【感想・ネタバレ】フォックス家の殺人〔新訳版〕のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

『災厄の町』のライツヴィルという町に、
大戦の英雄が帰ってくる!というところからストーリーは始まる。彼、ディヴィーも、迎える家族同様に過去に受けた心の傷のため、今も心を病んでいる。
そのためにほじくり返そうという過去の殺人事件が今回の大きな軸。
ほじくり返されたら、出てくるのは悲しい真実の他にも沢山あった…
登場人物に向けられるエラリー・クイーンの一種、冷ややかな視線など結構楽しみながら読むことができ、最後の最後まで真犯人はわからない…ということなど充分に満足出来る一冊だった。

0
2022年08月17日

Posted by ブクログ

 一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーンだが、戦局が激しくなってきて、改めて「人が人を殺すとはどういうことか」をきちんと示したかったのかな…と思わせる冒頭。
 後半でも、ナチスの強制収容所の話が出てくるが、それ以外はいつもの謎解きエンタメ性バッチリ。ドラマツルギー的にだいたいこういう筋書きだろうなあとは予想ができるものの、どうやってその結論にたどりつけるのかはさっぱりわからなかった。そこへ、エラリーの推理でピシッパシっとパズルのピースが埋まっていく快感はやっぱりたまりません。

 私は今『ダブル・ダブル』の新訳発売に向けて、先延ばしにしていた未読のライツヴィルシリーズを今こそ読まなきゃ〜と焦っているところ。それでも、唯一読んでいたが忘れかかっていた『災厄の家』を読み直してから臨んで良かった。懐かしい面々がたくさん登場するので、エラリーと一緒にライツヴィルに戻ってきたかのような気持ちになれます。デイキン署長、マーティン判事はもちろん、エミリーン・デュプレさえ愛おしくなる不思議。
 ニューヨーク組のパパ・リチャードとヴェリー部長刑事も、出番はほんのちょっとながらいい感じで出演してくれるのも嬉しい。巻末解説に「裏ベスト」なんて言葉もあったけれど、確かに確かに、エラリー初心者には響かずとも、エラリー作品に愛着のある読者にとってはかなり満足度の高い一作なのでは。好き。

0
2022年08月16日

Posted by ブクログ

12年前の事件を再捜査するクイーン。
論理パズルと回想・記憶って噛み合うのだろうかと思っていたけど、さすがに上手いねぇ。ライツヴィルシリーズの中では好みの作品だ。

0
2023年10月14日

Posted by ブクログ

エラリー・クイーンの作品は結構読んてきたが中でも読みやすい一冊てした。
割と最後まで、犯人が絞り込めず先が見えなかったがちょっと推理できる展開ではなかったかも。手がかりがすくないし、トラップが多い。人の親としては結構考えさせられる最後。親の愛は偉大。

0
2022年07月11日

Posted by ブクログ

戦争で心を病んだフォックス大尉。父が母を毒殺したという過去が彼の心理に関わっていると思われ、父の無実を証明することが彼を救う手段になるのではないか、ということで相談されたエラリイ。十二年前の事件の細部を繙き、真実を明らかにしようとするミステリ。
描かれる事件は十二年前に起こった、一見単純に見える毒殺事件のみ。ということでミステリとしては地味なんじゃないか、読み進むための求心力があるのだろうか、などと思ってしまいましたが。それは杞憂でした。フォックス大尉とその妻の苦しみ、事件が町に落とした波紋、ライツヴィルという町の雰囲気、といった物語性が魅力的。そして丁寧に過去の細部を検証していく中で起こった変事とそこから導かれる事件解決への光明、と惹きつけられる要素は充分でした。
ベイヤードが犯人ではない、ってのはもう確実なんだろうなーと思いながら読んでいましたが(笑)。しかし真相が何だったのか。ほんっと最後の最後まで読めなかった。そしてこれが最適の解決だったのですね。

0
2021年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トリックそのものは小ぶりだが、薬屋の台帳や水差しに残った跡から見せる推理は鮮やかで、らしい。そして、「ヨードチンキ」ならぬ、アスピリンの謎が、最後に悲劇的な真相を導くのにはニヤリ。

0
2021年03月22日

Posted by ブクログ

ベイヤード・フォックスの息子デイヴィーと、
タルボット・フォックスの養女リンダ
夫婦の心配事をエラリイは解決できるか?

情報を集めて集めて……集まってきた情報も加えて解きほぐす。
フォックス家はどうなるのか??

0
2021年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一時、離れていました。

久しぶりのクイーンです。
新訳という事で思った以上に読みやすかったです。

肝心の本編も面白かった!
12年前の殺人の再調査。聞いただけでもワクワクするじゃありませんか?

過去を振り返りながら調査を進めるエラリィ。

楽しませて頂きました。
面白かった‼️

0
2021年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

屋根裏探索のあたりから犯人が分かったんだけど、
これってある意味Yの悲劇。いや、まあ、しかも本人はそのつもりないから(そのつもりというのは純粋なる悪ではなく、本当にそんなつもりはないという意味の)全然ちがうんだけどね。

言うならば、救いのあるYの悲劇。

レーンはあの顛末を敢えて見過ごし、エラリイはあの悲劇を優しい嘘をつくことで見過ごした。

デイヴィーの記憶の底には自分のやらかしが潜在的に存在してて、父親の罪の問題ではなく、自身の罪の問題の発現だったとしたらめちゃくちゃ怖いし、冒頭のあれは暗示的ではある。

0
2023年05月15日

「小説」ランキング