感情タグBEST3
Posted by ブクログ
映画
コレは弁護士と被告者と加害者の法廷の矛盾の話である。
法廷で本当に真実を炙り出し判決は本当に正しいものかという問いである。
様々なミステリーが物語織りなし、キリストの判決とダブル演出がある。
そこの新約聖書と三度目の殺人を重ねあわると面白い仮説が出て来る。正しくそれが本編で言いたい事、無実な者も死刑にされる事もある事実だと思う。立証されなければ弱い立場である。
娘を守る為に自分が罪を償ったのだろう。
コレは現代版のキリストの処刑である。
コレは名作である。
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映画を観ても「は?」な感じで終わってしまったので、小説の方はもうちょっと詳しく書いてあるところがあるかもと思って読んでみた
誰が誰を裁くのか?
法廷では真実は必要なく、方針とそれを裏付ける証拠が重要視される
同じ殺人でも、動機により量刑が変わるという矛盾を突いた作品
ただ、主題は違うところにあるのかもしれない
三隅は「器」にすぎない
そして人の思考を読み取れる?
むしろ、読み取ってそのままの行動をとってしまう?
なので供述がコロコロ変わったりしてしまうのか?
最初は摂津の思考
美津江を巻き込んだのも記者の描いた筋に乗ったため
その後は重盛の推測する犯人像
それぞれの相手の思考に沿った供述をしているだけなのかねぇ?
でも事前準備をしてるふうであるし、ある程度は計画的なのかな?
一度目の殺人も誰かの思考を読み取ってしまったが故の出来事
二度目に関しては事情を咲江から読み取った行動
犯行はすべて三隅が行ったのではなかろうか?
咲江が関与していたとは思えないんだよなぁ
タイトルの三度目の殺人というのは、自分に死刑宣告をさせるということなのか
咲江に法廷で事情を告白させないために犯人性を争う方向に転換したのは確かなのか
重盛は自覚的に三度目の殺人の幇助をしてしまった
というストーリーをそのまま受け取るのか
それとも犯行に咲江の関与があってそれをかばっていると考えるか
読む人ごとに、その人の想像した「真実」でよいということなのか?
人の思考を映す鏡みたいな作品だなぁ
やはり小説を読んでも真実はよくわからん
しかし、ものすごい作品なのはわかる
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「真実」
本当の事が最後までわからないで終わる。どうにでも解釈できるようで、だけど事実として殺人はあった。
自分に置き換えて考えてみれば、事実を100%の真実としてその時の感情や行動をも人に話せるだろうか?
無理な気がする。
相手によっては理解されようがない事は伏せるだろう。
相手によっては美化するわけでもなく無かった感情や思考も付け足したりもするだろう。
相手によっては邪魔する感情が邪魔しだす。
相手によってはその時々で自分の感情を伏せ、相手に併せるように時と場合を使い分ける。
結局の処、相手によってほんの数ミリかもしれないが行動や言動は変わるだろう。
対人関係において深く追求すれば相手にもよるが主人公の重盛のようにノイローゼ気味になる。
自分としての一定のスタンスを強く持ち、なるべく思考も感情も嘘がないようにしていかないと辻褄の部分が揺らいでしまう。
そう再認識させられる作品だった。
Posted by ブクログ
映画監督の「是枝裕和」とノベライズ作家の「佐野晶」の共著『三度目の殺人』を読みました。
映画の方は観ていないのですが、予告編を観ると面白そうだったので、期待して読みました。
-----story-------------
『そして父になる』の「是枝裕和監督」、最新映画。
出演・「福山雅治」、「役所広司」、「広瀬すず 」他。
小説で浮かび上がる「真実」のその先――。
「本当のことを教えてくれよ」
――弁護に「真実」は必要ない。
そう信じ、裁判に勝利するための“法廷戦術"を駆使してきた弁護士「重盛」。
しかし、担当した事件の被疑者「三隅」は、会うたびに供述を二転三転させ、「重盛」を翻弄する。
そして次第に明らかになる、「三隅」と被害者の娘の関係。
なぜ殺したのか。
本当に殺したのか。
本当に裁かれるべきは、だれなのか。
心の底から「真実」を求め始める重盛の前に浮かび上がるものとは。
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映画監督「是枝裕和」と俳優「福山雅治」が再タッグを組んで、昨年9月に公開された映画『三度目の殺人(英題:The Third Murder)』のノベライズ作品です。
勝利にこだわる弁護士「重盛(福山雅治)」はやむを得ず、30年前にも殺人の前科がある「三隅(役所広司)」の弁護を担当することになる… 解雇された工場の社長「山中」を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴された「三隅」は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない、、、
「重盛」は、どうにか無期懲役に持ち込もうと調査を開始するが、「三隅」は会う度に供述を変え、動機が希薄なことに「重盛」は違和感を覚える… やがて「重盛」が「三隅」と被害者の娘「咲江(広瀬すず)」の接点にたどりつくと、それまでと異なる事実が浮かび上がっていく。
「山中」を殺したのは「三隅」なのか… それとも、、、
想定できるのは、
○「三隅」が「咲江」のために殺人を犯した
○「咲江」が犯した罪を「三隅」が被った
○2人で犯行を行い「三隅」が罪を被った
なのですが、真相は藪の中なんですよね。
でも、何よりも「是枝裕和」が言いたかったのは、法廷は真実を解明する場所ではない… ということなんでしょうね、、、
裁判官、検察官、弁護人は、三者とも司法という同じ船に乗り、期限までに目的地にたどり着くことを優先し、真実の究明は二の次ぎで、真実が何かわからないまま裁きのシステムだけが維持されている… 考えてみると、恐ろしいことですね。
そして、タイトルになっている『三度目の殺人』って、司法による殺人(死刑となった「三隅」)のことを指しているんですよね… これまで、あまり理解していなかったことだけど、本書を読んで考えさせられたなぁ。
映画も観てみたいけど… 先に本書を読んでしまったので、映画の方は物足りなさを感じるかもなぁ、、、
書籍の方が、人物の背景や感情、細かな心理描写、難解な法廷論争のキーワード等が理解しやすいからなぁ… ちょっと迷いますね。
Posted by ブクログ
映画がとても好きで小説版読んでみたけど映画以上の情報はなかった。
三隅の娘の味が悪かったってのが嘘だったのだけ映画では気づいてなかった。
広瀬すずはよかったけど、あまりに純粋そうで嘘つきには見えなかった気がする。
重盛が役に立たないw
Posted by ブクログ
本当のことを、教えてくれよ。
過去に殺人を犯し、一度服役した男が、また、殺人を犯した。その事件の担当検事が、その事件の取り調べを行う、という内容のサスペンスです。
Posted by ブクログ
映画に納得がいかず, 小説に手を出してみた。
映画では感じることのできなかった心理描写があって分かりやすくなっていたけど, やはり映画のスタンスと同じで, 社長を殺したのが誰なのかは最後まで明かされないし, あの段階で犯人性を争うと言い始めた三隅の想いも語られないため, こちらで想像する他ない。
邦画にありがちな展開なのに何でこんなに腑に落ちないんだろうかずっと考えてた。
多分私は物語を追ううちに, 重盛と同じ気持ち・目線に立ってしまったんだ。
真実なんて当事者しか知り得ないのに, それを知りたいと願ってしまう。誰かのために三隅が罪をかぶったのだと信じたくなってしまうのに, そうだと言ってもらえないもどかしさが腑に落ちないところに繋がっていたんだ。
ここまで考えて, 改めて良い作品だったのだと今更ながら気付かされた。
Posted by ブクログ
映画「三度目の殺人」のノベライズで映画の復習のため読んだ。
本当の犯人は誰なのか、三隅は本当にただの器なのか、咲江はどう関与したのか、謎は結局明かされない。
重盛はこれから依頼人や家族と向き合える人間になっていくんだろうか。深い余韻が残る終わり方が好き。
Posted by ブクログ
映画を観てモヤモヤしたので読みました。
読んでも事件の真相はきっとわからないんだろうなぁ...この作品がいいたいところは真相は何か?ではないんだろうなぁ...と思って読みましたが 映画を見終わった後と読後では少し印象が変わったかなっ...
活字にすると映画では何気なく観ていたところの情景や登場人物のしぐさなどがより入り込んできたような気がします。
咲江の「ここではだれも本当のことを話さない」という言葉は印象的で何のために裁判をするのだろうかと思ってしまう。裁判にかかわる人達はそれぞれに信念を持ってやっているのだろうが 私には人を裁くなんて精神的に出来そうにありません。けれどそれをやっている打算的じゃない人達もこの世の中にはちゃんといるんだよなっ、と...
表紙の3人の顔の返り血に頷けます。
Posted by ブクログ
ハッキリとした結末が分からないということで、それを良しとするか、モヤモヤするからイヤだという意見で真っ二つですね(笑)。
小説(映画)としてならば真実を明らかにして欲しいのは読者としては当然の感想でしょうが、でも実際の犯罪で全て裁判で真実が明らかになるの?と言われれば、いまだに分かっていない事件も数多く残ってます。和歌山のカレー事件とかもそう。今、世間を騒がしている松本人志さんの報道だって、おそらく最後まで本当のことは闇の中でしょう。
その意味では、わからないまま裁判にかけられる、という現実世界のリアリティはあるのかも。
最終的にはやはり好き嫌いになるんだろうけど。
Posted by ブクログ
映画のノベライズ本である。
だから当然だとは思うけれど、読んでる間、頻繁に役所広司と福山雅治と広瀬すずの顔がよぎった。
映画のノベライズ本である。
だからなのか、小説として面白いのかは分からない。
三隅が、僕の頭の中で、役所広司の圧倒的な演技を伴って迫ってくるからである。
役所広司以外で、この役をできる人がいるだろうか。
柄本明。
香川照之。。
小日向文世。。。
全然違う作品にはなるだろうけど。
映画のノベライズ本である。
だから、映画の中で、映画的に表現された「行間」を汲み取れていたか、読むことで答え合わせになりますね。
Posted by ブクログ
んーー。もう少しはっきりさせてほしいところが幾つかあったかな。
重盛の娘と重盛の関係とかその後が気になるし。
この手の内容にしては少しハラハラドキドキも足りなかった。
ただ役所さんやすずちゃんがどんな演技でこの映画がつくられてるのかなーっていうのはとっても気になります。
Posted by ブクログ
映画は観ていない。
なので、ストーリーを全く知らずに読み出したのだが。。
展開のリズムがよいのか、スラスラ読めるし面白い。
ただ、「で。。結局、どっちが真実なの?」と、思ってしまう。
自分の読解力では、太刀打ちできない結末。。。
映画を見ていたら、わかったのかしら?
Posted by ブクログ
映画を観て、結末に?????しか残らず、原作を読んでみた。
読んでみたものの、どれが真実でどれが偽りか混乱しながら読み進め結局?????の謎は解けないままラストへ。
三隅は空っぽの器。誰かの殺意を察知すると、その空っぽの器に殺意を入れて実行する。
自分的にはこれが一番しっくりきたが、何ともモヤモヤしてしまう。
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人を裁くのに真実は必要ないのか?
今の裁判の危うさを感じつつ、それでもできるだけ皆が真実を語り、真実に基づいて裁こうとしているんだと信じたいと思います。
このお話は、果たして誰が真実を語っていたのかが全く分からない形であえて完結しており、その薄気味悪さが後味として強く残っています。
Posted by ブクログ
映画のノベライズ本。
映画を観た後に補填と復習。
過去の判例に基づいて量刑が決められる予定調和の裁判で、真実は置き去りにされる。
たくさんの嘘つきとたくさんの罪人がいるのに司法で裁かれたのは三隅だけ。
誰も本当のことを話さない以上、どうするのが正しかったのか、どれが正解だったのか…
問題は投げかけられたまま物語は終わる。
Posted by ブクログ
三隅は、30年前に北海道で強盗殺人で2人を殺害。
そして、今回、食品加工工場を経営する社長を殺害。
三隅の弁護を担当する重盛は
ありふれた強盗殺人だと思っていた。
事件の詳細が見えてくると
ふっと三隅が遠く離れていく気がする。
真実はどこに?
映画を観る前に読んでおきたくて。
うーん「器」がキーワードになるのかな。
映画を観たら、謎が増えそうな気がする。
Posted by ブクログ
なんとなく「容疑者Xの献身」に似ていたが、最後は読者に想像させる余韻を残した終わり方だった。是枝監督の感じ方は読者次第というものなのだろうか。味わい深い作品だった。
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「本当のことを教えてくれよ」最後にうなずく。
「真実」は必要がない世界なのか・・・
「ここではだれも本当のことを話さない」
この言葉がすべてなのかな。
映画は見てないけど、重いな~
人の命も、生きていくという事も。
Posted by ブクログ
裁くとは、何が真実なのか、そもそも真実を知る必要があるのか…弁護士ってそういうことを考える仕事なんだと改めて気づいた。
重盛の役を福山雅治って、出来すぎだ!かっこよすぎ。
Posted by ブクログ
本当のことは分からないという話をしたら本当に本当のことはわからなくなったというお話。
物語を語る視点としての、神の視点の排除って言うことなのかな?
Posted by ブクログ
ノベライズとは思えないくらい読み応えはあった。ストーリーは古典的な「藪の中」。ちょこっと「グリーンマイル」の不思議能力の味付け。
弁護士モノだからかな?物証を追求せずに、証言をもとに真相を追求していくので、犯人性を争うところが迫力に欠ける。証言翻されて右往左往してるだけ。テーマが「裁くとは?」にあるので真相は二の次なのか。ミステリを楽しみたいと思うと肩透かし。
あと主人公、「愕然と」し過ぎ(笑)
Posted by ブクログ
ラストがもやっとはっきりしておらず、個人的にはこういう終わり方は好きではないのですが、答えの出ない問題提起として、そこまで含めてこの作品の魅力なのでしょうか…?
弁護士という職業の日常を垣間見ることができ、改めてこの職業をされている方々への尊敬の気持ちを抱きました。
Posted by ブクログ
「ここではだれも本当のことを話さない」裁判ってなんなんだろう... 罪を裁くとはなんなんだろうって思いました。事件が起こるたび、じけんの謎を解く、暗闇に明らかにする...などと言われますが、この作品の三隅のような人だったら、明かせるんだろうか?弁護士の重盛と同じように読みながら「本当のことを教えてよ」と何度も思いました。映画も是非見てみたいな。
Posted by ブクログ
映画は少し気になっており、書籍化されていたので読んでみる。
殺人を犯した過去を持つ男が出所後、再度元雇い主を殺してしまう。主人公の弁護士達が、検察とやりあい軽罰を試みるが、被疑者の証言がどんどん変わり、翻弄されていく話。
以前はこの終わり方だともやもやしていたが、本作はなにか効果的に心に届いた作品。人が人を裁くことはできるのか?を問う一作。やはり人は分かり合えない物だよなとも思う。
Posted by ブクログ
映画を観て、もっと理解したいと思い読む。
まぎれもなく三隅が社長を殺害したのであり(咲江説はなくなった)そして無期懲役になる犯罪をあえて三隅の希望に従って”死刑”にしたことが”三度め”の殺人なのだろう。
でも、ここでなぜそこまで咲江をかばう?娘を不幸にしてしまった罪ほろぼし?でもじゃあ、なぜ北海道で取立てやのふたりを殺したのか?この時もなにか事情があったのか、
役所広司が人徳者にみえるからついそんな風に思ってしまう。
ほんとうの罪とは、誰を裁くのか、何を裁くのか、
いろいろ考えさせられた。
Posted by ブクログ
映画の小説版として書き下ろされた作品のようなので、正確には違いますが、タグは「映画化」にしてあります。
CMを見て気になってはいますが、映画は観ていません。
強盗殺人の疑いで起訴された三隅。
被害者は解雇された勤務先の社長である山中。
怨恨の線で情状酌量を狙う弁護士の摂津・重盛・川島。
しかし、三隅は証言を二転三転するような人物で、しかも30年前にも強盗殺人事件を起こしており、現在、仮釈放中という状態。
三隅と面会する度に、翻弄される重盛。
果たしてこの事件の真相は・・・?
<以下、ネタバレです。>
結局のところ、真相は分からずじまい。
謎の微笑で重盛を煙に巻く三隅。
山中社長の娘である咲江も、嘘つきの傾向が見られるために、事件についての証言も全面的には信用できない。
咲江の母も、やましい事があるために、真相を語らず。
30年前の事件でも、犯行の動機は明確になっていない事を考えると、三隅は"器"であり、誰かを助けるために殺人者となった。
・・・と信じたい。
でも、単に"殺人衝動をもった人間"という可能性もある訳ですが。
「ここではだれも本当のことを話さない」
真実は明らかにされないまま、裁き裁かれるという現実。
法廷戦術・訴訟経済等々、ちょっと薄ら寒いものを感じますね。
なかなか面白い読み物でした。