【感想・ネタバレ】おもろい以外いらんねんのレビュー

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Posted by ブクログ

日本のお笑い界で、男性優位の世界で、男性自身が違和感を持ち意識を変えていこうとする姿を見せてくれる本は初めて読んで、しかも男性の作家さんで、それがすごく嬉しかった!フェミニズムは女性だけの話ではない。古くからある根拠のない男らしさ・女らしさや価値観からみんなが解放されるべき。
「自分が楽しんで笑っているものがダメなところを持っているのだと認めたくなかった。」(p84~85)というところ、すごく気持ちがわかる…。今こそ変わりたい。
彩花と友達になりたいし、つぐみぼんぼんぴょん丸のネタが観たい…!
めっちゃ読みやすい。2日間で読めた。早い人だと数時間で読めるのでは。

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2022年04月18日

Posted by ブクログ

いままでは漫才とかお笑い芸人をおもろいから好きやなーっと漠然とした感情でしか観てなかったけど、芸人さんもいろんな葛藤があって、同じネタしてても1回1回感情とかちゃうんやろなって、次からそういうこと考えながらみちゃう

このお話は、めっちゃ大きな出来事があるわけじゃなくて、ひたすら、人間の心の中を痛いくらい描いてて、すごいなって思った
胸があったかくなるようなシーンで終わるから、読んだ後の幸福感がすごい

何年後かに読み返したら、また違う印象になりそうやなって思う不思議なお話だった

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

自分がお笑い芸人に対して、日本のお笑いスタイルに対してもやっと思っていたことが明確に言語化されて、それを登場人物に喋らせて物語という作品に昇華させていてすごいなぁー。と思いました。

刺さりました

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2021年12月10日

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「本当に素晴らしい小説は、真に差別的であることはありえない」と言っていた人(たぶん佐藤亜紀『小説のストラテジー』だと思うが不確定)がいたのだけど、「おもろい以外いらんねん」もそういう意味で、そういう話だったと思う。「笑い」は「普通」からの逸脱とそれに対するツッコミで成り立つものだが、その「普通」が変わりつつある令和という時代には誰かを傷つけてしまうこともある。誰かの容姿や性を踏みつけて取る笑いに順応できる空っぽな漫才師と、それでひとりだけ売れていく相方に「漫才をしろ」と怒る相方、誰かを踏みつけて笑いを取ることは良くないのだと気づいてはいても、過去にそれに加担してきたことを認めるのが怖い親友。三者三様の葛藤には、ネット上でのフェミニズム活動が盛んになってきた現代が、価値観のアップデートの過渡期にあることがとても生々しく現れている。
「おもろい以外いらんねん」の含意が、「おもろければなんでもいい」から、「人を踏みつけなくても成立するほんまのおもろさを見せてみろ」に変わりつつある時代なんだろう。

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2021年03月12日

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芸人さんの不安、人間味のある部分の描写について、自分が当事者だと思ったら、本当に恐いと思った。

2人の漫才より3人の漫才の方が面白かったのが、素敵だった。

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2024年02月21日

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壊れて、壊して、再構築。形を変えながらただただおもろいをつくっていく。
長い青春の疾走感が心地よい!

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2023年09月12日

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関西弁小説が好きなのですんなり読めた。

ハッピーエンド。

ツッコミというものが普通から外れたものを否定するという前提で成り立ってるから、その普通があやふやになってる現代、普通なんてほんとはないという当たり前に気づき始めた時代だから、ツッコミという文化のアップデートが必要なのかもしれない。

見てられないっていうベテランの芸人も増えたけど、最近のM1を見てるとお笑いってどんどんどんどん旧形態の笑いが削ぎ落とされておもしろくなってる。これからのお笑いに期待しかない。

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2023年04月19日

Posted by ブクログ

文章に漫才のネタゾーンがあるので、すごく読みやすいです。高校からコンビを組んで、売れて、悩んで…、きっと世の漫才師さんは同じような気持ちを感じて、売れたいと思いつつ、売れると自分たちのネタをする時間が無くなり、かといって売れないと発表する場もない。そんな芸人さんたちの世界を垣間見た気持ちになりました。気持ちがぶつかり合うシーンもあり、タイトルのおもろい以外いらんねん、の意味も理解出来ます。実はおもろいってかなり難しいんだな、と思いました。

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2023年04月15日

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笑いの境界線って、プライバシーとか社会とかの影響でだいぶ変わってくるんだよな、しかも顕在化しないから分からないんだよなと思います。んで、その笑いの本質から外れたものは、後になっていろんな人の目につくところで反復されて批判されるものと化することがある。いわゆる炎上というもので。結局日本人は足並み揃えて進んでいくことしか出来なくて、そこから遅れた人や速い人をみんなで指さして笑うことが多いなと思います、いい意味でも悪い意味でもね。

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2023年03月26日

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そんな大袈裟な、というようなパーソナルな部分を描きすぎず仄暗いしておくことで飛躍時の虚構感に奥行きが出て、人物像に深みがあった。内容もなんとなく知ってる芸人さんのソレで、結末はずーーーっとそれ思ってた!というものでカタルシスがあった。

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2022年11月09日

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おもしろかったな!これを男の人が書いたというのがなんか嬉しかった。こういう抽象的なことを高校生くらいの頃はずっと考えられていたのに、大人になったらできなくなった。俺は、めっちゃ嬉しかったから「考えとくわ。」と言った。の一文が凄いと思った。

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2022年10月22日

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おもろい以外いらんねん、というタイトルは色んな意味をもつという点がおもしろい。ノリと空っぽの話は共感できた。わかりそうでわからない部分も少しあり、そこがストーリ全体とのギャップ。加納さん、面白かったです!

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2022年09月29日

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podcastで紹介されていた本なので。
思っていたより難しかった。特に滝馬の人間性が。
何どこにでも馴染めて何にでもうまく対応できる、からっぽだからユウキは彼を求めた。自分の理想の漫才のために。
咲太はその事が分かっていて、滝馬が学校で人を笑わせたり楽しませたりする一方で自分の前ではありのままのからっぽの姿を見せることにどこか安心していたのだろう。そのことがわかっていたのに、滝馬がユウキと組むことを黙って見届けて、いずれどうなるかももしかしたら薄々とわかっていて、だから心配で馬場リッチバルコニーの亡霊で居続けたのか。そんな気がしてしまう。

ユウキくんはいい人ってことやな。とほぼ初対面の頃に咲太が言った理由がまだあんまりよく分からなくてそれがずっと気になる。
あの時点ではどう見ても咲太から滝馬を奪おうとしていたのは明らかでそのことは後からにユウキ本人も認めていたのに。
わたしからしたら、咲太のほうがいい奴すぎる。不器用で。滝馬への執着はもはやBLかよとすら思ってしまうが。

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2022年06月07日

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アメトーークでAマッソ加納さんが紹介されていたので気になって手に取った一冊。
咲太と滝場とユウキという3人の人間関係と笑いに関する青春小説でした。
タイトル通り、『おもろい』とは何かを考えさせられました。ただただ、笑いを享受する側ではあるもののこの一冊を通して人を笑わせる苦悩の断片を学びました。
だ想像以上にヘビーな内容だったので、元気なときに読み返したいです笑

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2022年01月03日

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おもしろいを職業としてみたときのはなし。
おもろいつまらんだけでは語られない笑いの世界。
最大公約数の笑いだけじゃつまらないし、かといって他人を傷つけた空っぽのノリだけの笑いは気分よくないし、コロナで笑の価値観は変容していくし、難しいなあ。

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2021年12月31日

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高校時代に幼馴染と漫才コンビニを組んで…という漫才師に着眼した作品かと思って読み始めましたが、今の笑いって本当に笑いなのかなど考えを与えてくれるような作品でもありました。
現代の時間軸がまさにコロナの自粛期間で書かれているので、今読むのが1番スッと入ってきやすいと思います。

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2021年12月10日

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芸人にならなかった主人公の「俺」と、お笑いコンビを組んだ主人公の同級生のタッキーとユウキを主な登場人物とする芸人青春小説。
暴力性を伴った笑いやノリへの違和感に共感するところ大であったが、内容があっさりしているようにも感じ、本人たちの葛藤が十分に描けていないという感も受けた。ただ、コロナ禍におけるお笑いという最新のテーマも取り上げていて、なかなかの挑戦作だと思う。

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2021年05月09日

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高校生の時に結成したお笑いコンビがプロになるまでの青春物語。他人の容姿や性別をイジってでも結果的に面白ければよいというスタンスと、「傷つけない笑い」を時代と共にアップデートしていくやり方の狭間でネタを考えていく芸人さんの葛藤は見ていて心を掴まれた。
見過ごされてしまうような小さな違和感をしっかり掬い取る著者の繊細な感受性にどこか安心感を感じる一冊。

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2024年05月06日

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コロナ禍っていう今までのあたりまえが
あたりまえじゃなくなったこの状況。
そして「傷つけない笑い」が推奨されるような
新しい流れ。
そんな中で笑いを生み出し、
届け続ける芸人さんたちの苦悩と葛藤、
そしてお笑いへの愛が綴られた一冊
.
ひとりのお笑いファンとしては
正直共感できないところや
納得できない考え方もあったけど、
それはそれで新しい見方を知れて新鮮

そういうところを含めて「おもろい」本でした

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2024年04月24日

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稼げる笑いと理想の笑いと言えばイイのかわからないけど、それらの間で葛藤する姿がストレートに描かれている。笑いのことはよく分からないけど、クリエイティブな活動をする人たちには、理想を求めてこんなふうに悩んだりするのかな、と思いながら読み進めた。最後の最後、主人公を中心とする3人が語り合うシーンはとても良かった。「風景のなかには未来があって、もうやってきてんねん。」という言葉が印象深かった。

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2023年06月09日

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おもろい以外いらない、という迷宮。
漫才師、芸人、相方という名のパートナー。
なんか色々と想像しながら読みました。

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2023年01月14日

Posted by ブクログ

男子高校生3人が漫才を通して成長していく物語。

表紙の3人は彼らでしょうか。
真ん中はユウキくん。中の世界が爆発して燃えている様子は漫才に対する熱量の凄さを表しているように見えます。
右は滝場。仮面をつけて見る自分の手には手首がありません。面白くない自分に彼なりの「笑い」の仮面をつけて面白いと思ってもらおうと努めるがそこに本当の自分は無い様を表しているように見えます。
左は僕。雑草が出てきたシーンあったっけ。うーん、思い出せない…

そして3人の腕の重なった部分はぼやけて融合している。これは今後トリオとして3人が協力して漫才をするメタファーであると考える。

つぐみぼんぼんぴょん丸って、ぽんぽこの高木ひとみ丸がモデルなんですかね、名前似てるから。

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2022年12月29日

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Aマッソの加納さんがTVでおすすめしていたので。面白かった。文章のリズムに慣れるのに時間がかかって何度も同じところをなぞった。自分をなくす空虚さと、今のお笑いの空気がリアルで痛かった。

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2022年09月20日

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おもろい以外いらんねん

全員がそう思っとるのに全員考え方がちがって、一個のことみとるだけやなのになあって感じ

お化けはほんまにおらんかったんか、おらんくなったんか少年にしかわからんのんやろな

読みたかった本読めて満足。

おもろい以外いらんなあ。

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2022年07月17日

Posted by ブクログ

たまに感じるモヤモヤとか、色々と代弁してくれてた。
笑いって笑う側は単純なものやけど、笑いを作る側は

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2022年02月12日

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バリバリの関西弁でお送りするコロナ禍の芸人青春小説!

それだけではないけど、おもろかったらなんやかんやでOKやろっていう関西だけ?の風潮の中で育ってるから少々無茶をしたり人をいじったりする笑いでもいいから笑いを取ろうとしてしまっていた陽気やけど痛い青春時代を思い出した

毎日芸人さんのラジオを聴くのが楽しみなお笑い大好き人間やからこそ凄く響くし面白い作品

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2022年01月30日

Posted by ブクログ

学生のときみたいに、バカみたいに友達と話してた会話
結局それが自分の中で1番のお笑い。

笑わせよう、楽しませようって考えれば考えるほど、
笑いとは遠さがるような気がする。それは考えることじゃなくて、楽しんでる先に自然と生まれるものだから。
そんなことを考えさせられた。

コロナ禍の芸人の生き方、考え方と青春の清々しさを悲しくも綺麗に描かれた作品。

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2022年01月26日

Posted by ブクログ

「おもろい」が多様化する現代の芸人を描く作品。題名の「おもろい以外いらんねん」が色んな意味で用いられているのが良かった。会話も多く、文章も短文なので読みやすい。

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2021年12月29日

Posted by ブクログ

大前さんの長編は少し町田良平さんっぽくなるのが新鮮。お笑いという文化の中には煮詰めた社会がつまっていて、笑いの中の怖さ違和感にハッとする トリオはふたりよりも向き合い過ぎないから誰にも見せない自分を持ったままでも生きられる気がする

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2021年08月01日

Posted by ブクログ

読み始める前は、そんなにお笑いの気分でも青春の気分でもないけど、まあそろそろ読むかね..くらいのテンションだった。お笑いも青春も求めてない人が読んでもおもしろいと思う。すり減ってHPが0になっても復活できる、復活したい、復活してくれ。いいラストだった。

俺はいまをみたくなかった。刹那的な長期的な眼差しをつくることで心をはぐらかしていた。過去だって未来だってみたくない。本当はなにもみたくない。俺はどこにも存在したくなかった。

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2021年06月09日

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