【感想・ネタバレ】絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできているのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年02月01日

 この本は面白い。歴史とは化学の歴史であることが大袈裟や出まかせではなく、まさしくその通りであることがよくわかった。

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購入済み

少し中だるみする所もありますが

2021年09月05日

良書だと思います。
中だるみの理由ですが、様々な物質を紹介するため説明が途切れ途切れになりがちな事です。
そのため物語のように引き込まれる文章ではありません。
しかし書名の通り、作られた化学物質で歴史にも影響するスケールの大きさは面白いです。
途切れ途切れの反面、今も日常に溢れる多種多様な物...続きを読む質の説明は為になります。

#タメになる

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

世界史好も化学好きも雑学好きも、そうでなくても、みんな楽しめる。
鉄、ガラス、陶磁器、爆弾、ニホンオオカミetc
いろいろな話題があり
歴史や化学反応などの知識を交えながら紹介される。
ニホンオオカミが神事の生贄のために捕獲されたことも絶滅の一因なんて豆知識がこの本から得られるなんて思いもよらなかっ...続きを読むた。
こういういろんな情報に触れることで、若者(特に我が子ww)の興味関心も広がっていくことを望みます。

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

化学の発展が人類の歴史にどんな影響を与えてきたかが簡潔に説明されている。
似たような本に、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」があるが、こちらは多面的なアプローチが複雑すぎて下巻の途中でギブアップ状態だ。
本書は、化学の成果と歴史の関係をかいつまんで紹介してくれているので理解しやすい。

世界...続きを読む史の話も出てくるが、化学の説明が主なので科学が好きな人にとっては絶好の入門書だと思う。

普段あまり気にしていないことを考えるきっかけにもなった。

例えば、空気に関して、

「密度が異なる酸素と窒素が、高度が違っても同じように混じり合うのはなぜか?」
水と油だと混じり合わなくて、重い水が下で軽い油は上に分かれるではないか。

「空気中の酸素は O でなく O₂、窒素も N でなく N₂ と原子でなく分子なのはなぜか?」

そのようになっているらしいことは、どこかで学んで知っているが、なぜか?と聞かれると答えられない。

最近の何百年でなく何千年も前から、いろんな人がいろんな事を解明して今がある。

ガラスって凄いなと思った。
ガラスは窓に使うにはもってこいなんですね。

・光を通す透明性があり、着色したり不透明にもできる。
・雨風(液体・気体)を通さない。
・酸に強く、溶けたり錆びたりしない。
・数百度まで耐熱性がある。
・電気を通さない。
・傷つきにくく割れにくいものもできている。
・任意の形に変形できる。

ガラスがない時代の窓はどうなっていたのでしょう。
広瀬すずのCMで素材を扱う会社をアピールしているAGCは、社名を旭硝子から変更した板ガラスのトップメーカーで、
窓ガラスで随分と儲けたのでしょうね。
今では、0.05ミリの超薄型ガラスまでできている。
ガラスはビンやコップなどの食器、テレビやスマホの画面用の素材としても、なくてはならない存在だ。

後半では合成染料の話が出てきたが、その発展形として染料から医薬品へという発想に感心した。
染料によっては、ある組織や微生物は染まっても、別の組織や微生物は染まらなかった。
ある染料は、ヒトの細胞にはつかずに、特定の細菌にはくっついた。
もしこの染料が細菌には有害なものだとすると、患者の体を傷つけることなく侵入してきた細菌だけをやっつけることができる。
「アスピリン」もドイツの染料メーカーが開発したものでした。
医学や生物の本で、特定の細胞だけ緑に光る写真があったりするが、そういう染料を見つけて研究に用いているのですね。


土器、石器、青銅器、鉄器、ガラス、セラミックス
染料、合成染料、製薬、抗生物質
麻薬・覚せい剤・煙草 
セルロース、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、レーヨン、プラスチック、セルロイド
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン
DDT、フロン、ニトログリセリン、ダイナマイト、サリン、原爆

人類はいろんなものを作ってきて、それらが今の世の中に溢れている。
悪意を持って作られたものは少なく、大部分が利便性を求めて開発されたものだ。

だが、生活の質を向上させてきた画期的な物質が、深刻な環境破壊を引き起こしている。
今は便利に使っているものが将来有害物質の烙印を押されるかも知れない。

直接的には人体に無害であることは最優先だが、環境破壊を引き起こさないという長期的視点が大切だ。

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

導入部に目新しいものはなく、スタンダードに化学史が展開していて今まで学んできたことを効率よく復習しているような感じだった。
第五章あたりから、既知のトピック、目新しい話題が混在して、ぐっと面白くなったけれど、有機化学は習っていたけれど得意とはいえず、苦手意識が前に出てしまったのが残念。手に取ると厚み...続きを読むのある本なので、ちょっとだけ気後れしたが、いざ読んでみれば読みやすくて良書だと思った。

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Posted by ブクログ 2023年06月19日



ダイヤモンド社
左巻健男 「世界史は化学でできている」

化学史の本。化学が人間の生活を豊かにしたり、病気から守ってくれる反面、麻薬中毒者や戦争被害者を増やし、環境破壊を広げている


ダイナマイト発明者ノーベルや毒ガス兵器研究者ハーバーの「大量破壊兵器があれば、戦争はすぐ終わり、戦死者は 少な...続きを読むくてすむ」という思考がよくわからない


二酸化炭素を排出しない水素エネルギーや鉄鋼製造法、土壌にもどるセラミックスや生分解性プラスチックはもう少し知りたいテーマだった


合成染料技術が医療革命につながったことを初めて知った。日本の有機化学産業や製薬メーカーが 世界から遅れているのは 合成染料技術の差なのか?


















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Posted by ブクログ 2023年02月07日

化学がわかるでなく、興味をもつための一冊。身近なところに溢れている化学を認識できる。

化学を先行していた人に入門書を聞くと、化学同人などを勧められるが、興味を持つがゴールならば最適だと思う。

『銃、病原菌、鉄』といったサイエンス歴史読み物が好きな方にオススメ。または、ブルーバックスでも難しいと感...続きを読むじた人にも。

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Posted by ブクログ 2022年12月05日

タイトルの通りの本といえば、そうなんだけれど、歴史の中で、化学の発見がどのようになされてきたのか。また、反対に、化学の発見がどのように歴史に影響してきたのか、という本。

当たり前のようになっているけれど、今の私たちの生活は、化学の発見によって成り立っているものに囲まれているわけで、それを改めて、感...続きを読むじさせてくれるいい本だった。

一方で、化学の発見の中には、最初は良い面ばかりと思われていたものの悪影響が後からわかることもあるわけで、また、化学が戦争をより恐ろしいものにしてきた面もあり、
そういった化学の両面をわかりやすく、歴史的な事例を通して教えてくれる本だった。

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Posted by ブクログ 2022年10月04日

身近なものの歴史と共にそれを化学で説明していてとても面白かった
最初は化学とは何かなどの基礎から始まり、その後に火や染料についてなどの身近なものの歴史や仕組みが書いてあり、あまり化学に対して詳しくない自分でも楽しく読めることができた。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

技術の発展により使える資源が増えたことで、人類は大きな発展を遂げてきた。ちょっと…かなり行き過ぎて、地球環境を人類の存続不可能な状況に変えてしまいつつあるけど。

人類の歴史を化学の視点から眺められる楽しい本。

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Posted by ブクログ 2022年07月24日

世界史?とはあまり関係ない、化学メインの話。
話自体はおもしろかったので、おすすめ。
絵もほっこりして素敵。

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Posted by ブクログ 2022年04月10日

世界史と化学に関する素養(一般知識)がなければ絶対に「面白く」読めないと思うが、高校生が歴史と科学の双方をいちいち参照しながら各章を学べば良い勉強になりそうである。前半は断定口調(全て事実であるという前提)で次々と話を進めていくのに抵抗感が残るが、後半になってくると自分の見解も織り交ぜながら語るので...続きを読む読み物らしく楽しめた。それにしても正負イオンとは何物なのか、この本を読んでも分からなかった。

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Posted by ブクログ 2022年03月04日

高校化学で習った内容がたくさん出てきた。高校生の時は何でこんなことばかり学ぶのかよくわからずに、ひたすら暗記をしていたがこの本を読んで習ったことが世界の歴史とどんな関わりを持って、自分たちの世界に影響を及ぼしてきたのかがよくわかった。
化学を勉強している高校生が読んだら、化学が身近に感じられ勉強が楽...続きを読むしくなると思う。

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Posted by ブクログ 2022年02月26日

染料、麻薬、繊維、金属、石油製品、化学兵器など化学の成り立ちの本。書名から歴史との絡みを期待してしまうけれども、化学の力で歴史がどう動いたかという内容がメインではないです。
『絶対に面白い化学入門』とサブタイトルにあるとおり、化学の入門としての知識が満載。知ってることも知らなかったことも楽しく読めま...続きを読むした。

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Posted by ブクログ 2022年01月06日

あらゆるモノは原子からできている
今は当たり前だけど、当然古代の人々は何のヒントもないところから実験を繰り返してこのことを証明していく。その道のりを辿るのが面白かった。

もし人類が滅亡するとして、一言だけ後世に残せるとしたら、この言葉を残したい
という発想も面白い。

教科書で知識としてしか知らな...続きを読むかった化学の世界を、歴史と紐付けて考えさせてくれました。

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Posted by ブクログ 2021年12月03日

世界史が、科学の発見と進歩に密接に関係して、歩んできたことが分かった。

歴史の変革に、理由が与えられることで、興味と興奮が味わえる。

タイトル通り、世界史を楽しく読むことができた

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

1〜3章は化学の発展の歴史を追っていくパート。面白い。昔からありそうなモノも意外と1900年代に発明されていて、今後も様々な発見・発明がなされていくのかと思うとちょっとワクワクした。研究者へのリスペクトも増した。
4章からは、化学と人類の歴史の関わりを衣食住・戦・革命などの様々な観点から論じているの...続きを読むだが、内容が散らかっていて中途半端かつ浅い。まずは興味の沸く分野から掻い摘んで見ていき、より詳細にはそれぞれのテーマを別の個別の本で読んだ方がいいと思う。
本自体はボリュームがあり、広く知識が詰め込まれているので値段の割にお得感はある。

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Posted by ブクログ 2023年10月15日

教科書に出てくるような内容なんだけど
切り口が違うせいか面白く読める
難しくて専門すぎたりするとアウトですが笑
土器や合金などはこうやって作ってたのかっ?!と感心したりしてました(^.^)

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Posted by ブクログ 2023年04月22日

歴史をそのまま書いてもWikipediaとあまり差がないのではと思ってしまう。
めちゃくちゃ分かりやすく教えてくれるのか、あるいはユーモアに溢れてるかでないと本を買って読む意味があまり

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Posted by ブクログ 2023年03月30日

化学系の読み物というよりは歴史上の化学に関連する雑学といった感じで面白く読めたが、さらっとしててあまり記憶に残らなかった。ただ、これまでの科学の発展は間違いなく化学が中心であったと思い知らされた。

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Posted by ブクログ 2023年02月02日

世界史の流れの中で大きな役割を担ってきた化学をうまいこと書かれている。最初はなんとなく抽象的な話?読みにくい、と感じたが、近代に進むにつれてへ〜と感じることがでてきて面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年09月16日

化学史に注目して古代ローマ以前と近代以降を比較するのは面白かった。中世の停滞していた化学観についてもっと具体的な話があると期待していたがそれは叶わなかった。

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Posted by ブクログ 2022年08月18日

想像していた内容とはちょっと違ったけど、読みやすかった。
第5章の最後「世間の注目を集めた嘆願書」が面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年04月29日

初心者向けとしては知りたい所が省略されており、全くの化学初心者にとっては中途半端な内容となっている。

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

化学という学問の進歩と、その成果が与えた影響の光と闇を、世界史に絡めて紹介していく本。

特に印象に残ったのはカレーライスの話で、ジャガイモは(ヨーロッパに持ち込むことで)飢饉から人々を救い、米(稲)は農業の発展を促し、牛や豚は品種改良で人類に好ましい形質となった。どの材料も人の手が介入して作られて...続きを読むおり、科学と歴史に密接な関係にある料理なのだ。

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Posted by ブクログ 2022年03月04日

感想は3つ。
タイトルが中身と合ってないと感じました。
貴ガスではなく希ガスだと思います。
中身はすごく勉強になりましたが、世界史の知識が必須です。

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Posted by ブクログ 2022年03月03日

Dr.STONEが好きなので、かなりものづくりの部分で重なるところがあり、とても面白かったし勉強になった。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

化学の進歩を通してみる世界史。この世の中のものは、何かしらの物質でできていて、それらのことを化学的見地でみることの面白さ。化学がどのように歴史に作用したか、光と影、両面から知る事ができる。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

物質を取り扱い、精製、生成する技術が、世界の歴史の中で大きな役割をもっていたことを理解させていただける本でした。錬金術を呼ばれる主に金属を精製する技術やその過程で生まれた物質が世界を動かす原動力になり、ダイナマイト、核分裂などに代表されるように戦争など争いごとの火種にもなっていたのは残念ではあるが、...続きを読む地球温暖化、プラスチック問題等の社会問題も化学の力を借りなければ解決できないことも多く、考えさせられる一冊でした。

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Posted by ブクログ 2022年02月16日

化学に興味を持つのにはとても良い内容だと思った。

前半は化学色が強かったが後半は世界史がメインでそこに化学が関わっていますという流れになっていて、
自分はそもそも化学が好きで世界史は苦手なので、
世界史の記憶がなさすぎて途中、うっ…と辛くなったこともあったが、
今ある化学はこのように発展してきたの...続きを読むだという歴史を知ることができて面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年01月30日

化学は高校時代好きな科目でした、有機化学に興味を持ちましたが、高校での授業が受験間近だったため全くの未消化で受験に臨んだのが心残りでした。運よくというか、もう一年勉強することになり、浪人時代には時間をかけて楽しく有機化学を勉強したことを懐かしく思っています。

そんな化学好きの私が本屋で偶然出会った...続きを読むのがこの本でした、歴史も好きな私は手に取った瞬間に読みたくなりました。この本には、化学の発展が人間をいかに幸福にし、時には戦争の道具にも使われて残念な結果を生み出したこともありましたが、それを考慮しても化学の進歩のおかげで私たちの今の暮らしがあることが書かれています。

知識をどう使うかはその人の思い次第です。特定の人達だけで独占するのではなく、多くの人に安く便利な技術が開発されて使用されて欲しいものですね。

以下は気になったポイントです。

・化学は「物質(化学物質)を対象とした自然科学の一分野」で、物資の、性質・構造・化学反応の三つを研究しており、それぞれが関係しあっている(p4)

・ラボアジェは、燃焼するときに燃える物質と気体Aが結びついて新しい物質ができると考えた、その気体Aに、当初「生命の空気」その後「酸素」という名前をつけた。酸を作るものという意味のギリシア語から酸素という名前にした。のちに酸の素は水素であり、酸素は酸の元ではいことが判明する(p99)

・有史以来の木(薪)や木炭から石炭への転換は、第一次エネルギー革命と呼ばれる、石炭は燃やすと大気汚染の原因となる窒素酸化物、硫黄酸化物ができるので、石炭を蒸し焼きにしたコークスが使われるようになった(p103)

・照明用の鯨の油、獣脂、密ロウから作った蝋燭が使われていたが、安価なガス照明でイギリスの産業界は夜間の労働力が確保できた、日本では1872年に最初のガス灯が灯った、しかし強力なライバル=電力が台頭すると、電力による白熱灯とモーターの時代になったが、ガスは燃料用として残った、石炭ガスから天然ガスに変わった(p104)

・燃料電池車は、燃料電池のコストだけでなく水素は液体しにくいので水素の積載量が課題になる、水から作るときに大きなエネルギーが必要で、その時太陽光や風力、原子力を用いない限り結果的に二酸化炭素の排出量が多くなる(p106)

・ローマの滅亡とともに上水道は大部分が破壊され、上水道も下水道も中世末期までの長い間暗黒の状態を続けた、トイレも姿を消した。当時のキリスト教の教えでは、いかなる肉欲もできる限り制すべきと、肉体を晒す入浴は罪深いとなり、公衆浴場、自家風呂は消え失せ、衛生観念が無視された(p113)日本では水を処理してポンプによって送水をする近代水道が始まったのは、1887年から、10月に横浜でかいし、その後に、函館・長崎・大阪・東京・神戸と給水が開始された。(p119)

・長い歴史の中で人類に栽培されたイネは、野生のイネの特徴を失った。花が咲くとすぐに自分の花粉が「めしべ」につく自家受粉によって受精し、見ができるようになった。私たちが、そのような突然変異体を選び出して育ててきたからだ。こうして全て同じ性質を持ったイネになり、栽培しやすくなったが、その分弱くなった(p131)小麦、大麦も基本的には同様である(p132)

・ジャガイモは18世紀以降のヨーロッパの人口増大に貢献した、日本へは16世紀末の戦国時代にジャワ(ジャガタラ)からきたオランダ人によって伝えられ、これが名前の由来になる。広く栽培されるようになったのは明治時代以降、ジャガイモは肉類と一緒に食べると美味しさが出る、そのためサツマイモと異なり、肉食が普及する明治時代まで時間を必要とした(p136)

・加熱をすれば雑菌、寄生虫は死滅するので多くの場合、より安全に食べられるようになる。食材の加熱調理により、柔らかくて食べやすくなり、消化・吸収しやすくなる。味や香りが良くなり「おいしく」なる。肉の主成分は、水とタンパク質と脂肪だが、タンパク質は分子が大きく、そのままでは味を感じることはないが、分解されたアミノ酸は「旨味」として感じることができる(p145)

て変わった、アフリカの奴隷との交換品は、布地・貝殻・水差しなど多岐にわたっていた、最も貴重なのは布地だったが、蒸留酒(ワインを蒸留したブランデー)も人気があった(p161)

・セラミックとして包丁に使われるものは、ジルコニア(酸化ジルコニウム)を原料とし、硬くて頑丈で粘りのある性質を利用している、切れ味も長持ちして食べ物の匂いが移りにくい(p180)

・1991年に東大寺境内から世界最大級の溶解炉が発見された、752年には東大寺大仏の鋳造完成後の補修が終わり、金メッキ作業が開始された、この時、銅500トン、水銀2.5トン、金438キロが使用されたと記録が残っている(p206)

・鉄鉱石ならコークスによって鉄と酸素の結びつきから酸素を外すことができるが、アルミナはコークスではびくともしない。1825年にデンマークの物理学者ハンス、1827年には科学者フリードリッヒがアルミニウムよりもイオン化傾向が大きく、酸素と強く結びつくカリウムを使って純粋なアルミニウムを取り出すことに成功した(p220)

・コロンブスは大航海で見つけたエスパニョーラ島(ハイチ島)をジパングと断定した、島民が金の産地を「シバオ」と発音したのが誤解のもと(p237)

・イギリスが覇権国になった時には、貿易品のメインはインドの綿織物、中国の茶に移っており、香辛料の重要性は低下していった。19世紀中頃、冷凍技術が開発され、その発展によって香辛料の重要性は低下していった(p240)

・紀元前3600年頃のエジプトの法律によれば、金と銀の価値は、1:2.5であり銀の方が金よりも高価なので、わざわざ金に銀メッキを施した装飾品も存在している。その後に鉱石から銀を取り出す技術の向上に伴い、銀鉱石からの生産が増加して、銀の価値は金に比べて低いものとなった(p247)1503年から1660年までに約、1万5000トンの銀がスペインに流れ(それまでの6−7倍)欧州での銀価は下落、そして物価は3−4倍に高騰しスペインの賃金は欧州で最も高くなり、毛織物などの製品は国際市場での競争力を失った。価格革命は金額の固定した地代収入に依存していた封建貴族層の地位低下、農民の地位向上=農奴解放となった(p249)

・1828年、ドイツの化学者ウェーラーは、無機物のシアン酸アンモニウムを加熱して、有機物の尿素を人工的に作り出すことに成功した、これは画期的なことであり、その事実は当時の化学者に衝撃を与えた(p258)

・1860年以降、世界の染料工業を先導したのはドイツの3つの会社、バーデン・アニリン&ソーダ製造所(BASF)、ヘキスト、バイエル。1900年には染料市場の90%を占めた(p265)

・耐性菌を生む一つの原因は抗生物質の多用である、抗生物質はウィルスには効かないので、風邪には明らかに細菌感染が疑われるときのみ処方すべき(p278)

・歴史上に現れる麻薬は、天然の植物から採るものであり、ケシ・コカ・大麻の3種類の植物が知られている。ケシからは、アヘン・モルヒネ・ヘロインがつくられる。(p284)

・コーヒーや茶を輸入したのはイギリスとオランダの東インド会社である、イギリスはコーヒーを早くから扱っていたが、1730年代になると飛躍的に茶が増えてコーヒーは減った。オランダとのコーヒー輸入競争に負けたから、そのため中国からの茶の輸入が増えた、当時の茶の供給源は中国のみであった、輸入するために銀貨を支払った。1775ー1783年までのアメリカ独立革命における敗北でイギリスの財政は苦しくなり銀の保有が不足し始める。東インド会社がインドのベンガル地方でのケシ栽培の独占権を持っていたので、アヘンを清国に密輸することを画策した(p287)

・イギリスの国王(ジェームズいっせい、チャールズ一世)もタバコの専売を強化し、しばしば喫煙を取り締まった、こうした国王とタバコの取り締まりに反対した議会、議会を支持する国民との対立はエスカレートして、ついには1614年から始まるピューリタン革命へと発展し、これにより喫煙は自由うになり、一気に国民の間に広まった(p304)

・ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸から合成した、ナイロン66が生まれた、この工業化へ向けて、デュポン社の総力を結集して開発研究が進められた(p310)日本において、ナイロンの登場、特にストッキングがナイロン製に代わったことにより、カイコをカイコを飼って暮らしてきた200万人の農家・生糸産業にとって衝撃となった(p311)

・歴史的に重要だった天然繊維は、亜麻(麻の一種)、綿、絹、羊毛の4種類である。(p315)羊毛の主な産地が、オーストラリア、アメリカ、アルゼンチンになったのは、新大陸の開拓にはまず羊が持ち込まれたから。毛織物はイギリスエリザベス一世において保護されたが、産業革命の花形である「綿」に主役を奪われた(p318)

・1872年ドイツの化学者バイヤーは、フェノールとホルムアルデヒドの反応より樹脂状の物質を得ていた、30年後の1902年、ベークランドは写真用印画紙を発明して、1899年にコダックに75万ドルで売却すると、その資金を元にアメリカに研究所を設立した。熱硬化性プラスチックの特許を取得したのは1909年、1910年にゼネラルベークライト社を作って工業化を開始した。これをきっかけに新しいプラスチックが研究されるようになった、生産量が多い順に、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニル・ポリスチレンとなり4大プラスチックと呼ばれている(p324)

・2017年時点で、年間2億1900万人がマラリアに感染し、約43万人が死亡している(p337)

・素焼きの壺に入れた液体の水は冷たくなる、これは壺から滲み出た水が蒸発するときに周りから気化熱を奪うから(p339)

・オゾン層は原始地球の時代からあったのではない、原始地球の大気は主に二酸化炭素で、他には水蒸気や窒素であった。光合成をして二酸化炭素を吸収し酸素を放出するラン藻などの生物の登場によって酸素が増えていった。その酸素をもとに、太陽光の紫外線の働きでオゾンが作られた。(p344)

・ギリシア火の成分は、ナフサ、硫黄や硝石、松ヤニ、アスファルト、ピッチという説がある、ナフサならば現在の火炎放射器・ナパーム弾の仲間、後者ならば火薬である。14世紀前半に火薬の実用化が始まるまでは、「ギリシアの火」はビザンツ帝国のみが持つ秘密の武器として恐れられた(p350)

・中国の金王朝は、鉄製の容器に火薬(硝石・硫黄・木炭)を詰めて点火して投石器で1232年に攻めてきたモンゴル軍を撃退した、これ以降モンゴルは黒色火薬を用いることになった。イスラム世界を経て、13世紀に西欧に伝わると、黒色火薬は大砲・鉄砲に使用される。1381年に鉄砲が南ドイツで出現、実用化は15世紀後半、16世紀には普及した。戦場における戦い方が変化したことで、騎士階級の没落を促した。騎士の騎馬戦術が意味をなさなくなり、戦闘の主力は鉄砲で武装した歩兵集団に移っていった(p352)

・ノーベルの遺言、物理学・化学・生理学または医学・文学・国家間の友好、軍隊の廃止、平和会議の推進をしたものに賞の形で分配することとした。物理・化学賞は、スウェーデン科学アカデミー、生理学・医学省は、ストックホルムのカロリンスカ研究所、文学賞は、ストックホルムのアカデミー、平和賞は、ノルウェー国会が選出する五人の委員会によって与えられる。1901年から授与が始まり、1969ねんに経済学賞が新設された(p357)

2022年1月30日作成

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ネタバレ

タイトルの『史』は不要では?

2021年09月05日

身の回りのモノについて簡単な語り口でまとめてあるので、化学の入門や学び直しのとっかかりとしてはいい本だと思います。
ただタイトルで『世界史』と謳っていますが、内容はほぼ『化学史』です。
章立ても物質ごとにまとまっているため、時代の前後の行き来が普通にあるので、
通史でまとめた方が歴史モノとする...続きを読むにはよかったのではないかと思います。

また化学がメインテーマなので、熱力学や電磁気などの物理学の要素は一切でてきません。

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