【感想・ネタバレ】全身翻訳家のレビュー

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Posted by ブクログ

トピックはバラエティに富んでいて、文章は回りくどくなく、オチもあったりしてすごく良い。
わざとらしさのない、好きな感じの文章。

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2019年01月29日

Posted by ブクログ

大変楽しく読ませていただきました。
言葉や発音についても考えさせられる。
言葉が発生するところが見られるという点で、子どもが欲しいなあと思った。

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2013年01月07日

Posted by ブクログ

「やみくも」を全面組み替え、加筆訂正、そして新しいものをプラス。
ということで、「やみくも」を買った人でも、損はなし。

翻訳や言葉についてのあれこれを真摯に突き詰めるかと思うと、日常で出合った出来事にプチあっと驚く結末?があったり、思わぬ切り口での考察で「そうなのか」と発見させられたり、かと思うとちょっとしんみりしてみたり。
どのエッセイも中身がギュッと詰まって、「いずれの地もそれぞれ」に楽しい。

青山南さんといい岸本佐知子さんといい鴻巣さんといい、翻訳家の人はエッセイの巧い人が多い、と思う。
言葉とじっくり向き合っているせいなのか、独りであれこれ考えることが習慣になっているせいか。
鴻巣さんの場合は、発想のユニークさというよりも、言葉へのこだわり豊富さが、面白さを生んでいるようである。
「翻訳というのは、ひとことで言うと、〈解釈〉のことだ。」(P208)とするならば、鴻巣さんは世界をこういうふうに解釈しているのね、ということでもある。

しかしやっぱり、久世光彦の項が出色の出来、と思う。
「面白うてやがてかなしき」が、小説やエッセイの一つの理想だと思っているのだけれど、この久世さんの項がそれ。久世作品を喩えて、リキュールボンボンとは、なんとも見事。やっぱりこの項が一番好きだな。

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2011年08月15日

Posted by ブクログ

『明治大正翻訳ワンダーランド』を読んで以来。
さすがだなあ、と思う。

翻訳者のエッセイなら、先ごろ岸本佐知子さんの作品を読んだ。
あれもとても面白かった。
岸本さんのサービス精神と、稀有のキャラクターのなせる文章だった。

こちらは、エッセイから伝わる著者の生活ぶりもすてきだが、翻訳者としての苦心や気配りなどが、より突っ込んで書かれている部分が印象に残る。

『風と共に去りぬ』の、「明日は明日の風が吹く」という名訳。
これは誰のものなのか。いつから流布したのか。
「スカーレットと江戸ことば」はこの事情を明らかにしていて、とても面白かった。

阿部知次の昭和十一年の抄訳にはじまり、数々の訳を見てもそれらしきものではない。
どうやら菊田一夫が舞台にかけたところがはじまりらしく、その舞台に立ってきた黒柳徹子の証言を得る。
それが、江戸っ子の流行りことばだった、とは。
こういう、深く深く、一つの言葉、表現にも意識を向けていくところが流石だ。

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2020年12月27日

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 この本で初めて、鴻巣さんのことを知りました。今まで意識して読んだ、外国小説の翻訳者は、村上春樹さんを筆頭にみな男性でした。別に、男女は関係ないかも知れませんが、もしかしたら何か違いがあるのか知らん、とも考えます。今度、鴻巣訳の小説を何か読んでみたいです。

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2013年06月11日

Posted by ブクログ

この方の文章、かなり好きです。
日常の描き方、言葉や文章の考察などおもしろく読んだ。

外国文学にほとんど触れてこなかったことが悔やまれる。

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2012年06月13日

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翻訳や日常にまつわるエッセイ。

表現がとても豊か。話の流れも上手い。

私もこんな文章が書けるようになりたい。

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2012年02月20日

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ネタバレ

言葉を生業にしている親近感もあり、翻訳家や通訳のひとの話はおもしろい。書評もよくかいているが、そのセンスもわりと好き。彼女はちょっと上の世代で子育てもする人なので、共感のポイントはさらに多くなる。あちこちの媒体に書いたエッセイを集めたものなので、長短も話題・文体もバラバラながら、それもまた最後まで飽きさせないリズムと思えてくる。「言葉が気になる」の章はもちろん、「道草を食う」と章立てされたちょっと不思議な、非日常にくらっとするような文章もおもしろいもの揃い。ホストファミリーとして出会ったアフガニスタンの若い女性の話、掉尾を飾る久世光彦さんとのエピソードなどはしんみり。

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2011年09月08日

Posted by ブクログ

クッツェー『恥辱』を翻訳された鴻巣さんのエッセイ本。見慣れた世界名作文学の『嵐が丘』、『傲慢と偏見』、『ぼくを探しに』(シルヴァスタイン)、『風と共に去りぬ』、そこにいきなり『ロングテール』(クリス・アンダーソン)などなど、かつて読んだ本、見覚えのあるタイトルがぞろぞろ出てきて、そばで話を聞いているようなワクワクとした親近感が沸く。海外文学だけでなく、近代日本文学、文学者たちの翻訳の歴史まで追究して迷宮の森に入り込むようだ。
どう翻訳しようか著者が思い悩む英単語の例には難しい単語はなく、特に英語が身近ではない人にも分かりやすく読めるだろう。翻訳の話題だけではなく、意外と料理の話も多く、しかもかなり本格的でそそられる。スキーからカヌーの冒険、酒飲みの憂鬱から、ちょっぴりせつない娘との対話、悩ましい女心まで解き明かす。

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2011年08月18日

Posted by ブクログ

翻訳家という生き方。

翻訳について、子どもについて、生活について、昔について。その職業を選んだ流れみたいなのが見えるエッセイが面白い。また翻訳の歴史が見える話も興味深い。「スカーレットと江戸ことば」あの明日は明日の風が吹くと訳したのは誰かについて。歴史を辿っていく謎解きが、個人の歴史と重なり合うところが素晴らしかった。

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2021年07月25日

Posted by ブクログ

くすっと笑える、文章のうまいエッセイが並ぶ。
同じ言葉をたくさん言い換えられたら、もっと表現の幅が広がりそう。
「レトリカ  言葉百科」を読み返したくなった。

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2012年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2007年12月に筑摩書房から出版され、好評を博していたた『やみくも -翻訳家、穴に落ちる』を親本に、新たに執筆されたエッセイなどを多数集めて、今回文庫化された。

文庫新版にあたって収録されたエッセイには、翻訳家として世に出るまでの生い立ちや最新の仕事事情までが歯切れのいい文章で綴られている。
作を購入された鴻巣ファンの方にとっても、新鮮な内容がたくさん含まれているので損せぬ内容となっているのでは。

最初に収録されている4編は、たまたまこの本と前後して読んだ「本の寄り道」に収録されている4編だったので、始めはあれと思ったのだが、残りは未読のもの。著者がお得意とする読書にまつわる感想も交えながらのエッセイだ。



それにしても、なんとも不思議体験の多いことよと思わされる。世の中を鋭く観察しながら生きている物書きにはよくあることなのかもしれないが、、、

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2011年12月21日

Posted by ブクログ

おもしろい話もあったけど、多くは何だか小難しくて、自分にはおもしろいと思えなかった。こちらの知識が不足し過ぎていたのかもしれない。

あえて一つ例を挙げてみると、「絆創膏」を辞書を引かないと読めない様な(自分みたいな)人は、何言ってるのかよくわかんない話も多いと思います。

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2011年12月13日

Posted by ブクログ

「翻訳」に興味があるので手に取りました。一編5〜6ページのエッセイがおよそ50本、テーマの共通性で5つのパートに分けて並べられている。どこからでも読める。どれを読んでもかなり面白い。

さりげない日常の話から書き始め、「なになに、それでどうなったの?」と身を乗り出した読者を、文学ワンダーランドで楽しませてくれる。ユーモアもあればオチもある。この人、なかなかのエッセイストであり書評家のようです。ついでにいえば、酒飲みでもあり、「元」がつくけどスキーヤーでありカヌーイストでもあります。

ひとつメモしておきます。「デジタルの力というのは、忘却という人間に残された最後の安らぎ、最後の赦しを奪おうとしているのか?」(p.62)という一節に傍線を引きました。なるほど、確かにそういう面はありますね。

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2011年11月08日

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