたがまさかこんな現実を見せられる事になるなんて思いもしなかった

國重さんの当時の活躍が凄まじいからこそその落差に
ショックを受けたし、年を重ね難病を患ったとはいえ
しゃべり方の変化には衝撃を受けた

あそこで銀行が膿を出しきっていたならこの国は今頃
どうなっていたんだろうか

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

平和相互をめぐる國重さんのメモを転記しただけのところは、少し退屈だったけど、國重さんの私生活や、当時のやりとりは、スゴイなぁ、金融ヤクザだなぁと。。。
結局、地位も名誉も、女性問題で全て水泡に。。。
オトコはどこまで行っても、ダメだなぁと再認識。。

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2021年04月29日

購入済み

目一杯、それとも分相応

内容に既存書と重複部分がある感。
就職したら目一杯(いい意味でも悪い意味でも)、それとも自分の能力自覚して、分相応の頑張りに心がけるか
考えさせられます。

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2021年02月24日

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