感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
どんでん返しの名手として知られる折原一の初期の名作。山本安雄が推理小説新人賞のために書き上げた「幻の女」が別の人間に盗作されてしまい、復讐を誓う、というのが大筋のストーリー。なのだが一筋縄でいくはずもなく、叙述×メタ×パロディの要素が複雑に絡まりあって唯一無二の作品になっている。どこがどうどんでん返しになるかは最後の辺りで解説されていて分かりやすいのも良かった。「この作品は江戸川乱歩賞を受賞することで完成する」という言葉の意味が分かった気がした。
Posted by ブクログ
登場人物クズしかいないな〜!!!!でもリアルなクズ加減で心が痛んだ!私もクズなので
読み進めていくたびにどうなるんだ?という予測不能な感じと、些細な違和感を抱いていたけど、最後の院長の言葉で情緒がめちゃくちゃにされた!そういうことか!!面白い!!!!あと、途中に挟まれる筆者の言葉に何なんだろう...と疑わされるのも楽しかった
解説のロンドも大変面白くて、折原一先生の作品にとても関心を持ったので他のも読んでみたいと思います
Posted by ブクログ
どんでん返しの名作の1つといわれる作品。
読んでいるときは、山本視点が「手記」となっていたためこっちに何かしらのトリックが隠されているのかと思っていたら、まさかの白鳥翔に仕掛けが施されていたとは思わなかった。まず最初に山本安雄が白鳥翔が既にデビューしている作家を新人作家と勘違いし、その小説の写しを作り小説に明るくない永島一郎が取ってしまった事で、更におかしな展開になっていくという所が構成がとても面白かった。
盗作された(と思っている)山本と盗作した(と疑われている本物の)白鳥の掛け合いはテンポが良く読みやすい物となっていながら、両者とも勘違いしたまま話が進んでいるのがそれなのに全く読者に秘密を悟らせないという構成がとても上手いと感じた。クライマックスに行くにつれて何重もの罠が一気に解かれ、読み切ったと思ったら、最後に衝撃の結末。まさか最後にあの人がそんなことをするのかと、彼のためとはいえ凄く切ないと感じてしまいました。そして、後書きのような最後の部分はフィクションかノン・フィクションかとても深い作品と思いました。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
山本安雄:神谷浩史
白鳥翔:東地宏樹
城戸明:関智一
立花広美:内田真礼
Posted by ブクログ
叙述トリックミステリーとして何度か紹介されていてずっと気になっていた作品。
面白かったけど再読はないかな。。
叙述トリックの作品として、オチが「精神疾患持ち」「夢落ち」などはちょっとがっかりしてしまうためあまり好みではなく。。
完成版ならでは?の現実ともリンクしている構造は面白かった。
----------------------------
”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。受賞間違いなし、と自信を持って推理小説新人賞に応募しようとした作品が、何者かに盗まれてしまった! そして同タイトルの作品が受賞作に。時代の寵児になったのは、白鳥翔。山本安雄がいくら盗作を主張しても誰も信じてくれない。原作者は執念で盗作者を追いつめる。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていく衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の”原点”に位置づけられる名作、32年越しの改訂が加わった新装完成版。
Posted by ブクログ
折原一さん「異人の館」に続いて2作品目でした。
やはりこの方は叙述トリックに非常に長けていますね(何様だ笑)
読みながら違和感を感じつつ、終盤の解説を読んでスッキリしました。
まさか主人公が最初から狂っていたとは思いませんよね笑
道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」を思い出しました笑
そして最後の解説も面白かったです。
Posted by ブクログ
ストーリーはとても面白いし読みやすく、すいすい一気読みできた。白鳥(本物)と山本の電話のあたりで違和感を感じ、「白鳥は本当に盗作していなくて山本の妄想っぽい流れだな」と気付き始め
この白鳥と永島はおそらく別人物。というところまで推理できたものの
ではどこからが山本の妄想?幻の女の本当の作者は?と少々混乱しながら読み進めた。
結末まで読んでまさかそういう時系列だったか~と驚き。
これは偶然だが、今作の前に読んだ別作者の作品も主人公が実は狂人で妄想混ざってましたオチだったので正直またか…。と読み終わった時の後味が悪くなってしまった。
何年も読んでみたかった作品だけに少しハードルを上げすぎたのか、構成が複雑で難しいしどんでん返しも物足りなく感じた。